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2024
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対成蹊大 初の試み、試合はまだまだ終らない?


 おい、そりゃねーだろ!開始僅か3秒、この日のマッチスローガンは主将の手によって豪快に吹き飛んだ。ピィー、アーリータックル。しかも、3日間かけて学生たち自信で掲げたものだったのに…。「入りのところから絶対にいってやろうと思ってたんですけど、空回りしてしまいました。頭の中は真っ赤で。申し訳なかったです…」(主将・豊田将万)。さすがにホントに『ノーペナルティ』で試合を終えたら「メークレジェンド」だけど…、頼むぜ!キャプテン! 「愛嬌があるというか何というか。チーム一のダイナミックチャレンジャーだなと。今回のゲームで大事なのは、自分たちで決めて、前日のミーティングで俺に説明して、試合をして、そこでいかに反省をするか。その反省のところまでがひとつの試合。まだこの試合は終ってないぞという感じだね」(中竹監督)。
 水・木・金、学生たちが議論に議論を重ねて迎えた前日ミーティングは、何とも言えない空気に包まれていた。まず豊田自らが話し合いの経緯を中竹監督に説明し、スローガンを発表。その後、FWが定めたBKのテーマ<スターターアタック。一発で取ってくれ!BKの想い>、BKが定めたFWのテーマ<ピークコントロール。行き過ぎないでいい状態で出してくれFW!の想い>が、それぞれの代表者・有田、飯田から伝えられた。おおぉ~。そうきたかぁ。「いいね。俺も同じようなことを考えていた。明日、期待してます」(中竹監督)。予断ながら、書記・瀧澤直が記した文字は実に美しかった(字は体を表す?)。そんなバイスキャプテンの想い。「今回は自分たちでテーマやスローガンを決めましたけど、自分たちで考えることで、今の自分たちに何が必要なのか、立ち位置が分かる。いくら中竹さんやコーチの方に言われても、プレーするのは自分たち。自分たちで分からないと意味がないですし、自分たちから動けるようにならないといけない。そのために自分たちで考える、見つめる機会があったのはすごくよかったと思います」。頂点までの2/11、学生たち自身プロデュースの大胆な挑戦が始まった。
 14:02、強い想いを胸に抱き、いざキックオフ! が、しかし…。
 その後は、開始早々から出てくる相手をしっかりコミットしたビューティフルアタックでサクっとトライを挙げたものの、全くパンチなく、全体的にどこかチグハグ。完全に予想外、頭を入れまくり、ノーバインドでがんがんブレイクダウンに突っかけてくる成蹊に若干戸惑い、絶対的な強さを見せることはできなかった。実に一ヶ月ぶりとなる試合間隔(しかも現在メイングラウンド養生中…)が影響したか、慣れないゆるーい空気に流されたか。「辛い局面でコントロールできていないというか、みんな自分の世界に入ってしまってるなと。練習ではミスなく一次で取りきるイメージだったんですけど、チョイスのところとか、細かいところがブレてしまった。そういう部分をみんなで詰めていければ、もっともっと実力が出せる。そこは明確な修正点です」(WTB田中渉太)。有田隆平のスーパージャッカル、BKの長く速く美しいパスを繋いでのトライなど、所々見せ場こそあれ、「納得の2/11!」からは程遠かった。まだまだまだまだ力が足りない。FWの動き出しにまるでシャープさがない。ペナルティはもっと減らせる(ラインオフサイド0は成果!)。秩序のなくなった後半(相手もペナルティのオンパレード)はラグビーをしていない。そして、ミスだらけのキックオフは何とかせねば…。
 60-0。ミス多発。ペナルティ計11個。もちろん満足できるゲームではない。修正点は山ほどある。しかし、そんなことは百も承知。この日もっと大切なのは、学生自身がテーマを掲げ戦った80分+αといかに向かい合い、総括し、次に繫げるか。「明日みんなで反省ミーティングをするけれど、週明けにどんなプレゼンテーションをしてくれるのかすごく楽しみ。試合を振り返れば、プロジェクションどおりではないところがたくさんあったし、期待どおりの内容ではなかったけど、なぜそうなるのか、どこが足りないのかが分かれば、スキル以上の成果があると思う」(中竹監督)。初めての試みでチームはどう変わるのか…。導き出される答えと、そこから生じる化学反応は…。次なる相手は、毎年毎年苦しめられてきた反則しない好チーム・筑波大。ファンクションルーム、集合の輪が解ける寸前、主将・豊田将万は呟いた。「よし、しっかりハンセーするぞ、ハンセー」―


