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対立正大 2005・08・15 『KING』 is Back!


 曽我部佳憲の、曽我部佳憲による、曽我部佳憲のための、練習試合―。ABゲバが2年半ぶりなら、こちらは1年9ヶ月ぶりのショータイム。『帰ってきた天才』・曽我部佳憲が、その『キング』ぶりを復帰戦からいきなり世に知らしめた。
 互いにミスを重ね、ゲームに躍動感がなかったのも、外での数的優位を生かせなかったのも、スコアが拮抗(12-7)したのも、すべては後半・メインイベントへのお膳立て。停滞したゲームの破壊こそ、この男の真骨頂。『背番号20』のウルトラマンがピッチに立つと、その存在感、センス溢れる立ち振る舞いだけで、ゲームの流れは一変した。誰もが感じた特別な雰囲気。「ここから一気にゲームが動く…」。
 まずは挨拶代わりに、低く速いピンポイントパスでCTB佐藤晴紀のビッグゲイン&トライを演出。あっさりと拮抗を破ることに成功と、その後もCTB長尾岳人(後半から三角に代わりインサイド。いけまくりでした…)との軽やかなループ、大外への飛ばしパス、ディフェンスを目一杯引き付けてのリターン、クロスなど、『曽我部ワールド』全開。BK陣が水を得た魚のように躍動し、怒涛のトライラッシュを展開した。
 見る者を引きつける創造性溢れるプレー、ゲームを意のままにコントロールする姿は、まさに『キング』そのもの。この夏1番のファンタジー。僅か40分のショータイムは、東京―上田間・往復の新幹線代に十分おつりの来るものだった。
 「やっぱりいい。想像以上のプレーができていた」と清宮監督が笑みを浮かべれば、主将・佐々木隆道も、「プレーが軽いし、ディフェンスもしていない…。でもいいところがしっかりでていた。早く上に上がってきなさい」と熱烈ラブ?コール。再三に渡る『ミラクルパス』で仲間のトライをひとしきり堪能すると、最後は『キング』らしく、自らのトライで幕引き。「やっぱり楽しいですね、ラグビーって」(SO曽我部佳憲)…。1年9ヶ月ぶりに味わったこの胸の高鳴り。この日のドキドキは、きっと忘れない―。2005・08・15、『KING』 is Back!


<ついに復活! 相変わらずの『キング』ぶりを見せつけたSO曽我部佳憲>
「今日は本当に楽しかったです。やっぱり楽しいですね、ラグビーって。いつもは早く寝ていたんですけど、さすがに昨日は緊張して2時くらいまで寝られませんでした(笑)。練習はさせてもらっていたけれど、本当に出られるか分からなかったので、昨日の練習後、清宮さんに出してくれるか確認してしまいましたし(笑)。そうしたら、膝だけ気をつけろよって。そう言ってもらえるだけありがたいです、ほんと。久々の試合でも不安とか怖さはまったくなかったです。リハビリをしっかりやってきましたし、PTの皆さんには本当に感謝の気持ちで一杯です。ただ、自分でもここまでいけるとは思っていませんでした。自分的にも7,8割のかなりいい状態。人間の体って覚えているもんなんだなって(笑)。もちろん、まだまだですけど…。トライは完全に狙ってました。堀越さんの前で決めたかったので、よかったです。トライの仕方(ダイブする独特の奴です)もずっとあれをやろうって(笑)。試合に出る前はずっとワクワクしっぱなしでした。順目連続で、外に振ればトライ取れるなと考えながら見ていたんですけど、試合に出る頃にはすっかりそんなこと頭から飛んでたと思います(笑)。とりあえず勝ててよかったです。リハビリをしているときは、辛いと思うこともあったけど、同じケガをした細川、平野と楽しくできたし、さきに復帰していいプレーを見せてくれた。勇気をもらいましたし、自分ひとりでは何もできなかったということです。まだ復帰したばかりで、赤黒なんて考えてもないし、見えてない。ちょっとずつ階段を登っていければと思ってます。まずはケガをしないこと。それにラグビーをたくさん勉強して、いいSOになりたいです。今日は笑いながら楽しくいいプレーができました。2プレーくらいで肺つぶれそうでしたけど(笑)」

<天才の微笑み? 1年9ヶ月ぶりの復帰戦に弾ける笑顔!>