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2024
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対帝京大戦 上井草、仲間から刺さる視線


 これぞチーム一丸の『Dynamic Challenge』! 突き抜けたぞ、大きなカベを! 新チーム始動から2ヵ月半、原点を思い出した『豊田組』は、全員の力でこの春最大のターゲットを乗り越えた。己に克つこと。そして、ファースト15としての責務をしっかりと果たすこと。これぞ上井草で試合をする意味…。「みんなが見ている前でAチームが負けるわけにはいかないですし、寝ていたらどんどんトツ(リムーブの意)のコールがかかる、スクラムのときにはフロントの奴らから声がかかる。みんなからすごい視線を感じました。しっかり見ててくれてるんだと。視線、刺さってましたから」(副将・瀧澤直)―。
 この日の大収穫は、帝京からことごとく自由を奪ったFW陣の力強さ、意識の高さ、反応の早さ。あの準決勝の如く執拗に近場を突いてくる相手に対し、逃げずにしっかりと体をぶつけ、赤いカベを正面から堂々と跳ね返した。前半40分のうち15分くらい?ゴリゴリされても、タックル、トツ、セット、タックル、トツ、セットを勤勉にリピート。2度インゴールを背にした場面でも、ユルさを見せることなくしっかりと守りきり、帝京の思惑を打ち砕いた。「FWが近場をしっかりと守りきることができてよかったと思います。失点が0でも7でも14でも、そこを抑えられるかが今日は大事だと思っていたので」(副将・瀧澤直)…。上井草で、仲間たちが見てる前で、無様な姿は見せられない! アタックに回った際、お付き合いするかのように近場を突き続けてしまったのはご愛嬌も、貪欲なその姿にはFW陣の成長が感じられた。
 なかでも光ったのが、鋭い出足でビッグヒットを連発したプロップ・橋本樹の躍動感。相変わらずいい仕事を続ける村木、丹下、前田ら新戦力組に負けず、この日は存在感ありまくり。やっと昨年のあのイメージが戻ってきた。「今までが全然ダメで、この試合でやれなければもう次はないって…」(プロップ橋本樹)。やっぱりこのポテンシャル、ハンパない…。
 前半、意外とあっさり取れた1本だけで7-0。さらには後半開始早々、そのときだけ足が止まり(ものすっごくキレイに継続され…)ゴールラインを割られるなど、スコア的にはなかなか差が付けられなかったものの、そのカベを打ち破ったのが、WTB早田健二による『エースのお仕事』。25分、SHのハイパントを首尾よく処理すると、スルスル~とカウンター。そこには花道!オープンへ行くと見せて、ワンステップで内側を切り裂き、実に美しくトライを挙げた(早田→上田→早田のリターンもお見事!)。派手さはないが、欲しい場面で、タイトな局面でこそ、力を発揮する。本当に頼りになりますなぁ~。その仕事っぷり、ゲームに及ぼす影響力は、『エース』と呼ぶにふさわしいものだった。
 このトライで完全に上げ潮に乗ると、30分井上隼一(慣れないSOながら気持ちが充実!)、38分岩井哲史(思わずガッツポーズを…)と入替選手が結果を出す理想的な流れで、33-7と完勝。「この春最大のターゲットにしていたという意味では、いいゲームだったと思う。特に後半は根負けせず、勝負をかけるべきところをしっかりと制することができた。今日でひとつの山を乗り越えたという感じだね」(中竹監督)…。スコアした直後、自陣から仕掛けにいってのミスでピンチを招く場面こそ度々あれど、流れを逃がさず、一気に畳み掛けよう、チャレンジしようという姿勢は◎。これが『豊田組』の追い求めているもの。この時期のミスは十分に織り込み済み(むしろその後よく守った!)。『Dynamic Challenge』、それがワセダの生きる道!そうと言わんばかりの内容で、この春最大のターゲットを乗り越えた。「苦しいところを我慢して、終始前に出るいいディフェンスができて、ナイスゲームです。生半可なプレーをしていたらみんなに認めてもらえないですからね」(主将・豊田将万)。
 それにしても…、帝京にはこれまで対戦したどのチームよりもパンチがあった。焦点のひとつ、1:1、ブレイクダウンで相手を圧倒することはできなかった。やはりターゲットにふさわしく、いいものを経験できた。このレベルの相手を個で制圧できるようになることが、当面のチームのテーマ。「ワセダは勝てない相手じゃない」「うまさにやられた」…なんて言わせずに、『ULTIMATE CRUSH』で捻じ伏せたい。「自分たちは昨年に比べてもまだまだ弱い。まず個を強く、そして最後には15人の力で圧倒していくチームを作っていきます」(主将・豊田将万)。春の残りは、これまた個が相当に強いであろう韓国・高麗大とフランス学生選抜(プロ戦士も含まれ、相当なレベルというお話…)戦。まさに格好の舞台。『豊田組』の『Dynamic Challenge』08春は、まだまだ終らない―

