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2024

対三菱重工相模原 今こそ我慢と揺るがぬ意志を


 「うーん、フィットネス不足です…。社会人を相手にするとどうしても。SOもCTBもセットできなくなるし、FWもオーバーラップできなくなってくる。それは全部フィットネスにつながっているのかなって」(主将・佐々木隆道)―。至高の『40分』の後に訪れる、招かれざる小休止。大量リードから来る安らぎか。筋力、走力、経験不足か。『佐々木組』の前にそびえ立つ壁の正体は、一体…。
 キックオフからの『40分』は、初夏を過ごすにはもってこいの爽快感溢れる試合運び。ロック・豊田将万の激しいドライブ→CTB須藤明洋のキレ→『ウェーブ』・田中渉太の美しい流れでノーホイッスルトライを挙げると、その後も『Target2004』完遂へ、一方的に攻め立てた。「先週の反省も生かして、みんなアグレッシブにできていたと思う」(主将・佐々木隆道)。スクラム、ガン押し。モール、ブリ押し。ペナルティーからのハリーあり―。
  そして、この日のアグレッシブさを語る上で欠かせないのが、一時帰還中のジャパン戦士・五郎丸歩による強烈な自己主張。「明日の試合に僕を出してください」。「出なくてもいい」。「いや、出してください。お願いします」―。試合前夜に繰り広げられた清宮監督との真剣勝負。一歩も引かない「魂の叫び」が指揮官の心を揺さぶり、緊急先発にこぎつけた。「ワセダでどうしても試合に出たかったんです…」。
 「試合勘もなかったし、全然ダメだった」と、本人は試合後申し訳なさそうな表情を浮かべたものの、「隣にいてくれて安心感があった」と言う様に、その存在ひとつでかわいい後輩・田中渉太が一気にブレーク。これまでの鬱憤を晴らすかのような『ウェーブ』の連発は、新たなスターの誕生を予感させた。
 トライ9本対3本の51-19。練習どおりのトライも取った。スクラムも粉砕して、モールも押した。新たに這い上がった選手たちも結果を残した。しかし、それでもどこかやるせなさを感じるのは、毎度毎度同じ壁が立ちふさがればこそ。そこに共通する現象は、ミス→取り切れない→焦る→ミス→…。まだまだ未熟なスキル、プレー選択こそが根源か。「フィットネスに関しては単純に足りないというのではなくて、ゲームコントロールの問題もあるからね」(清宮監督)―。『佐々木組』の前にそびえ立つ壁の正体は、果たして…。
 春シーズンも残り3週間。未だ100%大満足、会心の『ULTIMATE CRUSH』とはいかないものの、「まだまだこれからのチーム。焦らずに、我慢してやっていきます」と主将自ら覚悟を決めるように、ここでの踏ん張り、曲がらぬ強い意志こそが、『Target2004』実現への必須条件。この壁を乗り越えたとき、ワセダは本物の強さを手に入れる。2005年・『佐々木組』は粘り強く、泥臭く、自らの力で、攻める姿勢で、我慢しながら、一歩ずつ―

<スクラムの充実には満足も、ゲームコントロールを課題に挙げる清宮監督>
「今日はまぁいい試合だったし、社会人と2試合やって収穫もあった。先週でた課題は、1週間ではすべては直らないけど。ただスクラムはすごくよくなっていると思う。新しく入った須藤、田中もいいプレーをしていた。チーム全体の底上げもできているし、力をつけてきているからこそのAチーム入り。フィットネスに関しては、単純に足りないというのではなくて、ゲームコントロールの問題もあるからね。気持ちの面はまったく問題ない」


<『Target2004』達成へ 生みの?苦しみを味わう主将・佐々木隆道>
「うーん、フィットネス不足です…。ゲームフィットネスも足りないし、普通のフィットネスも足りない。社会人とやると、どうしてもそういうところが出てくる。清宮さんとも話したんですけど、(社会人相手で)後半になるとスイープに入る速度が全然違いますから。あとはミスですね。ミスするとみんな焦ってしまっているんですよ。焦らなくてもいいのに。そこはまぁ経験です。今日は前半の入りはメチャメチャよかった。最初のトライなんてまさしく練習どおりの最高の形。でもやっぱりSOもCTBもセットできないし、FWもオーバーラップできなくなってくる。そこは全部フィットネスにつながってもいるのかなと。今まではちょっと嫌だなと思うときもありましたけど、もうそんなこと言ってる場合じゃないです。これから夏にかけてフィットネスガンガンやります。今日は先週の反省も生かして、アグレッシブにできていたと思う。須藤も元気なうちはいい反応していたし、晴紀も渉太もいいプレーをしていた。新しく入ったメンバー、1年生が活躍することはチーム全体にとってはすごくいいこと。とにかく課題は反応。まだまだこれからのチームですから、我慢して、焦らずにゆっくりやっていきます。でも、そんなこと言いながら勝ちますけど」


