関東大学対抗戦 試合結果
2008/11/01
(Kick off 14:00)
早大A | 帝京大 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
7 | 7 | - | 8 | 18 | |||
0 | 10 |
T | G | PG | DG | PT | T | G | PG | DG | PT | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 1 | 0 | 0 | 前 | 1 | 0 | 1 | 0 | ||
0 | 0 | 0 | 0 | 後 | 1 | 1 | 1 | |||
1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 計 | 2 | 1 | 2 | 0 | 0 |
T:トライ G:ゴール PG:ペナルティゴール DG:ドロップゴール PT:ペナルティトライ
レフリー |
---|
岸川 剛之 |
タッチジャッジ |
谷口 弘 山本 哲士 金崎 智明 |
対帝京大 ついに訪れた「そのとき」…
2008/11/02
2008年11月1日、15時35分。ついに「そのとき」が訪れた。高らかに勝ち鬨をあげる帝京、秩父宮を包む異様な雰囲気。永遠に勝ち続けるなんてありえない、いつか負ける日が来るだろうと分かってはいたけれど…。前人未到・全勝での7連覇、引き分けを挟まない記録としてはブッちぎりの53連勝(それまでの記録はワセダの26、引き分けを挟むと60)。足掛け8年積み重ねてきたものが崩れた瞬間。宿敵を倒し、笑顔で「佑ちゃん」が宙を舞ったそのお隣で、赤黒戦士は力なく天を仰いだ。
記録が止まるときとはこういうものか。この日のゲームは、もう何もかもが完敗。「フワっとした入り」から危険な香りが漂い、中盤からリードを許し、最後はチームとしての統一感を失った。最初の数本のスクラムは悪くはない。しかし、敵陣ゴール前でのスクラム選択でターンオーバーを喰らうと、その後は崩壊の一歩手前。ハイリスク・ハイリターンを掲げ、ボールを動かしにいこうにも、ブレイクダウンに猛スピードで突っ込んでくる相手に煽られる。外でポイントができたときほどターンオーバー。カウンターも潰されまくる。モールもあっさり崩される。そしてタックルでは踏み込む強さと気概なし。焦点を絞りきり、シンプルで、ダイナミックで、意志のかよった帝京と、何となく、すべて普通に戦った活力なきワセダ。「すべてにおいて帝京さんの方が強かった。ワセダがやろうとしたことができず、帝京さんには予想通りのことをされて負けてしまった。今日はワセダが負けるときのパターン…」(中竹監督)。17分、そこいかれるのだけはマズイというFWど真ん中を割られて0-5。33分、PGで0-8。40分、自陣ゴール前でのターンオーバーからWTB中濱寛造が80メートルを走りきり7-8。最悪の流れもスコア的には無問題。この最後の一発で流れが変わると思いきや…。
頭を切り替え、戦い方を修正する10分間のブレイクを経ても、戦況に変化はなし。キックをうまく使えず、果敢な?アタックも潰され、自陣に釘付け。一向に減らないどころか、ここぞの場面で飛び出すミス。7-8の一点差、7-11の1トライ逆転圏内で大きなビハインドを背負っているかのような焦燥感。そして再び真ん中をえぐられ、7-18になった後は…。グッドプレヤーの条件・スピードも、流れも、変えられる人間は、最後までいなかった。勝つのが当たり前、セーフティーリードが当たり前、真に追い込まれた経験なし。未体験ゾーンとも言える状況で、ワセダは脆さを露呈した。
連勝街道を驀進、半永久的に勝ち続けるとさえ思えた頃、ふと清宮監督が呟いたことがある。「今はこうして勝っているけど、いつか連勝が止まるときが来るんだよなぁ…」。その「いつか」がここで来た。この日の展開が未体験なら、シーズン途中で敗北を喫するのは、過去8年誰も経験した事のない一大事? ワセダの90年は、イコール挑戦の連続。この日はまったくだったけれど…、土壇場でこそ力を発揮するのがワセダの伝統。ここが大学ラグビーの一大転換点になるのか、『豊田組』のキッカケ・単なる一敗になるかは、これからの歩み次第。「まだ今日で終りではないですし、何度でも立ち上がって、何度でも這い上がって、喰らいついていきます。今日の負けでチームが変わるというよりは、自分たちの原点に戻るしかない。とにかくワセダの原点です」(主将・豊田将万)。シーズンは続いていく。ワセダのすべて・『荒ぶる』だけは、簡単には手放せない―
<連勝ストップの代償… 逆境からの進化を誓う中竹監督>
