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Beat Up

2024

対明大 『伝統の一戦、まさかの逆転負け 』

 早明戦で思い起こされるは1年時の苦い記憶――。プロップ上田竜太郎主将(スポ4=東福岡)の代は、新人早明戦で0-96と記録的大敗を喫する。あれから3年、舞台を国立競技場に移したきょうの早明戦は、節目の100戦目を迎えた。あのときの雪辱を果たすためにも、また先に控える全国大学選手権のためにも、この一戦は絶対に負けられない試合だった。しかし結果は32-33。1点差、しかもラストワンプレーでの逆転負けに、グラウンドに立つ選手たちの顔にはただただ悔しさだけが残っていた。 

 
 前半は開始からメイジペースで進んでいき、2分、キックパスをつながれいきなり先制点を献上してしまう。出鼻をくじかれたワセダだったが、ハーフライン付近からSO小倉順平(スポ2=神奈川・桐蔭学園)がペナルティーゴールを決め3点を返す。だが、メイジのタテ攻撃を止めきれなくなると、ループパスで空いた大外を相手CTBに走られ、失点を許してしまう。ワセダも17分に、WTB中鶴隆彰(スポ4=福岡・西南学院)の中央突破からの独走トライで詰め寄るが、23分、またもキックパスでインゴールを割られ10-19と再び引き離されてしまう。この後もロック芦谷勇帆(スポ3=京都・伏見工)のキックチャージやBK攻撃で流れこそつくるものの、マイボールラインアウトを安定して確保できず、肝心の得点が奪えない。結局終了直前にペナルティーゴールを決めるのがやっとで、ワセダは劣勢のまま前半を終える。 
 後半、SOにロングキックが魅力の間島陸(商3=東京・早大学院)が入ると戦況は変わり始める。これまで苦心していたエリアマネジメントで優位に立ち、間島、小倉、CTB森田慶良(教4=大阪・常翔啓光学園)を中心にフィールドを広く使う攻撃で左右にゆさぶっていく。すると2分、中鶴が個人技でタックラーをかわし、この日2本目のトライ。1点差に迫ると、10分、敵陣ラインアウトからフォローに入った上田竜主将がトライを決め逆転に成功する。その直後にも、WTB荻野岳志(先理2=神奈川・柏陽)がサイドを駆け抜け19-32とダメ押し。ゴール前でピンチを迎えてもスクラムターンオーバーで脱出するなど、ワセダが主導権を握る時間帯が続いていく。しかし32分、そのスクラムでペナルティーを連発し認定トライで6点差となると、ここからメイジが猛攻を開始する。ワセダも何とか耐えしのぎ、随所でのターンオーバーでピンチをしのぐが、逃げ切りを図った自陣でのFW攻撃でまさかのペナルティー。これを起点に中央を破られ、メイジのSO染山茂範がコンバージョンキックを成功させると、試合終了を告げるホイッスルが国立に響き渡った。 

 
 昨年の早明戦では終了間際にワセダが逆転勝利を収めたが、今回は全く逆の結末となってしまった。後藤禎和監督(平2社卒=東京・日比谷)は、「きょうに関しては最初の20分間が全てだった」と前半の大量失点を敗因に挙げた。それだけでなく、関東大学対抗戦の敗戦はこれで全てが残り10分での逆転負けと、『魔の10分』も克服しなくてはならない。また気掛かりなのはペナルティーの数で、メイジの6に対し、ワセダは倍の12。ペナルティーで流れを止めた場面も多く、今後は入りから最後まで80分間集中力を持続させる、ということが課題となってくるだろう。対抗戦では4位となったワセダ。このまま終わっていいチームではないはずだ。もう二度と負けられない。この屈辱を糧にして、大学選手権での逆襲を誓う。 
(早稲田スポーツ新聞会 北川翔一)

◆コメント

後藤禎和監督(平2社卒=東京・日比谷)
――きょうの試合をふり返って
選手たちには話したんですけれども、最後ああいったかたちで、ラストワンプレーで負けたかたちになったのですけれども、そのプレーではなくて、きょうに関しては最初の20分間が全てだったと。試合の入りに集中して、臨むつもりだったのですが、すごく簡単にとられてしまったなと。
――今季のワセダは終盤での失点が目立ちますが
ゴール前まで来られる、そこの起因となるプレーがあるわけで、そういったところでのミスが原因ですね。最後の場面も、ビデオ見ないと分からないですけれども、おそらくディフェンスミスや判断ミスなんですよね。そういったところで全員があの時間帯に集中しきれる、そういうチームにしないとこの先勝ち進んでいくことはできないかなと思います。
 
