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2024
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対慶大 10年ぶりの屈辱 黒黄の魂 トライラインの怖さ


 11月23日。The『早慶戦』。やっぱりそれは、特別な1日だった。そこには言葉では語りつくせない、ものすごい戦いが待っていた。赤黒と黒黄。魂と魂がぶつかり合う、ここでしか見られない一大スペクタクル。それは見る者のハートを熱くし、満員の秩父宮は最大の興奮に包まれた。これを笑顔で終われていたら最高だったけど…。「もちろん悔しいです。でも、僕たちが悪いプレーをした訳ではない。いいアタックに対して、いいディフェンスをした慶應が勝ったということ。この結果をしっかり受け止めて、切り替えて、次に進んでいかなければいけないと思います。うまくいかないって、こういうことなんですね」(主将・有田隆平)―
 14:03、いきなりのダイレクトで始まったバトルは、想像していたとおり、「攻めるワセダ」「守るケイオー」。いや、「攻めまくるワセダ」「守りまくるケイオー」。3分、まずはPGで軽いジャブ。その後も両CTBを軸に猛然と畳みかけ、一気に勝負を決めにいった。しかし、そこに待ち受けていたのは、黒黄に受け継がれる魂のタックル、他のチームではまずお目にかかれない驚異のバッキング。13分、坂井克行の突進からトライラインに迫るも、インゴールに飛び込む山中亮平が執念に負けノックオン。25分、村田大志爆走からの返しで完全にディフェンスを崩したかに見えるも、何と状況は1:3。直後、自慢の形でWTB中濱寛造にボールを渡すも、そこにいるのかSH。取りそうで取れない。一番嫌なイメージ。一本取ったら大きくゲームを動かせそうなのに…。これまでとは別次元・慶應の魂を感じるうち、いつしかアタックのスピード感は薄れ、概念をブチ壊されるかのようなブレイクダウンに後手を踏んだ。「慶應がしつこいディフェンスをしてくることは分かっていたんですけど、自分が取り急いでしまいました。横横にいって、慶應の強いタックルをまともに喰らってしまった。もっとタテにいっていれば…」(FB井口剛志)。「ブレイクダウンはホントギリギリのプレーだったというか、これが早慶戦というブレイクダウンでした。そこで負けたら試合にも負ける。再徹底が必要だなと…」(フランカー山下昂大)。ワセダにプランを遂行させない、想像以上の凄味が慶應にはあった。
 そして、後半に入ると、攻守の切り替えの早さ、出入りの激しさ、黒黄の熱は一段とアップ。やっとこさいいブレイクダウンを重ね、ようやくトライ!と思いきや、スローフォワード。直後に、早慶戦のお約束?ラインアウト前ピールからNo8小澤(敵ながらハイパンキャッチはお見事!)にディフェンスを集められ、ついにインゴールを明け渡すと、いよいよ「敗北」の二文字がちらつき始めた。4つ、5つの決定機を逃したワセダ。ワンチャンスを極限の集中でモノにした慶應。その後も30分、決死のアタックを見せるも、最後まで魂を凌ぐことができず、10年ぶりの屈辱を味わった。
 なぜ赤黒は負けたのか。100%意図通りでなかったとはいえ、わずかな隙間を突き、再三ゲインラインを突破した。徹底的に自陣から仕掛けてきたものをはじめ、相手のアタックはことごとく迎撃した(ワセダもタックル!)。どのチームも苦しめられてきたラインアウト、セットプレーで堂々と渡り合った。それでも及ばなかった2点。試合後、辻監督の発した言葉に、すべてが凝縮されていた。常に言い続けてきたこと。そこに妥協はなかったか。もしかしたら通らなくてはいけなかった道。必要な教訓。「今日はトライラインの怖さを知った。普段からゴールラインをしっかり切る。改めて大事だということが分かったので、これからまた前向きにしっかり取り組んでいきます」
 全員がひとつになり、心の底から勝利の雄叫びをあげる黒黄戦士たちを見て、『早慶戦』の何たるかを改めて痛感した。この日は心から慶應に拍手。やっぱり永遠のライバル、ワセダとして学ぶべきところがたくさんあった。仕掛けと仕留め、もちろん細部の修正は急務も、ワセダとして歩んできた道に間違いはない。やるべきことは変わらない。一晩眠れない夜を過ごし、また『早明戦』へ向け、前を向いて進んでいくだけ。「スイッチを切り替えて、心技体いい状態にもっていけるか。ここまで順調にきていたので、ここで気付いてよかったと思います」(主将・有田隆平)。今こそ魂を見せるとき。まだまだワセダは死んではいない―


