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Beat Up

2024

対東芝B 第2のスタート 終わりではなく、これが始まり


 「がんばれば本当にいけるんちゃうかなって…」(主将・佐々木隆道)。17-67、屈辱の失トライ11。淡い期待は見事なまでに打ち砕かれた。ともすれば、積み上げてきた自信までも失ってしまいそうな大敗だった。しかし…、永らく体験していなかった、久々に味わうこの感覚は、『佐々木組』に新たな感情を宿らせた。これまでとは違う、心躍らせる何か、自分たちを変えさせてくれるような何かを―
 打倒・トップリーグへの第一歩、勝負になったのは50/80分でも、そこまでの中身は濃密だった。接点でしつこくファイトし、幾ばくかターンオーバーをゲット(両プロップも!畠山は突進してきたバツベイから!)。ペナルティーを重ねる相手を尻目に、敵陣深くに居座り続け、安定したセットを起点に勝負に出た。そこに垣間見えたのは、新チーム結成当初から持ち続けてきた強い『拘り』。「絶対にモールで取ってやろうとみんなで話してたんです」(副将・青木佑輔)。9分(先制)、そして28分(同点)。春から仕込んできた『スネーク』モールがついに結実し、日本ラグビー界を席巻するあの『東芝』から2つのトライをもぎ取った。どよめくスタンド、分厚い壁を突き抜けた爽快感。「あの2本は今年のチームの武器になる…」(主将・佐々木隆道)。
 『拘り』きってのトライも奪った。近場のディフェンスも何とか凌いだ。セットもマイボールは確実にキープした。しかし、惜しむらくはまったくの不発に終わったBK陣。「学生相手では経験したことのないプレッシャーを感じた」(SH矢富勇毅)と言う様に、自陣からでも仕掛けるいつもの積極性は失われ、対トップリーグ、対外国人の恐怖心に、打ち克つことはできなかった。「FWが前に出られないところでも、テンポの悪いところでも、しっかり意図したアタックができる『精度』を身につけないといけないです…」(FB五郎丸歩)。課題は、圧力を受けながらの『精度』。打倒・トップリーグの実現には、『スターバックス』の決定力は欠かせない。
 そして、50分に及んだ濃密な時間に終止符を打ったのは、挑む側が犯してはいけないイージーなミス。僅か7点のビハインドで迎えた後半開始早々、ペナルティーキックがインゴールを割ると(ハーフウェーから攻めのキックも、飛び過ぎました…)、流れは一変。『菅野エクスプレス』in東芝で、何とか食い下がるも(17-24)、今度はディフェンスミスから独走を許し、試合の趨勢は決定した。
 残り20分、ビハインドが学生相手では経験したことのない19点にまで広がると、あとは王者・東芝の怒涛のラッシュ前に防戦一方。「社会人相手でも見たことがない」(副将・青木佑輔)と言う、強さとうまさを肌で感じながら、成す術なくインゴールを明け渡し続けた。決して切れない心の強さも、打倒・トップリーグへの必須条件。「みんなにも話しました。あそこでがんばれるチームになりたいんです…」(主将・佐々木隆道)。
 終わってみれば、50点もの差をつけられての完敗。これまで培ってきたものが崩れ去ってもおかしくないほどの、パワーとスキルの差を見せ付けられた。しかし、苦境を跳ね返し、勝利を掴み取ることこそが、赤黒の誇るべきアイデンティティ。打倒・トップリーグへの強い意思は、萎えるどころか、ますます大きくなるばかり。「1年のうちに必ず肝と呼べる試合がある。昨年だったら関東戦。今年は今日のこの試合だぞ」(清宮監督)―。さあ、やってやろうぜ、『佐々木組』。終わりではなく、この日が始まり。ターニングポイントは、何とも覚えやすい『10月10日』! この先は、対トップリーグ、ひいては東芝相手に通用するプレーかどうかが、すべてにおいてのスタンダード。足元を見ながら、まず連覇。そして4ヵ月後の決戦へ。ワセダの想いは揺るがない。降りしきる雨のなか、佐々木隆道は力強く言い切った。「今日の試合でますます打倒・トップリーグへの想いが強くなりましたよ」―

