早稲田大学ラグビー蹴球部WASEDA UNIVERSITY RUGBY FOOTBALL CLUB OFFICIAL WEBSITE

Beat Up

2024
  • SpoLive

対日体大 東芝前、『東芝後』 集中力でワセダ爆発!


 2005年『佐々木組』は、東芝前・『東芝後』―。ひたむきさ、泥臭さ、そして何より集中力。あの屈辱から一週間、秩父宮に姿を見せた新生ワセダは、明らかにこれまでとは違っていた。赤黒を変えたもの、それは王者が当たり前のように持っていたラグビーに対する真摯な姿勢…。「トップリーグ相手と選手権だけでやろうとしても、それはできないできないんだって。日頃の練習からもっと激しく、もっと激しくやっていこうと。今までいかに自分たちが甘かったかを東芝は僕たちに教えてくれたんです」(主将・佐々木隆道)。
 変化へのキーワードは、常に全力、常に本気の『集中力』。「例えミスしてもいい。とにかく集中した練習を」。いかにしてトライを取るか。いかにして相手を崩すか。知らぬ間にどこか形に拘っていたチームは、希代のスキッパーに導かれ、本来1番大切だったはずのものを思い出し、原点に立ち返った。
 さらに『集中力』ともうひとつ、チームに変化をもたらしたのが、清宮監督が再導入した日々の練習からの『激しさ』。「東芝戦の後、まず変わったところは、アタック&ディフェンスをコンタクトスーツでバチバチやるようになったこと」と言う様に、あの頃の『激しさ』が久々上井草に復活。不要なケガ人を出さない(出さなければ優勝できる)という観点から昨年はハンドダミーで行っていたトレーニングを、シーズン中の今敢えてガチンコへと変更した。「やっぱりこの時期に守っていてはダメだなと。自分自身も守りではなく、攻めの指導をしていこうってところかな…」。サラリと言ってのけたものの、そこには打倒・トップリーグに懸ける指揮官の揺るがぬ意志が垣間見えた。「みんな目の色が変わったし、今週は本当にいい練習ができた…」(主将・佐々木隆道)。
 思い出した『集中力』、『激しさ』、ひたむきさ、泥臭さ。そんな『東芝後』の第1歩が、この日の試合だった。セットに対するこれまで以上『拘り』も、地を這うセービングも、接点でのスピードも、すべては屈辱から生まれたもの。開始1分、お約束のドライビングモールで確信を得ると、その後も前向きに、集中して(これまであった気前のよさも排除)、全力プレー。これぞまさに新生ワセダ。スクラム右アップ→『キャプテン』→『キング』→『怪物』→『エクスプレス』という教科書どおりのものから、『空飛ぶヨコヅナ』畠山健介の型破りなトライ(場内も拍手喝さい!)まで、そこにはこの一週間の成果がギッシリと詰まっていた。
 「あの負けは自分たちに必要なものだった。負けるべきときに負けられた。あの負けを意味のあるものにできている…」(主将・佐々木隆道)。2005年『佐々木組』は、東芝前、『東芝後』。集中してもしなくても、過ぎ行く時間はともに同じ…。これからもひたむきに、泥臭く、常に本気で。心を入替えた新生ワセダに、「スキ」の2文字はもう要らない―

<更なる高みへ 攻めの指導を心に誓う清宮監督>
「今日はトップリーグに関東学院、他会場の方が盛り上がっているようで…(笑)。2日前の夜、春口さんと一緒だったんだけど、今日の試合のことを心配してた。また春さんのいつもの調子だろうと思っていたけれど、本当だったんだなと。少しビックリした。今日のワセダの試合については、特にコメントが見当たらない。強いて言えば、後半集中力を欠いている選手が何人かでた。もちろん試合前からの予定もあって、交替させたけど、そういうところはしっかり反省しないといけない。ただ、全体ではやろうとしていたことができたし、積極的に攻めることができた。練習でやってきていることが少し出てきたかなと。ここまでの2試合では、(トライを)取られるなということは意識していなかった。今週は、ワセダが失点するならここだろうなという練習を少ししたんだけれど、その結果が出たと思う。いつも言っているようにこのチームには経験が必要。最初の2試合で2桁失点したことも、いい経験だったと考えている。突然ビッグゲームが来る訳ではないので、少しずつ悪いところが見えてくるのはいいんじゃないかなと。今日の試合の課題については、今の段階ではよく分からない。ただスクラムにしても、力関係でいくと全部勝たないといけないのに半分しか勝っていないし、無理な体勢からのパス、所謂軽いプレーもあった。五郎丸のトライを失くすプレー(スーパー12の見過ぎ???)だったり。五郎丸は1年生のときからインゴールノックオンを何度かしているけれど、同じ失敗をする選手ではないので、これからはああいったことはないと思う。曽我部もよくなってきているし、両CTBもまずまずだった。東芝戦の後、まず変わったところは、アタック&ディフェンスをコンタクトスーツでバチバチやるようになったこと。大悟や大田尾のときはスーツでやったりもしていたけれど、昨年はハンドダミーでやっていた。やっぱりこの時期に守っていてはダメだなと。東芝戦を経て、自分自身も守りではなく、攻めの指導をしていこうってところかな」


