2023シーズンよりラグビー以外の競技にも触れる機会が設けられており、先日は早稲田大学相撲部との合同練習を実施しました。



他競技との交流の意図を大田尾監督にお聞きしました。
・なぜ他競技の練習を?
これまでたくさんの時間をかけて練習を重ねているため、ラグビーの伸び代はある程度感じてこられました。しかし違う競技に挑戦することで、これまでのラグビーの練習だけでは気付くことができなかった身体の使い方や、他競技のマインドにも触れることができる点に魅力を感じて実施しています。ラグビー蹴球部員も相撲部員も同じ早稲田大学体育各部に属しており、境遇は似ていると思います。その中で、練習環境の違いやそれぞれの競技にかける思いを肌で感じることで、選手たちにさらなる学びをもたらすとも考えました。
・様々なスポーツがある中でなぜ相撲を?
相撲部との合同練習は、FWコーチの発案で始まったものです。
①もっと柔軟性を上げる
②今までとは異なるトレーニングの仕方で下半身を強化する
③相撲での身体のぶつかり合いがラグビーのコンタクトそのものに通ずる
上記3つの観点から相撲の練習を組み込むことに決定しました。
・相撲×ラグビーで期待する効果は?
特にFWポジションの選手たちには、今までとは違った力の発揮の仕方、今まで知らなかったトレーニング方法を、相撲から多く学んでくれることを期待したいです。また、これまで学生の姿を見ていて、100%の力を「貯める・持つ」ことはできていたものの、実際には70~80%の力しか「発揮できない」場面が多くあったように感じていました。そのような課題を相撲を通して克服し、貯めた力の100%を「すべて発揮できる」ようになってほしい。また、明らかに自分自身よりも重い人間にぶつかるという経験もできるので、その経験値が今シーズンどのようにいかされるのかを期待したいです。



道場で、四股踏みから対人の稽古まで、2時間みっちりと練習しました。普段使うことのない筋肉を動かし、慣れない動きをした選手たちは非常にハードに感じているように見えました。それでも、相撲部の皆さんにしっかりと教えていただいたラグビー部員は、徐々に感覚をつかんでいったようでした。
合同練習の機会を設けてくださった、相撲部の室伏監督、栗田主将にも感想をいただきました。
《相撲部 室伏渉監督》
本日はありがとうございました。学生同士が刺激を与えられる、非常に有意義な時間になったと思います。
相撲とラグビー。このふたつの競技の共通点は「押す」こと。細かい方法は異なっても、こういった共通点があるために、見ていて非常におもしろかったです。合同練習を行っていく中で、お互いのメリットが見つかるでしょう。
これからも選手同士切磋琢磨して、強くなっていってほしいです。
《相撲部 栗田裕有主将》
本日はありがとうございました。互いに良い刺激を受けて、充実した稽古になりました。基礎や基本を中心に行い、相撲という競技から体力の底上げに少しでもアプローチしていただけたら幸いです。
最後に行った「ぶつかり」という稽古は押す力を付けるのにとても有効な稽古で、しんどいですが効果はすごくあります。ぶつかりをやっていてしんどい時に、相撲部、ラグビー部関係なく互いに声をかけあって励まし合えていたところが本日いちばんよかった場面だと感じました。
競技は異なりますが、「押す」ことや「身体の使い方」など、通ずるものが多くあります。その中で学び、どれだけ吸収できるかが今後に大きく影響すると考えます。そのため、互いに意見や情報を共有してさらに稽古の質を高められるよう工夫していけたらよいと思います。
実際に練習に参加した選手の声もお届けします。
《村田陣悟(新4年)》
ラグビーでは活用しない筋肉を、他競技である相撲を用いて取り入れることができてよかったです。主には下肢の強化で、足腰の強さと柔軟性を兼ね備えている相撲部の皆さんとの練習は、自分たちにとってとてもよい刺激になりました。
《下村勇貴(新3年)》
初めての相撲の稽古で慣れない動きもありましたが、部員の方々に丁寧に教えていただきました。下半身の使い方や力の出し方などはラグビーにも活かせると思うので、今後の稽古でより多くのものを吸収していきたいです。
《山口湧太郎(新2年)》
今回の合同練習を通して自分に何が足りないのかを発見することができました。このような貴重な機会をいただけたことに感謝して、これからの練習に活かしていきたいです。
今回の練習後にはちゃんこ鍋も一緒にいただきました。お世話になる相撲部の皆さんへの御礼として、ラグビー部からはお米を持参しました。ラグビー部が2年前より佐賀県食糧様より購入して毎日食べている「さがびより」です。
我らが早稲田大学の創設者である大隈重信の誕生地である佐賀のお米。そして、「さがびより」はお米のおいしさを格付けする食味ランキングで最高ランクの「特A」評価を12年連続獲得という勝ち続けるお米、ラグビー部にとっての縁起米です。
今回はちゃんこ鍋とともに相撲部とラグビー部の両部員で佐賀のお米を一緒に食べました。




現在弊部では、大学内の他部との連携を行っております。相撲部の他にレスリング部とも合同練習をさせていただいておりますので、その様子も後日掲載いたします。