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2024
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対同大戦・観戦記


 「最後まで負けるなんて全く思わなかった。あそこで負けると思った奴がひとりでもいたら、それはもうワセダではない」(NO8佐々木隆道)。迫り来るゴールライン。訪れかけた絶望の時…。「ワセダに負けは許されない」。ボロボロにされながらも、赤黒に受け継がれてきたDNA、ただその一心が、「敗北」の2文字を吹き飛ばした。
 「後半最初のプレーが今日のすべてだった…」(清宮監督)。ケチのつけ始めは、芯を外したキックオフからの一連の「緩い」プレー。まったく押し返せないタックルに、余りに遅いラインセット。才能溢れるSHにいい様にかき回され、赤黒は完全にその制御機能を失った。
 そして修正の兆しが見えずにズルズルと迎えた後半26分には、用意周到・バックスリーの華麗なカウンターで積み上げた前半の貯金もついにはフイに。音を立てて崩れ落ちる赤黒の壁…。まさに未体験ゾーン、残り10分を切って今シーズン初めてリードを奪われた。
 緩々なディフェンスもさることながら、このお粗末な展開に拍車を掛けたのが、アタックでの度重なる判断ミス。「イージーなミスが多過ぎる」(清宮監督)。「フェイズを重ねればよかったのに、難しいプレーをやろうとし過ぎた」(副将・川上力也)。己の首を絞め続けるその様はまるでマゾヒスト。事態は深刻。アタックの再整備なしに、打倒・関東は語れない。
 「とにかく今日は勝ったことが収穫」(清宮監督)と言う様に、典型的な負け試合の流れに陥りながらも、最後は負けない男・佐々木隆道の存在感で「才能集団」を強引に寄り切り。死に体同然ながらも、ついに『大田尾組』の正当性を証明する唯一無二の土俵に辿り着いた。
 二度打ち負かされても、目の前でどんなにその強さを誇示されようとも、『荒ぶる』への熱き想いに一点の曇りもなし。「俺たちはワセダ。誇りに懸けて必ず勝つ」(主将・大田尾竜彦)。ワセダラグビー史に残る『世紀の一戦』。2004年1月17日、俺たちは『伝説』になる…<早大ラグビー蹴球部広報 疋田拡>

<宿敵・関東学院大との決戦にすべてを懸ける清宮監督>
「今日は後半の最初のプレー。とにかくそれに尽きる。あのプレーがこのような展開を招いてしまった。前半は想定通りに点を重ねることができたけれど、そこで一気に引き離せないところが今年のチームの足りないところ。とにかくイージーなミスが多過ぎた。同志社には前に出る気持ちという大切なものを教えてもらった。法大戦は見ていて負ける気はまったくしなかったけれど、今日は負ける試合の典型のような流れだった。とにかく今日は勝ったことが収穫だね」


<足の痛みを堪え、懸命に勝利を掴みとった主将・大田尾竜彦>
「今日は勝つことができてよかった。後半は勢いを感じたし、同志社は強かった。後半はともかく、前半で試合を決めなくてはいけなかった。それだけの差はあったのに、ツメの甘さがこういった展開につながった。逆転されても焦りを感じることもなかった。ブレイクダウンとか細かいところはビデオを見てみないと分からない。決勝は春に負けてからこれまでやってきたことを出せれば絶対に勝てる。ワセダらしく意識を高く持って、反応を速くして、とにかく集中することが大事。今日は満足できる試合ではないけれど、どんなにいい試合をしても負けてしまったら意味がない。1年間このためにやってきたので、とにかく今日は決勝に進むことができてよかった」

<ついに戦列復帰した副将・川上力也>
「前半外から見ていて楽そうに感じたけれど、後半は同大がよくなったというのもあってああいう展開になってしまった。コンタクトに脅威を感じたりすることはなかったけれど、正面や平といったキーになる選手を前に出してしまうとやっぱり苦しい。差し込まれてしまったのが一番の要因。アタックではラックにすればいい場面でオフロードしにいったり、自分たちで難しいプレーを選択してしまった。ブレイクダウンではレフリーとの解釈の違いでセルフジャッジしてしまい、ピンチを招く場面が多々あったので、笛がなるまでプレーをやめない意識の継続が必要だと感じた。ワセダがいいテンポでボールを出すと反則で止められるという、その繰り返しでリズムが出ずに苦しかった。そこにはもちろん自分たちの甘さももちろんありますけど…。個人的には久々の復帰で、思ったよりも動けた。勝ったから言えることだけど、次へのいい感触を掴んことができた。あと一週間でもっと動きもよくなると思う。関東とは『ULTIMATE CRUSH』を実践して初めて同じ土俵に立てると思う。もっとひたむきさを出さないと勝負にならない。その部分を突きつめて勝ちたい。決勝で勝つために1年間やってきた。すべてをぶつけて絶対日本一になる」