「今日のゲームは『Dynamic Challenge』、ハイリスク・ハイリターンをテーマにして、キックオフから色々なチャレンジをしようと思っていた。そこは帝京さんが取ってくるであろうローリスクとの勝負。けど、今日は完敗。すべてにおいて帝京さんの方が強かった。ワセダがやろうとしたことができず、帝京さんには予想通りのことをされて負けてしまった。今日は学びのゲーム。この経験は次に生かしていかないといけない。スクラムを安定させて、ブレイクダウンでテンポよくボールを出す、カウンターは蹴らずに行く。そう考えていたけれど、向こうのブレイクダウンが強く、激しくて、負けてしまった。相手が強かったということもあるし、うちは元気がなく、乗っていないようにも感じた。(後半PGを選択する気はなかったかの問いに)そこは選手たちの判断だけれど、まったくその選択は頭になかった。トライを取りたいと。連勝が途絶えてしまったことに関しては…、清宮さんに謝らないといけないですね…。OBの方々にも申し訳ないですと。今日はワセダが負けるときのパターン。ただ、これをうまく乗り越えていければ、いいチームになっていけると思う。まだこれで終りではないし、連勝を止めてしまったその大きな代償以上に、成果をだしていきたい。現場の人間は誰も連勝のことは頭になかったですから。次の日体大は、慶應、明治という強豪を倒してきているチームだけれど、まず考えるのは、ワセダとして残りのプロセスをどうするのか。力を出せないのはなぜか、どうすればいいのかを、しっかり見つめ、考えていく。これで本当の逆境が来た。学生たちもショックを受けていたり、次に目が向いていたり、それぞれ色々な思いがあると思うけれど、前向きにもっていければと思います。またすぐに試合が来るけれど、1個1個課題を潰していけるし、成長が見えるし、試合が続いていった方がいい。この試合からいかに次に進むか。これからが勝負です」
<素直に完敗… 前を見て原点への立ち返りを口にする主将・豊田将万>
「もう完敗です。これで1回スッキリして、またやり直したいと思います。相手のプレッシャーは想像以上ということはなかったですけど、うちのミスと入りがフワッとしたところが重なって、取れるところで取れず、フラストレーションが溜まり、またミスを重ねて…、自滅という感じでした。フワっとしてるように感じたのは、ミスをしたときに暗くなっていたところ。いつもは気にしないというか、倍にして取り返してやれとかみんなから声が出るんですけど、今日はナーバスになってしまっていたように感じました。スクラムに関しては、プレッシャーを受けてしまったということは、帝京さんが強かったということだと思います。サントリー相手にもいいスクラムを組んでいたようですし。自分としても、チームとしても、いつも勝っているのが当たり前で、たしかに今日は未体験の展開という感じでしたけれど、今年のチームには逆境が何度もありましたし、点差があっても慌てることなく、取り返せると思っていました。ただ、それでも負けてしまうということは力がないということです。あれだけキックが多くて、こちらの処理がうまくいかず、自陣でミス、その繰り返しでした。ワセダのやりたいことが一切できず、あれだけミスを繰り返してしまったらどうしょうもないです。そういう展開にしてしまったFWが悪いです。ワセダが負けるときはこういう試合だと、今日改めて身に沁みました。激しさがテーマでしたけれど、それを出す機会もありませんでした。帝京さんもそこには拘ってましたし、セットが安定せず、BKを前でアタックさせてあげられなかったのは、申し訳なかったです。僕たちはディフェンスのチーム。ディフェンスとセットで勝つと決めたので、今一度そこに立ち返る。まだ今日で終りではないですし、何度でも立ち上がって、何度でも這い上がって、喰らいついていきます。若いBKには思い切ってプレーさせてあげられなくて、本当に申しわけなかった。みんな一生懸命やってくれているし、FWが迷惑を掛けてしまっている。もっとノビノビやらせてあげられるようにしたい。今日の負けでチームが変わるというよりは、自分たちの原点に戻るしかない。とにかくワセダの原点。今更どうこうというのはないです」
<スクラム完敗… 改めてその重責を痛感する副将・瀧澤直>
「今日負けたのはスクラムのせい…。他のメンバー、BKには申し訳ないです。スクラムはもう僕がプレッシャーを受けたというだけ。ブレイクダウンに関しては、特に外に行ったときにターンオーバーされてしまいました。外に振ったとき、カウンターに行ったとき。ただ、それもFWが戻らない、走っていないのが要因だったと思います。今はまだ終ったばかりでアレですけど、もっとチャレンジャーになっていくしかないです。スクラムはやっぱり1番側。それがすべてです。1番側がしっかりすれば、ボールは出るわけですから」
