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2024
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対慶大B(Jr選手権) 5年ぶりの日吉で甘さ痛感…


 「勝つことができて、反省もたくさん見えたいい試合だった。今回も自分たちの何が悪かったのか、見つめ直すいい機会になったね」(中竹監督)―。何ちゃらは、忘れた頃にやってくる。実に5年ぶり=今の選手たちにとっては初めて、かつ歴代を遡ってもいい思い出のまったくない慶大の聖地・日吉で、『豊田組』セカンドチームは、自らの甘さを痛感した。原点。まだまだホンモノになりきれない。あの関東戦以降、順調に突っ走ってきたチームにはいい試練…。
 試合は、5分芸術的な裏チョン、15分CTB坂井克行の突破(慶大の人工芝は「引っ掛かりが強いと感じた」そうです)と、ポポポーンとトライを挙げ先手こそ奪ったものの、基本自分たちからは何もしていないという展開。キックを蹴り合い、ハイパンを競り合い、グッドタックルでターンオーバーしピンチの芽を摘む。…がしかし、セットからの計画的アタックはほとんど見られず、2人目の寄りは「イマイチ」の域を遥かに超えた「イマサン」…。失点後すぐに取り返すなど、スコアでは常に差を保ちながら、その戦いぶりにワセダらしさはまったくなかった。「ただ勝った。今日はそれがよかったというだけで、内容は全然です…。BKはあの展開のなかで、もっと自分たちで何とかしようという意志が足りなかった。アタックに関しては、セットが安定しなかった分、ブレイクダウン、ボールキャリアが少しずつ受けだして、その分順目に来れなかったんだと思います。自滅という感じでした…」(ゲームリーダー・井上隼一)。
 突き詰めていくと、この「安定しなかったセット」こそが、ゲームが壊れかけてしまった大きな要因。相手ボールをスチールしまくったラインアウトはともかく、スクラムは明らかに課題が再燃。相当に組み込んでいるであろう相手に8人のまとまりで負け、ズルッと下がる。試合中盤、分かりやすくプレッシャーを受け、そのこぼれ球を起点にトライを許すなど、ラグビー=スクラムを改めて思い知らされた。「安定しなかった『分』~」の意味は結構重い。試合後にはAメンバーも交えて緊急青空ミーティング。「自分たちのやってきたスクラムがだせなかった。やっぱり普段から8人でバンといく力がないのかなと8人一体で組むということができませんでした。フッカーが変わったにも関わらず、練習からこれまでと同じような形で、何となくやってしまって…。また週明けから重点的にやっていきます。僕たちがもっとしっかりしていればいい形で勝てた試合。修正点はみんな理解できているので、またひたすら反復していきます」(プロップ内田雄介)。この時期でまだよかった。組んで、組んで、組みまくったあの夏をもう一度思い出せ!
 と、ネガティブなところは次から次に出てくるものの、ホントのホントの勝負どころはきっちり抑え(後半40分に取られたトライは、そりゃねーだろって感じでちょっと情けなかったですが…)、初めてのグラウンドで勝利を手にし、4トライボーナスまで手にできたことは、今後を考えれば、また一歩前進。後半14分、いや~な流れのなか飛び足したFB井口剛志のスーパーカウンターは素晴らしかった。あのプレーをあの局面でできる男はそうはいない。「今日は突き放しどころ、我慢するところ、そういったメリハリをつけるべきところができていなかった。目の前のプレッシャーに流されて普通にプレーしてしまった感がある。そのメリハリができるようになれば、またチームとして上の段階にいけると思う」(中竹監督)。慶應は自信と手応えを掴み、ワセダはたくさんの課題を認識できた。で、勝ったのはワセダ。この日は簡潔に表現すると、そういう試合。「スキを見せてはいけない相手に、よくないゲームをしてしまった。また練習からみんなでしっかりやっていこうと思います」(主将・豊田将万)。あと3週間は天然芝養生期間で思うように練習できずに大変だけど…、これを機に自分たちを見つめ直して更なる高みへ。ライバル・慶應との戦いも、連覇を目指すジュニア選手権も、『豊田組』はこんなものでは終われない―


<ある意味グッドゲーム? メリハリを強調する中竹監督>
「まぁ、今日は勝つことができた、反省もたくさん見えたいい試合だった。今回も自分たちの何が悪かったのか、見つめ直すいい機会。そこをしっかりやっていきたい。そのための肝となるのは…、やっぱりプロジェクションかな。今日でいえば、突き放しどころ、我慢するところ、そういったメリハリをつけるべきところができていなかった(後半開始早々、相手まったく関係なし、100%自分たちの問題のペナルティを犯してPGを献上。19-8にされ追撃体制を作られたり…)。目の前のプレッシャーに流されて普通にプレーしてしまった感がある。それは技術の問題ではない。そのメリハリができるようになれば、またチームとして上の段階にいける。いずれにせよ、そこは自分たちで考えていかないとダメなところだからね」