<最大ターゲットを乗り越え、更なる飛躍を誓う中竹監督>
「今日はこの春最大のターゲットにしていた試合。その点で言えばいいゲームだったと思う。特に後半は根負けせず、勝負をかけるべきところをしっかりと制することができた。ただ、ひとつひとつのプレーを見ていくと、まだまだ対等だし、負けている部分もあった。今日は1:1だったり、ブレイクダウンのところがどのレベルにあるのかを確認したかったけれど、ある意味では想定どおり。春の残りは1:1の強さ、精度、ベースアップのために一緒にがんばっていこうと、学生たちには話をした。チームとしては、豊田がいない、U20組がいないなかでよくチャレンジしていたと思う。特に後半の後半、アタックもそうだけど、あの前に出るディフェンス。あれはすごくよかった。全員でしっかりとチャレンジできた、いいゲームだったと思う。未だ走りこみをしてないけれど、意識だけで、タックルして起きて、タックルして起きてというのをあれだけできたことは評価したい。今日でひとつの山を乗り越えたという感じ。慶應戦のときとは別チームになってきている。あの試合がキッカケ。自分たちは強くはなくて、どこよりも一生懸命やるから、どこよりも真剣にラグビーと向き合うから、ワセダは強いんだって。あの負けでそのことを痛感して、みんなでがんばってきた。特にリーダーたち。まだまだなところもあるけれど、しっかり先頭に立って引っ張ってくれて、いい状態になってきたと思う」

<蚊帳の外でちょっと寂しい?成長に手応えを感じる主将・豊田将万>
「今日はもうファーストプレーから相手に脅威を与えていこうと意識してました。苦しいところを我慢して、終始前に出るいいディフェンスができて、ナイスゲームです。やっぱり上井草はみんなが間近で見ているということで負けられないですし、生半可なプレーをしていたらみんなに認めてもらえない。そのプレッシャーに打ち克ってよかったと思います。けど、まだブレイクダウンでは圧倒できてなかったですし、1:1も全員が勝っていたわけではない。そこは課題になりますけど、今日はとにかく勝ったことが評価できます。自分が出てなくていいゲームをされるのも寂しいところですけど(笑)。でも、4年生だけではなく、1年、2年、3年、頼りになる奴が多いですし、どんどん引っ張ってくれる奴がでてきて、チームとしてはグッドだと思います。春の残りも、ワセダとして勝ちに拘るゲームをしていくだけです。高麗大戦もフランス戦も、見ている方がワクワクするようなラグビーをして勝ちます。帝京、やっぱり強いですね。自分たちは昨年に比べても弱いですし、今日を見ても圧倒できていない。まず個を強く、そして最後には15人の力で圧倒していくチームを作っていきます」

<Aチームの責務! 仲間からの視線に感謝感謝の副将・瀧澤直>
「今日の帝京戦は春シーズンのターゲットだったけれど、自分たちはそこにむけてディフェンスをやってきた。ゴール前に釘付けにされる場面もあったけれど、FWが近場をしっかりと守りきることができてよかったと思います。失点が0でも7でも14でも、そこを抑えられるかが今日は大事だと思っていたので。抜かれる場面があったり、ミスもあって、もちろん修正は必要ですけど、そこを止めきるという意識はよかったです。でも、やっぱり後半の頭のところですよね…。僕のところで抜かれて、最後に止めることができなかったのは悔いが残ります。今の状態なら抜かれることはあるんですけど、そこでバッキングをしっかりして、最後のところは止めきるというのがチームとしてのテーマ。それができなかったのは残念でした。あの7点、しかも後半のファーストプレー、いらなかったです。やってはいけないトライでした。相手はFWでゴリゴリきてましたけど、意図的に右左にくるというよりいけるところにいくという感じだったので、ワセダとしてはとにかくタックルして、そいつがまたすぐ起きて、タックルしてポイントに押し返す。よく凌げていたと思います。ただ強い奴が来るというだけだったので大丈夫でした。スクラムについては…、正直今一番の課題だと思ってます。けど、小さいながらではありますけど、修正できていますし、橋本も僕もやるべきことは分かっているので、すぐにすべてが完璧になるわけではないですけど、ひとつひとつ克服していきたいです。今一番の課題。そこが原因で疲れてしまうというのもありますから。ブレイクダウンは、もういいタックルが入ったときには帝京はどんどん人数を掛けてきて、ワセダは絶対にそこを出すんだという勝負。何本かやられてしまいましたね…。帝京はホント強かったですし、ワセダとしてはそこが修正点です。アタックはチャレンジできていましたし、ディフェンスは7点のところ、今日はチームとして収穫のある試合だったと思います。上井草でAチームが負けるわけにはいかないですし、寝ていたらどんどんトツのコールがかかる、スクラムのときにはフロントの奴らから声がかかる。みんなからすごい視線を感じました。しっかり見ててくれてるんだと。完全に力に加わってました。すごかったです。視線、刺さってました(笑)。この試合を大一番として春やってきたことを考えれば、今日の結果はよかったですけど、もちろんまだまだですし、これから夏に向けてチームというより、もう一度個の部分を鍛えていきます」