<ブレイクダウン完敗… うまさの必要性を訴えるフランカー上田一貴>
「気分はよくないですね…。今日は中竹さんも言われたとおり完敗です。接点になるんですかね、やっぱり。やりたいことがまったくできず、今日はひとつもうまくいってないと思います。相手の出方を見て攻めるということができなかった。たとえば、深いライン、キックばかり、どう攻めるのか。相手の思いどおりにやられて、嫌がることが何もできず、帝京としてはすごく楽だったと思います。相手の嫌がるようなプランを、ゲーム中に立てられないとダメだなと。ブレイクダウンでもプレッシャー掛かってました。帝京は1つのブレイクダウンを邪魔するのがうまかったです。完全に反則か、そうでないかのところでボール出しを遅らせてきた。それでテンポがまったくでなかったです。それを乗り越えるためには激しさも必要。今日は全然激しくなかったですから…。立て直すためには…、今日はブレイクダウン。激しさだけでなく、うまさ。こすいプレーというんでしょうか。今日は邪魔ばかりされてしまったので、ワセダとしてもそこを乗り越えていかないといけないです」
<ラグビー=スクラム この先の決意を新たにするプロップ・橋本樹>
「素直に悔しいです…。チームとしてやられているところも結構ありましたけど、スクラムでマイボールを何本かターンオーバーされてしまって、プロップとしての仕事が果たせませんでした。スクラムをしっかり安定させないと、チームに迷惑を掛けてしまう。そこをしっかりしていかないと、これからもないと思ってます。今日は僕がやられているところもありましたし、全体がグラグラしてしまって、うまく組めていなかったり、相手にコントロールされた形になってしまいました。今までやってきたことは間違っていないと思いますし、それをまだ形にできていないので、そこをしっかりと突き詰めていかないとダメだと感じています。ブレイクダウンに関しては、狙ったところに帝京はかなりきてました。そこでワセダはしっかり作ることができずに煽られてターンオーバー。出したいタイミングでボールが出ず、アタックできなかったです。今日負けてしまいましたけれど、これでシーズンが終ったわけではない。これからにかかっていると思います」
<司令塔としての至らなさ… 自ら変わることを誓うSO山中亮平>
「今日は帝京戦までに用意してきたことがまったく出せず、こんな形になってしまいました。冷静に、冷静にと思ったんですけど、後半30分を過ぎたあたりからトライを取らなくてはいけないという意識ばかりで、外だと無理に攻めにいってミス、ペナルティのところでミス、慌ててしまいました…。もっと自分がしっかりしていれば…。ミス、コミュニケーションが合わなかったところ、大事な場面でのタッチ、悔いが残ります。BKに関しては、相手のディフェンスが強くて、外に行っても返されて、もっと考えて攻めるところがあったなと。早いテンポで順目を意識しようにも、想像以上にブレイクダウンが激しくて、煽られて、テンポが出ず、ずっと相手のペースでした。どういう状況になってももっとしっかり判断、コントロール、修正できるように、全体でコミュニケーションを取れるようにならないと今日みたいなことになる。冷静に、全員で同じ方向を向いていけるようになっていく必要があると痛感しました。後半は敵陣に行きたかったんですけど、逆に相手に地域を取られて、ワセダはミスして…。自分が変わっていかないとダメだと思います。今日みたいな状況でも、しっかりやっていけるSOにならないといけないです…」
<帝京大戦の敗北も2000年以来8シーズンぶり…>
関連ロケーション
地図を大きくする。 [秩父宮ラグビー場]関東大学対抗戦 試合情報一覧
2008/12/07 明大 ● 22-24 ○
2008/11/23 慶大 ○ 34-12 ●
2008/11/09 日体大 ○ 84-8 ●
2008/11/01 帝京大 ● 7-18 ○
2008/10/19 筑波大 ○ 64-0 ●
2008/10/12 成蹊大 ○ 60-0 ●
2008/09/13 立教大 ○ 83-12 ●
帝京大との戦績
公式戦対戦成績(1978年〜2008年) 早大 26勝4敗0分
過去3試合の対戦結果
2008/08/24 練習試合 ○ 26-10 ●
2008/06/08 練習試合 ○ 33-7 ●
2008/01/02 大学選手権準決勝 ○ 12-5 ●
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