早稲田大学ラグビー蹴球部WASEDA UNIVERSITY RUGBY FOOTBALL CLUB OFFICIAL WEBSITE

Beat Up

2024
  • SpoLive

対明大 ワセダの使命


 「今日はこれが早明戦というくらい、やりたいことがまったくできない時間が多すぎた。本当はリベンジで、昨日のBくらいいきたかったけど…。そうはさせてくれなかった。そこはちょっと悔いが残る」(中竹監督)。ザ・『早明戦』。半年前の聖地・国立…、20日前の上井草…、それぞれが強い想いを持って臨んだワセダの代表・赤黒戦士たちは、様々なカベにぶつかりながら、北の大地・札幌で、しっかりとその使命を果たした。ライバルを勢いづかせた責任をここで取る。自分で蒔いた種は自分で処理する―
 リベンジ、圧倒、究極粉砕。試合前のそんな意志とは裏腹に、前半は最悪の展開。いきなりのキックオフダイレクト → キックの処理ミス → ラインアウトモール、その間ペナルティ×2でインゴールを明け渡す(4分)と、スタンドはどよめきに包まれた。いいぞ~、メイジ!! このトライで機先を制されると、その後はFWゴリゴリ+裏キック、ほとんどボールの動かないスローテンポにひたすら我慢。前日までのメイジとは、スタイルとまったく違う…。3回のまともなアタックのうち、2回をトライに結びつける力を見せながら、BKが許したラインブレイク1度きりという鉄壁さ(試合を通してもごく僅か)を見せながら、「ラグビーをしていたのはたったの10分」(中竹監督)ときては、思いどおりにいかないのも無理はなかった。強烈な風下にミスが加わり、ずーっと自陣。ようやく脱せると思った37分には、立ち位置悪くまさかのチャージ。典型的な負けパターン。しかし、成長の証か、『中竹ワセダ』の真骨頂か、この日の赤黒は想定とは違っても、冷静に目の前で起きてることを判断し、チームでしっかり乗り越えた。「風下ということもあって、きつかったですけど、僕が言わなくても、FWからしっかりとコールがでていましたし、リードされていても慌てることはなかったです」(SH櫻井朋広)。
 ハーフタイムの10分間にやるべきこと、チームマストを改めて確認し合うと、後半は完全にゲームを支配。ひとりひとりが激しく、強く、アップテンポで見ている人の心も揺さぶる。決定力に物足りなさは残ったものの、12分、24分、29分(ベリーグッド!)と思惑通りにトライを挙げ、一気にライバルを突き放した。チームコア・アップディフェンスもグッドターンオーバーで成果あり!
 紆余曲折ありながら、終わってみれば33-17と「緊張の一戦」に無難に勝利。これでまたひとつステージを上げられる。メイジがガンガンFWで来てくれたからこそ、目に見える成果を確認できた。早明戦といえばこの男・瀧澤直の言葉にも実感がこもる。「今日は『豊田組』の残党として勝つことができてよかったです。『豊田組』としてひとつの山を超えましたし、『早田組』としても嫌なものが1つ取れたと思います」…。俺たちはワセダ。メイジには絶対に負けられない―


<すべて想定内? この春の積み重ねに手応えを感じる中竹監督>
「今日はこれが早明戦というくらい、やりたいことがまったくできない時間が多すぎた。リズムを上げよう、自分たちのペースでボールを動かそうとしたにも関わらず、ペナルティ、ミスで自陣に釘付け。前半は10分くらいしかラグビーをしていなかった。それには学生たちもフラストレーションが溜まったと思う。後半は波に乗っていけると思ったけど、そこでも攻めてはミスとペナルティの自滅パターン。ただ、チームとしての強化はまだしていないので、ゲーム運び等々について言及する気はありません。リズムに乗れなかったのも個人個人の課題が出たから。春の残りは今日出た課題を徹底的にやっていこうと思います。今日は攻めればトライに繋がるという意識をみんな持ったと思うし、だからこそ倍くらいリズムに乗って点数を取りたかった。反省と収穫の両方が見えた試合。ディフェンス、タックルに関しては、ほぼ前に出て止めて倒すという拘ってきたところがたくさん見えたし、そういう意味では、集中してやってきたことが出せた分、次に繫がる試合だったと思う。リズムに乗れなかった部分だったり、前半だったり、まだ手をつけていない、整理をしていないところはできずに、やってきたことはしっかりできた。ある意味分かりやすい。今日のゲームだけを見たらよくはなかったけれど、ずっとプランニングしてきたことはしっかりと積み重なっているので、焦らず、じっくり、力を溜めていきます。本当は昨年のリベンジ、1年早明のリベンジで、昨日のBくらいいきたかったけど、そうさせてもらえなかったのはちょっと悔いが残る。課題も見えたし、お互い冬の早明戦にいい形で臨めると思うので、楽しみにしています」