プロップ上田竜太郎主将(スポ4=東福岡)
――今の率直なお気持ちを教えてください
早明戦という伝統の一戦で、しかも100回目で、絶対勝ちたかったんですけど、最後の最後で甘さが出てしまって。帝京大と筑波大と同じ負け方だったんで、しっかり修正しないといけないです。
――前半序盤に立て続けにトライを取られましたが
自分たちのミス、ペナルティーあとはラッキーバウンドとかが重なって、自分たちのしたかったラグビーができなかったです。それでも後半は切り替えて自分たちのラグビーができたのでよかったです。
――現在のワセダが抱える終盤の弱さの要因は
自分たちも走れなくなるっていう感覚はないんですけど、どっかで受けてしまってるのかなと。
――上田竜選手自身にとって最後の早明戦でしたが
新人早明戦で0―96で負けて、今回リベンジしたかったんですけど、(全国)大学選手権で当たる可能性があるのでそこでリベンジできたらと思います。今日の相手も含めて負けたままじゃ終われないので、しっかりリベンジしたいです。 
――ケガからの復帰でしたが
ケガは全然大丈夫です。これからも問題ありません。
――大学選手権の初戦は天理大です。印象はいかがですか
天理大はCTBとWTBに強い選手がいるので、そこをしっかり止めて自分たちのラグビーをできたらなと。相手に合わせるんじゃなくて自分たちのラグビーをしていきます。
 
SH西橋勇人副将(スポ4=神奈川・桐蔭学園)
――1点差のゲームになりましたが
きょうのターゲットてしては最初の20分、メイジが元気のある間にどれだけワセダがやれるかっていうところだったんですけど、やはり開始の20分でワセダが受けてしまったのがこういう結果になったんじゃないかなと思います。
――相手のキックからトライを許す場面が2回もありましたが
トライの取られ方も淡白だったので心のどこかで隙があったんじゃないかなと思います。
――ディフェンスでは間を抜かれる場面もありました
コミュニケーション不足が多いですね。FB片山(大輔、スポ4=愛知・明和)が入ってきて、外側の方でうまくコミュニケーションが取れてなかったというのがあると思います。そういう部分を今週しっかり締めて来週の試合で修正したいと思います。
――後半の良い流れを継続できなかった原因は
ペナルティをやることによって、メイジさんからしたら簡単に敵陣に入ることができるので、メイジはそこで強いFWが前に出ることができてワセダは逆にそれを受けてしまいました。ノーペナルティっていうのはいままでもしつこく言ってきたんですけど、それ以上に言わないと直らないのはわかったのでもっと言っていこうと思います。
――次は大学選手権が始まりますが
初戦は天理大で、きょねん(大学選手権で)決勝までいっているということはやはり力を持っているのでしっかりキーマンを抑えて、かつきょうの課題としてペナルティがあるのでノーペナルティで勝ちたいです。
 
ロック芦谷勇帆(スポ3=京都・伏見工)
――いまのお気持ちは
悔しいですけど、(全国大学)選手権も来週から始まるので、前を向いてやるしかないと思います。
――メイジの印象は
強いFWがどんどんスピードつけて走ってきて、やはりそこで圧力を受けてしまいました。
――ターンオーバーなど好プレーを連発されました
ブレイクダウンでは頑張ろうと思っていたのですが、そこでファイトできたのが良かったです。個人的には良かったと思います。
――メイジのロック寺田選手も背の高い選手ですが、ラインアウトに関してはいかがでしたか
マイボールだいぶプレッシャーを受けてしまって、勝負どころで全然ラインアウトが取れなくてチャンスをつぶしてしまいました。勝負どころで取らなければいけないと思います。
――攻め込まれているときはどういった気持ちでプレーされていましたか
必死でした。集中力を切らさないように相手にタックルで刺さり続けようということを意識でやっていました。
――大学選手権初戦は天理大との対戦です
関西の1位チームで絶対強いのですが、選手権に入ったら相手がどこであろうと負けられないので。勝ち続けていくしかないと思います。
 
