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2023

早稲田スポーツ新体制特集「原点へ」【第4回】藤近紘二郎×間島陸

早稲田スポーツ新体制特集

【第4回】藤近紘二郎×間島陸
『己に厳格な新4年生リーダー』

 

 連載第4回目は委員の間島陸(商3=東京・早大学院)と寮長の藤近紘二郎(政経3=神奈川・桐蔭学園)にお話を伺った。来季の中核を担っていくこの2人が日本一から遠ざかったワセダにどのような変化をもたらすのだろうか。最終学年を迎えるにあたって、胸の内に秘めた思いを存分に語って頂いた。

※この取材は2月22日に行ったものです。
 

求めるのは意識変革

――藤近選手は寮長、間島選手は委員に選出されましたが、その経緯をお聞かせください。
間島 正奎(金正奎副将、教3=大阪・常翔啓光学園)にさらっと「委員になったよ」と言われました。
藤近 寮長と委員は主将が決めます。垣永(垣永真之介主将、スポ3=東福岡)に雑談中言われました。正式(に指名されたり)ではなかったです。

――ご自身ではなぜ選出されたとお考えでしょうか。
藤近 自分は靏さん(中靏隆彰、スポ=福岡・西南学院)とずっと同じキャラでした。それと寮長は朝しっかり起きて起床の放送をかけなければいけないのですが、朝起きるのが得意で(笑)。
間島 僕らの代はFWと比べるとBKを引っ張る存在が少ないなか、僕のポジションがSOで、そういう(存在になってほしいという)期待もあったのかなと思いますね。

――委員としての役割をどのように全うしようと考えていますか。
間島 そんなに言葉で引っ張っていこうというタイプではないのですが、4年目ですし、リーダーがいないとBKもまとまっていかないと思うので、口でもプレーでも引っ張っていきたいと思います。

――藤近選手は寮長として。
藤近 今年、後藤さん(後藤禎和監督、平2社卒=東京・日比谷)も『自律』という言葉を掲げているのですが、正直に言うと私生活面での自律が出来ていない状態で。自律するにも土台が出来ていないので、細かい所から一つ一つ注意して基ができるように強制していって、そこから個人個人が出来るようになってもらいたいです。

――私生活での乱れがどのようにチームに影響しているのでしょうか。
藤近 私生活で自分のことがしっかり出来ていないので、ラグビーで自分を追い込むとなったとき、最後の最後の所で追い込めなくなっていると思うんですね。そこを突き詰めるには、自分の身の回りのことが出来てから始まるのではないかと思っているので。

――実際に仕事をなさっていかがでしたか。
間島 4年生がいなくなって立場が変わり、後輩たちを全て見なければならなくなりました。練習中のちょっとした雰囲気の乱れなどを自分たちで変えていかなきゃいけないのですが、まだそれをまとめる力が足りない。この1年間をかけてみんなを引っ張ることのできる良いリーダーになりたいと考えています。
藤近 自分はみんなを注意する立場ですが、自分の出来ていないことを注意することは難しく、向こうも聞いてくれないだろうと思います。自分を正さなければならず、自分を変えていかなければならないと思いました。

 

またもしても逃した『荒ぶる』

――全国大学選手権準決勝の敗北から1ヶ月が経ちましたが。
間島 帝京大をターゲットにして、部員全員が帝京大を倒すために同じ気持ちになれていて。このシーズンに体を大きくするということが目標としてあり、すごく体重が増えている人もいるので、チームが良い方向にむかっていると思います。

――昨シーズンのチーム全体の振り返りをお願いします。
藤近 春は全勝で終えて良いスタートを切れたと思うのですが、夏に帝京大に完敗して。帝京大を目標に秋は頑張ったのですが、惜しいところまでいって、また最後に帝京大に負けてしまって。スタートが良くても、終わりが悪かったので後味が悪かったです。ことしは最後まで気を抜かず、最後に笑えるようにしたいと思います。
間島 大学選手権の最初の頃、去年のワセダが目指していたラグビーが完成形に近づいていたと思います。でも帝京大と準決勝で対戦したときに、自分たちのラグビーが出し切れなかった。今年はどこが相手でもワセダのラグビーを出し切ることを目標にしたいです。