<後半から久々の登場も、精彩を欠き猛省の副将・青木佑輔>
「今日はヤバいです…。久々の試合ということもあってか、全然ダメでした…。後半から試合に入るというのも久しぶりでしたし、ものすごく緊張してしまいました。本当はもっと色々とやりたかったんですけど…。ミスでスクラムの本数が多くて辛かったですし、何よりチームに馴染めていなかったです。今週辛かった分、来週はいけると思います。種本もすごくいいですし、勝負です。自分はとにかくがんばるだけです。今日はチームもいまいちすぎ…。ディフェンスでブレイクされ過ぎですし、タックルを外したことで早い球出しをされてしまいました。そこは何とかしないとダメです。かなり意気込んでいたんですけど、何だろうっていうくらい自分のデキも散々でしたから…。もう次はありません。かなりの危機感を感じています」


<初のAチームスタメンにも、己の不甲斐なさに肩を落とすSO高橋銀太郎>
「今日は初めてのスタメンということで気合い入りまくっていたんですけど、ミスばかりで申し訳ないです…。相手が前に出てこない分、前に出て強気に仕掛けようと思っていたけれど、ミスをしてから深くなりすぎてしまい、全然意図していたアタックができませんでした。ゲームメイクとしては最低です…。ミスしてからは志向もどんどんマイナスになってしまいましたし、僕がミスしてから展開もセーフティーになってしまいました。まだAチームにフィットできていないです。今日はゲームコントロールに責任を感じています…。今シーズンは、ここまでケガなくやれているのが何よりです。シニアにいるとラグビーを考えられますし、今は毎日が充実しています。春のチームの課題がSOのディフェンスなので、とにかくそこのところと、あとはゲームメイクをしっかりできるように。もっともっとチームの中心になっていかないといけませんね…」


<志願の先発出場 僅かな時間にも抜群の存在感を見せた五郎丸歩>
「試合勘が全然なかったので、今日は出してもらったんですけど、相変わらず掴めませんでした…。それにいきなり関東戦に出るのはきついかなと思ったので。昨日の夜、清宮さんのところに行って試合に出たいですと言ったら、最初は断固拒否されたんですけど、どうしても出たかったので、ゴリ押ししたら(五郎丸、恐るべし…)、最後にはいいよってもらいました。でも今日は全然ダメ。かなり鈍っている感じです…。久々の試合でしたけど、ワセダはやっぱりスピード感があっておもしろい。今は課題もたくさんありますけど、まだまだ伸びていくチームだと思います。ケガ人が多い中で、新しいメンバーが成長していますし。渉太も今日はかなりよかったですね。だんだんとチームに慣れてきているんだと思います。アイルランド戦(この日の試合後、新幹線で大阪へ出発)は、まだよく分からないですけどがんばります。その後の関東戦も、もちろん出る気満々です!ガンガンいくつもりです。ワセダはやっぱり楽しいです」


<これぞ五郎丸効果?3トライでモヤモヤを一気に晴らしたWTB田中渉太>
「今日は久しぶりに、ちょっとは自分のよさを出せたかなと思います。FBに五郎丸さんがいてくれて、すごく走りやすかったです。最初のトライで今日はいいかなと。その後も自分の得意な形でもらうことができました(終了間際のトライにはライン際で見ていた先輩たちもビックリ…)。今日トライできた1番の要因は五郎丸さんが走らせてくれたからです。どんな形でもいいパスを放ってくれますし、隣にいてくれて安心感がありました。ただ課題はやっぱりディフェンス。チームとしても個人としても、外国人選手にスピードに乗った状態で来られたとは、きつかったです。東条さんには本当に助けられました(この日も出撃しまくり!)。今日も迷惑かけてばかりだったので、トライはもちろん、次の試合ではディフェンスでいいところを見せたいです。ワセダは個人のスキルがとにかく高くて、展開力も高校時代までとは比べ物にならないくらい。ただ、今までは自分のよさも出せなくて、モヤモヤしてたんですけど、今日で少し吹っ切れました」