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2024
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対ケンブリッジ大戦観戦記

 「みんな今日の試合で忘れかけていた何かを掴んだと思いますよ」(NO8佐々木隆道)。『継続』、『高速』、『精確』、『独自性』、『激しさ』、そして『ULTIMATE』。母国のエリート戦士を前に、誇り高き赤黒軍団があの頃の姿を取り戻した。
 開始早々の2分。自陣マイボールスクラムからの素早い仕掛けでブラインドサイドを巧みに攻略すると(NO8佐々木の球捌きは芸術品!)、そこから一気に『高速』展開。SO大田尾竜彦、CTB曽我部佳憲(1年)、FB内藤慎平(3年)とボールをつなぎ、最後は『外国人キラー』・首藤甲子郎(1年)がインゴールへ飛び込んだ。CTB曽我部の針の穴を通すミラクルパスに、相手を嘲笑うWTB首藤の華麗なステップ。恐れを知らないスーパールーキーの、あまりに堂々としたプレーがチームに勢いをもたらした。
 「トライはすべて狙い通り。相手の弱いところは分かっていた」(清宮監督)。意図通りの先制トライで、自らのゲームプランに確信を持つと、ここからはエンジン全開、フルスロットル。SO大田尾、CTB曽我部の低く、速く、『精確』なパスでディフェンスを切り、外勝負。まさに思い描いた通りの展開で、ゲームを完全に支配した。
 21分にゴール前ペナルティーからの速攻で大田尾、38分にはもう一人のWTB吉永将宏が首藤に負けじとカウンターで30メートルを切返すなど、4年生もしっかりとチームを牽引。ニュージェネレーションの生きのよさと4年生の経験が見事に噛み合い、ほぼ完璧な内容で前半を折り返した。
 後半に入ると、相手のパワーに屈し、後退する場面も見られたものの、『激しさ』を全面に押し出し、必至に抵抗。相手を完全に崩し切ったフランカー松本允(2年)のビューティフルトライ(曽我部、吉永でゲインを切り、そこから大外へ展開。今泉コーチも大絶賛!)も飛び出すなど、最後までらしさを存分に発揮した。
 細かいミスや、モールディフェンスなど、課題も残るものの、母国のエリート戦士相手に、38-22とワセダ通算3度目、学生単独では初となる勝利をゲット。昨シーズンの『山下組』もきっかけはケンブリッジとの激闘から(2002年3月全早大遠征にて現地で対戦。41-57で敗れたものの、その激しいプレーに辻主将が『山下組』の日本一を確信)。「これで波に乗れるはず。手応えありますよ」(佐々木)。まさに歴史に残る大きな1勝。夢の大学選手権連覇へ。『大田尾組』は信じた道をひた走る…<HP委員 疋田拡>

<試合後には関東学院大・春口監督と誓いの?握手 狙い通りの勝利を挙げた清宮監督>
「今日のゲームは勝つべくして勝った。スピードがなくて体の大きい相手に対して、自分たちの勝る部分を出そうと学生には話していて、その通りの展開で勝てた。トライはすべて狙い通り。エキストラマンが入るとギャップができるという必然をうまく突いて、取ることができた。相手のディフェンスシステムが機能していないことは分かっていたので、デキに関しては予想の範囲内。大きくボールを動かすことと、逆を突く動きに弱いからそこを突けと。あとは外、内の使い分け。曽我部のベストポジションはSOだけど、大田尾に勝つのはまだ10年早い(笑)。グラウンド内で起きている現象は昨年とあまり変わっていないけど、それぞれのリーダー、特にFWのリーダーが機能しているかが違うところ。これから厳しいゲームがあるだろうけど、そこで引っ張れる選手、ミスを処理できる選手がまだいない。関東に2連敗して、ファンの方もヤキモキしていたと思うけど、今日の試合でこれだけチームが仕上がってきたんだと思って頂ければね」

<会心の勝利を挙げた主将・大田尾竜彦>
「チームのデキとしてはまあまあ。相手を研究できたので。今週の練習ではみんな集中力もあって、やってきたことがうまく出せた。今のワセダの能力でいくと、点数はこんなもん。ただ、攻めたいところをうまく攻められたとは思う。FWも意識が高くて、みんな動けていた。声も出てたし。あとはモールをどう止めるか。今日も取られるのはあそこだけなので。セットに関しては安定してきたけれども、まだ何とも言えない。同じメンバーで練習をこなしてきて、だんだん息も合ってきた。ビッグゲインの後、取り切るとか、まだまだ課題は山ほどあるけど、今日の勝ちは自信になる。これからもひとつひとつ勝つことで自信を付けていきたい。1年生ふたりに関しては、あいつらがどんなプレーをするのかを周りが分かってきた。元々能力はあるし、あれくらいはできるだろうと思っていた。これからまだまだやれますよ」

<久々のフル出場となったNO8佐々木隆道>
「今日は久しぶりの80分でものすごく疲れました(笑)。試合に出られなかった時は負けている原因が何かをずっと考えてましたね。当然出たい出たいと思いながら(笑)。昨年のいい時はFWでゲームのテンポを作れていたんですけど、今年はそれができていなかった。もっと単純にゲインして、そこから流れを作れればと。新しいことに取り組んでいることもあったんですけど、みんな難しいことをしすぎていた。シンプルな中に、新しいことを入れるようにすればよくなるだろうなって思ってました。今日はうまくできましたね(笑)。相手の外のディフェンスが弱いのは分かっていたし、竜彦さんの試合の読みも的中した。モールはさすがに重かったです。関東の時より前に出ていたし、FWのディフェンスはまあまあですね。みんな今日の試合で忘れかけていた何かを掴んだと思いますよ。(大田尾の「隆道君、ほんと負けないねー」の声に)何なんですかねー(笑)、僕って勝ちたい勝ちたいって思いすぎるとダメなんですよ。だから今日も適当に(笑)。それがよかったかもしれないですね。今日は今シーズンを占う大事な一戦だった。これで波に乗れるはず。手応えありますよ」

<相手ボールもゲット スクラムに奮闘したプロップ諸岡省吾(3年)>
「スクラムは相手の3番が関東戦に出ていた選手ではなかったので、押せるなと思いました。NZU戦も経験したし、外国人との組み方も分かっていましたから。今週はダイレクトフッキングの練習をしていたんですけど、おいおい、スクラム止まるだろうって密かに思ってました。そんなに練習しなくてもいいのにって(笑)。(後半26分のゴール前ペナルティーからスクラム選択)あそこは相手も(シンビンで)ひとり少なかったし、みんなでスクラムトライを狙おうと。最初のヒットで勝っていたんですけどね(笑)、隆道が判断でサイドに。あのまま押していてもいけたと思いますよ。モールディフェンスはもう少しやらないとダメですね。あのモールを止められないと関東のモールは止められない。チームもだんだん仕上がってきたし、今日の勝ちで勢いが付いたと思います」

<初めての秩父宮でのびのびプレー キングぶりを如何なく発揮したCTB曽我部佳憲>
「実は秩父宮で試合するの初めてだったんですよ。勝てたし、いい思い出になりました(笑)。今日は外からの声があったので、そこに放るだけでした。いい感じでパスできましたね。自分が抜けた場面で外に放っていればと反省してます。声援が多いのも嬉しかったですね、それが僕の元気の源ですから(笑)。今はやることがはっきりしているから、思い切ってプレーできているし、やっていて楽しい。悪かった自分の調子も戻ってきた。今日は周りが熱かったんで、それについていきました。外国人相手は正直怖かったです(笑)」