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2024

対立大戦 スタートは合格最低点?


 ワセダ史上初4年連続全勝優勝、不変のスローガン『ULTIMATE CRUSH』の体現―。互いの伝統、プライドを賭けた対抗戦がついに開幕。『諸岡組』130人の自己実現、夢舞台へのチャレンジが、本格的にスタートした。
 「余り誉められた試合ではないですね。気負ってしまったのか、いつもと違う感じがした…」(主将・諸岡省吾)、「みんな縮こまっていたんですかね…」(副将・桑江崇行)。すべてを懸けたオックスフォード大で「もぬけの殻」と化したのか、はたまた待ち焦がれた対抗戦に興奮しすぎたのか、この日は(も?)キックオフから、どこかエンジンが空回り。ひとつ問題が解けるまで落ち着かない入学試験のように右往左往し、ワセダらしさはどこかへ消えた。
 しかし、何とか敵陣深く入り込んだ5分。スクラムから得意の形でブラインドサイドを攻略すると、ここからは如何なるテストでも結果を残す優等生よろしく粛々と問題を消化。「基本的なハンドリングミスも多かった」(主将・諸岡省吾)と言う様に、模範解答のオンパレード!とはいかなかったものの、密集サイドを巧みに突き、必要な得点だけはしっかりと積み重ねた。
 合格最低点…。100%満足とはいかないそんな状況のなか、赤黒に新たな光をもたらしたのが、修猷館の秘密兵器・WTB三原拓郎(1年)。先制トライ直後の6分、「気が付いたらボールが前に飛んできた」と言うインターセプトから50メートルを悠々と走りきると、その後も随所にそのスピード(部内でも屈指のスピードです)を発揮し、計3トライの堂々デビュー。大先輩?三角、南薗に憧れ浪人、入学後の上井草では、ふたりが同じチームで練習する姿を見て、感動に震えた男が(春先Bチームでコンビを組むふたりを見て、「あのふたりは神だった」と大感激)、開幕戦にして先輩の背中に追いついた。「浪人してこんなに短期間で赤黒を着られるなんて思ってもいなかった。1年余分に掛かってでもワセダを目指してよかったなって…」。
 そしてもうひとつ、忘れてならないのが、阪神・金本もビックリのフル出場記録を続ける『リアルロック』・桑江崇行。この日もオ大戦出場メンバーが軒並み休養を取るなか、何食わぬ顔で80分間仕事をまっとう。「これが僕のリズムですから…」(桑江)。秋とは思えぬ暑さもどこ吹く風。ゾロ目の44試合目も、いつもと変わらぬ圧倒的な存在感を見せ付けまくった。(ワセダAと名の付くゲームでは、一昨年の大学選手権・対流通経済大戦で盟友・内橋と交替して以来44試合フル出場《シーズン後の朝日招待は除く》。このままいけば『早明戦』で50試合のメモリアル!本人もずっと休んでないと常に言い続けてきました…)
 「まぁ、まぁ、今日はこんなもんでしょう」と、清宮監督もまだこれからが本番と言いたげな様子。赤黒スーパーエンジン、ただ今充電中…。対抗戦4年連続全勝優勝、ワセダが織り成す『ULTIMATE CRUSH』にご期待ください。<早大ラグビー蹴球部広報 疋田拡>

<ワセダらしさを追求する主将・諸岡省吾>
「今日は余り誉められた試合ではないですね。相手どうこうより、ワセダとして、もっと言えばラグビーの試合をする者としてやらなければいけないことができなかった。ミスも多かったですし。そのミスを起こした原因がコミュニケーションの不足にあった。放らないくていい場面で放ってしまったり、逆に放らなければいけないところで、突っ込んでしまったり。基本的なハンドリングエラーも多かったけれど、しっかりしたコミュニケーションがあれば防げたミスがほとんどだったように思う。赤黒がプレッシャーになってしまった面があるのかなと。Aチームの奴の替わりに出ているんじゃない、これはチャンスなんだぞとみんなには話してきたけれど、逆に気負ってしまったのか、いつもと違う感じがした。もちろんいいプレーができた奴もいたし、今日がいい経験になったと思う。自分としては、タイトなゲームのあとの中4日だったけれど、思っていたよりも普通に動けた。ミスが多くて疲れたというのはありましたけど、いつも通りにプレーができた。その点ではタフさが身に付いたのかなと。昨年は東野さん(現・サントリー)と半チャンが多くて、春は1試合通して出るのがしんどかったですから。桑江は僕が交替したとき、エーって思ったみたいですけど、自分も行けと言われたら全然いけましたよ(笑)。桑江は早明戦で50試合連続フル出場ですか。メモリアルでいいっすねー(笑)。いや、それにしてもすごいですよ、ほんと。どう考えてもタフです、あいつは。でも1番すごいのは、ただ出ているだけじゃなくて、パフォーマンスが落ちないことですよ。ほんと頼りになりますね。今日もそうでしたけど、対抗戦は一試合一試合テーマを持って、相手どうこうよりワセダとしてどうするのか、ワセダとしての課題を克服しながら、最後の決勝を迎えられればと。もちろん相手によって戦術うんぬんはありますけど、とにかくワセダとしてどうするのかを突き詰めていきたい。対抗戦、いよいよ始まりましたね。いいじゃないですか、楽しみです。1回オ大戦でみんな区切りがついて、対抗戦に向けてまたチームを高めていこうとしっかり切り替えられていると思いますよ。とにかくワセダとしてのプレーを追求していきたいです」


