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Beat Up

2024

対明大B(Jr選手権) 甘さ痛感、忘れ得ぬ敗戦…

 それはよくある、過去何度も見てきた光景だった。その状況を楽しむかのように耐えるワセダ。力で捻じ伏せにくるメイジ。ともにゴールはもう目の前。ワセダとしては、あとワンプレー乗り越えるだけだった。5メートルスクラム→何とか応戦。FWのゴリゴリ→3列中心に気迫で対抗。絶対に凌ぎきれる!いつも見てきた必勝パターン。しかし…、過去の経験からくるそんな想い(願い)はものの見事に覆され、力尽きたのか、最後は「そこいかれちゃうのか」ゾーンをあっさりと攻略された。14-17。ラストプレー、まさかの逆転負け。それは『ワセダらしさ』なき、悲しき敗戦だった。
 すべての引き金は、22mラインアウトからの怒涛のプッシュ(モール走って一気にトライ!)、さらにWTB早田健二のビッグゲイン(やっぱり違います)→CTB井上→フッカー有田のビューティフルトライで引き離した(後半29分、14-5)直後のキックオフ。「自分と隆平のところでのミス。みんなで取った後のキックオフ、ここが1番大事なところだと話していたんですけど、それでもミスをしてしまった。セットどうこうもありますけど、今日はあれがすべてです…」(No8清水直志)。ミス→22mスクラム→浮き足立ったところをSOにブレイクされ一瞬で追撃トライ。自分たちの甘さから、死に体寸前だったメイジにキッカケを与えてしまった。キックオフキャッチ→SO飯田の安定したキックで敵陣→それまでと同じ流れで敵陣に居座り続ける。残り時間、トライまでの射程距離、ワセダのディフェンス力を鑑みるに、そのまま勝っていた「ハズ」だった。にも関わらず…。機を見るに敏!ではないワセダ、まだまだ若い、そして甘い…。「リードした後のキックオフ、一瞬だけ、あの一瞬だけ、あとはディフェンスをがんばれば勝てると思ってしまった。今日はチャレンジャーとして臨んだ試合だったけど、リードしたその後だけはそうではなくなっていた。その気ひとつで全然違うものだったはずです」(ゲームキャプテン・三原拓郎)。
 強烈な雨のなか、八幡山でメイジとやったらこうなりますよ的ゲームを「甘さ」で落とした事実は決して小さくはない。「完敗ね。特にFW、セットプレー。よく見とけ、あいつらに負けたんやぞ。今日の負けはワセダ全体の負け。これから死ぬ気でスクラム組め。12月、そしてセカンドフェーズ、次は絶対に圧倒するぞ!」(主将・権丈太郎)。落ち込んでばかりもいられない。黙っていても、すぐまた試合はやってくる。しかも来週はこれまたワセダとして、絶対に負けてはならない関東学院戦(@釜利谷)。自分たちを信じて、甘さを反省して、全員でまた再チャレンジ。そして明治大学様、FWとセット、メンタルをしっかり鍛えますので、『早明戦』、セカンドフェーズで待っていてください―


<攻守に奮闘もあのキックオフを悔やむNo8清水直志>
「敗因はトライを取った後のキックオフでFWがミスをしてしまったこと。セットどうこうもありますけど、今日はそれがすべてです。みんなで取った後のキックオフ、ここが1番大事なところだと話していたんですけど、それでもミス…。自分と隆平のところでのミスです…。最後はスクラムで押し切られることはないと思ってましたけど、サイドが怖かった。まさにそこをいかれてしまって、FWのせいだなと…。スクラム、ラインアウト、悔いが残ります。相手ボールはともかく、マイボールを安定して出せなかったのは、FWとして最低限の仕事ができなかったということです。しかも勝負どころで。幸いなことに、来週はすぐ関東戦がありますし、メイジともまだやるチャンス(セカンドフェーズ)が残されているので、この負けをただの負けにしないで、自分たちが変わっていける、そういうものにしていきます。練習を重ねて、次やったときにはFWで圧倒します。来週の関東戦はものすごく大事なものになってくる。みんなで変わったというところを見せたいと思います。そのためにまず自分からリーダーシップを取って、自分もチームも、練習から変えていこうと思っています」

<敗戦にもしっかりと前を見据えるゲームキャプテン・三原拓郎>
「悔しい。今はただそれだけです。後半トライを取ってリードした後のキックオフ、一瞬だけ、あの一瞬だけ、あとはディフェンスをがんばれば勝てると思ってしまった。その気持ちがあのプレー。受けて、食い込まれて、トライを取られた。そこだと思います。後半は僕が抜けて、プレーのコールは井上や晴紀が出してくれてましたけど、チームを引っ張る声というものがなかったので、あの場に立っていたかったです。技術、パワーは個人では負けているところがあったかもしれないけれど、チームとしてはイーブン以上。今日はチャレンジャーとして臨んだ試合だったけど、リードしたその後だけはそうではなくなっていた。その気ひとつで全然違うものだったと思います。相手のFWが大きいことは分かっていたし、最低限の仕事はしてくれた。BKもディフェンスでしっかりと前に出れていた。ただ、ターンオーバーした後のミス、雨なのに立って繋ごうとしすぎてのミス(うまくいったのは有田のトライ時のみ。もっと確実なプレーを選択できていれば…)、そこが悔やまれる。今日は負けてしまったけれど、まとまりがあればメイジには勝てるということが証明された。このチームの力を全員が信用して、また練習から変わっていくこと、雪辱することを意識してやっていきます」