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2024
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対関東学院大B(Jr選手権) ワセダ正念場、痛すぎるV逸…


 ありえぬこと…、ではなく、あってはならぬことが起きた。起こしてしまった。Jr選手権決勝、相手はあの関東学院大。5連覇、プライド、大切な仲間のために…。すべてを賭け、死ぬ気で臨んだ『東条組』セカンドチームは、あまりに痛く悲しい敗北を喫してしまった。進んでいた時計の針が止まったか。まるであの頃に逆戻り。何があっても勝たなくてはいけない、さらに突き抜ける分岐点になるはずの試合だったにも関わらず―
 気合はもちろん、「超」がつくほど入っていた。手を抜いた選手は誰一人としていなかった。それでも…、結果待ち受けていたのは受け入れ難い「敗北」の二文字。もう二度と同じ過ちは犯さないと誓っていたのに、散々いいゲームを繰り返し、あの弱さは克服したはずなのに、またまたまたまた「悪夢」のような80分は訪れた。
 先蹴で始まったキックオフ、いきなりのハイタックルでつまずくと、ファーストスクラムでのアーリーエンゲージ、コラプシング等々、その後もありとあらゆる局面でペナルティを連発。サインミス?オンパレード(早めに出す、何度でも繰り返すを徹底できず…)でラインアウトも崩壊。若さが出たか、胸のすくようなBKのアタックも皆無(と、いうよりまともなセットアタックは数えるほど…)。さらにさらに、頼みのFWがまったく走れず(ピラーセットなく内側いかれまくり。原因は…)、ドツボから永遠に抜け出せすことができなかった。意識はある、なんとかしたい、けど体がついてこない。流れを変えるプレー、変えられるプレーヤーがついぞ現れなかったのは、あまりにも痛かった。ワセダ、それもこの日やらないでいつなるのかという決勝なのに…。何度も言うが、痛すぎる。「本当に苦しいときこそ、力を出せるように。もう一度本当の基本のところを大切に、見つめ直していかないといけない」(中竹監督)―。
 いいところを見つける方が難しい。間違いなく最悪のゲーム。それでも、そんな「らしさ」ゼロの展開でも、トライシチュエーションは多々あった。勝つチャンスすら十分すぎるほどあった。本当に「勝負強い」、タフなチームであれば、恐らく最後には笑っていただろう。昨年まで何度も言われていた、「勝って反省できるのが何よりです」と。しかし、今の(昨日の?)ワセダにはそれができなかった。もう払拭したと思っていたものが、本当に突然姿を表わした。本物の強さ、磐石さは身についていなかったということか。
 断じて、『 Necessary loss 』なんかではない。第一『東条組』にはもうそんなものは必要ない。全力を注いで勝ちにいった末のあまりに痛く、受け入れ難い敗戦。これで本当の崖っぷち、ここからがここ数年にはなかった正念場。どんなにショックは大きくとも、ここで戦いを止めるわけにはいかない。そんな選択肢がワセダにあるわけもない。ファーストフェーズ対関東しかり、セカンドフェーズ対明治しかり、常に先んじて『06ワセダラグビー』を体現してきたセカンドチームがこうなるということは、赤黒にも同じ可能性がまだ残されているということ。それが分かったことが、この日唯一無二の収穫。もしこれが大学選手権であったと思うと、ゾッとする…。ここで今一度チームは変わらなければならない。この日悔しい思いをしたメンバーにできることは、自分たちから何かを発していくこと。「お前ら、まだ終りじゃないだろう。やってやろうと思ってるよな。絶対に下を向くな」(中竹監督)。さすがは宿敵・関東学院。またしても、ワセダにものすごいものを見させてくれた。こんな『衝撃』はあの雪の国立以来。4年生はまだ若かったあのときのことを思い出しただろう。下級生たちは初めてだったかもしれない。それでもワセダは『Die Hard』。『荒ぶる』だけは絶対に譲れない―


<すべての面で完敗 再度の出直しを誓う中竹監督>
「今日は完敗です。まさにハマッてしまったという試合。テンポも上げられず、変えられず、セット、ブレイクダウン、イーブンボール、すべての面で関東に負けてしまっていた。そうしたなか、みんながやろうやろうとしすぎて、力が入ってうまくいかなくなる。誰も手を抜いた選手はいないし、気持ちが入っていなかったということもない。けど一歩間違えて、こういう結果になってしまった。この経験はAチームにとってもいい教訓。本当に苦しいときこそ、力を出せるように。今日の試合を踏まえて、もう一度本当の基本のところを大切に、見つめ直していきたい。今日出たBのメンバーが、チームを変えていってくれると思ってる」


<あまりに痛い敗戦… 試合運びのマズさを悔やむJrリーダー・伊勢昌幸人>
「80分間、ずっと向こうの流れで試合をしてしまいました…。前半はペナルティばかりで自陣に釘付け。みんなでノーペナルティ、マイボールの時間を増やそうと言ってはいたんですけど…。取りきることができなかった。相手が立って絡んできたのに対して、いい球が出せず、常にプレッシャーがかかった状態で。ひとりひとりの寄りも遅かったですし、ブレイクダウンが敗因です。それでも取れるところはいっぱいあったんですけど…。ここで終わってしまってはワセダじゃないです。この負けを絶対に忘れずに、真摯に受け止めて、大学選手権では絶対にリベンジします。中竹さんにも試合後、自信と誇りの話をされました。このままでは終わらせません」


<近場での敗北にガックリと肩を落とすプロップ・宮崎潤野>
「今日は密集サイドのせめぎ合いで前に出ることができず、そこから相手に繋がれてやられてしまったという試合です。ワセダのコミュニケーションミスから裏に出られて、そのままトライ。アタックに関しては、いい崩しもありましたけど、最後でミスが出て攻めきることができなかったです…。スクラムは一発目でペナルティを取られてしまいましたけど、レフリーとコミュニケーションを取って、そのあとはまぁまぁというか、劣勢でもなかったですし、お互いプレッシャーはかかっていた状態だと思います。ラインアウトのミスは、サインが聞こえなかったというか、相手がうまかった。ワセダがサインを言うときに、大きな声を出して聞こえないようにしていて、それに負けてしまった感じです。それでテンポを上げることもできずに、ミスも続いて、そこから崩れてしまいました。この雪辱は絶対に果たしたい。今はその気持ちが1番強いです」


<ファーストプレーでのペナルティに責任を感じるロック・近藤嵩>
「キックオフ一発目のハイタックル、あれがすべてです。相手がもぐってきて、アッまずいと思ったんですけど…。今日の試合はあのプレーのせいです。いいチェイスできていましたし、取れそうだったんですけど、僕のせいです。誰に言われなくても分かってます…。ラインアウトに関しては、最初に空いていると思って投げたところに北川がひとりで飛んできて、思い切り引き倒されてしまって、それからずっとプレッシャーを感じてました。スクラムはまぁ悪くなかったですけど、ラインアウトがまったくで。それにFWが走れていなかった。前半セットプレーが多すぎてテンポがおかしかったですし、後半はやらなきゃやらなきゃと焦ってしまってミス。チャンスはたくさんあったんですけど…。もっと切らずに攻めないといけなかった。この先に向けては、寺とも太郎とも彰友とも、バックファイブみんなと、とにかく勝負してやっていくしかないです。大学選手権の決勝で雪辱する。その気持ちだけです」