<試合はまだ終らない!週明けのミーティングを楽しみに待つ中竹監督>
「今回は学生たちにスローガン、テーマを決めてもらったけど、まずリーダーにそのことを伝えたら、FWがBKのテーマを決め、逆にBKがFWのテーマを決めるということをやって、おもしろいなと思った。今回のゲームで大事なのは、自分たちで決めて、前日のミーティングで俺に説明して、試合をして、そこでいかに反省をするか。その反省のところまでがひとつの試合。明日みんなで反省ミーティングをするけれど、週明けにどんなプレゼンテーションをしてくれるのかすごく楽しみ。試合を振り返れば、プロジェクションどおりではないところがたくさんあったし、期待どおりの内容ではなかったけど、なぜそうなるのか、どこが足りないのかが分かれば、スキル以上の成果があると思う。繰り返しになるけれど、今回はこれからどうするのかが大事。まだこの試合は終ってないぞという感じだね(笑)。2/11はまだ終ってない。だから今日はもっと点数が~とか細かいところはあまりないかな。久々の試合でゲーム勘が落ちていたし、グラウンドは狭いし、みんな色々な気づきがあったと思う。環境面はじめ色々な意味でいい経験になった(笑)。タフなチームになるためにはいいゲーム。スローガンであった『ノーペナルティ』に関しては、はじめの豊田のあれはネタかと思うくらい。思わず笑ってしまった。チーム一のダイナミックチャレンジャーだなと。愛嬌があるというか何というか。豊田も今日で大きくなるというか、変わってくれると思う。筑波は明治に勝ったことで自信を得ただろうし、昨年いい試合ができなかった借りも返さないといけない。今シーズン一番気持ちを入れて戦うゲーム。そういう意味でも楽しみです」


<試合後は猛省… 3秒でスローガンを打ち壊した主将・豊田将万>
「最初のプレーは…、入りのところから絶対にいってやろうと思ってたんですけど、空回りしてしまいました。申し訳なかったです…。全体で言えば、中盤での相手のプレッシャーが思っていたよりもあって、攻めきれないところがあり、後手後手になってしまいました。途中から修正できて、相手の弱いところを攻められたんですけど、それが80分できないのが今の自分たちの力。そこは修正していかないとダメだと思います。今日はもっと点数を取りたかったというより、圧倒したかった。ブレイクダウンをしっかりやって、圧倒することができれば、自然と点数は取れますから。今日はその部分の脆さがでてしまった感じです。ブレイクダウンをもっと徹底的にやって圧倒する。相手に何もさせない。それができなかったのでダメです。今回の遠征は、ホテル(何と明治と同じでした…)からグラウンドから、環境的に初めてのことばかりで、慣れずに大変でした(笑)。こういうこともあるんだと、チームとしていい経験になった思います。次の相手の筑波は今日いいゲームをして明治に勝った。この一週間、まず自分たちのやることをしっかりやって、すべてを筑波に向けて、いいゲーム、というより圧倒するゲームをしたいです。毎回週半ばの夜にみんなでミーティングをしてるんですけど、そこで今回の試合のテーマは自分たちで決めると告げました。まず学年別で話をして、ポジション別で話をして、その中でベストを思えるものを選択するというやり方で。自分たちで試合のスローガン、テーマを決めることはすごく新鮮でした。やってきたことをいつも以上に意識できましたし、やるべきことが分かりやすいですし、できなかったことは反省にもなる。そして、やっぱりまだ自分たちには修正する力が足りないんだということがよく分かった。考えるということはできるようにはなってきてるので、その修正する力をつけて、ブレないチームにしていきたいです」