<キーワードは『集中力』 チームの変化に手応え十分の主将・佐々木隆道>
「今日1番の収穫はゼロに抑えられたこと。清宮さんも言われたように集中力の切れたプレーヤーがいたけれど、その穴を埋めるプレーがしっかりできた。アタックに関しても、取りたい形でトライを奪えてよかった。1週間いい練習ができたのが、今日の結果に繋がったと思う。東芝で勉強になったのは、2人目の速さと1人1人の激しさ。自分たちも、どの相手に対してもそういう風にやろうと。トップリーグ相手と選手権だけでやろうとしても、それはできないできないですから。練習からもっと激しく、もっと激しくやっていこうと。今日はメンバーもたくさん替わったけれど、普段からしっかりとコミュニケーションを取るようにしているし、メンバーが替わることでチーム力が落ちては、この先考えられない。取られてはいけないという意識をみんなが持って、最後までしっかりできた。ただ、まだまだメンバーが固定されていない中で、他の人と同じなのではなくて、自分のいいプレー、自身のあるプレーをして欲しかった。まぁ欲張りかもしれませんが…。東芝後は『ひたむきさ』をテーマにしてきたけれど、今日の試合ではまだ満足できるレベルではない。それでも、あれからみんな目の色が変わったし、今週は本当にいい練習ができた。東芝戦の後みんなと話したのは、とにかく集中して練習しようということ。本気でやる。メニューを変えるとかではなく、もうやることを集中した練習、それだけに絞った。例えミスしてもいいから集中してやる。そういういい練習を続けられたことが、最初のいい流れを作るキッカケになった。東芝戦をみんな意味のあるものにできている。今までいかに自分たちが甘かったのかを感じるキッカケだった。僕もそうだし、みんなもそう。あの負けは意義のある、必要な負けになった。2年前関東に負けたのとは全然違っていい負け。負けるべきときに負けられた。本気で勝ちにいった試合ではあったけれど、ただの負けにしないことが大事。清宮さんも言われたように、いかにそれから学べるか。そういう意味では、あれからいい1歩が踏み出せたと思う。あの試合では東芝の方が執着心で上回っていた。ワセダがそこで負けたら絶対に勝てないのに。打倒・トップリーグと口では言ってきたけれど、あの試合で具体的にどこまでやればいいのかを掴めた。まずはあの激しさに勝つこと。そこでどう勝負するのか。あとは集中力、ボールへの働きかけの速さをいかに上げられるか。だいたい掴んだ。とにかく集中するだけ。ワセダは上を見れるチームではないので、ひとつひとつ目の前の戦いに全力で、泥臭くやっていきます。曽我部?ちょっと舐めてますね(笑)」


