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WASEDA FIRST

2023

ジュニア選手権/明治大学戦観戦記

秋の訪れを感じさせる爽やかな風が吹く中、早大は関東大学ジュニア選手権(ジュニア選手権)初戦を迎えた。明大Bと対戦するのは実に1年ぶり。昨季のジュニア選手権では、7-47と大敗を喫していた。その借りを返し、秋シーズンのよいスタートを切るべく、「何がなんでも勝つ」(WTB今駒有喜、文4=東京・早実)。早大は負けられない一戦へと挑んだ。前半は幾度もチャンスを迎えるが、勝負どころでミスを連発してしまい、なかなか得点することができない。だが前半終了間際に1トライを奪い、7-14で後半戦へ突入した。前半とは展開が一転、後半は開始直後から連続で3トライを奪い、逆転する。その後明大の反撃から一時は2点差にまで迫られるが、さらに追加得点を挙げた早大は、33-26で明大に勝利した。

笑顔でグラウンディングするロック藤井

前半は開始から守る時間が続く。ロック栗田文介(スポ1=愛知・千種)やプロップ川﨑太雅(スポ3=東福岡)をはじめとしたFW陣が体を張り、相手の侵攻を阻んだ。だが7分、自陣深くでのマイボールラインアウトのミスからピンチを迎えると、先制トライを奪われる。

その後、早大はCTB久富連太郎(政経3=島根・石見智翠館)のハイパントキックなどでうまくエリアを拡大し、チャンスを生むが得点へと結びつけることができない。さらに明大に1トライを許し、無得点のまま前半終了に差し掛かっていた。

だが前半終了間際、明大のペナルティーキックがノータッチとなり、ここからSH島本陽太(スポ3=神奈川・桐蔭学園)が持ち前の攻撃のテンポを発揮。速いカウンター攻撃に転じると、FW陣が細かくパスをつなぎ、最後はロック藤井将吾(スポ3=大阪・早稲田摂陵)が相手ディフェンスを引きずりながらグラウンディング。7-14で前半を折り返した。

キックとランで存在感を示したFB山下

後半は序盤から早大が流れをものにした。後半4分、NO8小池航太郎(商3=東京・早実)が敵陣22メートル内でラインブレイクし、大きく前進する。この好機を見逃さず、大外へと展開しFB山下一吹(教1=東京・早実)がエッジを駆け抜けた。

9分には、オフロードパスを確実につなぎ数的有利な状態をつくると、明大ディフェンスの甘くなったところを小池が抜けてトライ。SO京山秀勇(人3=福岡・東筑)のコンバージョンキックも決まり、21-14と逆転に成功した。

18分には、久富がインターセプトし相手をかわしながら、約40メートルを走り切りインゴールへ。しかし、中盤に2トライを奪われ、28-26と2点差にまで迫られる。

だが続く33分、今駒が右隅でトライを挙げ、33-26と再び早大が一歩前進。この後は両校ともに得点はなく、ノーサイドを迎え早大は昨季のリベンジを果たした。

今日の試合ではFW陣の我慢強さとBK陣の展開力が発揮され、その結果勝利をつかむことができた。今駒が「練習でやってきたことというのが徐々に成ってきた」と振り返るように、時間をかけて鍛錬したことが勝利へと結びついた試合であったといえる。この先のジュニア選手権は、どの試合も春のリベンジをかけた一戦となる。あの時の悔しさを糧に、全力を尽くし日々積み重ねてきたことを勝利という結果で示したい。

文=山田彩愛 写真=谷口花(早稲田スポーツ新聞会)