<ワセダの金本はこの日も健在!連続フル出場記録を44に伸ばした副将・桑江崇行>
「今日もフル出場できてよかったですけど、やってるときは地獄でした。とにかく暑くて汗の量がやばかった。ハンドリングミスが多かったのは、それも関係していたと思います。自分は権丈がケガで交代した時点で、あぁ今日も80分かと(笑)。今日はみんな縮こまっている感じがした。合わせのときは深いラインできちんとできているのに、試合になると気持ちばかり前に出てポロポロとやってしまった。みんな素材的にはAにいてもおかしくないのに、上に来るといつものプレーができないのが課題なのかなと。いかにして自分の力を出すか、今日みたいに出せないと力不足と言われても仕方ないですね。今日は正直、体も重かった。でもこれが僕のリズム。今は半チャンだとかえって気持ち悪いですし。昨日も夜全身ウェイトやったんですよ。スクワット12回3セットにデットリフト…。ミーティング終わった後に。まさか最後まで出るとは思っていなかったので(笑)。早明戦で区切りの50試合ですか、ここまできたら最後までがんばります。金本みたいですか?向こうの方が全然すごいですよ。でも僕、金本好きなんでそう言ってもらえて嬉しいです。後半諸岡が交替したときはおい!って思いましたよ。昨年から一緒にがんばってきたじゃんって(笑)。タフなゲームの後もきちんとプレーできて、今日は自信になりました」

<Aチーム初先発 佐々木隆道の背中を追うNO8柏木良哉>
「今日は3度目の赤黒(昨年の立大戦、春の全宮城戦)、Aでは初先発だったけど、全然ダメでした…。また出直してきますという感じです。3列としての判断が悪かった。今日はポッとでた話だったので、難しいことは考えず、自分の長所を生かそうと思っていたけど、まだまだ全然です。今までそのポジションにもいることができなかったので、これからは隆道にもっとプレッシャーを懸けられるようになっていきたい。これまではここまで来るとケガでまた一からやり直しという感じでしたし。チームとしてもちょっとバタバタしてしまったかなと。でもそれもバックローがカバーしないといけなかった。その点でも今日はダメ。今日上で出て、やっぱりAチームにいたいと思ったし、これで自分も変われると思う。小さいNO8だけど、ちょこまか動いて、スピードで勝負してチャンスを作って、フェーズでもしっかりと仕事ができるようにがんばりたいです」


<夢の赤黒を手に入れた修猷館の秘密兵器・WTB三原拓郎>
「今日は初めての赤黒だったけど、緊張はまったくしなかった。もちろん昨日もぐっすり眠れました。ジャージーをもらう前は、プレッシャーにやられてしまうんじゃないかとか、伝統の重みを感じるんじゃないかとか、ミスしちゃいけないとか、色々思うことはあったんですけど、昨日の夜、今日の朝には自分のすべきことをやろうという気持ちになれた。自分の中では合格点をもらえる位のプレーはできたと思う。トライ(この日は3トライ!)をするとき、自分のジャージーが見えるんですけど、それが今日は赤黒で本当に嬉しかったです。合宿で初めてシニアに上がったとき、(遠藤)隆明さんに何から何まで教わって、そこからそれまでの自分と変わることができた。特にディフェンスはほんとゼロから教わるような状態だったけれど、上のチームで4年生に引っ張ってもらったことで、ここまでくることができた。自分にとって(高校の先輩)三角さん、(南薗)洋一さんのふたりは神のような存在。今日赤黒を着る事はできましたけど、常にあのふたりを追い掛けていきますし、これからも置いていかれないようにがんばりたいです。三角さんにも、緊張せずお前のプレーを思い切りやれ、と言ってもらいました。浪人してこんなに短期間で赤黒を着られるなんて思ってもいなかったし、1年余分に掛かってでもワセダを目指してよかったなと。僕にとっては三角さん、洋一さんと赤黒を着てラインを組むのが、最大の夢であり、究極の目標です。もちろん、これからも上にいたいですけど、自分のプレーは崩したくない。もっと力強くなりたいですし、今村さん、甲子郎さんみたく初速で相手を置き去りにできるようになりたいです」

<WTB三原拓郎 生きのよさをみせてます!>