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2024

対帝京大戦 飛躍の夏最終章へ…


 「(前年度主将)竜彦さんに一分、一秒たりともリードを許すなと言われたことが今でも心に残っている。それが果たせずに本当に悔しい…」(副将・後藤翔太)。キックオフでのオフサイド、自らの首を絞めるキックミス、防げたはずのペナルティー。強烈な風とともに、自陣に釘付けにされた前半8分、『最強FW』8人の意思が乱れ、今シーズン初めてとなるリードを奪われた。「ひとりでも反応できない奴がいると、ああいうことになってしまう」…。
 もうひとりの副将・桑江崇行もそう悔やんだように、この日はあらゆる局面での『反応』が欠落。「最初の3歩、5歩の反応が―」。機先を制するその『反応』、一歩こそがワセダのワセダたる所以。「関東戦が終わってちょっと抜けていたというか、浮いていたというか…」(主将・諸岡省吾)。生命線を失ったチームが機能するはずもなく、最後まで緩いプレーが消えることはなかった。
 それでも先制された直後、セットからの巧みな仕掛け2連発(11分にラインアウトからFB五郎丸の決定的なラストパス、15分にはセンタースクラムからSH後藤、五郎丸のふたりでノータッチエース)であっさりと逆転したように、ツボにはまったときの強さは、充実のこの夏を象徴。「やろうとしたことができたときはいい形でトライが取れているので、あとはいかに精度を上げていくかだと思う」(NO8佐々木隆道)。精神面のムラとイージーミスの撲滅。「今日はまぁまぁ。最終クールはチームアタック、フィットネス、ウェイトをたくさんやってチームを仕上げるつもり」(清宮監督)、「4年生と一緒にもっと緊張感をもってやらせます」(主将・諸岡省吾)。渾身のラストスパート。130人の真剣勝負、『諸岡組』飛躍の夏は、いよいよ最終章に突入する…
 

<残り一週間、チームの引き締めを誓う主将・諸岡省吾>
「今日はスクラムでうまく崩せて、その点は悪くなかったけど、アタックでミスが多かったし、ブレイクダウンもよくなかった。(この日もいくつかターンオーバー)ブレイクダウンの精度が少し落ちているので、そこを再度整理したい。前回の反省を踏まえ、今日はスクラムでペナルティーはなしと意識していたけど、後半に2本、フリーキック1本はちょっと多かったかなと。もっと意識を高めなくてはいけない。それでも意図したスクラムは組めていたと思う。本当はもっと攻めたかったところだけど、ミスして、キックで戻されて、攻め切れなかった。もっとミスに対して厳しくやっていきたい。これは毎回言っていることなんですけど、ちょっとボロボロですね。もっと緊張感を持って、自分たちを突き詰めていかないと。このままではマズイです。反応も遅いし、関東戦後で、ちょっと抜けたというか、ちょっと浮いていたというか…。最初にモールで1本取られてしまったのは、ラインアウトで競れるようなら競ろうという作戦が裏目に出た。ただそこは修正できるところだし、気にしていない。その後抑えられたのはよかったと思う。これからは法大戦、オックスフォード大戦に向けて雰囲気変えて、チームを仕上げて、ピークを持っていって、いいチームにしていきたい。4年生のみんなと一緒に、もっと緊張感を持ってやらせます」


<不完全燃焼に不満気な表情の副将・桑江崇行>
「今日は不完全燃焼です。モールでいかれたし、ちょっと緩みがあった。ラインアウトで競るサインを出したのに、反応しない奴がいてトライを取られた。ひとりでもそういう奴がいるとああいうことになってしまう。その後は点数を取られなかったけれど、まだセットが遅い。ラインアウトは取って絡まれたあとの修正が、先週からうまくできた。8人でしっかりと修正できたのはよかった。今日は全体のデキとしては60点。最終クールは清宮さんもフィットネスをたくさんやると言っていたので、しっかり体力づくりをして、コンディションを整えたい。春を美化している訳ではないけど、ワセダはチャレンジャーの気持ちが足りなくなっている。ガムシャラさとか責任を果たすといったことができていない。そこのところをもう一度引き締めていきたい」

