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Beat Up

2024

YCACセブンズ 成長の証 魂のベスト4

 「モチベーションは昨年の悔しさ、情けなさを晴らすこと。ほぼそれだけでした…」(キャプテン・池上真介)。あんな姿はもう二度と。清さんのあの涙を忘れるな!ちょうど1年前、赤黒を背負う意味を叩き込まれた若造たちが、それぞれの苦節を乗り越え、見事な成長ぶりを披露した。
 初戦の相手は、2005年のスタートにはもってこいのトヨタ自動車。言わずもがな、選手たちの心はひとつだった。「赤黒の誇り。俺たちはワセダ。リベンジするぞ」。グッドディフェンスを重ねた5分、この日もキレッキレの『菅野エクスプレス』が一瞬の隙を逃さず、60メートルを走り切り先制すると、後半1分、5分と、今度はスーパーエース・矢富勇毅が立て続けに相手を翻弄。意図どおりのグリップディフェンスに、小さなハードタックラー・鈴木顕二郎のビッグヒット(タックルしまくり!)が絶妙に絡み合い、世界のトヨタを捻じ伏せた。「おー、リベンジだ、リベンジ!」。2004年2月の借りは、2005年4月のうちにちょっぴりと―。「あの」トヨタからの勝ち星は、若造たちの心に大いなる自信を植え付けた。「嬉しかったですよ、めっちゃ。やれるって実感できましたから…」(矢富)。

 エクセレントカンパニーに続く相手は、破壊力抜群の大東・外国人部隊。その体格、パワーの差は歴然も、ここで青年監督・山岡正典の『情熱』が炸裂する。
 ワセダのひとつ前に行われた大東大の試合を短時間で分析すると、学生を集め念入りに修正点、そして対策を伝授。「外人が何人出てきても(3人が同時に出場)関係ない。3人がかりでもいいから止めに行け。ボールさえ持てばトライは取れる。我慢しろ」―。
 試合は想定どおり、外国人3人対赤黒ちびっ子軍団の壮絶な意地の張り合い。『菅野エクスプレス2号』(2分、ターンオーバーから50メートル独走!)→外国人のタテ→『矢富イリュージョン第3幕』(6分、ペナルティーからひとりで3人抜き!)→外国人のタテ→谷口、外国人のタテを挟んで→『菅野エクスプレス3号』(後半4分、キックオフからライン際をアクセル全開のスーパーラン!)。
 息つく間もない、激しいコンタクトの連続(3人がかりで止めても外にまだ外国人がふたりです)、頭とはかけ離れていく肉体…。残り1分半、5点のリードこそあれ、ワセダの我慢は限界に近づいていた。このままでは埒があかない―。
 この苦しい苦しいイタチゴッコに終止符を打ったのが、山岡の秘蔵っ子・松田純平。終了間際、猛烈な勢いで突進するフィリピーネに対し、インゴール寸前でスーパーハードタックルをお見舞い。手を伸ばされ、同点となるトライこそ許したものの、魂の一撃で天敵をピッチの外へと追いやった(このプレーの後、交替)。「あのタックルはデカかった…」(監督・山岡正典)。
 この激熱タックルでチームに勇気をもたらすと、今度はサドンデス開始早々に値千金のスーパージャッカル。ノットリリースのペナルティーから、矢富が『イリュージョン第4幕』(ハリーでそのままインゴールへ)をお披露目し、ついに外国人部隊を退けた。

 「ここまで来たらもう優勝しかない」―。セミファイナルの相手は、元セブンズ日本代表監督率いるセコム。ところが、そんな強い気持ち、自信とは裏腹に開始から劣勢を強いられる。
 1分、3分と、計算され尽くしたアタックにあっさりインゴールを明け渡すと、後半も1分、2分と立て続けにディフェンスが崩壊(5-22)。魂の抜けたような戦いぶりに、選手たちの限界点が見て取れた。
 あの清さんの涙を忘れるなー。しかししかし、このまま無抵抗で引き下がらないのが昨年からの成長の証。5分、三原拓郎のビッグゲインから粘り、最後は太田淳平がディフェンスラインを切り裂くと、直後のキックオフでも、谷口拓郎がラックからボールをむしり取り、そのまま独走。瞬く間に2トライを奪い、終了間際、ついに相手を射程圏に捕らえた(17-22)。
 そして迎えたラストプレー。敵陣22メートルラインでラインアウトを得ると、山岡正典が授けた取っておきのサインプレー・「矢富勝負」で、最後の大博打。「あいつの1対1に賭けた」(山岡)。「あそこに外国人さえいなければ…」(矢富)。まさに紙一重の1対1―。逆転トライ寸前、無情のノックオンで山岡ワセダの夢は終わった。

 「めちゃくちゃ悔しい…」。試合後、思い切り感情を露にする選手たち。敗北の意味すら受け止められなかった1年前の姿は、もうそこにはなかった。「昨年の借りを少しは返せましたかね。今の自分たちにできることは出し切りました…」(池上)。日々是前進。2005年ワセダは一味違います!

