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2024

山下組追い出し試合「『山下組』ラストプレーに笑顔」

4年生追い出し試合  2月4日 早大上井草グラウンド
『山下組』ラストプレーに笑顔

 連日の厳しい寒さが和らいだこの日、4年間汗水流した上井草にて、山下組の4年生の追い出し試合が行われた。最後の赤黒ジャージーをまとった4年生に、セカンドジャージーの下級生が挑む。和やかなムードで始まったように思われた対戦も、WTB原田季郎(教3=福岡・筑紫)のするどいランで下級生が本気を見せれば、4年生もフランカー山下昂大主将(スポ4=東福岡)を中心に負けじと生き生きとしたプレーを披露。最後のプレーをする4年生へ、下級生は全力のタックルで挑み続けた。試合は12-7で4年生が勝利し、意地を見せた。


 後半には4年間チームを支えたマネジャー・トレーナーらも加わり、終始笑顔が絶えなかったこの試合。リハビリの末に念願叶って出場した主務の堺裕介(スポ4=福岡・筑紫)が「最後に4年間頑張ってきた同期と試合に出場できて、嬉しかった。」と語れば、チームを自身のプレーでけん引してきたFB井口剛志(スポ4=京都・伏見工)は「最後に後輩と本気で体をぶつけ合って、やっぱり自分はラグビーが好きだと思った。」とコメント。グラウンドは暖かな空気で包まれていた。
 1年時に歌った『荒ぶる』をもう一度、と強い思いで挑んだ山下組の夢は果たせずに終わってしまった。3年生以下はまだ誰も全国大学選手権での優勝を経験していない。だが、今季の主力が多く残る来季のチームにかかる期待は大きい。覇権奪還へ、後輩たちへ夢は託された。
(記事 石原瑞季、写真 北田ゆず、穂積麻衣)

 

◆コメント
フランカー山下昂大主将(スポ4=東福岡)
――追い出し試合の感想をお願いします
楽しかったです。追い出し試合としては、今までで一番よかったと思います。
――今振り返ってみて、大学4年間はいかがでしたか
一言では言えませんが、幸せでした。
――主将として臨んだ最後の1年はどうでしたか
自分一人だけが前に出ていて、不安でしたけど、周りが成長して支えてくれたので、思いきり自由にやれました。
――次の舞台(トップリーグ)での意気込みをお願いします
自分ができることをひたむきにやって、個人的には日本代表に入りたいです。
――最後に、同期はどんな存在でしたか
本当の仲間です。仲間という言葉が一番しっくりきます。

FB井口剛志副将(スポ4=京都・伏見工)
――きょうの感想を聞かせて下さい
最後に後輩と本気で体をぶつけ合って、やっぱり自分はラグビーが好きなんだと思いました。タックルできなかったら悔しかったですし、抜かれたら腹立ちましたし、ラグビー本気でしたいなあと。これから次のステージがあるので、そこでも頑張らないとなあと感じました。僕らが後輩に何か残してやろうと思ったんですけど、逆にラグビーって素晴らしいなっていうのを後輩から伝えてもらったので、感謝しています。
――4年間を終えてのいまのお気持ちは
ワセダで良かったですね。
――具体的には
グラウンドや設備はもちろんなんですけど、上井草の商店街だとか、本当に温かい人ばかりで、食べ物屋さんのおばちゃんおっちゃんが「頑張れよ」っていつも応援してくれて、試合に行くバスを見送ってくれるんですよ。そういう温かさがすごくある場所だったので、本当に感謝しています。
――この4年間で一番辛かった時期はいつですか
1年生ですね。1年生の夏です。その頃はラグビーを舐めていて、プレーにも迷いが出ていて、みんなの信頼が全くなかったです。みんなの対応が明らかに冷たいですし、全然しゃべってもらえなかったですし、4年間このままいくのかと思うと僕も投げやりになっていました。それが、夏合宿が終わったころです。
――それが変化したキッカケはありましたか
中竹(竜二=平9人卒)さんと話したことです。その頃毎日パチンコに行っていて、もう1年生の残り半年捨てようと思っていたんですけど、急に先輩から電話かかってきて、「中竹さんが呼んでるからはよ来い」って言われて、寮に帰って中竹さんと話し合いました。別に怒られるわけではなく、導くように話してくれて、そこでみんなの信頼を取り戻そうという決意をしました。ひたむきなプレーを率先してやる、練習から誰よりも声を出す、タックルをする、それだけでいいと言われて、それを実践しました。それがなかったら今の自分はないですね。

――大学で得たものは何ですか
辻(高志監督=現NEC)さんがいつも言っていることなんですけど、『真のEnjoy』ということです。シンプルなんですけど、それがラグビーに向かう一番のモチベーションだと思います。高校のころはクソ真面目で、大学1年生の頃はチャラチャラしすぎていて、両極端だったので、4年間かけて少しずつちょうどいいバランスを取れるようになったかなと思います。当たり前のことなんですけど、本気で楽しむには本気でやらないといけなくて、それが分からなくなった時期もありました。
――やり残したことは
日本一です。
――それは後輩に託したいですか
いや、それは全然考えてなかったです。ただ、僕らは最後に目指していたラグビーを完成させることができなかったので、8割くらいまでは来ていたんですけど、その僕らがやりたかったラグビーを体現してほしいということ、それだけです。頑張ってほしいです。
――これからのトップリーグに向けて
自分の持ち味はディフェンスだと思うので、1年目から全力で、あまりうかがわずに、勢いよくいきたいです。
――不安はありますか
一切ないです。一生懸命頑張ります!

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