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対関西学院大 『東条組』互いに本気で向かい合う


  「コミュニケーションとはお互いが同じ方向を向くこと。ミスに対して、感情を表に出すのはいい。怒っても構わない。けど、本気で向き合え。正々堂々と向かい合え。コミュニケーションを遮断する行為は絶対にするな。それができればこのチームは絶対に揺るがない」(中竹監督)―。12月17日、大学選手権がいよいよ開幕。あんな屈辱はもう御免。リスタートを誓った『東条組』は、これまでにない一面で、また新たなステージへと歩を進めた。
 コミュニケーション―。この言葉こそが、新生ワセダ最大のキーワード。今一度、互いに本気で向かい合う。全員が心ひとつに同じ方向を見る。幾多のアクシデントが重なりながら、ノーコミュニケーションで敗れたJr選手権決勝の反省を踏まえ、この一週間、とにかくそこにすべての神経を集中させた。困難に直面したときこそ、コミュニケーション。うまくいかなかった後こそ、コミュニケーション。それを遮断する行為はもう絶対にしない。中竹監督の強い言葉に、ファースト15の意識は劇的な変化を見せた。「今までであれば、1回ゲインされてしまったら、プレーが切れたときに誰もしゃべらなかったりしたこともあったけれど、今日はみんな自分から自分からという感じがでていた。みんながコミュニケーションを取る。向かい合う。今日でまた成長できたというか、いいチームになると思います」(フッカー種本直人)…。
 試合は意を決したことを表すように、開始から想定どおりのトライラッシュ。ハイパン→拘りのチェイス(なかなかグッドです)→ターンオーバー、端から端までのワイドアタック(ザ・ワセダです)、セットからの仕掛け(後半16分にはスクラムから指一本触れさせずにトライ!)。「精度はまだまだ」(SH矢富勇毅)と言うように、細部に課題は残るものの、負けたら終りの選手権第一歩としては、「合格最低点」と言えるものだった。ハンドレッドゲームじゃないと不満足? 「たしかにもっともっと取れるところもあったけれど、120点取っていれば満足度が上がったかといえば、そんなことはない。それよりも見たいところがたくさんあったので、85点というスコアは気にならない」(中竹監督)。ある程度は織り込み済み。あらゆる可能性のテストを含め、点数より優先されるものがあったというところか。
 その大事なものという観点から言えば、1次で思いっきり食い込まれたディフェンスは要反省。というより、今後を考えると大問題。何となしに見て引くのではなく、しっかりと前に出て圧力を掛ける。安易に相手を逃がさず、一気に仕留める。「これから先はあそこを止めないと一気にいかれてしまうので、そこをもっと固めていかないと…」(SH矢富勇毅)。「今日は1次のディフェンスがすべてです…」(フッカー種本直人)。セットの不十分さ、異常なペナルティの数と合わせて、次戦へ向けた最重点課題と言える。全員が時の人?No8林徹のような熱く激しいタックルを―。
 試合を80分で見れば、たしかに若干の物足りなさ、厳しいゲームへ向けた課題も残ったものの、『WTB今村』(当然ながら違和感なし。このときはCTB長尾、谷口、FB三原)、『SO矢富』(超魅惑的!)と、今後どんな事態が起きても対応できるよう、「リスクヘッジ」をこの段階で済ませられたのはたしかな収穫。次戦12月24日はいよいよ、ベリーグッドチーム・慶應とのクリスマス決戦。「もうずっとやると思っていた相手。命懸けで戦います。ワセダも気持ちで戦うチームです」(副将・後藤彰友)。「一意専心、すべてを懸ける。早慶戦こそ『自信と誇り』。ブレないし、絶対に揺るがない」(中竹監督)…。クリスマスカラーと言えば赤。コミュニケーションで全員がひとつになった戦いを。ここからが、俺たちの『極』。またひとつ新たな壁を乗り越えた『東条組』は、一気に頂点へと加速する―


