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2024
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対関西学院大 『有田組』の形、オールアウト


 「今日はそれぞれが100%自分のプレーをやりきってくれたことを評価したい。どこも100%出し切って初めて勝てる相手ですから。今日はすごくよかった。これからも、集中してひとつひとつです」(辻監督)―。猛暑はひとまず小休止、雷鳴轟くなか行われた夏合宿第三戦。目の前の一瞬一瞬に全力を尽くすことを誓う『有田組』は、この日も80分信じた道を完走した。精度と集中、そしてワセダらしさを追求しながら…。
 ファーストプレーが緑川昌樹による有田隆平へのタックルという何とも感慨深い形(思い出すあの冬!)で始まった試合は、終始一貫ワセダペース。まずは2分、センターライン付近のスクラムから超高速アタックでゲインを重ね、最後はSO山中亮平&No8有田隆平が豪快かつ、奇術的にインゴールをこじ開けると、その後も実にワセダらしいボールゲームをよどみなく、迷いなく展開した。次々と湧き出るランナー(一列も例外なし!)、前に出る意欲、組織としての仕掛け…。「みなやるべきことが分かって、この夏でレベルが上がってきているなって」(副将・山中亮平)。休む間もなくトライを挙げ続け、次第に焦点は、厳しさを最後まで持ち続けられるかに絞られた。……結果は、前半7トライ、後半8トライ。71分にキックオフ処理ミスから1トライ。これを夏の風物詩・甲子園に例えると、初回から集中して打者一巡の猛攻、先発全員安打、毎回得点、終盤エラー絡みで一失点。試合後、監督が笑顔で選手たちを出迎える。
 夏合宿終盤、春から構築してきたスタイルがモノになりつつあることがよく分かった。自分自身との戦いにも負けなくなってきた。しかし、もっとも重要なのは、最後に頂点に立てるかどうか。走りまくってきたのも、ボールをガンガン動かしてきたのも、目的ではなく、あくまで手段。次戦、8月29日はそのための試金石・ついに辿り着いた帝京大戦。「ワセダらしさをとにかくだすだけ。どこまで自分たちを出せるかの勝負です」(主将・有田隆平)…。「この夏で変わったところを見せたい。昨年のあの負けを含め、どれだけやれるか。みんな思ってます、絶対に負けたくないって」(副将・山中亮平)…。夏ラスト、『有田組』の真価が問われる―


<らしさの追求!帝京戦に向け改めて1:1を口にする主将・有田隆平>
「今日のテーマは、どれだけ取るかより、どれだけ相手の攻撃を抑えられるか。それにペナルティ0ということだったんですけど、少し多かったなと。みな意識はあったんですけど、もっと減らせたと思います。失点に関してもいらない形。もっと集中していれば防げたもの。今日の反省はその2つです。全体を通しては、試合前から話していたワセダらしいラグビーができてよかったと思います。ワセダらしいグラウンドを大きく使うアタックもできていますし、イメージはだいぶよくなってきました。チームとしてすごくいい状態です。何をしたいのか、何をすべきなのか、みんなの意思統一もできていて、チームとして動けている感じがあります。もちろん、ペナルティのところなど、課題はまだありますが。次は帝京戦ですけれども、帝京相手だからといって、何か特別なことをするのではなく、ワセダらしさを出すだけです。相手がどうであれ、自分たちをどれだけだせるかが勝負。FWがカギになると思いますけど、スクラムもよくなってきていますし、帝京にいいスクラムを組んだ相手にいいイメージで組めて自信になります。あとはショートサイドで引かないこと。今日も取られそうになったところがあったので。とにかく引かない。1:1で勝つことがテーマです」

