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2024
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対関東学院大B(Jr選手権) 『スウィフト』で関東制圧!


 「とにかく全員でリベンジしようって。夏に負けてるってこと、それがすべて。中竹さんからも、今日はワセダにとって分岐点になる試合だぞって言われたんです…」(ゲームキャプテン伊勢昌幸人)。心の底から沸き出ずる復讐心、理屈抜きの気合、ワセダとしてのプライド。相手はあの宿敵・関東。『東条組』セカンドチームは、見事なまでの『スウィフトラグビー』で青波を制圧した。
 忘れもしない8月20日…。あの屈辱の記憶は、決して消えることはなかった。この日のゲームキャプテン・伊勢昌幸人は、Dチームでの悔やみきれない敗戦後、異例中の異例、自らチームに反省練を課していた。SO村田賢史はインターセプトに責任を感じ、試合後泣きながらパスを繰り返した。他にもそれぞれに秘められた熱き思い…。あれから2ヵ月半、磐石の宿敵・上井草襲来は、燻っていたワセダの心と体に火をつけた。「いやぁ、もう…。ビデオ見て夏を振り返ってました。後藤さんにもお前で関東に14点与えてるんだぞって。今日は絶対やり返す。あとは4年生にとっては上井草では最後の関東戦。伊勢さんがメチャクチャ体張ってくれていたので、絶対それに応えようって気持ちで一杯でした」(SO村田賢史)。
 試合は開始から『ワセダアイデンティティ』全開。ファーストコンタクト、数度の接点で互角以上に渡り合える確信を得ると、ボールを早く、大きく動かし、15人が心ひとつに躍動した。「最初の10分、とにかく自分で決めるって。1番最初にいこうって決めてました。あとはもう何も考えずに思い切り突っ込んで…」(フッカー臼井陽亮)。9分、素早くボールを動かしたところに、『爆撃機』臼井陽亮が勢いよく、雄叫びを上げながらインゴールへ雪崩れ込むと、そこからは『先手』必勝とはこのことかという、怒涛のラッシュ。BKが1次からの『精度』の高い仕掛けでガンガン前に出れば、両フランカーを軸にFW8人は渾身のフォロー。自分たちからの仕掛けで前へ、接点で負けずに、素早く、途絶えることなくボールを動かす―。立ってプレーし続けたプロップ橋本樹、仕事人ぶり極まるフランカー松田純平、球離れ抜群のHB団と11~15の前に出る意志…。相手に間を与えない『継続』(ボールを動かし続けた後半7分のトライは秀逸!)、これぞ『スウィフトラグビー』と言うべきものを大一番で見事なまでに体現し、80分間完全にゲームを支配した。
 さらに特筆すべきは、フェーズからのモール以外(ワセダもきついが、相手もきつい???)、最後まで崩される気配すらなかった超気合のディフェンス。穴を埋め続けたFWの奮闘はもちろん、CTB大島佐利の「狙って仕留められる」能力の高さは、間違いなくチームに安定感のそのものだった。その大島だけでなく、この日は若き才能が至るところで爆発…。「4年生にとっては、これが上井草での最後の関東戦。口には出していなかったですけど、下級生はみんなそのことを思っていて、もうその気持ちだけでやってました」(フランカー松田純平)。「下級生が4年生のためにですか?、あいつらがそう思ってくれていたのなら嬉しいです。逆に4年生はもっとがんばらないといけないですね…」(ゲームキャプテン伊勢昌幸人)。
 まさにチーム一丸、入りから最後の一瞬まで、常に気持ちを切らすことなく、46-10の完全勝利。しかし、これがJr選手権決勝での結果なら最高も、あくまでこの日はファーストフェーズの最終戦。「これはまだまだスタートライン。まだ上ありますから…」(ゲームキャプテン伊勢昌幸人)。1位通過とか、何位通過とか、もうワセダにとってはどうでもいいこと(と、言うよりワセダにはどうにもできないことを色々考えても仕方がない。来週の明治対東海の結果次第で決定)。いづれにせよ、行き着くべきところまではあと2つ。明治に負けたままでは終われない。関東とも最後に決着をつけなくてはならない。もっとも集中すべきは、この日の形をこれからも維持し続けられるか否か。11月5日を分岐点に。ワセダなら絶対にできる。チーム史上初の5連覇へ、『東条組』はもう後戻りはしない―


