Bチーム圧勝の熱気が冷めやらぬ上井草で、Cチームも春シーズンの開幕を迎えた。今季から就任したNEC・辻高志コーチのもと、これまで徹底的にやりぬいたのは「とにかく『走り勝つ』」(SH西田剛)こと。その中で意識してきた「自分たちのラグビー」(ロック・冨田隆史)=前に出るディフェンス・リムーブでの反応をテーマに挑んだ。
風下の前半、ワセダは自陣に釘付けになってしまう。序盤に先制点を奪われるなど、立て続けに2トライを献上し、リードを許した。ペナルティやミスなどで思うようにリズムを掴めず、我慢の時間帯が続く。それでも「自分たちのラグビーに自信があった」(冨田)ワセダ、下を向いてはいなかった。28分にラインアウトから展開し、SO松井一樹が仕掛けてディフェンスラインを突破、フォローに入ったフランカー・岩丸和弘がそのままインゴールを駆け抜け、7-12で前半を折り返した。
後半は一転、前半の我慢が実り、開始からエンジン全開。運動量が落ちてきた慶大を尻目に、縦横無尽に『走り勝つ』ラグビーを展開した。2分のWTB赤澤祐太のトライを皮切りに、そこから5トライを重ね、慶大を突き放す。
そのなかでも、奮闘が光ったのがロック・星野泰祐。18分にゴール前でパスを受け、トライを決めると、直後には突破から1年生岩丸和弘のトライを演出するなどアタックの中枢を担う働きぶりを見せた。「シニアに上がって、上のチームでプレーしたい。悔いのない一試合一試合にしていきたいです」(星野)。
47-17と、初陣を白星で飾ったCチーム。しかし、彼らが目指すものはまだまだ先にある。「Cチームのメンバーにアカクロを着て欲しい」(辻コーチ)―。Cチームの挑戦は、始まったばかりだ。
圷萌奈
ゲームキャプテン・冨田隆史
「ライバル慶応が相手ということで、負けられない戦いでした。僕たちのやってるラグビーを出せればいいなと思っていて、それは具体的に言うと前に出るディフェンス、リムーブの反応とかです。どれだけこっちがディフェンスできるかでした。後半は風上の中で自分たちがやってるラグビーをやり通すことができたと思います。今日見えた課題は、組織的に動くこと。あとはタックル、前に出る強さとか、個々のスキルがまだまだだなと。でも今日は手応えがあって、慶應にも通用するんだ、と自信にもなりました。チーム問わず、春は全勝で自分たちのラグビーをしっかりやっていきたいと思っています」
ロック・星野泰佑
「初戦は一番大事な試合。春シーズン、良いスタートを切るための、絶対に負けられない試合でした。ディフェンスで前に出る、それが少しでも出せたかなと思いますし、次に繋がる良いゲームだったと思います。前半でリードされてても、チーム自体が後ろ向きになることはなく、前向きでした。風下だけど2トライに抑えられたし、ディフェンスには自信がありました。チームとしてのこれからの課題は、ディフェンスの精度をもっと上げること。ディフェンスの時間が長くても、しっかりできるようになること。数少ないチャンスを生かせるようにしていきたいです。個人としては、今までよりもディフェンスの意識が高くなりました。あとは、ボールもらって前に出るのが僕の持ち味だと思っています。僕がチームに求められている役割はそれだと思うので、それをコンスタントに出せるようになっていきたいです。シニアに上がって、上のチームでプレーしたい。ワセダでラグビーするのは今年で最後なので。悔いのない一試合一試合にしていきたいです」
SH西田剛
「ジュニアは今年から辻さんがコーチになって、やることは、とにかく走り勝つということ。ほとんどそういう練習しかしてないというくらい、それだけやってきたので、後半点差をつけられたのは、走り勝てたということだと思います。確かに先制はされましたが、逆に前半は80%を自陣でやっていたのに2トライとられただけ。風下でしたし。後半はあれだけ攻められたのは、前半の我慢のおかげです。課題は、しっかりとセットして、もっとディフェンスで前に出ることです。あとは個人個人のスキル。タックルだったりキャリアの仕事だったり、精度を高めていきたいです。ジュニアから一人でも多くシニアチームに上がって、アカクロにチャレンジ出来るチームになりたいです」