<課題再び? スクラム猛省のプロップ内田雄介>
「今日は全然よくなかったです…。これから先の明治、帝京戦に向けてすごく課題が残りました。勝てたことはよかったですけど、スクラムでリズムが相手にいってしまった。自分たちのやってきたスクラムがだせなかったです。課題がたくさん。勝っても暗い感じです。要因は…、やっぱり普段から8人でバンといく力がないのかなと。前がしっかりヒットしても後ろがついてこなかったり、逆に後ろはしっかり放り込んでいるのに前がついていけてなかったり。8人一体で組むということができませんでした。フッカーが変わったにも関わらず、練習からこれまでと同じような形で、何となくやってしまって…。また週明けから重点的にやっていきます。スクラムでやられたのは久しぶりですし、それを起点にトライもされてしまいましたから。僕たちがもっとしっかりしていればいい形で勝てた試合です。修正点はみんな理解できているので、またひたすら反復していきます。普段からA相手に喰い込まれて、そこからいかにやるかみたいな感じになってしまってるんですけど、やられてしょうがないではなくて、Bの力を見せて勝つ。そういうところを見せていかないとダメです。Aもジュニアもチームとしてはもちろん優勝したいですし、個人的には1,3両方できるので、タッキーとハッシーのふたりが今の地位に落ち着かなように常に狙っていきます。2人目、3人目のプレーヤーではないぞってことです」


<完全に自滅… 苦しみながら何とか勝利に導いたゲームリーダー井上隼一>
「ただ勝った。今日はそれがよかったというだけで、内容は全然です…。FWはスクラムが~とかあるんでしょうけど、BKとしては、これは裕司さんにも言われたんですけど、あの展開のなかで、もっと自分たちで何とかしようという意志が足りなかったです。もっと積極的にいかないとダメでした。アタックに関しては…、セットが安定しなかった分、ブレイクダウン、ボールキャリアが少しずつ受けだして、その分順目に来れなかったという感じだと思います。テンポを上げていこうと思ったところでペナルティだったり、ミスだったり、SOとしては結構苦しい試合でした。自滅という感じです。BKのディフェンスについても全然です。相手がヘラヘラして帰ってるんで、全然足りないということです。今日は蹴り合いというイメージはあまりなくて、まずは敵陣に入ること。それでリズムが出てきたら回して、ボールを動かしてと思ったんですけど…。ワセダの形にできませんでした。でもまだこれでジュニア選手権が終るわけではないですし、しっかりと立て直して、プラスAを脅かすチームになっていかないといけないです。今日のゲームの感じだと、どこってより全体が足りない。アタック、ディフェンス、拘っていくことだと思います」

<勝負どころですごいの見せた!ワンプレーで流れを変えたFB井口剛志>
「今日は全体としては見ても分かるとおり、前半と後半でデキが全然違いました。後半は迷ってしまってアタックがうまくいかず、ディフェンスでは喰い込まれてしまいました。テーマとしていた『ステート・チェンジ』が後半はできなかったなと。ところどころでは、ここは○色!リラックス!(この日はあらゆる状況を色で表現し、イメージを共有していました)とか、プロジェクションの声も出ていていい面もあったんですけど…、チームとして修正していきたいです。後半ああなってしまったのは…、点数を考えてしまって、少し差が開いただけなのに守ってしまったから。もう、メンタルの問題。そこで喝を入れる人がいなかった。リーダーがどうとかでなく、ひとりひとりが、チーム全員がそうなれれば、ブレない強いチームになっていけるんだと思います。カウンターですか?、あれがなかったら今日は萎えてましたね(笑)。キレが少しずつ出てきたのかなと思います。今は下半身強化に取り組んでいるんですけど、それが出たシーン。ああいったシーンがもっともっと出せるように、より一層がんばっていきます。BKに関しては、寝方、ボールの出方が悪くて、それでテンポが作ることができなかった。ピークコントロール。きちんとしていかなといけないです。今日は勝つことができてよかった。キックについても、バックスリーで毎日練習してますし、負けない自信があります。大丈夫です(笑)」

<双方お家芸?この日は壮絶なハイパンキャッチ合戦!>