早稲田大学ラグビー蹴球部WASEDA UNIVERSITY RUGBY FOOTBALL CLUB OFFICIAL WEBSITE

Beat Up

2024
  • SpoLive

対同大 山下組始動!初戦勝利も課題残る…

春季オープン戦 対同大 5月15日 大阪・近鉄花園ラグビー場

ラグビーの聖地・花園で山下組の一年が幕を開けた。春季オープン戦第一試合は同大との一戦。昨年の主力メンバーが卒業し新生ワセダの実力が試されることとなった。入場の際、新キャプテン山下昂大(スポ4=東福岡)はメンバー1人1人と握手を交わして勢いよくグラウンドに飛び出して行った。試合は早大がFWを中心とした中央からの突破でトライを重ね59-29で勝利した。しかしディフェンスの乱れを突かれる失点も多く、この先迎える強豪校との戦いへ課題が残った。

前半はワセダのキックオフ。開始から2分、同大のペナルティから速攻でボールを回しFW陣の力で押し込みプロップ上田竜太郎(スポ3=東福岡)が先制トライ。「今季のラグビーの基本」(山下主将)となるFWでの攻撃を体現する出だしを見せる。16分にはマイボールスクラムからWTB原田季郎(教3=福岡・筑柴)の俊足をいかしたトライで追加点を奪った。攻撃では良い動きを見せていたワセダだが、ここで気を許したのか18分にはセンタースクラムからターンオーバーされ同大に独走トライを決められてしまう。そんな中、前半目立った活躍を見せたのはNo・8中野裕太(スポ3=福岡・東筑)だ。28分のオフロードパスから一気に抜け出してインゴールへ飛び込んだのを皮切りに、計3つのトライを決めた。春の間「抜けた後の追い上げ」を意識して練習していた成果を存分に発揮した。前に出るプレーが随所に見られたが、その後気を抜いた瞬間にミスが出てペナルティからワントライを取られるなど、ディフェンス陣に不安の残る展開の中31-12で前半が終了。

ディフェンスラインを立て直し得点を重ねたい後半であったが、開始30秒でまたも隙をつかれ早々にトライを奪われてしまう。その後は互いに攻め合うも、ノックオンやパスミスを重ねて決め手を欠く試合展開。24分、キックチャージからボールを奪い、同大が焦りを見せたすきにロック宮島大地(商2=茨城・茗渓学園)が素早くトライを決めるなど、両校交互に3トライを取り合い得点差の動かないまま試合終了が近づく。40分を経過した頃、最後に会場を盛り上げたのはワセダ。SO吉井耕平(スポ3=奈良・御所工)の的確なゴール近くへのハイパントキックをWTB村松賢一(スポ4=北海道・札幌光星)がキャッチ。タックルを受けるも、そのままインゴールへ倒れ込み試合最後のトライで見せ場を作り59-29の勝利を飾った。

新チームで臨んだファーストゲームで勝利したことには大きな意味がある。ケガ人やU―20日本代表組が抜け主力を欠く中でも、攻撃で何度も見せ場を作った。しかしチャンスでミスが出るなどあと一歩攻め切れない場面も多くFWの力押しだけではゴールまでの数メートルが遠かった。またディフェンスでは「組織としてコミュニケーションが上手く取れていない」(原田)。次の試合へ向け一人一人の守りへの意識も徹底していきたいところだ。試合後、山下は「ワセダは日本一を目指しているチームなのでまだまだです」と語った。日本一への道のりの厳しさを知っているからこそ、誰よりも危機感を持って試合に挑む。その背中を支えるフィフティーンの戦いがここから始まる。

(記事 梶川菜々子、カメラ 尾崎睦、辻耕平)
FL山下昂大主将(スポ4=福岡・東福岡)