<早慶戦を痛感… 再出発を誓う主将・有田隆平>
「早慶戦は簡単には勝たせてくれないということです。いけると思ってはなかったですけど、慶應のディフェンスが想像以上に低かった。ワセダとしては、それ以上に泥臭くと言ってはいたんですけど…。慶應が上でした。シーズンの初めから負けないと言ってやってきましたが、これをいい機会として立て直していきます。前半からずっと攻めていて、攻め疲れというのはありませんでしたが、しつこいディフェンス、我慢強いディフェンスに、先に切れてしまいました。僕たちは悪いアタックではなかったと思いますし、いいアタックに対して、いいディフェンスをした慶應が勝ったということだと思います。取りきれない部分に関しては、取り急いでしまったところもありますし、ハーフタイムで話はしました。ミスも最後のところだけで、他は悪くなかったですし、悲観して、修正がどうというのはありません。最後まで展開し続けたのは、今年のスタイルです。モールに拘るのが今年のラグビーではないので。真っ向勝負にいこうと。持ち味のBKを生かしたつもりです。ビデオを見なければ分からないですけど、僕たちとしては自分たちを出し切ったというか、新しいことはせずに、やってきたことを出して負けた。僕たちはまだまだという試合だったと思います。<以上記者会見> 何て言うんでしょう、負けたんですけど、思った以上にというか…、もちろん悔しいですけど、僕たちが悪かったわけではないので…という感じです。でも、結果は結果。これをしっかり受け止めなくてはいけないと思っています。ただ、ネガティブにばかりなる敗戦ではないです。負けたことは仕方ないので、どれだけ次に向かっていけるか。早明戦に向けて、スイッチを切り替えて、心技体いい状態にもっていけるかだと思います。慶應のブレイクダウンはしつこかったです。越えてくる意識がすごかった。僕たちも悪くはなかったと思いますけど、今日はそこで相手が勝ってました。またしっかりと自分たちのラグビーを見つめて、チャレンジャーの気持ちをもう一度持っていかないといけません。これをいい機会に。うまくいかないっていうのはこういうことなんですね。ここまで順調にきていたので、ここで気付いてよかったと思います」

<想定内と想定外… ここぞの精度を悔やむ副将・山中亮平>
「取りきれなかったところに関しては、いつもなら取っていたところというか、慶應のディフェンスが上でした。ワセダとしては、もっともっとタテに前に出なくてはいけなかったです。慶應のディフェンスはすごかったですし、ラインがビッチリ揃ってました。それに対してワセダはセットしきず、ランナーも立てず…。いいアタックもありましたが、最後のところが甘かったです。試合の展開としては想定内ではありましたけど、肝心なところで取れなかったのは想定外でした。1本取っていれば、また違った試合になっていたと思います。ずっと敵陣でプレーできていましたし、とにかくミスのところで。ディフェンスはよかったとは思いますけど、ここぞのワンチャンスで取られたことは痛かったです。今日負けてしまいましたけど、またすぐに早明戦があるので切り替えて、しっかりと課題を修正して臨みます。くよくよしていてもしょうがないので、やるだけです」