SO小倉順平(スポ2=神奈川・桐蔭学園)
――最後の最後で逆転負けを喫しました。いまのお気持ちは
かなり悔やまれます。一番いけないんですけどね。最後は、1回目ペナルティでその後ターンオーバーしてまたマイボールになったんですけど、FWが最後出てしまって、やっぱり蹴っておけばよかったなと。
――ボールを蹴らなかったのは自分たちの判断だったのでしょうか
SOからFWまで声が聞こえない状態なので、それをしっかり伝えきれなかったというのがあったと思います。
――前半に関してはいかがでしたか
前半は敵陣というのはあったんですけど、もっとハイパントを蹴ってもよかったかなと思います。相手のディフェンスがすごく良くて、自陣の10メートルぐらいなんですけど、少し自陣の高いところから行きすぎたかなと。あとみんな言っているんですけど、最初のトライ3本連取されたところは、ちょっと簡単に取られすぎたというのもあります。
――そして後半からはCTBとしてプレーしました
練習は1週間、早慶戦終わってから練習していたんですけど、何とも言えないです。CTBの練習が初めてで、大学でも高校でもやったことなかったので。やっぱり務まらないですね。強くないとダメですし。
――次はいよいよ全国大学選手権です。天理大、流経大などとの対戦になりますが
天理大も流経大も外人を使うチームなので、しっかり勝ってトーナメントに上がりたいと思います。
 
WTB中鶴隆彰(スポ4=福岡・西南学院)
――逆転負けとなりましたが、試合の感想は
勝てると思ったので悔しいです。やっぱり前半の最初に取られすぎたかなというのがあるのと、後半もリードしていて本当はエリアをしっかり取ってFWに楽をさせてあげたかったんですけど、抜かれたり色々とミスがあって(自陣に)釘付けになってしまったので課題が出たなという感じです。 ――前半はキックパスから2本のトライを許してしまいました
ビデオを観ないとわからないんですけど、(SO)染山(茂範、明大)が蹴ってくるのはわかっていたので、もっといい防ぎ方があったというか、簡単に取られてしまいました。
――その後、まず1本目のトライを奪いましたが振り返っていかがですか
練習で(SO小倉)順平(スポ2=神奈川・桐蔭学園)とやっていた形だったので、やっぱり練習でやっていることが試合に出るんだなと感じました。よかったです。
――後半の始めから小倉選手がCTBの位置に入ったのは元々プランとしてあったのでしょうか
(SO)間島(陸、商3=東京・早大学院)のキックがすごい飛ぶので、FWが強いチームにはロングキッカーが有効ということでああなりました。小倉もダブルSOのような形でよくやってくれました。
――その後半、自身2本目のトライはいかがでしたか
(CTB)森田(慶良、教4=大阪・常翔啓光学園)からはいつもいいパスがWTBに来るので、いい形でもらえたのと、目の前にいる敵を一個ずつかわしていったらトライまで行けました。
――試合前におっしゃっていた『記憶に残るトライ』といえるプレーではないですか
あれで勝てたら良かったんですが、負けてしまったので…。もう一本取りたかったですね。
――その後、連続トライで最大13点のリードを奪い「行ける」という雰囲気はありませんでしたか
「行ける」という気持ちはもちろんあったんですけど、(逆転負けという)同じ形が強い相手に続いていたので…。(関東大学)対抗戦はきょうで終わりなので、来週からの(全国大学)選手権、実力は伸びていると思うので絶対優勝できるという自信はあります。
――大学選手権は来週、天理大との対戦がいきなりヤマ場だと思いますが
対抗戦で強い相手と僕らはやってきたので、関西のチャンピオンですけど絶対勝ちます。
――勝ち進めば明大との再戦の可能性もあります
やっぱりワセダとメイジが強いとラグビー界が盛り上がると思うので、(対抗戦)4位のワセダがしっかり這い上がって国立(競技場)でまたやりたいと思います。
――改めて大学選手権に向けて意気込みを
調子がすごくいいので、きょうは負けましたが勝利に導けるトライをいっぱい取ります。