<全身全霊を誓うWTB吉永将宏>
「後半はまるでチームが変わったかのように受けてしまった。前半は相手の圧力もなかったし、強さもまったく感じなかった。このままいけると思っていたらボールをどんどん回してきて、自分もそうだけどファーストタックルで差し込まれてしまった。1本いかれたらあとはもう受けてるだけという感じだった。慢心というか、後半の入りは集中していないように感じた。前半はBKである程度いけていたけれど、自分は全然ダメ。元々器用なCTBがいるわけではないから、想定してはいるけれど、余りにもミスが多かった。きちんとフェイズを重ねていればもっと取れたはず。チームとして機能していなかった。今日はとにかく勝ててよかった。勝つことで反省できるのがせめてもの救い。決勝に向けてやるべきことはたくさんあるけれど、とにかく明日からは関東のことだけを考える。全身全霊で4年間のすべてをぶつけたい。今日のことよりもとにかく次。技術うんぬんではなくて、ミスへの意識、反応の早さとかワセダらしさを出すことができれば負けない。それは自信を持って言える。とにかく明日から目の色を変えてやる」


<ブラインドWTBとして初めて先発出場した内藤慎平>
「今日は不満足。自分もチームのデキもよくなかった。ワセダは受けに回ったら弱い。攻めを貫くという意識が足りなかった。崩してゴール前に行きながらミスで取りきれないワセダと、そこできっちり取った同志社。それが接戦になった一番の要因。相手に勢いがあったというより、息の根を止める寸前までいきながら、吹き返させてしまった自分たちに問題がある。決勝までの時間はもう限られているからチームとしてやることを徹底して、心も体もしっかりと作って臨みたい。全員が持っているものを出して、ひとつになることが大事だと思う」

<スクラムで不完全燃焼に終わったプロップ伊藤雄大>
「今日はつまらなかった。負けるとはまったく思わなかったけど、スクラムもそれ以外のデキもまったくよくない。ワセダとしてはしっかりと組み合って、押し勝つことで流れをつかみたかったけれど、レフリーとの解釈が合わず、高校ラグビーみたいになあなあで組んでしまった。お互いがぶつかって押し合うのではなく、安定第一みたいなスクラムになってしまった。同志社としてはそれでよかったのかもしれないけれど、ワセダとしてはそこで勢いをつけたかった。80分間フラストレーションが溜まりっぱなしだった。これからはどんなスクラムでも押せるようにしていきたい。関東戦はスクラムで絶対に勝つ。BKやブレイクダウンがどうであれ、スクラムで負けたら勝つことはできない。決勝では鬱憤を晴らすようなスクラムを組む」

<自らの不甲斐なさに肩を落としたSH後藤翔太>
「個人的な判断ミス、ハンドリングミスが多くて不甲斐ない。今日は本当に勝ってくれてよかった。自分が情けない。自分がもっときちんとやっていれば全然違う展開で勝ててた。相手のタックラーが寝込んでボールを抑えてくるので、そこでワンクッション置くことになり、リズムがでなかった。もっとテンポよく捌かなくてはいけなかった。リズムを失い、ワセダのラグビーではなくなってしまった。これからの一週間は何をするにも勝つことを意識して、ひとつひとつのプレーを大切にして、全力を尽くしたい。勝つためにはプレーの精確さ、激しさ、集中力が必要だと思う。次は絶対にいいプレーをします」


<孤軍奮闘の活躍で勝利を手繰り寄せたNO8佐々木隆道>
「最後のトライはもう空いていたから行こうと。イメージはあったことはあったけれど、最後はBKもあんな状態だったので、あそこ以外では取れないと思った。僕は最後まで全然負けるとは思ってなかったし、あそこで負けると思った奴がひとりでもいたら、決勝では絶対に勝てないし、そんなのはもうワセダではない。後半は一人目のタックルが弱かった。ワセダは受けてしまったら何もないチーム。足が速い奴もいないし、コンタクトの強い奴もいない。気持ちで受けたら大学選手権にも出られないような普通のチーム。途中で修正することができなかった。たしかに相手の反則は多かったけれど、そこでカッカして自分たちを見失ってしまってはダメ。後半あのような展開になったのはそこが一番の要因。前半でもっとトライを取って勝負を決めなくてはいけなかった。ああいう風にポロポロしているのが、後半の立ち上がりの悪さを生んでしまう。アタックでは簡単に抜けすぎて継続の意識を忘れてしまった。ブレイクダウンはボールキャリアとコントロールが最悪。これは今更言ってもそれぞれの意識の問題。とにかく決勝で勝つために1年間やってきた。それを生かすも殺すも自分次第。笑って終わりたかったら、それに見合う努力をしなければいけない。力は相手の方が上だからそういう意識をどれだけ持てるかだと思う」