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2024

対抗戦/慶應義塾大学戦展望記

来る11月23日、東京・秩父宮ラグビー場で関東大学対抗戦(対抗戦)の第6節、慶大戦が行われる。前節の帝京大戦では、後半に追い上げを見せたものの、ラインアウトの精度に課題を残し、昨季王者に無念の敗戦となった。毎年接戦になる早慶戦。100周年となる今年も一筋縄ではいかない戦いになるに違いない。

フランカーでの出場となる相良主将

前節、早大は帝京大に対抗戦初黒星となった。CTB吉村紘副将(スポ4=東福岡)のチャージや、フッカー佐藤健次(スポ2=神奈川・桐蔭学園)の突破で得点機を演出するが、相手の壁をなかなか崩すことができず。持ち前の俊足を生かしたWTB槇瑛人(スポ4=東京・国学院久我山)や吉村、CTB岡﨑颯馬(スポ3=長崎北陽台)が反撃のトライを挙げるものの、結果として相手に計7トライを献上し完敗。しかし、試合全体を通して選手ひとりひとりが高い集中力を発揮し帝京大の猛攻をしのぐ場面も多く見られた。王者の強さを肌で感じた悔しさを慶大戦に昇華したい。

今試合のメンバーには復帰戦となる松下怜央(スポ4=神奈川・関東学院六浦)がWTBでの起用となる。屈強なフィジカルに加えて、相手を寄せ付けないランには注目だ。また、FW陣営には、バックローに注目が引き寄せられるだろう。栗田文介(スポ1=愛知・千種)、相良昌彦主将(社4=東京・早実)と豊富な運動量を誇る両フランカーで猛虎集団を迎え撃つ。

ゲームメイクを担うCTB吉村副将

一方の慶大、前節の相手は明大。ロースコアの展開に持ちこみたいところだったが、1トライも奪うことができず黒星となった。得意のディフェンスを機能できなかったこの試合だったが、今節は修正してくるに違いない。慶大の持ち味は、伝統の低く刺さるタックル。フランカー今野勇久主将(慶大)をはじめとする流れを一変させるビッグタックルには要警戒だ。

また、慶大初の留学生、ロック・アイザイアを中心とするFW陣のラインアウトモールにも気をつけたい。難敵・筑波大には1トライながらに土をつけるなど、今季も粘り強さの光る慶大。拮抗した試合展開が予想される。相手の意のままにプレーさせないようにするためにも、指揮を執るSO野中健吾(スポ1=東海大大阪仰星)や吉村のゲームメイクに期待がかかる。

今年は、ラグビー早慶戦が始まって100周年のメモリアルイヤー。次に控える明大戦、そして『荒ぶる』獲得に向かう全国大学選手権へと弾みをつけることができるか。伝統校同士の意地とプライドのぶつかり合いから目が離せない。

文=戸祭華子 写真=山田彩愛(早稲田スポーツ新聞会)