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2024

対流通経済大B(Jr選手権)新たなキーワード『厚み』?


 いくぞ連覇!目指せ赤黒!9月21日、ジュニア選手権がついに開幕。またしても節目は雨の上井草で…、『豊田組』はもうひとつのチャレンジをスタートさせた。
 この日セカンドチームに課せられたマッチスローガンは、対抗戦の開幕同様、『ファーストチャレンジ』。入りからMAXテンションで、そのすべてのファーストを制し、相手を圧倒し続ける。ただ勝つだけでは意味がない。その意志表示は開始僅か30秒。キックオフからいきなり相手をめくり上げターンオーバーに成功すると、そこからの華麗かつ力強い展開でBKがインゴールを陥れ、開幕を彩る大花火大会が幕を開けた。秩父宮でファースト15が魅せた20分で40点とまではいかなくとも、ほぼ5分に1つの乱れ打ち。恐らくAチームにポンと入れても普通にやれるであろうSO井上隼一の軽快なタクトに乗って(ディフェンスもベリーグッド!今もっともプロジェクションできる男?)、BKがおもしろいようにゲインを重ねた。
 なかでも際立ったのが、WTB大島佐利の爆発的、というより別次元の突破力。抜いて抜いて、弾いて弾いて、裏に出まくる。ブラインドWTBに入り、スクラムから直でボールを渡しただけであっさりトライ。「怪物だな、ありゃ…」。見守るメンバーたちから思わずそんな声が漏れる走りっぷりで、ナカハマ・カンゾーばりにトライを量産した。そういえば、この日が復帰戦。「夏は1試合も出られなくてみんなに迷惑を掛けたので、何とかカバーできるようにしょっぱなから暴れてやろうと思ってました。ブラインドWTBに入ったときは1次でのアタックゲインは絶対ですし、常に自分がトライを取りきるつもりでやっています」(WTB大島佐利)。
 この他にもCTB内山竜輔の必殺タックル、FB井口剛志の冴え渡るフィールディング(まさに先読み!)と、序盤は気持ちよく、堅実に試合を進めていたものの、これまた必然というべきか、やっぱり一緒なんだというべきか、時間の経過、点差の拡大とともに、先のファースト15同様ちょっぴり失速。後半から出場のフランカー・上田一貴の攻守に渡る奮闘がチームに芯を通し、スコアこそ重ねれど、何とな~くまったりした、ゆる~い時間を過ごしてしまった。80点差の大勝にもこの点は要反省。何とかしたい。「リーダーたちを中心に試行錯誤して、入りもすごくよかったし、いい試合だったと思うけど、もうちょっと厚みのある戦い方をして欲しかったなと…」(中竹監督)。相手に合わせることなく、自分たちのやるべきことを貫き通せるか、ひいてはタイトなゲームでいかにやれるか。『厚みある戦い』。これからのシーズン、この言葉がキーワードになる予感…。
 と、反省も多々見えながら(特にキックオフ。これはファースト中のファースト!)、まずは相手をノートライに抑え、かつボーナスポイントもしっかりゲットする順調な滑り出し。「この形を基準にしていければ、今年もいい形で優勝できる。そういう感じかな」(中竹監督)。このファーストの意識の高さをそのままに、『厚みある戦い』を。ワセダB、それができれば絶対に目指すべきものが手に入る―


<『厚みある戦い』 チームに新たな指標を提示する中竹監督>
「今日のテーマはAチームの開幕戦と同じく『ファースト・チャレンジ』。Jr選手権の優勝に向けて大事な試合だった。実は今週は練習から受けに回っていてずっとよくなかったんだけど、昨日の練習、ミーティングで、試合ではこの流れを変えてくれ。自分たちで反省して、考えて、最高のパフォーマンスを出せるようにって。リーダーたちを中心に試行錯誤して、入りもすごくよかったし、いい試合だったと思う。ただ、これもAと同じで、もうちょっと厚みのある戦い方をして欲しかったなと。例えば、厳しいゲームであれば取れないようなところを抜いて、周りはセオリーどおりに動いていてフォローにつけないとか。そういうところはこれからの課題。ただ、タックルからのターンオーバーはすごくよかったし、反則も多くなかったし、ディフェンス面は評価してあげたい。ここに関しては、練習でやってきたことができたというか、練習とは格段に違う動きだった(笑)。この形を基準にしていければ、今年もいい形で優勝できる。そういう感じかな」


