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2024

関東学院大戦観戦記をup

関東学院大戦・観戦記

 あと1歩。本当にあと一歩のところまで『最強』チームを追い詰めた。闘志剥き出しの『荒ぶる』ワセダは国立の観衆を最後の最後まで魅了し続けた。しかし…、『最強』関東学院大の壁を超えることはできなかった。
「俺について来い。おまえたちを優勝させてやる」。清宮監督のこんな言葉から始まった新チーム最初のミーティング。それが終わった時、部員誰もが同じ思いを共有した。「今年は勝てる!」。それからおよそ10ヶ月。新生ワセダは選手権決勝という最高の舞台で王者・関東学院大に肉薄するまでに成長を遂げていた。

 この日のワセダはまさに今シーズンの集大成と呼ぶにふさわしいパフォーマンス。『激しさ』を全面に押し出した鋭いタックルで相手の攻撃をシャットアウト。ゴール前でも粘りを見せ、学生では群を抜く強さを誇るFWにも思うような攻撃を許さなかった。そして一度ボールを手にすれば自慢の『高速』アタックが炸裂。グラウンドを一杯に使った爽快なそれは確実に磐石と言われた王者の足元を揺るがした。

 「勝つのはワセダ」。5点のビハインドこそあれ、終了間際にはそんな空気が国立を覆い尽くした。沸き起こる大「ワセダ」コール。優勝へのゴールラインはすぐそこに迫っていた。しかし、そこに辿り着く前に無情にも戦いの終わりを告げる笛が鳴らされた。天を仰ぐ選手たち。ワセダフィフティ―ンは力なくその場に崩れ落ちた。

 試合後の表彰式。主将・左京は準優勝の賞状を受け取ると、スタンドに向かって高々と掲げて見せた。堂々としたその姿。そこに涙はなかった。「あれはここまで頑張ってきた全部員、そしてスタッフを称えるため」(左京主将)。この左京のとった行動こそがチーム一丸となって戦ってきたことの証。『最強』の称号こそ奪い返すことはできなかったが、ワセダは間違いなく『最高』のチームだった。「今日の試合はこれからのワセダの財産になる。このチームに右肩下がりという言葉はない」(清宮監督)。目標はあくまでも大学日本一。真の復活のその日までワセダは進化し続ける。


<日本選手権壮行会兼現役OB懇親会>
試合終了後、リーガロイヤルホテルに場所を移し日本選手権壮行会兼現役OB懇親会が行われた。OB、関係者はもちろん、全部員で国立に駆けつけたという野球部の姿もあり、会場内は現役選手らを労う声が絶えなかった。 6時を過ぎた頃、選手らが会場に到着し会がスタート。まずは佐藤部長のご挨拶。そして乾杯。しばしの歓談のあと、清宮監督が壇上で今日の試合を振り返り、日本選手権への意気込みを語った。左京主将が現役を代表して挨拶に立ち、OBをはじめコーチ、部員、関係者らに感謝の意を述べて締めくくると、最後は全員による北風の合唱で会はお開き。多くのOB、関係者が集まり会は大いに盛り上がった。


<懇親会での清宮監督の挨拶>

 「ゲームの内容については語り出すとイライラしてくるんで(笑)。負けたのにもかかわらずこうして大勢の方に来ていただいたのを見て、安心しました。今日は今シーズン一番の出来で集大成の言葉通りの試合だった。もちろん足りないところはありますが。今日の試合ですごく大きな財産を得たと思います。これからの早稲田ラグビーの次につながる敗戦でした。本当に今年勝たせてあげたかったけど、俺の力足らずというところもあって、申し訳ないと思います。勝って卒業することは全然違うんだということを経験させてあげたかった。日本選手権は記者会見でも言ったんですけど、実力の劣るものがいかにして戦うかを見せます。ここまでずっと右肩上がりでステップアップしてきて下がるわけにはいかない。(後ろに並ぶ現役部員に対して)次も本気でいこうぜ!成長してやろうぜ!本日はお集まりいただきありがとうございました」


<左京主将の挨拶>

 「日本選手権もありますし、次の社会人(との試合)に向けて頑張りたいと思います。今日の試合ですけど、内容は良かったかもしれませんが負けは負けです。ここを目指してきたわけではないし早稲田ラグビーも目指すところではない。1位になることが早稲田ラグビーで、それがなかったら早稲田じゃなくなってしまう。これから勝てなかった悔しさを一生持って生きていくわけですけど、悔しがるのは4年だけで、3年生以下は学ぶところだけを吸収して次へ次へと進んで行って欲しい。すぐにでも歩き始めて上を目指して頑張って下さい。最後に、日頃から多大なる応援をして下さったみなさんに感謝とお詫びを申し上げたいと思います」