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対立教大 『豊田組』、『荒ぶる』への第一歩!


 「今日が『荒ぶる』への第一歩だ。『豊田組』はここがスタート。みんなで『荒ぶる』へ向け突き進もう。それを手に入れることができたら、ものすごい感動が待ってるぞ」(中竹監督)。2008年9月13日、対抗戦がついに開幕。ハイリスク・ハイリターン、己に克つことを掲げた『豊田組』は、そのチャレンジをスタートさせた。
 この日は前年度下位チームとの単なる初戦ではなく、『荒ぶる』過程の1/11、決してムダにできない、今後の針路を決める超重要な一戦。アップ直前のロッカールーム、中竹監督は2007年W杯、ファーストゲーム日本戦に超本気モードで臨んだワラビーズの話を持ち出し(グレーガンを筆頭に、号泣して出てきた相手を見て、矢富勇毅は衝撃を受けたというお話です)、トップチームのあるべき姿、ラグビーとは何ぞやを、戦場に向かう男たちに熱く説いた。「ワセダにもそういうチームであって欲しい。頂点を目指すとはそういうことだ。みんななら絶対にできる。今日はその気持ちを見せてやろうぜ!」。
  5分後、向かったアップ場に待ち構えていたのは、いつもの今田コーチ…ではなく、ワセダでもっとも精神世界に精通した『リアル・軍曹』後藤禎和。その雰囲気、その殺気、ハンパない…。もうその空気に触れただけで、テンションMAX、200%戦闘モード。今日は特別な日。『荒ぶる』への第一歩。今年も絶対日本一になる。そんな中竹監督の想いは、十分すぎるほど選手たちにも伝わった。「初戦にふさわしい言葉を掛けてくださいましたし、すごく士気の上がるアップで、あぁやっぱり後藤さんはすごいなって。何を言われたかですか?、それはここで言うと、ピピッ~って入ってしまう言葉ばかりなので『荒ぶる』を手に入れることができたら、お話させて頂きます。ひとつ言えることは、死に値するってことです…」(主将・豊田将万)。
 そして、最高の状態で迎えたキックオフ。ファーストプレーで、主将・豊田将万自らが渾身のピックゴーで前進、「俺が先頭に立つ!」の気概を見せると、そこから2008年『豊田組』・スーパーアタックショーが幕を開けた。FWはひたむきに、マジメに前へ。SH櫻井朋広が今年一の捌きを見せる(とにかく素晴らしいの一言!)と、BKは猛烈な勢いでひたすらゲイン。気づけば一瞬でインゴール。2分有田、5分中濱!7分中濱!9分中濱!14分中濱!(山中亮平のミラクルバックフリップパス!)17分中濱!21分田中渉太。何と21分で41得点。ナイター照明に映えた躍動感満点、この上なくスピーディーなアタックは、中竹監督の想いどおり、これぞ『Dynamic Challenge』の一言だった。「あの爆発力は近年僕も見たことがないというくらい攻撃的で、やっていてもすごかった。あれが今年僕たちのやりたいラグビー。いい形だったと思います」(主将・豊田将万)…。この日誰しもが感じたこと。この爆発力、凄まじい…。これが80分継続すれば、絶対にどこにも負けない…。
 しかし…、この時期よくあるべきと言うべきか、まだまだ甘いと言うべきか、この日は20分7発で完全に打ち止め。マッチスローガン『ファーストチャレンジ』は完璧に遂行したものの、その後は燃え尽きたかのようにタラタラとした時間を過ごし、さらに、ゲームの趨勢が自分たちではどうにもならない領域に持って行かれると、もう成す術はなかった。「ELVになってレフリーとコミュニケーションを取り、その解釈を聞きながら、お互いが理解し合いながらやっていけるように、夏から取り組んできたけれど、今日はゲームを作っていく上でのコンセンサスを取れなかった。ここは課題」(中竹監督)。「テーマには沿っていて、いい試合だったとは思いますけど、もっとチャレンジャーになるべき試合。ミスはしょうがないんですけど、その後だったり、そういうところはこの試合の意味を考えると…」(副将・瀧澤直)。そういえば、かの『佐々木組』もこの時期15分で40点取り、その後3トライ取られたことがあった(結果、そのシーズンの最多失点)なぁ…と思いつつも、スカッとした気にはなれない問題が残った。
 とは言え、この日一番のプライオリティは『ファーストチャレンジ』。入りにすべてを懸け、圧倒的な力、集中力を見せた点から言えば、ベリーグッド! 進むべき道が見えた。今自分たちに何が足りないかがよ~く分かった。あとは時間の経過とともにチームを成熟させ、その力を80分継続させていく作業。「僕たちが今年目指しているのは、相手に脅威を与えるラグビー。ブレイクダウンに徹底的に拘って、相手にもうワセダとはもうやりたくないと思わせるチームになっていきます」(主将・豊田将万)。今日を機に、またみんなでチャレンジし続けよう。『荒ぶる』を手にしたときにだけ触れられる、特別な世界を見るために―