<コミュニケーションも改善! チームの成長を口にする中竹監督>
「学生たちには今日は大きな試合になるぞという話をしていた。選手権を勝ち進んでいく、その第一歩としてすごく大事な試合、点差より内容だよと。スウィフトで勝つ、イーブンボールで勝つ、動き出しを速くする。全体としてはできた印象はあるけれど、後半の後半自陣に釘付けになってしまったり、エリアの意識、しっかり切るということができなかった。それでも、試合前に意識していたターンオーバーからのアタックなどは、随所に意図したとおりのトライがあってよかったかなと。ペナルティに関しては、モールのオフサイドなど明らかなものがあったので、そこはしっかりと修正しないといけないし、いくつかのノット10など、レフリーと話をしたいところもある。学生も混乱しているところがあったので。シンビンは累積で出られなくなるので注意しないといけない(大学選手権はイエロー3枚で次戦出場停止。累積は対抗戦、Jr選手権の分も持ち越されています)。出てしまったことに関しては、真摯に受け止めて、チームとしてしっかり反省したい。後半BKの布陣をいじったのは、試合前から意図してのもの。今後への可能性、戦い方はどうか、想定どおりのチャレンジだった。あらゆる事態を想定しての準備はある程度できたと思う。SOで起用した村田はディフェンスでいかれているところがあった。そこはずっと課題だし、狙われてくることを考えると、この先はもっと厳しくなってくる。ただ、出てくるディフェンスへの対応ではいいところも多々あったし、今日は課題と両方が出た感じ。矢富はチャンスの起点を作るプレーヤー。ラインを上げる、仕掛けていくことを考えると、彼のSOというのも可能性としては高いのかなと。これから先どういう攻め方をしていくかは、相手のディフェンス次第。出てきたとき、引いてきたとき、それぞれに対応していく。まだこのチームは今日のデキから倍くらい強くなる力を持っている。今日は伸びシロも底も見えてしまったという試合。たしかにもっともっと取れるところもあったけれど、120点取っていれば満足度が上がったかといえば、そんなことはない。それよりも見たいところがたくさんあったので、85点というスコアは気にならない。次の早慶戦はもう今年4回目だし、お互い手の内も分かっている本当の勝負。ワセダは常にファイナルのつもりで、目の前の試合にすべてを出し切って戦っていくだけ。一意専心、次の早慶戦にすべてを懸ける。早慶戦こそ『自信と誇り』。ブレない、絶対に揺るがない。今日はテーマのコミュニケーションもしっかりできたと思う。その点ではまた成長したと思うよ」

<早慶戦へ向け今一度意識の改善を訴える主将・東条雄介>
「今日はとにかくペナルティが多すぎた。いらないペナルティばかりして自分たちでリズムを失ってしまっていた。同じことの繰り返し。ハイタックルにオフサイド。あれは完全に自分たちの問題。意識すればなくせるところなので、そこはしっかりと修正したい。そうしないと、これから先は厳しくなる。今週意識してきたのも、ペナルティとセットの部分。年間通して取り組んできたことがJrの決勝ではできなかったから、とにかくそこを意識しようと。本当にそこだけ。今日も相手が強かったら、自分たちのプレーはできていない。根本の意識です。次はまた慶應戦だけど、負けたら終り。とにかくやるしかないです。自分もできること、すべきことをしっかりとやっていくだけです」


<試合後は猛省 あの1本のトライを悔やむゲームキャプテン・後藤彰友>

「今週はずっとFWの内側の圧力ということを言われ続けていましたけど、できたところできなかったところがあったという感じです。できなかったところはしっかり修正します。ディフェンスに関しては、1次であれだけゲインされてしまうとやっぱり苦しい。そこは強化していかないといけない。今日は完封したかったんですけど、メンバーが替わってから早明戦のようになってしまったのは悔やまれる。デキとしては60点くらい。まだまだ甘いところがあるという感じです。特にあの1トライ。上にいくにつれて、その1トライ1プレーが大事になってくるので、そこはもっと意識しないと。85点取れたのはプラスの要素ですけど、あの1本は自分たちにとってものすごく大きな出来事です。関西学院さんは、ポイントでうまいプレーというか、抑えてきたり、そういうプレッシャーはありました。次の慶應はもうずっとやると思っていた相手。命懸けで戦います。向こうも気持ちは一緒だと思いますけど、絶対に負けません。よく慶應は魂のタックルと称されていますけど、僕らも気持ちで戦ってますから。絶対にそこで勝ちます」


