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Beat Up

2024

【Otao’s Reflection】

ー2022シーズンー

2023年1月8日。
2年ぶりの決勝の舞台。

今年掲げた「Tough Choice」「1/1000の拘り」のもと、150人の部員全員で取り組んできたことすべてをグラウンド上で表現した。

最初から最後まで、ひとりひとりが全力を尽くした。しかしながら、決戦の舞台で待ち構えていた相手、帝京大学の壁は非常に高かった。それでも身を粉にして戦い続ける23人の姿は勇敢であり、来シーズンの早稲田ラグビーのさらなる進化のために意味を持つ一戦となった。

選手たちにとって、結果以上のものを学び得た貴重な経験となったことは間違いない。

この決勝戦までの1年間、大田尾監督から見たチームはどのように映ったのか、振り返りをお届けします。

〈大田尾監督コメント〉
今シーズンのスタートは、昨年のチーム長田での敗北、儚く散ってしまった2021シーズンを経て、目に見えないところにまでこだわれる集団が強くなれると感じ、その視点を活かしながらチーム相良を作り上げようと決心した。

目に見えない細部までこだわれる集団というものは、自分を含め大人たちだけの力では作り上げられない。学生自身で作り上げていかなければならない。その姿勢を大切にするため、学生自身で考える時間をたくさん設けながら、チーム作りを進めた。

そして幕を開けた春季大会。相応に成果をあげることができた。しかしながら、明治大学、帝京大学には勝利することができず、課題も多く見つかった春となった。

そして迎えた、勝負の夏。夏合宿ではFWの安定が見られ、圧倒的な練習量増加による全カテゴリーのレベルアップが叶い、チームとしても順調な成長が感じられた。一方で、主力がケガに苦しみ離脱することもあり、チームとしての練習以外の時間を使って個々のパーツを磨く必要もあった。結果的に、今年の夏はみんなの成長が著しかったように感じられる。

夏を経て迎えた対抗戦。序盤からなかなか苦戦したものの、一戦一戦着実に勝ち切ることを目標にしてきた。そして何より、12月に行った4年生メインの早明練習試合後から、チームの一体感がより一層強くなったと感じる。この試合がチーム相良のターニングポイントになったと言っても過言ではない。

続く選手権。一戦一戦、負けたら終わりというシビアな戦いであったが、東洋大学、明治大学、京都産業大学を相手に、培ってきたチーム力を活かして戦い抜くことができた。

そして最終戦。

帝京大学戦は正直なところ完敗だったし、力の差を存分に見せつけられたと感じる。しかし、この帝京大学との点差の責任は自分にあるとも強く思う。力の限り最後まで諦めることなく頑張ってくれた選手たちを誇りに思う。

結果としては、荒ぶるを歌えなかったが、今ある力はすべて出したうえでのものだと受け止めている。

この大敗を受け歩みを止めたら、それこそ本当の意味での敗北となる。力の差に落ち込み諦めるのではなく、発見した新たな課題に真正面からしっかりと向き合い、挑戦を続けていくことこそが、いま早稲田ラグビーに求められていることだと考える。

監督に就任し、みんなと触れ合う中で自分の現役時代と今の学生たちとの間にギャップを感じ、いろいろな面で模索を繰り返していた。しかしどんどん強くなっていく今年のチームからは、早稲田ラグビーのDNAとして変わらないもののほうが多いということを教えてもらったような気がする。

ひとりひとり個性が強く、人間味のある素晴らしい代だった。シーズンが深まるにつれて発言する言葉がどんどん変わってきたところから、学生のすさまじい成長力を感じた。これが今年、ものすごく印象的だった。

昨年叶わなかった決勝まで戻ってこられたこと、それ自体が財産だ。決勝の舞台までこられないと、決勝で勝つというイメージをすることすら難しい。

圧倒的な努力、緻密な計画で、いかに貪欲に「荒ぶる」のために戦えるか、ここに懸かっている。決勝の舞台で感じた悔しさを糧に、次の代で必ず日本一になりたいと強く誓う。