<大人のプレー!軽快なタクトで高速アタックを演出した副将・山中亮平>
「ディフェンスはよくなってきていますが、キックオフのミスから1本取られてしまったのはすごく大きなものだったと思っています。競った試合であれば、致命的なものになりかねないですし、もっと集中しなくてはいけないと痛感しました。アタックに関しては、完全に余らせてのトライだったり、いい形のものがたくさんありましたけど、もっともっと高いレベルでプレーできるだろうと。夏の最初の頃とはまったく違い、今はみなが何をすべきなのか、動き出しといった基本的なところができてきて、チームとしてのレベルが上がってきていると感じています。今日は緑川(高校時代の主将)との対戦を特別意識することはありませんでしたけど、やっぱりモチベーションは高かったですし、楽しかったです。隆平をはじめ、みんな頼もしい仲間たちです(笑)。次は夏最後の試合。この夏で変わったところを見せたいと思っていますし、昨年のあの負けも含めてどれだけやれるか。みんな思っています、絶対に負けたくないって。ポイントは最後まで走り勝てるか。そこに拘っていきます

<抜群のキレとスピード!この日も軽やかな走りを見せたWTB中濱寛造>
「後半キックオフミスから1本取られてしまったのは課題ですね。アタックに関しては、チャンスフェーズで取りきれたのはよかったですけど、個人的にラインが浅くなったことで2本取り損なってしまったので、そのコントロールをもっともっと意識していきたいです。BKはセットから確実にゲインしていますし、あとはいかに仕留めの精度を高められるかだと思います。帝京のような相手には、ワンチャンスをモノにできるかが勝負ですから。今日は集中はできていたと思いますけど、精度という部分では、何本かミスあったので、まだまだです。後半はポンポン放し過ぎてしまったなと。自分のプレーに関しては…、春のはじめからだいぶ体重が減って(9キロ減!)、キレ、スピードが増していいイメージでできています。帝京は強い相手。まず1:1で負けないことが大事になる。BKとしては、一次で確実にゲインを切り、いい球を出して、いかに継続できるかだと思います」

<あのときのリベンジへ! 日々変化を見せるプロップ上田竜太郎>
「今日はブレイクダウンで相手にしっかりと勝つことができましたし、セットプレーも安定してよかったと思います。スクラムについては、この夏毎日組んできましたし、練習の度、試合の度に修正を重ねてきて、いい感じです。春はまとまりなく、個々で組んでいる感じでしたけど、夏に入り8人がまとまって組めるようになっていると思います。フィールドプレーに関しても、練習でヘッドスピードをやり走っているので(笑)。体重もうまくコントロールして、動けるようになってたかなと。帝京戦、FWは厳しい戦いになると思いますけど、しっかりとそこで上回って、セットを安定させて、絶対に勝ちたいと思います」

<試合後みっちりと反省練 Bチームに訪れた試練、素晴らしき天理に完敗>


 
前半
2分 早大 Sからゲインを重ね9・10→有田がDFを吹き飛ばしトライ G坂井成功 7-0

4分 早大 22mLOから継続→9・10・15→中濱トライ G坂井成功 14-0

11分 早大 モールDFでTO→Pから速攻を仕掛け榎本トライ G坂井成功 21-0

14分 早大 22mSから継続→崩れたところから14が抜け山下トライ G坂井成功 28-0

22分 早大 5mLOを中田がキャッチしそのままトライ G坂井成功 35-0

27分 早大 10/22mLOから継続→11ビッグゲイン→中村トライ G坂井成功 42-0

38分 早大 TOから切り替えし→中濱が相手を引きずってトライ G坂井成功 49-0

後半
1分 早大 相手キックを切り返して前進→9裏キックで中鶴トライ G田邊失敗 54-0

3分 早大 Pから速攻で継続→9・10・21→飯田トライ G田邊成功 61-0

16分 早大 継続を重ね9・8・5オフロードで垣永トライ G田邊成功 68-0

17分 早大 KOから展開→15が裏に出て11→田邊トライ G田邊成功 75-0

22分 早大 スクラムTOから21→村田トライ G田邊失敗 80-0

29分 早大 10のTOから切り替えして9・15→中鶴トライ G田邊失敗 85-0

31分 関西 KOキャッチミスからタテ→逆目を突かれトライ G失敗 85-5

36分 早大 LOハリ入れから11ビッグゲイン→9→山中トライ G田邊成功 92-5

40分 早大 Sサイド潰してTO→逆目に振って中濱トライ G田邊成功 99-5