――きょうの試合の感想について
ディフェンスが悪かったです。タックルも悪かったので、そこは修正しなければならないところです。
――FWでの攻撃が多かったですね
そうですね。今季のラグビーの基本となる部分なので意識していました。
――オープン戦の初戦でしたがどのような意識で望みましたか
とにかくファーストプレーで圧倒しようと声をかけました。それとアタックでもディフェンスでも前に出ようということを意識しました。
――きょうの試合での収穫はどこでしたか
FWで前にどんどん行くプレーはできたので、それは良かったと思います。
――逆に課題はどこですか
タックルもそうですが、アタックでもチャンスでも取りきれなかった場面があったのでそこは課題だと思います。
――新チームとしての手応えはいかがですか
悪くはないと思うのですが、ワセダは日本一を目指しているチームなのでまだまだです。
――来週は早明戦ですね
どこが相手でも自分たちのラグビーをするだけなので、もっともっと前に出て強くプレーしたいと思います。

PR上田竜太郎(スポ3=福岡・東福岡)
――きょうの試合を振り返っての感想を教えてください
アタックは機能していてよかったのですが、ディフェンスが悪くあれだけ点を取られていたら接戦になったときに厳しい状況になってしまうと思います。まだ春シーズンですがしっかりディフェンスしていきたいです。
――オープン戦の初戦でしたがどのような気持ちで試合に臨みましたか
今季最初の試合、一番大事になる試合だと思っていたので、身体を張るプレーだけを考えました。
――昨季とメンバーががらりと変わりました。新チームの出来はいかがですか
U―20日本代表やケガでいない選手がいるのですが、残っている選手もみんな強いので、昨季とメンバーが変わったといっても遜色はないです。
――新チームでのスクラムの出来はいかがですか
春はしっかり8人でスクラムを組んでいてしっかり出来ているので、このまま秋までしっかり練習して帝京大を倒したいです。
――春休みの間練習してきて、自身の現在の調子はいかがですか
学校もなく、ずっと走り込んできた結果、初戦でもこの暑い中しっかり走りきれたと思います。
――来週、春の早明戦に向けての意気込みを教えてください
セットプレーを安定させて身体張るだけなので、次の明大戦もしっかり戦いたいと思います。

HO伊藤平一郎(スポ3=大分・大分舞鶴)
――今日の結果について
やっぱり失点が多かったなと思います。
――どれくらいの結果を予想していましたか
予想とかはしていないですけど、目標としては失点0を目指していたので。一人一人のタックルに問題があるかなと思います。
――新チームでのプレーでしたが
スクラムはちょっと押し込まれる部分がありましたが、数本はまあまあ良いイメージで組めました。でも、これでは帝京大や明大に勝てないと思うので、頑張りたいと思います。ラインアウトについては、僕のミスで2本失敗してしまったのですが、他は問題ないです。
――チームの調子はいかがですか
今日もケガ人が出て、メンバーも結構変わると思いますが、そこでぶれずに自分達のやることをしっかりやっていければと思います。
――FW陣がボールを持つ機会が多かったと思いますが
それが今年のワセダのラグビーなので。もっともっとボールを持って駆け引きをして、プレーの幅を広げていきたいと思います。
――次戦に向けての抱負について
次は下関で明大戦なので、タックルの精度を上げて、しっかり自分達のラグビーを出していきたいですね。

LO土屋鷹一郎(スポ4=東京・国学院久我山)
――きょうの試合の感想は
内容はいまひとつでしたが、山下組のファーストゲームで勝てたことはよかったです。
――どのような部分がいまひとつでしたか
失点が多かったですね。軽いミスで点をとられてしまった場面がありました。
――FWで攻めた試合でしたね
今年はFWでいくと言っているので、積極的に攻めにいきました。オフェンスではあまりボールを持てなかったのですが、その分ディフェンスでは貢献できたと思います。何度かいいタックルができました。
――山下組の初戦ということでこだわった部分は
個人的には、ファーストゲームは二度とないから80分間楽しもうと決めていました。
――山下主将は今試合について今年1番大事な試合だと言っていましたが
そうですね。ファーストゲームで山下組がこの1年で目指すべきかたちが見えました。
――そのかたちとは
FWが崩してBKでとるだけではなく、FWでもとるというものです。