<大敗にも今後進むべき方向性をしっかりと思案する清宮監督>
「いやぁ、東芝は強いよ。今日はワセダのいいところが出せなかったし、思っていたようなアタックをさせてもらえなかった。そのすべての元凶は接点。そこで負けていたし、バツベイはやっぱり強い(しかし、途中出場の東条は膝下へのタックルでノックオンを誘発!激熱でした…)。ただ、大敗のなかにもしっかり戦えている選手が何人かいたのは光の見えたところ。隆道、青木、前田、五郎丸といった選手はアタックで下がっていなかったし、コンタクトのところでも負けてなかった。あとはできていなかった選手のレベルを上げていくしかない。やっぱり大学生相手と同じ戦い方をするとやられてしまう。昨年のトヨタ戦も抜かれるはずのないところを抜かれているし、そういったところを埋める作業もしていかないといけない。悔やまれるのは前半。東芝がBらしく浮き足立った最初のうちに、もっと畳み掛けないといけなかったね。ディフェンスもよくなかったけれど、最後はある意味しょうがない。この試合を今後の糧にして、またしっかりとやっていく。今日は打倒トップリーグへ向けて、今後どういう計画で、どういう方向に進んでいくのかを確認するための試合だからね。どのレベルまでワセダは乗り越えられるのか、乗り越えなくてはいけないのかが見えた試合だった。今日の東芝Bは強い。このままトップリーグを戦っても、かなり上位に入れるチームだと思うよ」


<至らなさを痛感 打倒TLへ更なる闘志をかきたてる主将・佐々木隆道>
「今日はやっぱりアタックで思うようにさせてもらえなかったのが厳しかったです。東芝のディフェンスは固かった。でもあそこを突破できるようにならないと、強いプレッシャーのなかでいいアタックができるようにならないと、昨年みたいにペナルティーゴールを狙うハメになってしまうので、もっと自分たちのいいテンポで攻撃できるように、学生相手にも低いプレーをしてきたいです。今日はどこにいっても人がいるという感じ。接点での強さに自分たちのやりたいアタックをさせてもらえませんでした。やる前はゴール前だったらこうしようとか、スクラムだったら右アップして8単いこうとか話していたんですけど、それもできなかった。ただ、前半はどんどんいこうと言っていたモールでの2つのトライは、今年のチームの武器になる。セットに関しては後半崩れてしまったけれど、前半はよかったので、それを続けられるように。後半途中から突き放されてしまったけれど、決勝で、あそこでがんばれるチームになりたいんです。みんなにもそう話しました。最後は僕も含めて『精度』が落ちてしまいましたから。モールはと言うか、今日試合してみて、必死にがんばったら本当にいけるんちゃうかって思えました。昨年は東芝の試合を見ていて、もし対戦することになったら無理だから危険しようってくらいの感じだったんですけど、今年は本当にがんばればいけるんちゃうかなって。この試合をバネにできるように、もっともっとひたむきにやっていきたいです。ワセダのアタックはいいと、みんな調子に乗っとったんですよ。でも今日で自分たちのアタックは、サントリー相手には通用しても東芝相手には通用しないということがよく分かった。個人としても来年からトップリーグでプレーしますし、チームとして個人として、このレベルに勝てるようにやっていきます。今のワセダは学生相手の試合は練習だって感じになってますけど、そうではなくて、ひたむきに必死になってやっていくことが、これからいいチームになっていく肝だと思うので、常に足元を見てがんばります。今日の試合でますます打倒トップリーグへの想いが強くなりましたよ」