<甲子郎の復帰に今田最強?伝説 あの夏以来、対関東3タテを達成!>

 この日はJr選手権での快勝はもちろん、何より大きかったのが、DCともに勝利を収め、『チームワセダ』が『チームカントー』を全員の力で凌駕したこと。一発目のDチームは愚直さと我慢で、トリのCチームは今田コーチ自慢の安定感で終始主導権を握り、『佐々木組』が『伝説』へのスタートを切ったあの2005年8月21日以来(このときはAも含めて4タテ…)となる対関東3タテを達成した。
 「3チームとも内容がよかったですね。ブレイクダウンもよかったし、常に自分たちのペースで戦えていましたし。ゲームコントロールにしても、先手にしても。チームがひとつになれた感じです。でもまだ終りじゃないし、先がある。次は、Aチームの番ですね…」(主将・東条雄介)。この最高の3タテに、Aチームはどう応えるのか。B以下にできて、ファースト15にできないわけがない。やらないわけにはいかない。この日を自信に、大切な仲間のために…。さぁ、次は誇り高き赤黒の出番です!


<リーダーの風格! その熱さで勝利を手繰り寄せた伊勢昌幸人>
「今日は集中力が切れることがなくてよかったです。とにかく全員が夏のリベンジだって。今日は気持ちで負けてなかった。夏に負けてるってこと、それがすべてです。中竹さんにも、Aチームも含めて今日はすごく大事な試合、ワセダにとって分岐点になる試合だって言われてました。孝成からも、命を懸けて、自分たちから仕掛けていけって。そういう気持ちがあったことで、入りのところからみんな前に出られたと思います。アップもすごくいい感じでしたし、入りの一瞬にすべてを懸けてましたから。ディフェンス、よかったですね。みんなしっかりセットできていた。モールでは取られてしまいましたけど、崩されたっていうのはなかったです。アタックはとにかく一人一人が前に出続けることでテンポが出た。BKから仕掛けられたと思います。FWもがんばってくれていましたけど、BKがFWを前に出してあげようって話してました。今日はいい試合でしたけど、これはまだまだスタートライン。もっと上がありますから。下級生が4年生のためにですか?、あいつらがそう思ってくれていたのなら嬉しいです。逆に4年生はもっとがんばらないといけないですね」


<超気合! 最前線で体を張り続けたフッカー臼井陽亮>

「いいゲームでしたけど、しんどかったです。自分たちで考えて、自分たちから回していったんですけど、関東の接点が強かったこともあって、ついていけなくなるところがありました。ただ、その分BKがしっかり前に出てくれたので、何とかなった感じです。関東のあのフェーズからのモールは辛かったですね。一発で倒さないといけないんですけど、体の使い方がうまくて、倒すことができませんでした。まぁ関東もそのモールで疲れていたので、イーブンだったということで。ディフェンスに関しては、BKが前で止めてくれたおかげです。セットもよかったですし。モールで取ったトライもFWには自信になりました。しっかり組めれば勝てる。明治戦の反省が生きたと思います。反則の多さは、チャレンジするところで倒れてしまっていたからです。勢いがついてというか…、お互い倒れているんですけどね。倒れたことで、ペナルティになってしまいましたけど、これからも基本はあの形でやっていきたいです。あのトライですか?、思わずガッツポーズしてしまいました(笑)。最初の10分、とにかく自分で決めるって。このチームでは僕がボールを持っていくんだと、1番最初にいこうって決めてました。あとはもう何も考えずに思い切り突っ込んで(笑)。スクラムについては、レフリーとのコールがあわなくてアーリープッシュ取られたりもしましたけど、仕掛けのところはよかったと思います。マイボールもしっかり安定して出せていましたし。あとはコントロールが課題です。今週タネさんと入れ替わってしまいましたけど、これから思い切りプレッシャー懸けていこうと思ってます。勝負です。そして、最後の国立には僕が立ちます」