<本日の『極賞』! いかなる状況でもチームを前に出すSH矢富勇毅>
「今日は攻守ともにもっとできたなという感じです。意図したトライもたくさんあったんですけど、慶應のことを考えると、もっと精度を上げていかないといけないなと。精度が課題です。ディフェンスに関しても同じで、1次でいかれてしまうところがあった。これから先はそこを止めないと一気にいかれてしまうので、そこはもっと固めていかないとダメです。今日のテーマであったコミュニケーションについては、よかったと思います。もちろんまだまだのところはありますけど、今日で成長できたかなと。SOですか?、もうやめときます(笑)。この先のことも色々と考えてのことです。最悪の事態も想定してというか、何がおきても大丈夫なように。自分にとってもチームにとっても損はないですから。どこでもいけるように用意しておきます。慶應も気持ちで来ると思うので、ワセダもそれを上回る気持ちでしっかりと準備していく。もう何度も対戦してるので、相手のことは分かっているし、逆に向こうも自分たちのことを分かっていると思いますけど、しっかりとしたプレーをすれば自ずと結果はついてくると思ってます。明日から1日1日大事にして。BKはラインの深さだったり、いいアタックができたと思いますけど、精度に関してはまだまだ。もっともっと相手が怖がるBKになります」


<この日も抜群のコンタクトスピードを見せたフッカー種本直人>
「今日はファーストプレーはよかったけれど、FWもBKも相手のオーソドックスなタテを受けてしまって、ディフェンスラインを下げてしまった。それが最後に1本取られてしまった原因でもある。ペナルティに関しては、いくつか分からないところもありますけど、反省しないといけないです。スクラムだったり、モールだったり、レフリーの方とお話することはできたんですけど…。ただ、テーマであったコミュニケーションに関してはよかったと思います。今までであれば、1回ゲインされてしまったら、プレーが切れたときに誰もしゃべらなかったりしたんですけど、今日はみんな自分から自分からという感じがでていましたから。みんながコミュニケーションを取る。向かい合う。今日でまた成長できたというか、いいチームになると思います。今日はとにかく1次のディフェンス。あと戻りが遅くて仕留めきれない部分もあったので、そのタイミングももう一度確認して。ラインアウトももう一度整理です。それにFWがもっとタテにいけるように。この間の早慶戦は1番側からいけましたけど、次は相手も対応してくると思うので、ワセダはその上をいくように、みんなでしっかりコミュニケーションを取って、FWで圧倒したいです。相手のダイレクトフッキングは勉強というか、いい経験になりました。めちゃくちゃうまかったです。早慶戦はFWで勝つ試合。相手が低くくるのも分かっているので、しっかりとズラして、低いプレーには付き合わない。イメージを持って、練習から勝負です」


<早慶戦に照準ピタリ! 徐々に調子を取り戻しつつあるWTB菅野朋幸>
「いやぁ…、後半メンバーが替わってから1本取れてしまったのが課題です。ペナルティが多かったですし、流れを変えられないままズルズルといってしまいました。僕らもFWをコントロールすることができなかったですし、ほんともったいなかったです…。自分もちょっとずつよくなってきてはいるんですけど、まだまだ一発で倒れてしまう場面がありますし、大外のブレイクダウンも相変わらずの課題です。外に振ったときにしっかり球を出せるように。相手が出てくるときのアタックはずっと練習からやっていたんですけど、谷口をはじめCTBがいい形でボールをもらって、外に持っていけたのはよかったです。深さもよかった。今週頭からずっと言われてきたコミュニケーションに関しては、練習からも声が出ていたし、試合でもひとりひとりがしっかりと取ろうとしていて、できたかなと。11月23日の早慶戦は個人的に全然いいパフォーマンスができなくて悔いが残っているし、課題も残った。次こそは積極的にボールをもらって、絶対にトライ取ります。気持ちの勝負です。昨年の選手権でもトライ直前で山縣さんに止められてしまったり、山田君に取られたりしたので、それを払拭するいいパフォーマンスを。山田君には前回もやれているので、次はしっかり止めます」


<大チャンスに意気込むも空回りを悔やむフランカー上田一貴>

「今日は勢いが空回りしてしまいました…。自分にとっては本当にチャンスだったので、ものすごく意気込んでいたんですけど、まだ復帰して1試合しかやっていなくて、慣れていないというか、ゲーム勘というか、そんなこと言ってはいけないんですけど、そんな感じでした。でも1試合やったら、次はいけると思います。果たして次があるのかは分かりませんが。今日はFWとしてはやりにくい試合だったというか、1次のディフェンスでいかれてしまって苦しかったです。マイボールにする機会が少なくてきつい展開になってしまった。1次でいかれたことでしんどいプレーを強いられる。そこがいつもとは違ったところです。いつもなら楽に取れるところでも相手のシャローに捕まってしまったり。しんどかったです。早慶戦は出ることができたら、夏に一発仰向けにされているので、もうそれだけ狙います。チームの勝利に貢献することはもちろん、とりあえず相手を仰向けにしてくる。そればかり考えてます」

<次代を担う2年生大挙メンバー入り! 将来は安泰???>