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【早スポ】vs高麗大学『春に苦戦した敵を寄せ付けず大勝』


秋シーズンに向け更なるレベルアップを図るべく、菅平で夏合宿を張る早大は練習試合で高麗大と対戦。春シーズンでは敵地・韓国で31-24と苦戦した相手であったが、前半途中からリズムをつかむと突き放しに成功し50-3で完勝、続く戦いへと弾みをつけた。
 
高麗大のキックオフで始まった前半、早大は2度にわたって敵のインゴールを脅かすがトライ寸前で反則し先制のチャンスを逃す。その後早大はSO間島陸(商4=東京・早大学院)の低い弾道で伸びるキックを何度も敵陣に蹴り込むが、うまく処理した相手はハイパントキックで応酬。エリア獲得がうまくいかない。その中で11分、早大が自陣で反則を犯すとPGを選択し落ち着いて決めた高麗大に3点を先制された。それからも早大は3度ゴール直前まで迫るがミスや反則で逸機。一方でCTB藤近紘二郎(政経4=神奈川・桐蔭学園)や18分に途中出場したフランカー布巻峻介(スポ3=東福岡)の好タックルなどディフェンスは粘りを見せた。すると試合は早大ペースに。29分、相手スクラムをターンオーバーして展開を重ね、外でパスを受けたWTB深津健吾(スポ3=東京・国学院久我山)がディフェンスを振り切る独走トライで逆転。34分には持ち前の突破力で防御を突き破ったプロップ垣永真之介主将(スポ4=東福岡)が、前半終了間際には布巻がSOの位置に入った展開からまたも深津がインゴールに飛び込んだ。早大は19-3とリードし前半を終える。

 
 前半からほとんどのメンバーを交代し臨んだ後半も早大の優位は変わらない。12分に相手のモールによる反則で認定トライを得るとその後しばらくは攻めあぐねるが、23分に敵陣の相手ボールスクラムでプレッシャーをかけボールを奪取。26分にラインアウトモールからフランカー小谷田祐紀(文構3=東京・早実)がトライし、29分にもラインアウトモールを起点にプロップ佐藤勇人(スポ3=秋田中央)がインゴールへ。さらにシンビンで一人退場となり疲労で足が止まった相手を攻め、31分に小谷田が、終了間際にWTB土肥将也(人4=東京・三鷹)がトライを記録した。最終スコアは50-3の完勝であった。
 
計8トライを奪い、ノートライに抑える出来に「外に回してトライを取り切れた」(フランカー金正奎、教4=大阪・常翔啓光学園)など成果を実感する一方、「逃げのラグビーをしていた」(布巻)「蹴りすぎた」(金)などの反省点も見つかった。これらを次戦、そしてリベンジに燃える帝京大戦へとつなげていけるか、これからが重要である。
 
(早稲田スポーツ新聞会 鈴木泰介)
 
 
 
◆コメント
後藤禎和監督(平2社卒=東京・日比谷)
――夏合宿が始まって1週間以上が経ちましたが、ここまでの充実度はいかがですか
暑すぎるくらいですけど天気も良くて、予定していたメニューを順調に消化していています。充実した練習ができていると思います。
 
――夏合宿で新たに取り組んでいることはありますか
基本的には春の延長です。春やってきたことの幹を太くして、プレーの精度を上げることを目標にやっています。若干オプションを増やしたりはしているんですけど、大きくは変えていません。具体的なプレーうんぬんというよりも、規律の徹底やミスをしない集中力、そしてミスに対する反応などにフォーカスを当てて取り組んでいます。
 
――精度を上げることを意識した練習を行っているなか、今日の試合ではミスが目立ちました
実は昨日まではすごくいい集中力で練習ができていたんですけど、今日の朝の練習でどこか硬さが見えていて、それがそのまま試合に出たところもあるのかなと思います。チャンスのところでペナルティやミスをしてしまい、練習ではできていたことが全然出せなかったです。
 
――硬くなったのは、久々の実戦ということが原因だったのでしょうか
それもあるかもしれません。合宿最初の試合ということもありましたし。ただそれでも、しんどい時間を乗り切って前半の最後10分に重ねてトライを取れたことだけは評価に値すると思います。
 
――ここ1週間はかなりフィットネスも課しているようですが、選手たちの疲労はいかがですか
(合宿の)前半はそれなりに走らせました。だから疲れているのは間違いないと思います。
 
――ルール変更があったスクラムに関してはどのように評価していますか
上のチームから下のチームまで、おおむね満足しています。帝京大戦を見てみないとわかりませんが、現時点では手ごたえを感じています。
 
――監督の目から見て、夏合宿ここまでで最も成長したと思う選手はどなたですか
滝沢(祐樹、基理2=福島)が春に入ってずっと調子が悪かったんですけど、この合宿で調子を上げてきて、今日の試合でもまずまずのプレーをしてくれたと思います。
 
――体重管理に関して気を付けていることはありますか
昨年までは予算を鑑みてメニューを制限していましたが、今年は必要なタンパク質の量を取るにはどれだけの食材がいるかを計算して、予算を制限せずに食事のメニューを組んでいます。ここ1週間はハードだったんで、なかには(体重が)落ちているものもいますが、おおむね現状維持、増えている選手もいます。
 
