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2024
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対立教大 俺たちの聖地


 すべてはここから始まった。あの戦いがあったからこそ今がある。ここは俺たちとっての聖地、忘れることのできない特別な場所…。豊田将万、土佐誠の熱き抱擁から9ヶ月。更なるカベに立ち向かう誇り高きアカクロが、再び熊谷で躍動した。相手がどこであろうとも、スタンドの熱気は違っても、ワセダは何も変わらない。「あの日以来となるゲーム。今のワセダにとって熊谷は聖地。あの試合を汚したくない。恥じるようなゲームはできない。みんなで昨年のチームを超えてやろうって…」(中竹監督)―。
 そんな胸の高鳴り、例年のこの時期とはまるで別物のアップそのままに、この日も開始からロケットスタート。2分、あのときからまた一段と進化を見せる有田隆平。9分、徐々に吹っ切れつつある早田健二。18分、今年こそ!の期待に応える坂井克行。26分、豊田超えに本気で挑む大島佐利…。それぞれが強く、激しく、ひたむきに前に出続け、チームの今を計るにぴったりのテーマ『Reflection』<瞬間反射>をしっかりと遂行した。なかでも、いつ何時、どの局面でも、目に飛び込んできたフロント、両ロックの勤勉さ、労働意欲は、「そんな姿が見たかった!」のひと言。地味だったかもしれないけれど、めちゃくちゃデカイ!「反応、すごく意識してました。毎試合ベストゲームを重ねると言って、やってきてるわけですから。今日はそのとおり、前5みんながベストを尽くせたと思います。自分もどんどんいってやろうって」(ロック中田英里)…。その真価が問われるのはこれからも、ひとまずは大きな収穫! 現代ラグビーは前5が命! 早くも出たエディさん効果? 完全にこの日の主役、もうワセダの穴だなんて言わせない!
 入り次第では2戦連続の100点ゲームも見えた後半、肝心要のキックオフでディフェンスが間を割られ、そこからしばらくダラ~ッと過ごすスキを見せてしまったものの、村田賢史をインサイドCTBに配備してからは、滑らかに、ちょっと優雅にボールを動かし(思い出す曽我部佳憲!)、ターゲットはしっかりクリア。FW、BKがそれぞれのマスト、チャレンジを常に意識し、着実にスコアを積み重ねていった。大外からチームを指揮する、我等が主将の感触は…。「欲を言えば、後半の入りの部分~となりますけど、いい試合はできたと思います。あとはいかにしていい形を継続して出し続けるか。リフレクションの意識は浸透してきてますし、オンプレー中のコールもよくなっているので、ここからより高めていければと思っています」。
 忘れ得ぬ聖地・熊谷に恥じない最低限の試合はできた。『早田組』として、また一歩前に進むことができた。しかし、あのときの興奮、感動、魂の揺さぶりには及ばない。こんなものでは昨年のチームを超えられない。大切なこの場所で、劇的な進化を見せられるかが、今年のチームの試金石。「幸い、次の筑波大戦も熊谷。チャンスはもう一度あるので、今度こそはベストゲームをしたい…」(中竹監督)。近年ではなかった2戦連続の熊谷開催、これは天が授けてくれた大きなチャンス。10・17 vs筑波。『早田組』、聖地で起こせ、大爆発!


