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2024

対拓大戦 BK陣が一発解答!


 瞬殺…。これぞまさに一発解答。前週山ほど課題を突きつけられた『赤黒予備軍』が、その学習の成果を実践の場でしっかりと発揮。開始から僅か30秒で、募る不安、溜まりに溜まった鬱憤を吹き飛ばした。
 相手キックオフのミスから得たセンタースクラム。新時代のSH矢富勇毅が当たり前のようにボールを持ち出すと、来るべくしてチャンスフェーズが到来。絶妙のタイミングでボールを受けたWTB勝田譲がゴール前で相手を引きつけると、フランカー東条雄介が教科書どおりの好フォロー。これまでの拙攻がウソのような華麗なアタックで、トライラッシュの口火を切った。
 「チャンスフェーズのところは今週だいぶ言われましたから…」(CTB豊山寛)。この先制トライで自信を回復すると、その後はチームアタックと見間違うようなビューティフルトライを連発。前後半を通じ、バックスリーがおもしろいようにボールに絡み、真の『高速』アタックを体現した。
 見所満載。ため息の止まらないファンタスティックな展開に、スタンドで観戦したAチームもやんやの大喝采。「どのチーム(この日はBチームだけでなく、C,Dも好アタックを連発、そして快勝)もAでは見られないようなアタックができてますね…」(主将・諸岡省吾)。下ができて上ができないわけがない。ファーストフィフティーンへの大きな刺激。ワセダのお家芸・赤黒ジャージーによる華麗なBK展開がスタンドを沸かせる日もそう遠くはないはずだ。
 気分爽快。そんな胸のつかえが取れるようなアタックの影で、忘れてならないのがバックローの奮闘。タックル、タックル、またタックル。外国人選手2人(ともにBK)の突進もことごとくシャットアウトし、地味に激しく、その責務を全うした。特に『ガッツ』こと東条の仕事ぶり(死角からかっ飛ぶタックルもビシビシ)は秀逸の一言。「だいぶよくなってきたね」(清宮監督)。熾烈なポジション争いを展開するスーパールーキー・権丈太郎に負けじと、強烈な存在感を示して見せた。
 FWが見せる相変わらずの安定感に、BK陣が応えた一発解答。これぞ15人、130人がひとつになった理想のラグビー。学習能力抜群、『諸岡組』の進化はこれからも続く…<早大ラグビー蹴球部広報 疋田拡>

<スクラム、フィールドプレーに冴えを見せたキャプテン・伊藤雄大>
「今日は相手が相手だったけれど、先週の悪い流れを吹っ切るのにはいい試合だった。チーム全体はよかったけれど、スクラムは今イチ。自分としても8割くらいのデキだった。対面の奴(谷地村)はそれなりに強かったけど、高校時代にも組んだことがあったから対応できた。最近はどの相手も重いんですよ(笑)。東ガスにしろ、今日の拓大にしろ。フィールドプレーに関しては(この日は相手3人を引きずりながらのビッグゲインに、ライン際での華麗なパス捌きと大活躍)、少しはやらないとクビになってしまいますからね。今は尻に火、つきまくってますよ。他の奴だったら泣いてしまうくらいに」

<4年の力でチームを引っ張ったCTB豊山寛>
「やっぱり4年になると全然違います。今日もみんなすごく気持ちが入っていた。伊藤はキャプテンとしてグイグイ引っ張ってくれたし、(遠藤)隆明も馬(中崎の愛称)もすごくよかった。チームもそれに乗って、いい雰囲気でできた。今日は課題であるチャンスフェーズのところをだいぶ言われていたんですけど、何もできなかった前回とは違って、今日はいいアタックができた。相手もあるけれど、練習してきたような形が出せた。ただ、疲れてくると足が止まうし、自分のプレーはまだあまり納得できるものではない。最後まで抜かずにできなければダメ。最後に取られたトライは、自分も動けずに、チームもバラバラだった。今日はいいゲームではあったけれど、ここからまた更に上を目指さなければいけない。もう、今年はやるしかないです。出られなかった奴らみんなそうだと思うんですけど、昨年は本当に悔しい思いをしましたから」

<攻守に大奮闘のフランカー東条雄介>