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大学選手権 一回戦  試合結果

2008/12/20
(Kick off 14:00)

熊谷ラグビー場

早大A 関東学院大
  21 11 - 0 5  
10 5
T G PG DG   T G PG DG
1 0 1 1 0 0 0 0
1 1 1 0 1 0 0
2 1 2 1 1 0 0 0

T:トライ G:ゴール PG:ペナルティゴール DG:ドロップゴール

レフリー
岩下 真一
タッチジャッジ
新野 好之
三宅 渉
尾形 利治

対関東学院大 そこにある特別な世界

2008/12/21


 ノーサイドから数秒後、土佐誠は豊田将万の胸で泣いていた。豊田将万もその感情を抑えることができなかった。ワセダとカントーだけが、豊田将万と土佐誠だけが持つ世界…。「春、夏、そして対抗戦とずっと戦ってきて、関東が1番強かった。その関東に勝ったワセダは、やっぱり他のチームにも絶対勝たなくてはいけない。やっぱり関東は関東でした。色々な想いを話してくれて、土佐にはグッとくるものがありました…」(主将・豊田将万)。決勝戦から1回戦、国立から熊谷、お互いリーグで2位と3位。傍から見た状況は変われども、やっぱりワセダとカントーは特別だった―
 「土佐は僕には分からないような…」と言った豊田将万も、色々な想いを抱え、悩み、かつてない不安に苛まれていた。思うように上がってこないチームの状態、なかなか取り戻せない自信、これでいいのか、本当に関東に勝てるのか、今自分がなすべきことは…。しかし、豊田将万は主将らしく、ついにそのカベを乗り越えた。決戦2日前、自身の決意・覚悟とともにチームの雰囲気はガラリと変わり、前日にはついに確信を得るに至った。「吹っ切れました。もう思いっきりやるだけだって。(佐々木)隆道さんの言葉、心に響きまくりでした」(主将・豊田将万)…
 そうして迎えた大一番、テーマは『豊田ワセダ』。万事にワセダらしく、大胆に、小さく縮こまったりはしない。軸はタックル、ディフェンスからのカウンター、そしてブレイクダウン。中竹監督の期待どおり、見違えた豊田将万が攻守に躍動し、それを支える才能溢れるメンバーたちも、つられるように愚直に前に出続けた。その象徴が前半14分に飛び出した、フランカー中村拓樹のスーパータックルからのトライ。相手がカウンターに来るところを「オレの仕事だ!」とばかりにビッグヒット。そこに何の迷いもなく次々群がり、頭を突っ込みターンオーバー。あとは気持ちで、本能でインゴールまでボールを運んだ(8-0)。決して美しくはないかもしれない。もっと華麗な展開を望む声もあるかもしれない。しかし、これが今のワセダの形。自信を持って、「ここで勝ちます!」と言えるもの。スローガンどおり、「らしさ」全開のトライは、勝負を決め、全員の心をひとつにした。
 試合全体を冷静に見れば、トライチャンスをことごとく潰したアタックの精度の低さ(ようやく飛び出した後半24分のセットアタックは美しかったですが…)、これでもかと重ねたムダなペナルティ、赤黒には似つかわないプレーの軽さ、最後の集中力~と、反省点が山のように出てくるものの、この日何よりワセダが必要としていたのは「勝利」の二文字。土佐、清水のあの突進。設楽、安藤の脅威的な運動量。やっぱり関東は関東だった。…でも、この日のワセダには、それを上回る確固たる芯、「らしさ」があった。関東がワセダを甦らせてくれた。失いかけていたものをようやく取り返すことができた。ワセダにとってはこの上なく大きな一勝。この激動の数週間、キーワードはライバル、そして感謝? 「4年間変わることはありませんでした。どんなことがあっても関東は関東。やっぱり感謝です。関東がいるからワセダでプレーしている意義がある。こういう相手がいることに感謝です。やっぱりもがいて、苦しんで、今日で大きな飛躍となるかは分からないですけど、ここで変われないと『荒ぶる』ないと思ってましたし、今日結果を出すことで初めて挑戦できるだろうって」(副将・瀧澤直)。
 2008年12月20日、大学選手権1回戦・早大対関東学院大、21-5。ノーサイドから小一時間、豊田将万はロッカールームでネクタイを締め直し、噛み締めるように呟いた。「やっと勝ったんだという実感が沸いてきました。4年間一緒に戦ってきましたし、あいつの分もがんばろうって。関東はやっぱり強かったです。覇権を取るのは、ワセダか関東か、そのことをこれから証明したいと思います」―。今年のワセダのキャプテンは、誰が何と言おうと、トヨタマサカズ!