<一歩目としては及第点も3つのストレスに渋い表情の中竹監督>
「今日のマッチスローガンは『ファーストチャレンジ』。すべての入り、キックオフ、スクラム、タックル、それぞれのファーストプレーに拘ろうと準備して試合に臨んだ。前半の最初の方は近年でもベストではないかというくらいのテンポでトライを重ねて、非常によかった。その後、色々なストレスで自陣に釘付けになったり、それを継続することができなかった。後半はもう一度やり直そうとしたけれど、停滞してしまった。今日は優勝へ向けての大事な一戦。『ファーストチャレンジ』、入りの部分というテーマを100%遂行してくれたことは評価している。取られた2トライは、傍から見ていると取られてはいけないと映るかもしれないけれど、まぁ特には。学生たちもよく分かっていると思う。色々なストレスを感じても、それを乗り越えていけるチームを作っていきたいと、今日改めて思いました。ストレスは3つ。まず天候、その暑さからくるミス(ちなみにこの日は4チームが登場しましたが、そのなかでワセダの使用したロッカーだけがクーラーが効かず激暑…。まるで蒸し風呂…。試合前から汗ダクダク…。ハーフタイムをグラウンドで過ごしたのはそのためです)、ナイターでボールが見えづらい。その点については、学生たちもうまくやってくれた。あとはELVになってレフリーとコミュニケーションを取り、その解釈を聞きながら、お互いが理解し合いながらやっていけるように、夏から取り組んできたけれど、今日はゲームを作っていく上でのコンセンサスを取れなかった。ここは課題。文句を言うわけではないけれど、そこができないと、今年の日本ラグビーはストレスの溜まるシーズンになってしまうと思う。これはラグビー界全体の問題。自分はもちろん自チームが最高のパフォーマンスを出せるように務めていくけれど、他のチームもいいパフォーマンスができるように、ラグビー界がよくなるように考えていきたい。レフリーに選手とのコミュニケーションを受け付けない行為、あっちへ行きなさいという行為をされてしまったけれど、ELVの年だからこそ、そこはお互いに理解し合うようにしっかりとしていくべき。これは今後公の場で言っていこうと思っています。今日はコミュニケーションを取ることができなかった。『豊田組』のファーストゲームとしては、いいところもたくさん見えて、課題も見えて、よかったという感じです」


<爆発力には手応えもしっかりと課題を見つめる主将・豊田将万>
「今日はすごくいい入りで、今年自分たちのやりたいラグビーが存分にできました。途中からは疲れてミスが増えたり、停滞してしまい、そこはある程度は立て直せたとは思いますけど、総じてストレス、フラストレーションの溜まる試合だったという感じです。そこはしっかり修正しなければいけないなと。意識していた入りの部分は、本当によくて、もう思っていたとおりの展開。ものすごい集中力で、自分たちのやりたいラグビーができて、ここは次にも繋げていけると思います。ただ、その後の中だるみは…、修正していく力がまだまだないんだなと。フラストレーションの溜まるゲームでしたけど、そこはしっかりと修正していく必要があります。シーズンの一歩目としては、まぁよかったとは思いますけど、自分としては内容に拘っていきたかったので、今日は反省の方が多いです…。とは言いながら、あの爆発力は近年僕も見たことがないというくらい攻撃的で、やっていてもすごかった。あれぞ『Dynamic Challenge』、ハイリスクハイリターン、今年やりたいいいラグビーだったと思います。今日は後藤さんがアップを担当してくれましたけど、初戦にふさわしい言葉を掛けてくださいましたし、すごく士気の上がるアップで、あぁやっぱり後藤さんはすごいなって。何を言われたかですか?、それはここで言うと、ピピッ~って入ってしまう言葉ばかりなので『荒ぶる』を手に入れることができたら、お話させて頂きます(笑)。ひとつ言えることは、死に値するってことです(笑)。僕たちが今年目指しているのは、相手に脅威を与えるラグビー。ブレイクダウンに徹底的に拘って、相手にもうワセダとはもうやりたくないと思わせるチームになっていきます。新ジャージーは意外に違和感なく着れたというか、これまでと変わらない感じでした(笑)。こっちのデザインの方がかっこいいんじゃないかという声も選手の間で挙がってますし、機能性も優れていますし、慣れだと思います」


