この週末は帝京を勢いづかせるためにあったのか…。前日の6-3を重く受け止め、やることを絞り迎えた、カテゴリーを変えてのリベンジマッチ。そこには、更なる惨劇が待っていた。「Aがああいう試合をしたので、今日の試合はチャンスだと誰もが思っていて、ファーストから行こうと言っていたんですけど…」(ゲームキャプテン・和田卓也)。
前日とは打って変わり、帝京がいきなり自陣からでも仕掛けてくる違いはあったものの、この日も根本のところは秩父宮で見た現象とほぼ同じ。ディフェンスを切り裂かれるイメージはさほどなくても、攻めてはミス、ブレイクダウンは後手後手、激しく絡まれ、体を当てられ、煽られる。振り回そうにも、テンポを上げようにも、セットを含めた起点を制圧され、何もすることができなかった(両WTBのボールタッチは片手程度…)。そして、この状況に輪を掛けたのが、普通とは言えないペナルティの多さ。ゲート、ロールアウェー、ハンド、オフサイド…。前半11、後半9の計20。これでは勝てない。「まったく何もしていない」(SO村田賢史)まま、静かに、おとなしく、時間だけが過ぎていった。「前半からペナルティ、ミスでチャンスを潰して、毎回やっていることが同じだなって…。流れを変えられないのは4年生である自分たちの責任。ブレイクダウンのところでは、ひとりひとりが負けていました…」(ゲームキャプテン・和田卓也)。
インターセプトにモールからのFWサイド、お互い1本ずつ取り合って迎えた後半は、流れを変えるどころか、更なる泥沼にはまっていくかのようなお寒いゲーム。11分、ナイスジャッカル!とはいかずにPGを決められ7-8。17分、モールで釘付けにされたのち速攻→ラックの上を越えられ7-15。後半はエリアマネジメントの概念が消えたのか、自陣からでもほとんどアタック。その都度捕まりターンオーバー。キックを蹴っても、ファーストタックラーが度々外される。そこから背後にキックを落とされ、ずっと自陣。常に前に出てプレーし続ける帝京に、「エリアとはこう取るものだ」と教えられているかのようだった。「なかでプレーしているときは、自陣からでも攻めていけばいけると思ってたんですけど、外から見たときは、もっとキックを交えて、そこからターンオーバーを狙えばよかったなと」(SO村田賢史)。何もできない、変えられない、ワセダとしては実に寂しい戦いぶりだった。
これでジュニア選手権、痛すぎる2敗目。このままでは~と感じたことはこれまでにあっても、リアルに崖っぷちに追い込まれた。脆弱なブレイクダウン、セット、判断、ゲームメークetc 課題は山積み。「この週末は、今の自分たちの力のなさを教えてくれた、今後の教訓にするべき試合。もっともっと基本に立ち返って、次のリベンジの機会で力を発揮できるように、前を向いてやっていく」(中竹監督)。「僕たちにはもう時間がないんです。この一週間はBにとっても、ワセダラグビーにとっても大事なものになると思います」(ロック・星野泰佑)。これまで溜め込んできたはずのエネルギーを爆発させろ! 苦しくても、逃げることなく、死に物狂いで! そもそも今年は、危機感から始まったチーム。こんなところでは終われない。『早田組』、イバラの道を前を向いて突き進め!