<初の関東越え!『豊田組』らしさに笑みを浮かべる中竹監督>
「まずこのゲームの位置づけは、今年は豊田をキャプテンにして『Dynamic Challenge』というスローガンの下、『荒ぶる』を取るまでに必ず逆境があると。夏もあったし、対抗戦で2敗、そしてこの1回戦。もし1回戦で負けるようなことがあれば、ワセダとしてはどん底。そんな状況こそ、守ることなく大胆なことをしようと1年間言い続けてきた。今日はそのなかで勝ち取った勝利。非常に重みのあるゲームだったと思います。豊田もキャプテンとしてらしく、1番体を張ってくれた。周りの選手も学年関係なしにがんばった。素晴らしいゲームです。ずっと勝つつもりで準備してきましたけど、昨日の練習ではすごく手応えがあって、絶対いけると思いました。学生たちの顔、決意表明、素晴らしいものでした。負けるわけがないと。今日はプランとしては、ロスタイムでの逆転勝利というところまで準備をしてました。点差はありましたけど、見ている側としては関係なかったです。思いは変わりませんでした。拘った方が勝つ。そこでワセダが1枚上だったと思います。その拘りとはディフェンス、タックルしてボールを奪う。そういったプレーが随所にあって、手応えがありました。田邊に関しては…、期待どおりという感じ。ゲームコントロール、キック、勝負どころのトライ。山中のサポートについても期待どおり。ただ、期待以上だったかと問われると…、もっといけると思ってます。今日はまぁ役割をしっかり果たしたねというところ。昨年からチームを引っ張っていたし、もっともっと成長して欲しいので、期待以上とは言いません。まだまだキレは戻っていないし、得意なプレーを磨いていって欲しい。そして何よりチームを支えるという精神的な部分に期待してます。今日は『豊田組』らしさが出たと思う。この勝利で勢いに乗っていきたい。ここで留まることなく、一気に突き進む。選手権での対関東初勝利?、今日は一昨年のあの試合を参考にした。あの経験があったから今日勝つことができた。初めて勝ったとかそういうことは頭になかったです(笑)」


<土佐との熱き抱擁!らしさ全開で勝利を掴み取った主将・豊田将万>
「僕からは一言だけです。春、夏、そして対抗戦とずっと戦ってきて、関東が1番強かった。その関東に勝ったワセダは、やっぱり他のチームにも絶対勝たなくてはいけない。関東はすごい相手でした。今日はそれだけです。もし1回戦負けするようなことがあれば、来年以降に影響が出ると思いましたし、ここで負けると大きな責任を背負うことになると、正直プレッシャーもありました。ただ、伝統を重荷に感じることはなく、試合になれば気にせずプレーできていたとは思います。勝利への確信は…、実際はやってみるまでは分かりませんでしたけど、昨日の試合前練習は1番の自信になりました。あとは関東とやるだけだって、昨日初めてそう思えた。何か特別なことをしたわけではないですけど、みんな腹をくくって、覚悟を決めて、背負っているものを実感しました。あと、4年生は卒論(ちょうど提出時期、みな学校に通いづめ、練習もままならず…)が終わってよかったです(笑)。関東はどこがというより、もう全部がすごかった。とにかくひとつひとつのプレーがすごい。試合をしながら、関東とやってるなぁって。土佐、清水のアタックはすごかったですし、安藤、設楽はディフェンスでどこにでもいる感じでした。土佐は僕には到底分からないような想い、大変な想いがあったと思うので…、下を見るな、お前が下を見たら関東は終わりだぞって。すいません、偉そうでしたね…(笑)。あのとき、土佐も色々な想いを話してくれました。あいつがキャプテンだからこそ今年の関東も強かったんだと思います。今少し時間が経って、やっと勝ったんだという実感が沸いてきました。今日はディフェンスの勝利です。僕らにはもうそれしかないですし、関東との対戦が決まってからも拘ってやってきたので。みんなそれを信じて、今日は9割そこでいこうと話してました。最後に1本取られてしまったことを重く受け止めて、次からもっと突き詰めていきます。今日はテーマどおり、らしさが出たと思います。みんなノビノビやってくれてましたから。水曜に(佐々木)隆道さんが来てくださいましたけど、自分にとっては会うだけで緊張するほどで、すごく影響力のある人です。本当に感謝しています。やることをシンプルにひとつにできて、明確になったので、吹っ切れました。隆道さんの言葉、心に響きまくりでした。ここからはもう本当に1戦1戦負けたら終わり。次またダメだと今年の悪い流れになってしまう。今日の勝利で緩めることなく、しっかりひとつひとつやっていきます。試合後、土佐にはグッときました。4年間一緒に戦ってきましたし、あいつの分もがんばろうと思えました。連絡先の交換は…、これまでも電話番号は知ってたんですけど、メールアドレスは知らなかったので(笑)。関東はやっぱり関東。強かったです。覇権を取るのは、ワセダか関東か、そのことを証明したいと思います」