<東芝戦後の変化に充実感を漂わす副将・青木佑輔>
「東芝戦を経験したこともあってか、相手のコンタクトに強さを感じなかった。トップリーグとの試合、練習にはすごく意味があったなと。東芝にあれだけやられて悔しくない訳ないし、今日はみんな気持ちが入ってた。技術の面でもコンタクトのところで負ける気がしない。スクラムにしても相手の重さを感じなくなったし(この日の日体大1列は惚れ惚れするほどの重量感)、そこは自分たちの成長を感じる。東芝戦をただ試合したというだけではなく、意味のあるものにできた。今日はそれが出た試合。ただ、どの試合でもそうだけど、まだまだうまくいかない時間があって、それをパッと修正できない。そこがまだまだ自分たちの甘いところだし、もっともっと成長できるところ。東芝戦の後から隆道が言っている『ひたむきさ』もだんだんでてきたかなと。低いプレーができていたし、スクラムもゴール前では絶対ターンオーバーしてやろうという気持ちをみんなが持っていた。完封できたことは嬉しい。どれだけ点数を取るかより、0に抑えることに意味がある。ラグビーというスポーツは長い時間やると、ペナルティーだなんだで、どこかしらで点数を取られるものですから。今日はみんないい集中ができていたし、東芝後のいい第1歩を踏み出せた。清宮さんも言っていたように新たな1歩。これに慢心せず、この先もひたむきにやっていきたいです」


<久々の『12番』 随所に存在感を見せた『九州の至宝』三角公志>
「赤黒での先発は昨年の流経大以来。試合前は緊張してしまいました(笑)。今日はとにかく自分の得意なプレーを出すこと、そしてチームがやろうとしていることにしっかりやることを考えていた。最初は固かったけれど、徐々に慣れてきて、まずますのプレーができたと思う。チームとしても今日は集中力があった。東芝戦後、意識高く練習できた成果が出たかなと。東芝戦後BKが意識してきたのは、ディフェンスとコンタクトスピードを上げること。今日は0に抑えられてよかった。自分としては、まだ復帰してから2週間しか経っていなくて、本調子とは言えないので、これから徐々に上げていきたい。CTB争いは激しいけれど、みんなにはなくて、自分にはあるものを出せば負けないと思っている。最後には絶対に12番を着て、4年の意地を見せる。昨年はリザーブでの優勝だったので、今年はその瞬間をグラウンドで迎えたいです」


<この日も好プレーを連発 覚醒のときを迎えつつあるWTB菅野朋幸>
「自分のプレー、変わりましたか?んー、どうなんでしょう。自分では余り考えていないので、よく分からないです…。今はその試合その試合で結果を出せるようにとしか考えていないので。(前半のラストトライ直前には五郎丸へナイスパス。清宮監督も「シーズンベスト」と大満足!)あれは練習から言われていたし、五郎からもいいコールがきた。よかったです(笑)。だんだん上でも自分を出せるようになってきた。練習でも常に自分から声を出してやることを意識しているのが、いい方向にいっているのかなと。今日はチームとしても集中力があった。東芝戦は、個人的にはコンタクトで全然負けていたし、自分のディフェンスミスで取られてしまった。そこは自分の大きな課題なので、何とか修正していきたい。今日はディフェンスの機会があまりなかったけれど、0に抑えられたのはひとつの成果ではあったと思う。今はとにかく自分からもらいにいく意識。自分の得意なコース、好きな位置でもらえるようにと。それは清宮さんからも言われていることですし、山岡さんにもいつもご指導頂いています。今は和也さん、勝田さんがケガでいないですけど、この調子を続けていって、ふたりが帰ってきても自分が14番でいられるようにがんばります。受けないように、常に強気で。最初のトライは、幸ありましたね(笑)。たまたまです」


<公式戦初先発にもハツラツプレーで自分を出したCTB佐藤晴紀>
「今日は自分としては緊張してないつもりだったんですけど、周りから見たらガチガチだったみたいです(笑)。プレッシャーに負けてしまいました…。今日はとにかくボールを持ったら一発で倒れずに前に出て、しっかり仕事をしようと思っていた。今週はいい練習ができていて、それを生かしたいいゲームができたと思う。ただ、自分自身のファーストタックルが差し込まれて、ピンチを招いてしまったので、そこは反省です。あの後ゴール前では絶対に止めてやろうと思ってました。いい反応ができてよかったです。Aチームは周りからどんどん声が出てくるのでプレーしやすかったし、みんなが引っ張ってくれたことで、やりたいプレーをさせてもらえた。アタックは通用しているけれど、やっぱり上でやるにはディフェンスができないと話しにならないので、これからもっともっとディフェンスの勉強をして、Aに定着できるように。大学ラグビーはすべて初めての経験。ひとつひとつ自分にできることをしっかりやってきたいです」

<『空飛ぶヨコヅナ』畠山健介のスーパートライ!>


※10月19日に予定されておりましたサントリーとの合同練習は、中止となりました。