<完全制圧! その強さでチームを前に出し続けた副将・長尾岳人>
「0に抑えることはできませんでしたけど、今日はいい試合だったと思います。みんなで意識していたのは、ファーストプレーと上井草で初めての試合だということ。ロッカーでの円陣でもみんな気合いが入ってましたし、Aの名に恥じないゲームができたと思います。ちょっとペナルティが多くて、自陣に釘付けにされるところはありましたけど…。そこは新ルールに戸惑っている部分もありましたし、立ち位置のオフサイドは課題です。あとは後半のファースト。そこでチームが落ちてしまったのは反省しないといけないです。BKに関しては…、チャレンジはできていましたけど、前半FWに頼りすぎてしまったなと。後半はどんどんチャレンジして攻めましたけど、前半からもっとBKが出てFWを楽にしてあげないとダメですね。自分の強さが出ていた?、まぁ帝京はひとりひとりが強いのは分かってましたし、そこでは絶対に負けられないと僕自身も一番意識してましたから。ブレイクダウンもやっぱり帝京は強かったです。今日はSHに迷惑を懸けてしまいました…。もっときれいに出さないといけない。そこは課題です。慶應戦の負けから意識が変わって、明治、今日の帝京といいゲームができて、チームは上がってきていると思います。残りは高麗大とフランス。もちろん勝って、いい春の締めくくりにしたいです。ワセダとしての動き出し、反応、チームのメインとしているディフェンス。外国のチーム相手にどれだけやれるのか、しっかり見せたいと思ってます」


<超気合!フィールドプレーで抜群の存在感を見せたプロップ・橋本樹>
「やっぱり今日は勝てたことが大きいです。ターゲットとしていた試合でいくらいいゲームをしても、負けたら意味がないですから。今日は大きな勝利だと思います。ブレイクダウンでプレッシャーを喰らっている部分もありましたけど、ボールはキープできてましたし、継続し続けられたのがよかったです。FWフェーズではしっかり体を当てられていましたし、モールを押し返したり、FWにとってはそこが収穫でした。スクラムは…、やっぱりまだ甘いですね。もっと前3人で突き詰めて、さらに8人のまとまりを高めていかないといけません。特に前3人のところ。まだ課題はたくさんありますけど、がんばってレベルアップしていきます。今日も自分たちの意図どおりには組めてなかったですから。マイボールはキープできても、相手ボールでプレッシャーをかけられてなかったり。やっぱりコントロールできるようになりたいですから。今日は粘り勝ちです。動き出し、走り勝って、相手を突き放した、いい試合だったと思います。個人としても今までが全然ダメで、この試合でやれなければもう次はないと思っていて…。よかったです(隣を通りすぎる田中渉太が「今日のお前のタックルはすごかったぁ~」)。春の残りについては、まず課題であるスクラムを突き詰めていくことと、今日チャンスのところで乱れてしまったラインアウトの精度アップに力を入れていきたいと思ってます。自分はまとめていくようなタイプではないので、プレーでワセダのプロップを体現していきます!」

<ザ・エース! 会心の走りで一気に流れを持ってきたWTB早田健二>
「本当は0に抑えたかったですけど、ハイパントだったり、練習してきた形でスコアできた点はよかったと思います。今日はうまく点を取って勝ったという感じです。BK対BKでの勝負、自陣からの展開、しっかりと相手を崩せてはいたので、そこの精度を高めていけば、もっともっといいチームになれると思います。後半のトライですか?、よかったですね、あれは(笑)。それまでも外外に回そうという意識はあったんですけど、CTBだったり、SO周辺だったり、内内にいってなかなかボールを持つ機会がなかったので、ボールをもったらいってやろうと思ってました。いい場面でトライできてよかったです。ディフェンスに関しては、内側の圧力をまず意識してやってました。切られたとしても内側の人間がしっかり埋めていてくれたので、守りやすかったです。やられる気はしませんでした。タックルからのターンオーバーもあってよかったと思います。あとはとにかく精度です。やっぱり帝京は強かったです。これまでの相手とは全然違いました。秋はまた強くなっているでしょうから、そこに向けてウェートをしっかりして、個々を強くしていこうと思います。BKは岳人さん、渉太さんはいますけど、全体的に若い奴が多い。自分は上の立場でもあり、下の立場でもあるので、その間の仲介役としてというか、しっかりBKを引っ張っていこうと思ってます」

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