<抜群の存在感! スウィフトを体現し続けたフランカー松田純平>
「今日は思ったより点差がつきましたし、いい試合だったと思います。みんな意識してきたとおり、入りのところがよかったです。そこしっかりやれれば、絶対にいけるって。4年生にとっては、これが上井草での最後の関東戦。口には出していなかったですけど、下級生はみんなそのことを思っていて、もうその気持ちだけでした。FWのディフェンス、がんばれたと思います。週初めからいい練習ができた成果です。A相手にもモールを止めたり、逆に取ったりして自信がもてましたから。そこは臼井の存在がでかかったです。自分の中では今日はアップから体が思い感じがしてたんですけど、そんななかこれだけできたということは、ムラがなくなってきてるのかなと。今日はまだ100%のデキではないです。ブレイクダウンに関しては、ターンオーバーの意識が強すぎて、ペナルティを取られてしまった感じです。練習から気をつけてはいるんですけど、どうしても熱くなってしまうというか…。でもああやっていっていることで、相手のテンポも遅れますから。イメージは今のままで、あとは倒れないことを意識してやっていきます。あとはまだ人数を掛けすぎなところもあるので、その点を修正して。今日はスウィフトラグビーを体現できたと思います。この先はもちろん、早慶、早明のメンバー入りを狙って。昨年は早慶前からジュニアに落ちて、D、そこから上がることができなかったので、今年は守らず、どんどん攻めて上にいきます」


<あの夏の涙… その後の精進で見事リベンジを果たしたSO村田賢史>

「関東戦と言えばあの夏の試合?、いやぁもう…、今週はビデオ見て夏を振り返ってました。後藤さんにもお前で関東に14点与えてるんだぞって。今日は絶対にやり返す。それに4年生にとっては、上井草での最後の関東戦。伊勢さんがメチャクチャ体張ってくれていたので、それに応えようって気持ちで一杯でした。今日は4年生の勝利です。試合の入りのところで3本取れて、いけるというか、テンポを掴むことができました。みんなでひとつになれれば絶対に勝てるって。孝成さんには、自分の立ち位置を浅くしてそこから仕掛けろ、そして外に放れと言われてました。そこにタテに強い須藤さんを絡めて、後半谷口さんが入ってきたら外にってプランを自分では考えていたんですけど、前半から外空いてるコールもバックスリーからありましたし、うまくBKで仕掛けられたと思います。夏は僕のせいで負けた。悔しさ、悲しみ…、まだ晴らせてはいないです。今日この試合に臨むときの気持ち、4年生にもらった気持ちを、最後まで引き継いでいきます。自分はダメでしたけど、FWのディフェンス本当によかったです。何回も凌いで、14人になったときも一層固まって。今日はFWに尽きます。自分はまだ1年生ですけど、そんなことは関係ない。上には高校の先輩でもある曽我部さんがいますけど、あの人を倒して自分がAで出られるように。まずジュニアで5連覇。あのとき自分は出てなかったですけど、もう一度明治ともやって、今度は跪かせたいです。下に落とされたときからずっとゲームメイクのことを考えてやってきました。最近ちょっとそれが分かってきた頃に、また上に上げてもらえて、いい感じでできていると思います。これを忘れずに、もっともっと自分を出していきたいです」


<もはや中心選手 この日も抜群のディフェンスを見せたCTB大島佐利>
「今日はいい試合だったと思います。とにかく関東に合わせることなく、自分たちの、このチームの強いところを出していこうって。関東の方が個は強いし、大きいですけど、ワセダの勝っているところで勝負して勝つ。やることは決まっていましたし、考えていたとおりの入りもできてよかったです。BKから仕掛けてテンポを出すことができた。ディフェンスもいい感じで狙えていて、よかったなと。ただ、関東はFWのプレッシャーが激しいですし、強みも感じました。今日は次に繋がる試合だったと思います。ここからがスタート。いいモチベーションで戦っていきたいです。まだまだ練習では怒られてばかりですけど、徐々にシニアにも慣れてきて、自分も出せてきている感じです。今村さんの相手には全然なれていないですけど、少しでも勝負できるようにがんばっていきます」

<ワセダの勝利に前監督、前キャプテンもご満悦???>


※Jr選手権セカンドフェーズ1回戦の日程につきましては、決まり次第お知らせ致します。