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2024

対東海大戦観戦記

 「こうなればトライというデザインができていない…」(清宮監督)。61-17。リーグ戦の強豪、近年躍進を続ける東海大相手に9つのトライを積み重ねても、44点もの点差を付けても、試合後満足感を覚える者などいなかった。
 「全体で動いて穴を空けて取った感じがなかった…」(大田尾主将)。FB内藤慎平(3年)の強烈なカウンター、フランカー松本允(2年)のスピード感溢れるパワフルなランニング、FWのタテ。相手を凌駕する個人技が随所に飛び出し、トライこそ奪うものの、肝心の『シークエンス』は今ひとつ。揺さぶりはしても、要の部分で攻撃権を喪失し、理尽めのトライは最後まで顔を見せることはなかった。
 前後半とも残りの20分で連続の4トライ。現象面では見せた畳み掛ける強さも、その内容は希薄。時折顔を出す意外なほどの脆さ。ゲームが拮抗する場面もしばしば見られ、新たな鬼門・夜の三ツ沢は重苦しい雰囲気に包まれた。
 そんなフラストレーションの募る展開のなか、チームに明るい光をもたらしたのが、この日が公式戦デビューとなったWTB今村雄太、首藤甲子郎、SH矢富勇毅、CTB曽我部佳憲のスーパールーキーカルテット。今村、首藤が腰の強さ、相手をなぎ倒すハンドオフ、一瞬の加速で観客を沸かせれば、矢富も自慢のランニングスキルで幾度となくチャンスメーク。ピンチを救うスーパータッチに、味方をも欺く抜群のテクニック。『キング』曽我部も言わずもがなのプレーぶりで、新調したニューセカンドジャージー、そして美しい横浜の夜景に花を添えた。
 上々のデビューを果たしたこの4人の伸びシロ=ワセダの新たな可能性。入部から僅か5ヶ月、日々成長を遂げる驚愕のルーキー達がワセダの未来を明るく照らす…<HP委員 疋田拡>

<夜の三ツ沢で初勝利を挙げた清宮監督>
「今日はケンブリッジ戦につながるいい面もいくつか見えた。ただ、こうなればトライというデザインができていない。セットプレーもダメだったし、ディフェンスもまだまだ。ケンブリッジに臨む気持ちは昨年のオックスフォードと変わらないよ」

<懸命にチームを引っ張る大田尾主将>
「東海大は強くて、しっかりとトレーニングをしているチームだと感じた。点数は今日は離れた方だと思う。前後半であれだけメンバーを入替えたことで、コンビネーションの部分もあるし、試合に入り込む、込めないの問題もあって、立ち上がりにもたついてしまった。内容的にはユニットで動けていない。単発。全体で動いて穴を空けて取った感じがしなかった。CTBのところでもっと崩せる。前半の最後の方は40分を1本と考えたなかではいい形で取れたけど、もっとスムーズに取れるようにしたい。そこが課題。ディフェンスは粘るところは粘れたし、相手も能力は高いので、まあまあ。今日はいい相手と試合ができてよかった。新しいことを試すにはもっと機会が欲しかった。セカンドジャージーのデザインはいいんじゃないですか(笑)」

<激しいタックルを連発した副将・川上力也>
「後半は前半ほどうまくいかなかった。相手が修正してきたところ、要所でミスがでてしまい、チャンスをつぶしてしまった。東海大は個々が強くて、こちらも消耗した部分もあった。前半立て続けに取れたのは相手のCTBの足が止まっていたから。そこで慎平とかがよく前に出てくれた。前に出るとワセダの形が出せる。スクラムは5分以上コントロールできたとは思う。ラインアウトはまだまだ精度を上げていかないと。ディフェンスでは法大戦より意識づけができてきて、フランカーでいいタックルができた。チームとしても徐々によくなっているとは思う。これからはとにかく集中して小さなミスを失くす。ケンブリッジ戦へは、今できることの精度を上げるだけ」

<ラストイヤーのポジション奪取に燃えるフッカー・紀昌宏>
「スクラムは大分感覚が掴めてきたけれど、まだまだ。もっと安定させないとダメ。ピックゴーのスピードや正確さ。自分のプレーをだしていかないと、青木には勝てない。チームとしては立ち上がりが課題。今日もそこがうまくいかなくて、もみ合いの時間が長くなってしまった。ディフェンスもまだまだ。疲れてくると止められなくなってしまう。とにかく最後まで100%でがんばります」

<更なる飛躍が期待される桑江崇行>
「今日はアタックがしっくりこなかったし、ディフェンスで受けすぎ。意図どおりにトライが取れなかった。練習から精度が低い感じがする。スクラムはまあよかったと思う。ラインアウトは翔太(前半は後藤翔太がスローワー)のボールもよくなかっけど、初めてだししょうがない部分もある。相手ボールももっと競るようにしていきたい」