<特別な場所! 聖地での更なる飛躍を誓う中竹監督>
「熊谷で試合をするのは、あの関東学院戦以来。僕にとっても、学生たちにとってもここは聖地。その思いを伝えて、今日は聖地に恥じないゲームをしようと。近年の立教大戦ではもっとも準備して、実際前半はいいゲームをしてくれた。後半の20分空回りして、トライを取られてしまったのは課題。それでも、最後の20分はよかったし、ベストに近い、見たいと思っていたところはしっかりと見ることができた。チームとしての取り組みはまだこれからで、今は個の力、ジェネラルなブレイクダウンの精度といった部分。後半に関しては、キックオフですれ違ってしまったところが始まり。想定外のところを切られてビッグゲイン。それで地に足がつかず、流れを失ってしまった。(記者からの直前のメンバー変更は、の問いに)中濱は練習でケガをしてしまったので変えました。中靍はトライは取れませんでしたけど、まぁ1年生なので。試合後、本人は悩んでましたけれど。トライを取ることが仕事だと思っているようで。けど、僕としては気にしていません。(隣に座る早田を見ながら)昨年の早田も取ってないしな?(笑)。中靍もトライのないなかで、いいキャラクターが出ていたと思います(笑)。とにかくあのスピードは飛び抜けているので、生かしたいですし、枠を超えさせたい。素人なんじゃないか?というプレーだったり。今日をゼロとして、ここから爆発させたいですね。(がんばっていた選手は?の問いに)両ロックはがんばっていたと思います。(続く早田キャプテンは?の問いに)まぁまぁ。ただ、強いプレーをしてくれていましたし、みなさんの気づかないようなところでいいプレー、見本になるプレーをしてくれていたので、週明けのミーティングではたくさん映像がでてくるでしょう。今日のテーマであった『リフレクション』については、できていたと思います。反応という部分ではかなりよかった。これはエディさんのセッションが後押ししてくれたもの。感謝ですね。低さの部分についても、試されるようなシチュエーションはなかったけれど、姿勢が高くて課題が出た~というところはなかったですし、学生たちの意識はかなり上がってきているなと。ユニット強化月間とした9月の総括は、FWに関してはモールとショートサイドディフェンス。昨年より体が小さく、7キロ軽くなったので、徹底してやりました。大きな相手は常にそこで挑んでくるワセダの課題。しっかりと成果を出して、これから個で上回る相手を一発で倒していきたい。一方のBKは、個々のスキル、キック、パス、キャッチの精度。きっちりと計画は消化できた一ヶ月だった。今日は聖地に恥じない戦いであったことは確か。でも、まだまだやれる。幸い、次の筑波戦も熊谷。チャンスはもう一度あるので、今度こそはベストゲームをしたいと思います」

<久々の2トライ!80分切れない集中力を課題に挙げる主将・早田健二>
「今日はテーマに『リフレクション』、すべてのミス、パスに対する反応を掲げて試合に臨みました。けど、ミスをして自滅、後半の最初にタックルを外して受けてしまったのは課題。今年は毎回ベストゲームをすると言ってきましたけど、その点ではまだまだです。次の筑波は強いチームなので、また週明けの練習からしっかりやっていこうと思います。反応の部分については、ミスも多かった分、いつも以上によかったのかなと。それでも、前提はミスをしないこと。そこはもっと厳しく、ゼロにすることを目指していかないといけません。その上でいかに反応できるか。修正点はたくさんあります。ブレイクダウンに関しては、2枚目がしっかりサポートできたときは、いい形でできているので、それを常にだしていけるように。課題にしてきたオンプレー中もうるさいくらいになってきましたし、みんなの意識は上がってきていると思います。練習が1番、けど試合では出せないでは意味がないので、これからもより激しくコミュニケーションを取っていきたいです。BKについては、ひとりひとりが勝負していてよかったとは思いますけど、連携ミスがあったので、いかに山中にコールを伝えられるかが課題です。先週のジュニア選手権での負けを受けて、リーダー格である4年を中心に話し合いをしてもらいました。中身について、まだ詳しくは聞いてないですけど、立て直して、いい形になっていくと思います。Aチームはオンプレー中のコールをはじめよくなっているので、それが全体に広がっていけばと。欲を言えば、後半の入りがよければ~というのはありますけど、今日もまずまずいい試合でした。これから続くタイトなゲームでは、1試合通して集中を切らさないことだと思っています」