<とにかく感謝!様々な想いを乗り越え瑞穂行きを決めた副将・瀧澤直>

「まぁ、1回戦勝っただけと言われるかもしれませんけど、1戦1戦という気持ちで臨んでいるので、あと一週間みんなでできるこの嬉しさですよね。今日は本当に色々な想いを背負ってました。スクラムは…、僕たちとしてはとにかくマイボールを安定供給すればいい。何と言われようが、きちんと出す。それだけでした。もちろんまだまだですけど、結果としてはとりあえずはよかったのかなと思います。とにかく今日やらなくてはいけなかったので…。まだゴールではないですけど、ここで勝たないと先はなかったわけですから。1つの通過点は乗り越えられたと思います。本当に色々な方に感謝です。一緒に練習してくれたメイジ、清宮さん、清宮さんと共に上井草まで来てくださった(長谷川)慎さん、自分を励ましてくれた先輩たち、仲間。本当に感謝です。原田君との対決もこれで終わり?、そうですね。ただ、スクラムで勝った負けたとかは僕的には思ってないです。今日はディフェンスの勝利です。ディフェンスがしっかりできていればアタックもいける。受けてしまったところもありましたけど、ディフェンスをしていて怖いとは感じなかったですし、攻め続けていればこの最初の3点だけでも勝てると思えました。そこは成果が出たところ。最後1本取られてしまったのは、よくないですけど、そこまでのディフェンスはよかったと思います。関東はやっぱり関東でした。4年間変わることはありませんでした。どんなことがあっても関東は関東。やっぱり感謝です。関東がいるからワセダでプレーしている意義がある。こういう相手がいることに感謝です。やっぱりもがいて、苦しんで、今日で大きな飛躍となるかは分からないですけど、ここで変われないと『荒ぶる』ないと思ってましたし、今日結果を出すことで初めて挑戦できるだろうと。ひとつひとつです。次も関東、その次も関東でやっていけるか。それができれば結果もついてくると思います。そういう意味でもいいゲームだったかもしれません。こういう気持ちでいけば、こういうゲームができる。それは成果。今日は嬉しかったです。そうなんです、そうなんです、次は(地元)瑞穂(対筑波大、12:00KO)なんですよ(笑)。瑞穂へ行こう!が今日の合言葉でした、僕だけだと思いますけど(笑)」


<戦慄のタックル!80分前に出て体を張り続けた副将・長尾岳人>
「とりあえずは勝ててよかったです。初戦が関東に決まってから、不安とか色々な想いがあったんですけど…、練習でまたディフェンスが前に出られるようになって、本当に劇的に変わったので、BKのみんなにはそこに自信を持っていこうって。今日はいいディフェンスができたと思います。FWがあれだけショートサイドを止めてくれていたので、BKも前に出て止める。今日はそういう試合でした。自分のタックルについては…、よく前が見えて守りやすかったです。今日はディフェンスの勝利。特に前半は。アタックに関しては、ゴール前まで行って取りきれないところがたくさんあって、もっとスコアできたと思いますけど、そこは相手も厳しいので…。関東はやっぱり関東でした。個々が強かったです。特にFWはものすごかった。ワセダもそれに負けずにがんばってくれた。今日はFWを称えるべき試合だったと思います。この先に向けては、もちろんこの前に出るディフェンス、そしてセットを軸にして、更に成長できるように、最後に『荒ぶる』を歌えるように、3試合勝ち続けます。対抗戦から1番変われたのはディフェンス。そこは大きいと思います。今日は『豊田ワセダ』らしかったですね(笑)。マサもすごく激しく行ってましたし、あれだけやってくれると、やっぱり周りもイキイキしてきますから」