<リーダーの使命!翌日、そして次のゲームを見据える副将・瀧澤直>
「まぁ、いい試合ではなかったですけど、自分たちのよくないところが分かったのはひとつのプラス材料ですし、よかったのかなと。本当はそれを立教戦でもっと学ばないといけなかったんですけど…。うまくいかないときにリーダーがどうするのか。そこは次に繫げていかないとダメだなと。これから重要になってくると思います。今日はミスがあったり、コミュニケーションがうまく取れなかったり、山中がいなくなったり。そこでリーダーのあり方が問われる。自分たちはまだまだだということが分かったのは成果です。テーマだった『ノーペナルティ』は、おっしゃるとおり3秒でダメでしたね(笑)。まぁでも自分たちで防げるペナルティは減らせていると思います。立ち位置のオフサイドはなくなりましたし、僕も豊田もブレイクダウンで積極的にいって取られたペナルティはありましたけど、そういう部分はタイトなゲームではある程度必要になってくるというか、ネガティブなペナルティではないので。もちろん、中身はどうであれ結果的にシンビンを出してしまったことは反省しないといけないですし、これからも防げるペナルティは減らしていきたいです。取られたとしてもポジティブなものだけ。そういう点ではまあまあの試合でした。今回は自分たちでテーマやスローガンを決めましたけど、自分たちで考えることで、今の自分たちに何が必要なのか、明日みんなで反省するんですけど、それで今の立ち位置が分かる。いくら中竹さんやコーチの方に言われても、プレーするのは自分たちですから、自分たちで分からないと意味がないですし、自分たちから動けるようにならないといけない。そのためには自分たちで納得できるように。自分たちで考える、見つめる機会があったのはすごくよかったと思います。明日みんなでミーティングして、評価して、確認し合うこともいいことです。自分たちで考えるだけでなく、どう反省できるかが、重要なんだと思います。今日は普通にやってしまって、成蹊のブレイクダウンに受けてしまったので、次はそういうところを普通にはやらないで、シーズンが深まってきているんだという意識で、点数も内容も圧倒して、目標に向かってひとつひとつ階段を登っていけるようにがんばります」


<もはや大黒柱!試合毎に存在感を増し続けるフランカー小峰徹也>
「何か余裕があったというか、やりたいことはできそうなんですけど、ブレイクダウンの弱さやミスで点数が取れず、課題が残ってしまいました…。ブレイクダウンは成蹊がブローしてきたのが予想外だったというか、プロジェクションできず、最初のところでやられて、受けてところがあったのかなと。関東などはもっと強いでしょうし、こんなことではまずいです。その後切り替えはできてたんですけど…、課題ですね。最初から受けずにやっとけよという感じです。それに、他のチームがどれだけ点数を取っているのかは知らないんですけど、もっと取るべきところで取らないといけなかったなと。今日はノーペナルティを目指しながら、多かったですし、自滅という感じでした。次の筑波に向けては、今日の1ヶ月ぶりの試合でゲーム勘も戻りましたし、ブレイクダウンの激しさを上げていって圧倒したいです。今日明治が負けていますから。今日は経験したことのない環境で、どこかフワフワした感じがありました。なので次はしっかりと。実は春の初戦からすっとフルで出続けているのは僕だけなんです。こんな奇跡(笑)ないと思うので、これを決勝まで続けていって、最後まで勝ち続けたいと思ってます」

<本日の『Dynamic Challenger』!上昇宣言のWTB田中渉太>
「ホント締りのない試合でした…。今日はやりたい放題やってやったという感じです。ガンガン外にも勝負にいってタッチに出たり。でも逆に吹っ切れたというか、個人的な話になってしまいますけど、これで調子がどんどん上がってくるんじゃないかと思います。何ができて何ができないのかがよく分かったと言うか、今日はいいキッカケになりそうです。そういう意味では、いい試合でした。今はステートコントロールということを言っていますけど、最後のところをはじめ、辛い局面でコントロールできていないというか、みんな自分の世界に入ってしまってるなと感じます。それがペナルティにもつながっている。そういう場面でこそみんなでコールをし合って、しっかりしたかったなと。最後は途中から入ってきたリザーブのメンバーは見せよう見せようと思っていたでしょうし、組織ではなかったです。点数ももっともっと取れたと思います。そこでノーバンできたらトライというところがワンバンになってしまって外にいけなくなったり、練習ではミスなく一次で取りきるイメージだったんですけど、チョイスのところとか、細かいところがブレてしまったなと。そういう部分をみんなで詰めていければ、もっともっと実力が出せると思います。そこは明確な修正点です。成蹊はディフェンスで出てきたり、被せてきたりしてましたけど、分かってはいましたし、衝撃はなかったです。やっぱり狙ってきてるねって。チョイスしてそうしているわけではなかったので、例えば最初の大志のトライみたいに、ワセダがしっかりとコミットすれば抜けた。悪いイメージではないです。ここまでは自分でもパフォーマンス微妙だなと戸惑っていた部分もあるんですけど、もう十分ミスもしましたし、今日は自分がしっかり見えた試合でした。これを気に上がっていけそうな予感がします」

<高崎浜川陸上競技場、観衆2000人もスタンドはギッシリ>