<成果を実感! 最終週へむけ気持ちを新たにする主将・早田健二>
「前半は風下ということもあって、予想できた展開ではありましたけど、負けて終えてしまったのは、もっとがんばらないといけないということです。そこは関東戦へ向けた修正点。どんな状況にも対応できる力をつけたいと思います。前半BKは何もしてませんでした。FWがショートサイドをがんばってくれているのに対して、声を掛けるだけの感じで。ただ、ボールが出てきたところでは、しっかりと前に出て止めることができていたので、それが後半に生きたんだと思います。後半ゼロに抑えられたのはよかったです。BKは春を通して、前に出るディフェンスをやってきて、実際思い切って前に出られるようになってきました。これから更に精度を上げて、100%を目指します。ここで勝つとみんなで言っていたブレイクダウンに関しても、後半はタックルからのターンオーバーが増えましたし、成果はあったと思います。前半はエンジンがかかってなくて、FWもBKも思いきったプレーが少なかったので、後半はしっかり切り替えて、強く、どんどん展開していこうと。明治には昨年の対抗戦で負けて、1年生もあれだけやられて、逆境という認識(ちなみに前日は八幡山からの移動で交通渋滞に巻き込まれ、予定していた飛行機に乗り遅れるというとんでもない事態…)、危機感を持って試合に臨んだので、昨日Bが大勝して、Aも今日こうして勝つことができてよかったです。もちろん、これに満足することなく、ゼロに拘るディフェンスをやっていきます。まだまだ満足はできません。もっともっとできると思うので、これから更に全員で伸びていければと思います。最終週の関東は絶対に負けられない相手。すべてのチームがしっかりとした気持ちを持って、いい夏に向かっていけるような試合を。春取り組んできたタックル、ブレイクダウンは全体的にレベルが上がってきていますし、そこは右肩上がり、成果を実感しています」

<リベンジ!『豊田組』の残党としての思いを晴らしたフッカー瀧澤直>
「僕としては、昨年の対抗戦で負けていますし、『豊田組』の人間として、みんなの代わりにリベンジをと思って臨みました。明治には勢いがあるとか、1年が負けたとか、色々ありましたけど、『豊田組』の残党として、今日は勝ちたいと。モールで1本取られたところがありましたけど、それ以外のところはショートサイドもよかったですし、スクラムもマイボールは安定供給、相手ボールにプレッシャーをかけるようなところもあって、成果、収穫のあるゲームだったと思います。スクラムについては…、焦点ではありませんでした。明治も今年はそんなに拘っていないのかもしれないですし、よく分からないですけど、スクラムが焦点になってきた今までの早明戦とは少し違ったと思います。1番、3番はまだまだですけど(笑)、ビリー(横谷祐紀)、ザ・プロップの横谷(弟)、和田も自力をつけてきていて、みんな徐々によくなっている感じです。自分はそこについていくだけ。今日も楽にできました。僕はもう何番でもいいです(笑)。今日はフィールドで横谷、和田が引っ張っていいプレーをしてくれていたので、その分僕はスクラム。そういった役割分担もいい形でできていると思います。今日はまったく活躍してないですけど、残党として勝つことができてよかったです。『豊田組』としてもひとつの山を超えましたし、『早田組』としても嫌なものが1つ取れたと思います」

<好タックル連発! 持ち味を存分に発揮したSH櫻井朋広>
「今日は練習でやってきたような形でのターンオーバーがたくさんあって、よかったです。モールディフェンスでもいいものがありましたし、今週やってきたことの成果がでたと思います。前半は風下ということもあって、きつかったですけど、僕が言わなくても、FWからしっかりとコールがでていましたし、リードされていても慌てることはなかったです。後半は大半相手を釘付けにはしてましたけど、ちょっとしたところでリズムに乗り切れなかったり、最後のところをしっかりとやっていく必要があると思いました。ブレイクダウンに関しても、FWもBKも練習どおりにしっかりとやってくれたので、SHとしてもやりやすかったです。僕自身のことを言えば、FWのためにもっともっとやるべきことがありますし、まだまだ無駄走りできていない面があるので、そこを乗り越えられるように。今までやってきたことを信じて、スタイルを変えることなく、1日1日勝負していきます」

<見違える成長! FWの核として日々存在感を増すロック中田英里>
「今日は1本モールでいかれてしまいましたけど、中盤でのモールはしっかりと崩しましたし、ショートサイドディフェンスも成果が出たと思います。スクラムもしっかり組めましたし、手応えを得られた試合でした。FWとしては、次の関東に合わせて、またやっていくだけです。ブレイクダウンに関しては、相手があまり勝負してこなかったこともあって、プレッシャーを感じることなくできたと思います。ただ、ボールキャリアのリリースが悪くて、取られてしまったところがいくつかあったので、そこは反省です。来週の関東はそういったプレーがうまいので。今日で3試合目でしたけど、FWは練習の成果が目に見えていますし、すごくいい形できていると思います。今日のように重い相手がFW戦に拘ってきた場合には、出だしの一歩目が勝負なるので、そこの精度を高めていきたいです。昨年は豊田さん、小峰さんのような優れたランナーがたくさんいたので、自分は仕事を~と思ってましたが、今年は強いランナーがいないので、自分が行こうという気持ちでやっています。1,2年ともに勝つことができたので、今年も優勝して、勢いをつけたいです」

<ブレイク寸前! 攻守に抜群のスピード感を見せたCTB村田大志>
「今日は自分自身のファーストプレーだけを意識して試合に臨みました。ファーストタッチでは抜くことができなかったですけど、自分なりに思い切りやって、次のタッチでトライを取ることができたので、その瞬間今日はいけると。ディフェンスでもファーストタックルではミスしてしまいましたが、そこからうまく切り替えて、最後はいいディフェンスができていたと思います。相手がキック主体で、前で仕掛けてこなかったので、こちらから仕掛けて前で止めることができました。まだまだ100%とは言えないですけど、Aにいる時間が長くなるほど、コミュニケーションも取れるようになってきましたし、ディフェンスはだいぶよくなっていると思います。BK全体のアタックについても、明治のディフェンスに対して逃げずに、前に前にいけました。下げられることが少ない分、いいアタックができたと思います。宮澤もずっといいパフォーマンスをしているので、それに負けないよう自分もしっかりやって、Aの座を守りたいです」

<本日の『ベストエクスプロージャー』横谷祐紀、SMASH!!>