<完全復活!精神的支柱としてチームを勝利に導いたFB田邊秀樹>
「とりあえずは勝ててよかったです。今日はまずそれ。試合前というか、2週間前から関東に向けてやってきて、正直よくないなと思うことの方が多かったですけど、2日前の木曜から雰囲気がガラッと変わって、いけるなって。試合前は負ける気がしなかったですし、自信を持って臨むことができました。今日はFBでしたけど、僕自身ポジションにはあまり拘りはないです。そう言うのは変かもしれないですけど、チームが求める役割はどのポジションであろうが決まっているので。今日こうしてスタメンで出ることができたのは、ここに間に合うことができたのは、メディカルスタッフのおかげです。応援してくれる同期、リハビリを一緒にやってきたケガ人たちの分までやってやろうと思ってました。ゲームコントロールについては…、今日はできていたのではないかと思います。FWがショートサイドをきっちり止めてくれてましたし、エリアもしっかり取れてましたし、取られる気はしなかったです。BKも宮澤、岳人さんがしっかり前に出てタックルしていてよかったと思います。アタックに関しては、トライをもっと取れたというか、僕自身もたくさんミスをしてしまって…。メイジに負けてからディフェンスしかやっていないようなものでした。今日はそこがよかったので、もう1回見直しつつ、今度はアタックにも力を入れていきたいです。キックは、色々教わったり、ずっとついてもらったり、もう勝田さんのおかげです。1本外してしまいましたが、今日は安定していたと思います。この勝利で勢いに乗るとは思いますけど、自分たちはここが目標ではないです。今日の勝ちは勝ちで喜んでいいですけど、次練習で顔を合わせるときにしっかり気持ちが向いているか。そこでもし浮ついているようではダメだと思います」


<毎試合MVP?この日もスペシャルを連発したフッカー有田隆平>
「関東に勝つことができて、メチャクチャ嬉しいというのと、もう1週間『豊田組』で、豊田さんとラグビーができることがとにかく嬉しいです。また瀧澤さん、シャイ(山下)さんとスクラムが組める。終わった今、改めてその思いがこみ上げてきました。今日はスクラムのところで、いい形でマイボールを出すことができたのが僕たちの成果。それがあってBKもいいアタックをしてくれてよかったです。FWはとにかくショートサイドだと思ってました。土佐さん、清水さん、設楽さん、安藤さん、キーマンが絶対来るって。自分としては自信はありました。少し行かれてしまったところもありましたけど、みんな気合いで止めることができて、よかったです。ブレイクダウンも僕の感覚としてはよかったと思います。絡まれたところでも榎本がしっかり捌いてくれましたし、ディフェンス見極め、ブローに行くところと取りに行くところ、ターンオーバーもあってよかったです。関東ということで、僕自身緊張とかはなかったですけど、これまでを見てもやっぱり普通では勝てないので覚悟はしてました。実際に激しかったです。そこにワセダもしっかり準備して、対応して、いいゲームだったと思います。まだまだこれからビッグゲームが続くので、今日勝って安心ではなく、今日勝ったからこそチャレンジしていくこと。2年生では…、特別こうしようとかはなかったです。中村や英里とは思い切りやろう、守らずとは言ってましたけど。今日は『豊田組』らしかったと思いますし、豊田さんすごかったです。もう安心してついていくことができました」

<本日の『Dynamic Challenger』中村拓樹!このタックルで勝利を確信!>

関連ロケーション

地図を大きくする。 [熊谷ラグビー場]

大学選手権 試合情報一覧

2009/01/10 決勝 帝京大 ○ 20-10 ●

2009/01/02 準決勝 東海大 ○ 33-12 ●

2008/12/28 二回戦 筑波大 ○ 59-25 ●

2008/12/20 一回戦 関東学院大 ○ 21-5 ●

関東学院大との戦績

公式戦対戦成績(1989年〜2007年) 早大 7勝4敗0分

過去3試合の対戦結果

2008/08/17 練習試合 ○ 21-12 ●

2007/08/19 招待試合 ○ 19-10 ●

2007/07/01 招待試合 ○ 38-0 ●

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