<今シーズンのテーマはリベンジ キャプテンとしてチームをひとつにした池上真介>
「もう今日のモチベーションは昨年の悔しさ、情けなさ(大東大、慶大に敗北)を晴らすこと、ほぼそれだけでした。今年も練習期間は短かったけれど、その分みんなでしっかりコミュニケーションを取るように心掛けてやってきた。ストレッチしながらでも色々と話していたし、その成果がシステマチックなディフェンスにつながったと思う。最後のプレーはしょうがない。矢富はベストの選択をした。あの試合はディフェンスがちょっと誤算だったけれど、自分たちのやれることはすべて出せた。全体としてはやっぱり初戦のトヨタが大きかった。あの勝ちは嬉しかったし、あれでやれるという実感を持てた。昨年負けた大東にも勝って、もうどこにも負けないと思ってたんですけど、セコムはうまかったです。最後の試合はみんな疲れていたけれど、逆にそれを楽しんでできた。疲れているんだけど、楽しい(笑)。2005年の始まりとしてはいいスタートが切れたと思います。今回は学生同士でコミュニケーション取って、足りないところを埋めていくことができたので、15人制でも監督、コーチに言われるばかりでなく、自分たちで考えて課題をひとつずつ解決していければと思う。今年はとにかく昨シーズンのリベンジです」

<山岡監督の期待に応え、イリュージョンを連発した矢富勇毅>
「この丸刈りはバシッと決意の表れです。1,2試合目は思ったとおりの展開になったけれど、3試合目のセコムはうまかった。準備の差でやられたという感じ(正木健介曰く、セコムは1週間練習)。最後はあの外国人にやられました…。あれが外人ではなかったらトライできていたと思うんですけどね…。あのノックオンは本当に悔しい。今回は練習中からいけるなという感じがあったし、全員で意識高く臨むことができた。僕はいなかったので分からないですけど、みんな昨年の悔しさがだいぶあったみたいですね(笑)。外国人は確かに強かったけれど、みんなビビらなかったし、2人、3人でいいディフェンスをすることができた。そこは収穫。セコムとの差はちょっとした甘さ。それまではうまくいっていたディフェンスが甘くなってしまった。これから春は社会人とも試合をするので、最後のツメのところを意識してやっていきたい。昨年のトヨタ戦もそうだったので。今年は翔太さんもいなくなって、清宮さんにやることをたくさん提示してもらっている。まずはそれをしっかりとこなして昨年以上のHB団と呼ばれるようになりたい。茂木、三井、伊勢と同学年にもいいSHがいっぱいいるし、チームみんなでがんばってレベルを上げていきたい。HB団コーチ清宮さんの下、いい環境で練習をやらせてもらっているので、今年はマジでやります」


チャンピオンシップ1回戦 対トヨタ自動車 19-7(前半7-7 後半12-0)

先発:池上真介、鈴木顕二郎、菅野朋幸、茂木隼人、矢富勇毅、谷口拓郎、三原拓郎

交替:高津雄矢(後半0分、←三原)太田淳平(後半2分、←谷口)、若野祥大(後半5分、←鈴木)

得点者:菅野1T、矢富2T2G


チャンピオンシップ2回戦 対大東大 31-26(前半14-7 後半12-19 サドンデス5-0)

先発:池上真介、鈴木顕二郎、菅野朋幸、茂木隼人、矢富勇毅、谷口拓郎、高津雄矢

交替:若野祥大(後半3分、←高津)、太田淳平(後半3分、←鈴木)、松田純平(後半5分、←谷口)

得点者:菅野2T、谷口1T、矢富2T3G


チャンピオンシップ準決勝 対セコム 17-22(前半5-10 後半12-12)

先発:池上真介、鈴木顕二郎、菅野朋幸、茂木隼人、矢富勇毅、谷口拓郎、三原拓郎

交替:太田淳平(前半6分、←池上)、若野祥大(後半1分、←菅野)

得点者:池上1T、太田1T、谷口1T、矢富1G