――個人としてはどのようなシーズンでしたか。
藤近 一昨年はAチームで出していただいたのですが、その時も自信が持てていなくて。それを引きずっていたのか、去年はBチームとAチームを転々としていました。自分は最後の最後(の帝京大戦で)リザーブで、負けている中でしか交代させてもらえない信頼を得ていない選手で、すごく後悔があります。ことしはまず自分に自信をもって、チームから信頼してもらえる選手になれるようにプレーしたいです。
間島 はじめてAチームとして出場して良い経験をすることができ、自信を得ることができました。でもそういう舞台に立って他大学のAチームと対戦できたことで、自分の課題も知ることができました。それを活かして、今シーズンは自分を出していけるようにやっていきたいと思います。

――藤近選手は、間島選手の大飛躍をどのようにご覧になったのでしょう。
藤近 間島はみんなが帰っても、毎日一人で残ってコツコツ練習していました。順平(小倉順平、スポ2=神奈川・桐蔭学園)という高校から活躍している選手が同じポジションにいるなか、そういった日々の努力で差を埋めて、急きょ大舞台に立たされたのに動じずに活躍していたので、努力が実を結ぶことを間島に教えてもらった感じですね。

――藤近選手は苦しんだシーズンだったと思いますが、逆に間島選手から見ていかがでしたか。
間島 ラグビーを楽しめていない時期が(藤近選手に)あって、それで悩んだと思うんですよ。一回Bチームに落ちたときに、そこでもう一度ラグビーとしっかり向き合えて、一からスタートできたんじゃないかなと。最後はまたAチームに絡めるようになって、そういう意味で良い経験になったのかな…なんか上から目線になってしまいました(笑)。

――昨シーズンで成長した点はありますか。
藤近 技術は少しずつ成長したと思いますが、1番はメンタルですね。下に落ちている間に自分の強みに向き合って、色々と物事を考えられるようになりました。
間島 これまで大舞台に出るって事が無かったので、緊張するのかと思ったんですけど、実際そこまでしなかったというかそういう自分に自信が持てて、こういう状態になれたというのが大きいです。スキルに関してはキックには元々自信があったんですけど、仕掛けやゲームメイクが徐々に成長しているなと思います。

――今季のBKで注目選手は。
間島 廣野(晃紀 社3=東京・早実)です。高校時代からお互い意識していて、ポジションは違うんですけどライバル視してて、最終的には一緒に試合に出て『荒ぶる』を歌いたいです。
藤近 自分も廣野なんですけど(笑)。2年の時に赤黒を着たんですが、昨シーズンは怪我に泣かされて自分の色を出せてなかったので、今季はしっかり怪我を治して2年の時以上の活躍をしてくれると思います。

――今年のBKリーダーは小倉選手ということですが、お二人にとって小倉選手の存在とは。
藤近 順平は弟のようなものなので(笑)。でもグラウンドに立ったらそんなことは関係ないですし、順平は声を出して引っ張ろうとしているので、それを支えつつ自分たちも引っ張っていきたいです。いい関係ではあると思います。
間島 本当にありがたい存在ですね。同じポジションであんなにすごい選手が
いて、あいつが入学してからの2年間は超えなきゃいけないと思って頑張れました。

――後藤監督がBKの注目選手として間島選手の名前を挙げられたそうですがそのことについてどう思いますか。
間島 いや、練習中は本当にすごい扱いされますからね。
一同 (笑)。
間島 すごい罵倒もされますし、ちょっと変な感じですね。
藤近 期待の裏返しなんじゃない(笑)。

――今回、小倉選手は布巻(峻介 スポ3=東福岡)と対談を組ませてもらっていますが、藤近選手にとっての布巻選手とは。
藤近 やっぱり体が強いし去年もレギュラー争いで負けてますし、勝たないとワセダの役に立つCTBでいられなくなりますし、いい目標ですね。

 

新たなるシーズンの幕開け

――ファーストミーティングはどういった内容だったのでしょうか。
間島 ターゲットは帝京大で、大学日本一になるために今年はこういうラグビーをしていくんだということと、覚悟を決めるミーティングでしたね。

――主にどういったラグビーをしていくのでしょうか。
間島 ワセダらしく走り勝つラグビーになっていくと思います。それを実践する上での覚悟を決めました。

――走り勝つラグビーということをBKとしてどう捉えていますか。
間島 FWが結構走ってくれて、それをうまくBKが動かして最後のところもBKが中心になると思うんですけど、いい意味でFWを使っていって仕留められるようになっていきたいです。