 
フランカー金正奎副将(教4=大阪・常翔啓光学園)

――試合を振り返って、良かった点と反省点は何でしたか
良かった点はしっかり外に回してトライを取り切れた点で、反省点は前半ちょっと蹴りすぎたかなというのがあります。
 
――個人のプレーを振り返ってはいかがですか
特別良かったというわけではないですが、リンクプレーができたのでそこは良かったと思います。
 
――合宿で特に力を入れていることはなんですか
ボール継続のところであったり、体の面においては体重を落とさずにしっかり管理していくというところです。
 
――その体重管理のために心がけていることはなんですか
食事の面であったり、毎日ウエイトトレーニングをすることですね。
 
――今後に向けての抱負をお願いします
まだあと合宿は二週間あるので、試合の反省をして、そこをしっかり詰めていい形でシーズンを迎えられるように頑張りたいと思います。
 
 
フランカー布巻峻介(スポ3=東福岡)

――久々の実戦となりましたがご自身の出来はいかがでしたか
まあまあって感じです。
 
――前半はチームのアタックに関してうまく噛み合ってない場面が多かったと思うのですが
強気じゃなくて逃げのラグビーをしていたというか、ぜんぜん面白くなかったですね。
 
――前半途中に布巻選手が入ってきて、タックルで流れを変える場面などありましたがご自身のディフェンスについてはいかがですか
タックルはあの1本しか出来ていないですし、ターンオーバーまで出来ていないので、あれで流れは変わっていないかなと思います。
 
――夏合宿においてチーム全体で意識して強化しているところはどこですか
精度ですね。
 
――その精度に関してこの試合ではいかがでしたか
立ち上がりからあまり精度がよくなくて、悪い流れで(プレーを)してしまったと思います。
 
――今年の夏合宿では体重管理を徹底しているということなのですが布巻選手はいまのところ体重管理はうまくできていますか
少し体重は減っているのですが、コントロールできる範囲なので大丈夫です。
 
――次戦に向けての課題をお願いします
まず精度を上げていくこと、しかも消極的にならずに思いっきりやったうえで精度を上げていきます。そこを勘違いしないように、強気に、もっと楽しく、精度をあげてラグビーをしたいと思います。
 
 
SH岡田一平(スポ2=大阪・常翔学園)

――試合を振り返っていかがですか
いま練習しているキックのせいかわからないですが、前半はキックの蹴り合いで攻める場面が少なくて点差が開くことがなかったところもあるんですけど、前半の後半は自分たちが攻めるんだという意思でどんどんアタック中心でいったのが、最後引き離せたことにつながったと思います。
 
――相手チームのほうがエリアをとっているなと感じました
カウンターで自分たちがアタックしないと、キックすると相手にボールを渡すということなので、継続してボールキープして攻めることを前提にして試合したいなと思います。
 
――身体の大きい相手でしたが、コンタクトはいかがでしたか
前回試合したときもそうなのですが、コンタクトの面では高麗大のほうが上回っている部分はあるんですけど、僕らは速いラグビーが大事なので、どんどん展開してキックに頼るんではなくて、足を使ってランで攻めるべきかなと思いました。
 
――夏合宿ではどんな練習されていますか
指示を出すことですかね。アタックの場面でもディフェンスの場面でもFWをしっかり動かすというのをコールで意識しています。
 
――間島選手とのコンビネーションはいかがでしたか
ずっと順平さん(小倉、スポ3=神奈川・桐蔭学園)とやっていたので、そういうところでミスは出たと思います。でも小倉さんの次は間島さんなので、しっかり対応できるように息あわせていきたいなと思いっています。
 
――合宿で強化したいところはどんなところですか
パススキルは僕のラグビー人生では継続した課題です。キックやさばきの部分であるとかミスをしないで精度の高いラグビーを目指したいなと思います。
 
 
CTB藤近紘二郎(政経4=神奈川・桐蔭学園)

――試合を振り返っていかがですか
久しぶりの試合というのもあって、前半つまずいてしまったのですが、最後は波に乗れたので良かったです。
 
――鋭いタックルもありましたが、ご自身のプレーを振り返っていかがですか
まだまだ課題はありますが、練習でしたことを試合でできたと思います。
 
――その課題とは具体的に何ですか
ディフェンスでコミュニケーションを取るということですね。まだとれていなくて、一発で抜かれるシーンがあったりするので。コミュニケーションがしっかり取れていればそういうことは減ると思います。
 
――良かった点についてはいかがですか
BKはチャンスフェーズを取りきることを意識していて、まだ取りきれてはないのですが、ちゃんとゲインしてチャンスをつくっていたと思います。また、抜けたあとのサポートをして、つくったチャンスを逃さないようにするっていう課題も見つかりました。
 
――夏合宿はいかがですか
大変です。
 
――練習はどのようなことをしていますか
先ほど言ったディフェンスのコミュニケーションと、アタックのチャンスフェーズなどですね。
 
――特集のときに、いろいろなスキルをのばしたり、体重を増やすとおっしゃっていましたが、実際に体重などは増えましたか
やはり合宿が厳しいので、いまはキープしている状態なのですが、もっと増やしていきたいと思います。