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2024

対筑波大戦観戦記

 「相手のディフェンスがよくててこずった」(清宮監督)。対抗戦の折り返しとなるこの日は永遠のライバル・慶大を粉砕し、勢いに乗る筑波大と対戦。左右に大きく広がるディフェンスに苦しみ、ワセダの十八番・トライラッシュは影を潜めた。
 「崩しきれないのと自分たちのミスで前半点数が入らなかった」(主将・大田尾竜彦)と言う様に、ファーストトライまでに要した時間は実に16分。チャンスこそ作るものの、その後も仕留めの部分の精度を欠き、我慢の展開を強いられた。ロースコア(2本目のトライは前半30分)から来る焦燥感に、募るイライラ…。2人目の寄りも遅れ、チャンピオンチーム・ワセダはその「らしさ」を失いかけた。
 しかし、「狙うところを決めたらみんな動けた」(NO8佐々木隆道)と言う後半に入ると、徐々にペースアップ。FWが執拗にタテを突き、閉ざされたインゴールへの道を強引にこじ開けた。8人トータルの運度量、BKでの仕掛けなど、まだまだ『ULTIMATE CRUSH』級のインパクトには欠けるものの、最後まで「攻め」を貫き8トライ。最終的には50-17で危なげなく勝利を掴み取った。
 次なる相手は夏合宿、ボトムの状態で自らの首を絞めた「因縁の」帝京大(この時は26-14)。「次はやってやりますよ…」(佐々木)。対抗戦もいよいよ佳境。『大田尾ワセダ』がついに本気モードに突入する…<HP委員 疋田拡>

<淡々と試合を振り返る清宮監督>
「今日は試合前からレフリングにイライラするなとは言っていたけれど…。相手のディフェンスがよくててこずった感はある。思ったようにトライを取ることはできなかったけれど、ああいうディフェンスをしてくるチームとできたのは収穫。こうしていこうというのも見えたし。キッカケは作れてもフィニッシュまでいくことができなかった。筑波はああいう形でしかトライを取れないから、そういう意味では取られたかなと。フィニッシュまでいけてないからターンオーバーで取られてしまう。FWもスクラムでイライラしていたみたいだし。これも経験。学生にはいい勉強になったと思う。帝京戦へ向けて今日の試合はプラスになった」

<次も勝ちます! 主将・大田尾竜彦>
「今日は崩しきれないのと自分たちのミスで前半点数が入らなかった。後半はまだいいリズムでできたとは思う。空いているところも突くことができた。後半は自分がどうというよりも周りを意識させるように心掛けた。セットできていないのが問題だったので、ポジショニングをしっかりするようにと。それができて攻められたと思う。筑波はディフェンスも強いし、集中力もあって意識の高いチームだった。よく鍛えられているチームだと感じた。そんな相手に春はできなかったパワープレーで取れたのはいい点。あとは春できていたようにBKでも取りたい。今年は勝ちながら成長していくチーム。6月に関東に負けた時点から立ち止まらないで進んでいくことが大事だと思っている。次の帝京戦も勝ちますよ。いいゲームできるようにチームを持っていきたい」

<親友・ロコココばりのトライを決めたWTB吉永将宏>
「ゲームが膠着していたので、ボールを持ったらとにかく前に出ようと考えていた。こういう相手にはステップでも逃げないで、ヒット、ドライブをしっかりすることが大事。それが先制トライにつながった。後半の初めのトライ(SH後藤のバックフリップパスからトライ)も狙い通りで、翔太からいいパスきた。両方ともいい時間帯に取れたと思う。今日は少しイライラしてしまった。自分もだけど、ミスが多かったので。ミスをしてからの反応が自分も、みんなも遅い。関東にやられたのはそこですから。そのことに、この段階で改めて気がつけたのはプラスに考えたい。今日もミスさえしなければ取られないのに、ミスからチャンスを作られてしまった。最初のトライも自分のキックミスだし。これが競ったゲームだったら致命的。今年は上のチームで色々な試合を経験していることで、コンタクトでも負けないようになってきたと思う。4年生としてヘタなプレーはできないと常に練習から意識を高く持つことを心掛けているのがいい方向にいっているのかなと。これから先のビッグゲームに出場できるのはすごく光栄なことだと思っている。まずは初めてのビッグゲームを楽しみたいし、もちろん勝利に導くようなトライもしたい。だんだんと抜けるイメージも固まってきて、チームでもそれを共有できるようになってきたので、自信はあります。とにかくやります!」

<帝京戦での大暴れを誓う NO8佐々木隆道>
「今日はイライラした。いつもはOKなプレーでも反則を取られたりして、こういうこともあると分かってはいたけれど、フラストレーションが溜まってしまった。自分の中で完璧だと思ったプレーでペナルティーを取られてちょっと…。前半は点数が伸びなかったけれど、後半ピックとか狙うところを決めたらみんな動けたと思う。試合中に修正できたのはいい点。アタックがよくなかったというイメージはそこまでない。最初の方は自陣が多くて苦しかったけど、攻め出したらペースを掴めた。FWのディフェンスはひとりひとりの問題。どれだけオンザボールにいけるか。みんなフィットネスも徐々に戻ってきていると思う。次(帝京戦)はやってやりますよ…」

<2試合ぶりに復帰したプロップ諸岡省吾>
「今日はスクラムに力を入れすぎて走れなかった。悪くはなかったけれど、まだまだ改善しなければいけない点はある。スクラム選択は(後半20分過ぎにペナルティーから執拗にスクラム選択)竜彦さんがいけと。関東を見据えて勝負にいった部分もある。筑波を押し込めないと関東にはコントロールされるという気持ちで。押していたけど、ちょっとコントロールできなかった。(伊藤)雄大も復帰したばかりで、それぞれが個々の力でいこうとしすぎた。もっと8人で押す意識もたないとダメ。途中からは歩き過ぎでお粗末なところを見せてしまった…。まずはフィットネスを戻したい。夏合宿の帝京戦のあと、清宮さんにスクラムについて厳しく言われたので、フロントとしては次の試合は意識しますね。この2週間で意識高くしっかりと修正して、いいスクラム組みたい」