――そのラグビーをする上で現在行っている練習はありますか。
藤近 まだやっていないです。帝京大に対して体格が劣っているので、少しでも追いつけるように今は体を大きくしています。

――新チームが始動してからの雰囲気はいかがですか。
藤近 自律に向かって走り出したところなんですけど、強制をする今の段階でも出来ない選手もいて、言えばやってくれると思ってたんですけどやっぱり難しくて、色々我慢してやっていかないといけないなって思っています。
間島 自律っていう面でも今のチームの中で変えていかないとっていう雰囲気があるのでなんか楽しいですね。いい雰囲気に向かっているっていう感じですね。

――新キャプテンの垣永主将の印象は。
間島 本当にリーダーっていう感じの人間ですね。器も大きいし皆に愛されるような人なんですけど、負担を掛けすぎないように僕ら委員を中心に4年生が頑張っていきたいです。
藤近 同じです(笑)。

――副将には金選手がなりましたが。
間島 やっぱりあの2人だもんな。
藤近 新人練習の時からそうだったし、肩書きは違うけどどっちもキャプテンみたいな感じです。
間島 いいバランスだよね。

――お二人にとって同期とは。
間島 すごい仲が良いんですが、正奎がよく言うんですけど「もっと言い合おう」みたいな、4年目になって思ったことをいえないのは障害でしかないので本当の意味でのいい同期になりたいです。
藤近 また全く一緒なんですけど(笑)。ラグビーと私生活は違うので、同期として駄目なところは駄目といえる仲間になりたいです。

――後輩の印象は。
間島 1年生は結構俺らの代に似てるよね。
藤近 そっか。仲良いもんね。
間島 2年生は変わってるよね。個性豊かって言うとちょっと違うけど。
藤近 マイペースなやつが多いのかな。順平もそんな感じだし。

――この3学年に新入生を含めた今季のチームは、どうなっていくと思いますか。
間島 人としてまずやることが出来るような人間になってからその上でラグビーがあると思うので、ワセダのラグビー部としてそういうところは大切にしていかないといけないですし、新入生が入ってくる時にこういう組織なんだよっていうのを見せたいと思います。
藤近 誤ったワセダのラグビー部が伝統になっていかないように、自分たちが見てきた先輩方を含めて、ワセダというものを作っていきたいと思います。

――ずばり日本一に必要なことは何でしょうか。
藤近 走り勝つラグビーには、自分が苦しいときにも走る意識を持って甘えちゃいけないので、自律をして自分に厳しくなることです。
間島 ワセダのプライドですね。自分が1年生の時の4年生はワセダが負けることは許されないっていう強い気持ちを持っていて、どんな試合でもそういう気持ちを前面に出してたのですが、そういった伝統が薄れてきているので、ワセダが勝つという強い気持ちを持つことを大事にしていきたいです。

――最後にファンの方々にメッセージを。
間島 ファンなんているのかな。
藤近 いるでしょ君は。
一同 (笑)。
藤近 大学選手権で優勝できるようにこの1年頑張ります。応援よろしくお願いします。
間島 まず試合に出て、日本一になれるように良いリーダーになっていきます。

――ありがとうございました!
(取材・編集 田中みずき、御船祥平)


写真左
間島陸(まじま・りく)
1991年7月31日生まれ。177センチ、84キロ。東京・早大学院出身。商学部3年。ポジションはSO。対談取材初体験だった間島選手。緊張する姿を見せつつも、目をしっかり見て真摯に話してくださいました。最終学年として『自覚』を持ち、BKを引っ張っていく間島選手の姿に期待です!

写真右
藤近紘二郎(ふじちか・こうじろう)
1992年(平4)1月29日生まれ。181センチ、84キロ。神奈川・桐蔭学園出身。政治経済学部3年。ポジションはCTB。間島選手とは対照的に藤近選手は対談取材4回目とベテランの域に達しました。すっかり慣れた様子を見せながらも落ち着いて話をして頂きました。今季はチーム全員からの『信頼』を得て活躍すると力強く宣言した藤近選手から目が離せません!
 

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