<シーズン初スタメン! 随所に存在感を見せた副将・山岸大介>
「今日は個人的なところでスクラムに課題が残りましたけど、チーム全体としては、テーマに近づけてよかったと思います。後半の入りをしっかりしていれば、もっといいゲームだったんですけど…。リフレクションは結構できていたと思いますし、コールもプレーもいい感じだったのかなと。エディさんに来て頂いてから意識している低さに関しては、アタックばかりではありましたけど、いいスイープもあってよかったと思います。モール、ショートサイドなどはこれからになりますけど、意識づけはかなりできている。前5人は…、まだまだですね。まだ走れていなかったり、ランナーに立てていなかったり。練習でできるのに試合でできないではよろしくないので、もっともっと走らないといけないです。今日は久々のスタメンで、自分では覚えていないんですけど、いいタックルがあったみたいなので、そこは自信にして、スクラムをもっともっと安定させられるように、課題を克服していきたいと思います。ここまで2試合いい感じできていますし、このチームにはまだまだ伸びシロがあるので、楽しみです。9月はユニット強化月間でしたけど、結果、成果を計るのはこれから。来週またトップリーグとの練習もあるみたいなので、そこで結果をだして、自信を掴みたいです」

<熊谷との相性抜群! 常に大一番を強調する副将・田邊秀樹>
「みんなはどう思っているのか分からないですけど、今日のゲームはちょっとよくなかったなと。まず、タックルのいい相手に対して、いつもの意図したアタックができなかった。そして、後半の入りで受けて20分相手のペースで戦ってしまった。前半トライは取れてはいましたけど、そこまで意図通りではなかったというか、いい形でビッグゲインしても仕留めがうまくいかなかったので…。それは相手のディフェンスに合わせたアタックをしたBKも悪いですし、立つべきところにいないFWも悪いという感じです。リフレクションについては…、どうなんでしょう。悪くはなかったですけど、まだまだ上げられると思います。スイープミスは反応でなくせるところがありますし、ノットリリースを取られるところもあって、まだまだ改善の余地ありです。BKについては、前半はミスもあってキック主体という感じでした。後半はひとりひとりがチャレンジして、よかったと思います。個の勝負という部分でも、坂井などすごく前にでていましたし。ゴールキックでは熊谷との相性がいいですね(笑)。中竹さんが、昨年以上のゲームをしようと言ってたんですけど、僕自身としてはもうあれ以上はでないので…(笑)、自分がというよりチームでベストゲームをと意識してました。今日はSOもやりましたね。そのときは12に村田(賢史)が入っていた(後半15分~SO山中、CTB村田、FB田邊。25分~SO田邊)ので、僕が仕掛けてどうこうよりも、もう1枚SOがいる感覚。村田も経由しながら。今日の相手にはそういう攻めが1番よかったと思いますし、流れもよかったと思います。SOと言っても僕はパスしていただけです(笑)。ワセダが気を抜いて挑む試合はひとつもないですし、僕たちにとっては目の前の試合が常に大一番。日々の練習から厳しく、ムダにすることなく、常に挑戦者のつもりで、今年のチームの始まりである危機感を片時も忘れずに、これからの試合に向かっていく。それを毎日うるさく言っていきます」

<FWの核! 日々着実に進化を遂げるロック中田英里>
「今日はリフレクション、2人目の寄り、スイープの精度、これらをいかにできるかを意識して臨みました。スイープに関しては、前半はよくいけていたと思いますけど、ムダが多いと言うか、相手が人数を掛けていないのに自分は入っているという場面があったので、その見極めが課題です。低さについても、キックオフのときに世界一低く!といったコールをみんなでしたり、意識はだいぶ上がってきたと思います。今日はモールなどのシチュエーションがなかったので、成果はまだこれからですけど。キックオフは課題ですね…。コーチの方とも色々と話をしたので、これから精度を上げていきたいです。前5、よかったですか?、今シーズンは毎試合ベストゲームをすると言っていますし、アップの雰囲気もよかったですし、みんなベストは尽くしたと思います。個人としても、どんどんボールをもらってやろうと。ラインアウトが100%だったことは今初めて知りましたけど(笑)、テンポを上げることだったり、FW全員が意識してくれた成果です。次の筑波は帝京に勝った強いチーム。どんなラグビーをしてくるか分かりませんけど、自分たちとしてはひとつひとつベストを尽くすだけ。そして、自分らしくがんばります」

<『ベストエクスプロージャー』瀧澤直、左手首には「世界一低く!」の文字>