<課題を口にしながらこの先をしっかり見据える副将・瀧澤直>
「今日はいいところもあり…って感じでした。やっぱりチャレンジャーになりきれてないなと。テーマには沿っていて、いい試合だったとは思いますけど、もっとチャレンジャーになるべき試合。ミスはしょうがないんですけど、その後だったり、そういうところはこの試合の意味を考えると課題かなと。ただ、あの20分の爆発力はすごい勢いでしたね。滑らなかったですし、ファーストというテーマに沿っていて、今日の成果、すごくよかったと思います。スクラムについては、今回はどうこう言えるような感じではないです。もっともっとやれることはあるので、そこを詰めていこうと。まだまだレベルアップしなくてはいけないですし、問題は本当にスクラムに拘っている相手にいかに組めるかですから。今日の試合がシーズンのスタートとしてよかったかどうかは…、今の段階では分かりません。よかったとできるかはこれから次第。次にどうするのか。これからにかかってます。今日終えて、決勝まであと10試合。1つ1つ階段を登って、『荒ぶる』だけを考えて、1個1個チームとして成長しつつ、頂点まで登りつめたいと思ってます。後藤さんのアップは、これまでやってきたものとは少し違うところもあって、戸惑いもありましたけど、気持ち入りました。僕自身も一番長くワセダを見ている方がどういうアップをするか、もっていき方をするか、すごく興味があったんですけど、やっぱりすごいですね。すごく気持ちの入ったアップができたと思います」


<SH構想は崩壊? しきりに反省の弁を述べるフランカー村木俊貴>
「今日は初めての公式戦ということで、ものすごく緊張しました…。前半の最初の方はよかったんですけど、最後は足が止まってしまって、苦しいところこそ走らないといけないなと。試合中後藤さんに呼ばれたのは、スクラムのところ。ボールを見るときに上からでは下から見ろと言われたんですけど、直後に抜かれてしまいました…。前半はスイープもしっかり芯に入れていて、いいテンポだったと思います。ただ、途中からは全体的に集中力を欠いてしまったという感じです。SHは…、問題外です…。やっぱり練習とは全然違うんだなって。トライしたあの場面だけ。これからはフランカー1本でいきたいと思います。今シーズンはレギュラーどうこうより、『豊田組』の『荒ぶる』のために自分のできることを精一杯やって、それが『荒ぶる』に繋がればと思っています」


<本日の『Dynamic Challenger』!早くも大爆発のWTB中濱寛造>
「いやぁ、もうFWがいい球を出してくれたおかげです。たまたまというか、すべて取って当たり前のものでした。6トライはもちろん初めてです。山中のあのパスは分かってはなかったですけど、やりそうな気配は大体感じますから(笑)。2人のホットラインということで(笑)。今日はこのチームにとっての第一歩目、すごく大事な試合。ワセダの11番を着るからには、チームのために絶対トライを取ってやろうと思ってました。その結果、6つも取ることができてよかったです。最初の20分はFWがドンドン前に出てくれて、櫻井さんがテンポよく捌くことで外が余って、山中が外側が詰めてくるのに対してしっかり判断してパスをくれる。すごくいい形だったと思います。途中からBKはタテタテに切っていこうと言ってました。宮澤と大志起点でタテ。内を見せてから外にいきたかったんですけど、ミスばかりで…。ボールは汗でだいぶ滑りました。今シーズンはチームのために絶対に毎試合トライを取って、苦しい場面でこそ流れを変えるプレーができる選手になっていきます」

<SO山中亮平のミラクルパス! 場内大喝采!>