NO.8中野裕太(スポ3=福岡・東筑)
――きょうの試合を振り返って
個人的には、15人制の試合で初めての赤黒だったので、その責任を果たそうと思い、一生懸命プレーしました。まだ行けるだろうというところがたくさんあったので、これから修正していきたいと思います。チームとしては、このチームでの対外試合は初めてだったので緊張しているかと思ったのですが、春から走り込んでいたので走れたとは思います。でも、まだミスが多いので修正しなければいけません。
――新チームとして連携はとれていますか
まだケガ人やU―20で出てない人もいて連携が上手く取れているわけではありません。それもこれから良くなっていくと思います。
――3トライ捕りましたが
春から、抜けた後の追い上げなどそういったところを意識して練習していたので、そこが出て良かったと思います。
――同大の印象はいかがですか
僕は同大と初めて試合をしましたが、身体が大きいので下にタックルが入らないと止まらないという印象です。これから、帝京大等が相手になってくるので、下から一発で入るタックルをしなければ優勝出来ないと思います。
――きょうのプレースタイルは中央から突破が多かったですね
それがきょうのゲームプランだったので上手くいったと思います。
――早明戦への意気込みについて
早明戦は僕たちにとって特別な思いがあり負けられないので頑張ります。

CTB村松賢一(スポ4=北海道・札幌光星)
――きょうの試合を振り返って
僕自身初スタメンということでめちゃくちゃあがって緊張していました。1回タックルに入ったら緊張もとけました。
――59―29というスコアについて
スコアは入っていましたけど30点近くは取られすぎですね。
――4年生になり、初めての赤黒ですね
やっぱり楽しいです。たくさんの人が見ていて一つ一つのプレーに歓声が返ってくるというのはやっぱり良いですね。でもその分責任も重くプレッシャーも感じながらやらなければならないとも思いました。
――タックルで目立っていました
自分はもうディフェンスだけなので。アタックは森田や中西にまかせるというか自分はそのサポートにまわって、激しいタックルで貢献したいので。タックルについてはきょうは自分としては満足です。
――メンバーはまだ固定されていないですが
はい、まだまだ分からないですね。U―20組やケガ人もいますし。でもそういうやつに負けないように、チームはもちろん日本一が目標ですが、部内の争いにも負けないように。自分の強みであるタックルをいかして頑張っていきたいと思います。
――早明戦に向けて
絶対に負けたくないです。次もきっと去年のレギュラーがごっそり抜けたプレッシャーもありますが、絶対に勝ちたいと思います。

WTB原田季郎(教3=福岡・筑紫)
――きょうの試合を振り返ってください
アタックの面に関しては自分たちがやりたかった「仕掛ける」ということが出来ましたし、そこからトライにつながったので自分たちも結構納得しています。ディフェンスはやっぱり一人一人がタックルのところでまだまだ甘いですね。組織としてコミュニケーションが上手く取れていないため簡単に取られるところがあったのでディフェンスは一人一人タックルから修正していきたいです。
――シーズン明けということでタックルが課題となりやすいのですか
タックルが緩む緩まないというのは個人の差にもよると思いますが、一人一人が本当に大学選手権の決勝でそのタックルをするのかと聞かれたときにまだまだということです。赤黒を背負う以上はしっかりしなくてはいけないです。
――山下組初戦となりましたが、昨季のチームと違う部分を教えてください
昨季は、スター選手というか能力の高い選手が多かったですね。そういう選手が抜けた分、今年はもっとチームが一つになってチーム力で勝負していかなくてはならないと思います。
――きょうはコンバージョンキックを担当しましたね
辻監督(高志=平12人卒、茨城・茗渓学園)から蹴れるようにと言われていたので練習もしていました。今回は調子が良かったです。
――原田さんは昨季Bチームを経験し、ことしは3年生ということでチームでの役割は変わりましたか
これから自分の一つの課題としてチームをどんどん引っ張っていけたらと思っています。今日の時点ではまだまだ出来ていないですね。
――来週の明大戦に向けて
一回一回試合を重ねるごとに、疲労が出てきたりすることもあると思うのですが、一つ一つ勝っていきたいです。

早稲田スポーツ新聞会HPはこちらです。