<慶應からの学び 敗戦にも輝きを放ったCTB村田大志>
「慶應は素晴らしいチームだったと思います。今日は慶應らしいラグビー、執念をすごく感じました。取りきれなかった部分に関しては、それが早慶戦なんだと思いますし、慶應は素晴らしかったと正直思います。CTBとしては、坂井とのコミュニケーション。慶應が坂井を狙っているのが分かっていたんですけど、自分からのコールがなくて、そのまま同じ状況が続いてしまって…。今日は慶應の方が素晴らしいディフェンスをしていましたし、ワセダとして見習うところがたくさんあって、また成長させてもらいました。この結果を受け入れるしかないですし、今日の内容はこれから試合をするメンバー、ワセダ全体にとって、改善すべきところが目に見えているので、いい方向に進めるように練習からやっていきます」

<屈辱の敗戦… 自分たちの実力を痛感するフランカー山下昂大>
「これが自分たちの実力かなと。慶應のタックル、ディフェンス、抜けたところのバッキング、ゴールラインを割らせないという厳しさ、我慢比べになったところで、結果的に負けてしまったということです。取りきれなかった部分に関しては、2人目が遅れたところ、全部が全部ではなかったですけど、慶應のいい反応にターンオーバー、反則という形になってしまいました。トライに至るイメージはあったんですけど…。ブレイクダウンについては、慶應はホントギリギリのプレーだったというか、まぁこれが早慶戦というブレイクダウンでした。そこで負けたら試合にも負ける。再徹底が必要だと感じました。ワセダもディフェンスはあれだけいいので、あとはアタックの精度。どれだけフェーズを重なっても前に出て、思い切りのいいアタックができれば、もっとレベルアップできると思います。僕としてはもう次の早明戦に勝つことだけを考えていますし、FWが強い相手に対して、負けないようしっかりがんばるだけです。今日は硬かったというか、慶應が想像以上に前に出てきて、キーマンを狙われて、いつもは前に出るところで下がって、無理して繋いで…、コンセンサスをもっとしっかり取るべきだったと思います」

<勝負の肝を再認識… 不甲斐なさに涙を流すFB井口剛志>
「試合に出られなかったメンバー、ワセダを応援してくださる方に申し訳ないという気持ちです。特に同じポジションの選手に対して…。とにかく次またやるしかないので、また上井草でみんなと勝負したいです。今日は長井さんに教わってきたこと、ワセダの、長井さんのFB理論を証明してきたかったんですけど、まったくできなかった自分が不甲斐ない。教えてもらったことがまったくできませんでした。試合内容に関しては、慶應がしつこいディフェンスをしてくることは分かっていたんですけど、自分が取り急いでしまい、しっかりブレイクダウンを作らず、何度もピンチを招いてしまいました。そういうミスが相手のチャンス、失点に繋がったと思います。もっとタテタテタテに行こうと考えていたんですけど、横横にいって、慶應の強いタックルをまともに喰らってしまった感じです。もっとタテにいっていればと。今日改めて、本当にチャンスは少ないと実感したので、しっかり反省して、取りきる力、精度を上げていきます」

<トライラインの怖さ… 慶應の魂を称える辻監督>
「本日はありがとうございました。素晴らしい試合だったと思います。両校ともすごくがんばっていて、慶應には魂を感じましたし、ワセダとして勉強するところがたくさんありました、これをいい機会と捉え、次に繋げていきます。タックルに関しては、慶應もすごいと思いましたけど、ワセダもすごいなと感じました。ゴールを割らせないというお互いの気持ち。お互いに魂のタックル。これぞラグビーという戦いを見せてくれたと思います。次の早明戦も、もちろん明治のアタックで前へに対して、ワセダはディフェンスで前へ。タックルに期待してます。アタック、試合運びに関しては、真っ向勝負あっての、外勝負。まずラグビーの原点に拘ろうと言っていたので、特にどうこうはありません。今日はやっぱりトライラインの怖さを感じた。大事なことが改めて分かったので、また前向きにしっかりと取り組んでいきます」