<このままでは終われない 屈辱に思いを新たにする副将・青木佑輔>
「今日は悔しいというのもあるけれど、意識の低いプレーがたくさんあって、自分自身の甘さを痛感させられた試合だった。久々の試合ということで疲れてしまったし、最後の方はコンタクトの強さについていけなかった。セットプレーに関しては、先週サントリーと練習してある程度どのくらいか分かっていたし、春からセコムと試合をしたりと、ずっと拘ってきたので、まずまずよかった。昨年のトヨタ戦のような崩壊ということにはならなかったですし。モールは昨日から絶対1本は取ってやろうって話してたんです。そのとおり最初に取れたので、じゃあもう1本いってやろうって。ケンブリッジ戦で清宮さんから喝を入れられていたところだったので、あの拘りはよかったです。ただ、やっぱりモールディフェンスなどは受けてしまうといかれてしまいますね…。最後は筋ダメージ、パワープレーでやられてしまいましたし。前半から後半途中まではしっかり戦えていたので、いかにそれを持続させられるか。本気でトップリーグを倒すことを考えるのならもっともっと体を強くしないといけないです。東芝はパワープレーはもちろん、球際のところがうまかった。バツバツ入ったけれど止められず、うまく繋がれた。大学生相手にあんなプレーをされたことはないし、社会人相手でもあんなのは初めてでした。今日の負けをただの負けにしてはいけない。とにかくこれから必死になってがんばります。とにかく強さ。このままでは情けないですからね。隆道も言っていたように、自分もやれるだろって感じです」


<BK陣が不発に終わったなか、ひとり存在感を見せたFB五郎丸歩>
「実際のところもっといけたかなっていうのもあるけれど、結果は結果です。アタックで自分たちのやろうとしていたことがまったく出せなかったのが、この結果だと思います。いつもだと抜けているところに相手がいたり、ディフェンスの圧力に屈したり、東芝の方が意識が高かった。FWが前に出られないところでも、テンポの悪いところでも、しっかり意図したアタックができるような『精度』を身につけないといけないです。ディフェンスに関しては、FWが崩されてそこからいかれたり、普通だったらキックがこないようなところに蹴られて反応が遅れてしまったりという感じ。もっとやれると思ってましたけど、最後は集中力が切れてしまったし、フィットネスもまだまだということです。今日の試合で、ひとりひとりの練習に対する姿勢を変えなくてはいけないし、どこかでいけるだろって思ってた気持ちもなくなった。これからしっかりと練習して、ウェートもたくさんして、もっともっといいプレーをしていきたいです。これでまたトップリーグと試合するの楽しみになりました。やってやるぞって感じです」

<打倒TLへ 第1列の更なるスケールアップを誓うプロップ畠山健介>
「B相手ということもあって、スクラムは押せたところもあったけれど、80分トータルで考えると、どう崩していくのかというところがまだまだ足りない。押して押されてという感じだったので、そこは青木さん、前田さん、しげさんとしっかり話し合っていきたい。1番いけなかったのは、途中からなあなあで組んでしまったところ。レフリーがコールしていないのに組み合ったり、そこはよくなかったので、今後の課題としてしっかりとやっていきたい。社会人はやっぱり強い。ひとりでは止められないので、2人目の寄り、特にフロントの近場での働きが重要になってくると思うし、今日もそこを僕と前田さんがしっかりできていれば、もっとタイトなゲームができていたはず。モールでトライを取りにいったのは、拘ろうと話していた部分。その結果2トライできたことはよかった。ただ、後半は全然アタックできなかったし、絶対に切らしてはいけないところで切れてしまった。社会人はどことやるときも最後の20分でいかに集中できるかですから。今日は特にFWにとってはいい教訓になった。東芝はパワープレーも強いけれど、ブレイクダウンでの2人目の寄りも速い。ひとりしか来ていなくて、いけると思っても逆にいかれてしまっていた。ワセダは判断が曖昧なところがあったし、2人目の寄りもいい経験になった。今日の試合でみんなの意識を今まで以上に高くしなくてはいけないし、打倒トップリーグはこの反省をいかに生かせるかに懸かっている。あとは清宮さんがトップリーグを倒すための道をしっかりと示してくれると思うので、それを信じて必死に練習していきます」