<試合後悔しさを滲ませた副将・後藤翔太>
「今日は点差は離れたけれど、先制されたのが最低。(前年度主将)竜彦さんに一分、一秒たりともリードを許すなと言われたことが、今でもすごく心に残っている。それが果たせず、すごく悔しい…。キックオフでオフサイドしてしまったり、切るべきところで切れなかったり、流れが悪かったのは事実。みんなちょっと反応が悪かった。しっかりとした意識があれば、止められた。ワセダの強さは意識だと思うんです。清宮さんがいつも言われるのも、難しいことではなく意識のことで、当たり前のことを当たり前にやろうと。今日はそういうところが欠落していた。それがすごく悔しい。今日はFWが前に出ていたし、モールも押していたし、アタックすればいくらでも取れるという感じだったけれど、BKのゴール前でのラインの深さとか、やろうとしたことがうまくできなかった。ミスするその前の段階からできていなかった。練習のための練習ではなく、試合のために練習しているので、試合で出せないと意味がない。試合を想定しきれなかった練習に悔いが残る。最終クールは法大戦、オックスフォード大戦に向けて修正できる最後の一週間なので、もっと集中した、しっかりと試合を想定した意識の高い、いい練習をしていきたい。4年が中心となって、もう一度意識を高めます」


<チームの方向性に手応え十分のNO8佐々木隆道>
「チームとしてやろうとしていることが慶大、関東と重ねることでよくなってきている。あとは簡単なミスをなくしていくこと。今日はとにかくミス。やろうとしたことができたときは、いい形でトライが取れているので、その精度をいかに上げていくかだと思う。最初に取られたトライはあぁやられたなって感じ。最初の立ち位置がオフサイドだったり、簡単な反則があったり、うまく敵陣にいくことができなかった。その後もピンチはあったけれど、それなりのディフェンスができたと思う。50点くらいですかね。今日は不完全燃焼ですけど、ここでチームが完成してもおもしろくない。どんなチームにも波はありますから。やろうとしていること、進んでいる方向性は間違っていない。これは絶対にそう言い切れる。BKもだんだんよくなっているし、問題ない。最後の一週間はしっかりと集中した練習をして、法大戦からそれを維持し続けられるようにしたい」

<ついにAチーム復帰を果たしたフランカー松本允>
「今日はAチームで試合ができて、やっぱり嬉しかった。FWは昨年からほとんど替わってないし、役割分担もしっかりしているので、やりやすい。ただ自分のプレーはまだまだ。ランナーになれていないし、今日は全然ダメだった。チームから離れている間に、新しいことに取り組んだこともあって、馴染みきれなかった。順目にいったら、逆目に攻めていたとか、チームのやろうとしていることができなかった。チームとしても何がいけないというより、ひとつひとつの細かいところがよくなかったと思う。試合に出られない間は単純に悔しかった。最初は春の関東戦を目標にしていたけれど、治ったらまたリハビリでちょっと焦りもあった。夏に見せておかないと、シーズン入ってから居場所がなくなるので、がんばらないとダメですね。大きくて、謙虚で、よく走る一年生もいますし。古島さんがよくディフェンスしてくれるので、そこは当然のこととして、自分はアタック、ランナーとしてもアピールしていきたい。今日はゲーム勘もフィットネスも足りなくて、ボールのあるところにいけてなかった。満足できる内容には程遠いです」

<キック処理でのミスを悔やむFB五郎丸歩>
「今日は不満足です。(後半に)ハイパントの処理を2本続けてミスしたのがすべてです。FBとしてああいうことをしてはいけない。FWを下げてしまうし、あれでチームの雰囲気も壊してしまった(ここを凌ぐとその後は5連続トライで相手を圧倒…)。アタックはあのくらいは当たり前。自分は裏に出てつなぐところを買ってもらってると思いますし。今日はBKにミスが多く、キック処理も含めた地域の取り合いで完全に負けていた。風が強かったというのもあるけれど、そんなこと言っていてはダメ。ミスが多くて全然納得できないし、合宿の締めの試合としてはよくない。BKのディフェンスもコミュニケーション不足で、まだまだです。合宿が終わったらシーズンに入るということを考えると、このままではいけない。夏の3試合で出た反省をしっかりと修正して、法大戦、オックスフォード大戦につなげないと。公式戦は楽しみです。多くの人に見てもらえるのが、1番進化しますから」

<ちょっぴり不発でしたが…、今村雄太がついに復帰しました!>