<不完全燃焼? 大勝にも反省しきりのゲームキャプテン・奥野耕輔>
「今日はファーストから圧倒して勝とう。ただ勝つのでは意味がない。そういう意識で臨めたのがよかったんだと思います。ただ、コミュニケーションが取れていない部分。例えば、声が出ていなくて内側を埋められていなかったりとか、課題もたくさんあるなと。次は慶應戦。このままではダメだと思うので、詰めていきたいです。BK、すごかったですね。セルシオ(坂井)はじめみんなどんどんペネトレイトしてくれてましたし、FWがターンオーバーしてそこからBKで仕留めるという形はよかったと思います。タックルからのターンオーバーは練習から意識してきましたし、それを形にだせたのはプラスです。自身のプレーに関しては…、夏の最後をいい形で終えることができて、それを凌駕するプレーをしたかったんですけど、消化不良でした…。もっともっといかないと。ホントにあと4ヶ月しか残っていないなかで、どれだけあがいて上にいけるか。とにかくやるだけです。後悔だけはしたくないですから」

<真骨頂! 途中出場ながら輝きまくったフランカー上田一貴>
「今日はいいプレーができたと思います。ノートライで終えられたことをみんな喜んでました。合宿で対戦したときもたくさん点は取りましたけど、いくつか取られていたので。昨日中竹さんにも、圧倒して来い。相手を黙らせるくらいやってこいと言われて、みんないい意識で臨めました。自身については、まだもうちょっといけたというか、ツメが甘くて、もっとできることがたくさんあって、ダメだなって…。もっとやれる。そこはチャレンジです。今日はテーマであった入りはすごくよかったですけど、その後のキックオフはほとんどダメでしたね…。意識はしていたんですけど、全然。ゲーム全体のファーストはよかったですけど、その後のファーストはまったくでした。FWはとにかくキックオフのところが課題。あとのところは…、ちょっとまだ僕自身頭の整理ができていないので、しっかりとビデオを見てチェックします。この3年間、1年生のときからずっと同じようなところを行ったり来たりして、今年は最後で気も入ります。今年のテーマは、焦らず、少し余裕を持ってと思ってたんですけど、もう余裕なんてないです。焦るじゃないですけど、もっともっとアグレッシブに、口数は少なくとも、体で、激しさでアピールしていこうと思っています」

<まさに怪物? 復帰戦でいきなりトライを量産したWTB大島佐利>
「今日は久々の試合だったので、思い切りやってやろう。夏は1試合も出られなくてみんなに迷惑を掛けたので、何とかカバーできるようにしょっぱなから暴れてやろうと思ってました。いい形でプレーできてよかったです。自分の形がだんだんと分かってきましたし、コーチの方々にもそのようなことを言って頂いて、少しは成長できているのかなと。BKのアタック力はBの強みですし、今日もそれぞれが自分の形でゲインできていて、よかったと思います。自分も復帰戦にしては、よくできた方でした。自分はWTBというか、後ろ3つのどこか。決して8ではないです(笑)。ELVになって、ブラインドWTBに入ったときは1次でのアタックゲインは絶対ですし、常に自分がトライを取りきるつもりでやっています。ルールの変更で生まれるアドバンテージを、自分の武器にしていければと思います。他のBのメンバーもそうだと思いますけど、僕も目指しているのは赤黒。常に最高のパフォーマンスをして、待つのではなく、自分で勝負して、正月の決勝の舞台に立っていられるようがんばります」

<WTB/FB佐藤晴紀も次々トライ!夏合宿から調子は上向き!>