早稲田大学ラグビー蹴球部WASEDA UNIVERSITY RUGBY FOOTBALL CLUB OFFICIAL WEBSITE

Beat Up

2024

【早スポ】vs帝京大学B『ラストプレーで集中力欠き惜敗』

 この夏の成果を試す帝京大Bとの大一番は波乱の展開となった。早大Bが10-0でリードし迎えた後半。展開ラグビーで攻め込む帝京大Bに対し粘り強いディフェンスで何度も危機を脱した早大Bだったが、攻撃の手を緩めない帝京大Bを止めきれず2トライを連取され逆転を許す。だが後半終了間際、SO浅見晋吾(スポ2=神奈川・桐蔭学園)が劇的なPGを決め13-12で試合をひっくり返した。しかしここで集中力が切れた早大B。その隙をついた帝京大Bにラストワンプレーでトライを奪われ13-17で惜敗した。
 

早大Bのキックオフで始まった前半は、自陣にくぎ付けのまま膠着(こうちゃく)状態に。帝京大Bにエリアを支配されながらも早大Bは堅い守りで相手のペナルティーを誘い、ゴールラインを割らせない。試合が動いたのは前半27分。浅見の絶妙なショートパントをCTB飯野恭史(商3=東京・早実)がグラウンディングし早大Bが先制点を奪う。さらに前半終了間際、浅見が落ち着いてPGを成功させて追加点を挙げ、少ないチャンスをものにした早大Bがスコアを10-0とし前半を折り返した。

早大Bが風上となり迎えた後半。前半と同様帝京大Bのアタックに鋭いタックルで応戦していた早大Bだったが後半10分、ラックから右に展開した帝京大Bに初トライを許す。その後は敵陣に攻め入る時間が増すもゴールライン付近でのミスで決定的なシーンを生み出せない。後半36分には早大Bがこぼしたボールを帝京大Bが奪って一気にゲイン。そのままトライに持ち込まれて10-12となってしまう。後半終了間際、もう後がない早大Bはゴールから40m以上離れた地点からのPGを選択。この重要な局面で浅見の放った低い弾道のキックは見事クロスバーに吸い込まれ、逆転に成功。だが、「最後の最後に集中が切れてしまった」(フッカー菅野卓摩、教3=東京・早実)。帝京大Bが最後のキックオフから猛攻を見せ、ラストワンプレーで決勝トライを奪取。13-17で敗れ、詰めの甘さを痛感する結果となった。
 
 集中力の欠如という課題が浮き彫りとなった。やはり最後まで勝ちきる集中力がなければ帝京大に勝利することは難しい。フランカー呉泰誠(スポ4=大阪朝鮮)の「ワンショットの一瞬の差でラグビーは負けてしまう」という言葉通り、精神面のわずかな差が雌雄を決す。今後いかにこの課題を克服できるかが秋の勝敗を左右するだろう。
 
(早稲田スポーツ新聞会 末永響子)
 

後藤禎和(平2社卒=東京・日比谷)
――最後まで白熱した展開となったBチームの総評をお願いします
最後にあのような形で逆転されてしまったのはAチームと同じで集中力が欠けているということですね。最後のワンプレー、その前の逆転されたトライを含めて、ほんの1つの集中力を欠いたプレーがああいった形になって、原因となったプレーをしてしまった4年生には時間がないので、この部分の大事さを本気で理解して、残りの合宿だけじゃなくてシーズンに取り組んでほしいと思います。
 

フランカー呉泰誠ゲームキャプテン(スポ4=大阪朝鮮)

――試合を振り返って感想をお願いします
率直に悔しいです。最後のキックオフのときにも相手の集中力にこちらが負けたという感じでした。やはり『規律』と『集中』というテーマを掲げた中で、そこで負けたのが一番悔しいですね。試合を振り返っても、帝京大の洗練されたアタックであったり、こぼれ球に対する反応であったり、見習いたいプレーが多くあったと思います。

――チームの状況はいかがですか
特に悪くはなかったです。今回の試合を一つのターゲットにしてやってきたので、アップの時からみんな集中できていたんですが負けてしまいました。

――見つかった課題を教えてください
最後の最後の集中力だと思います。ワンショットの一瞬の差でラグビーは負けてしまうので、チームを成長させていきたいです。

――流通経大戦に向けての意気込みをお願いします
ミーティングでも、「自分たちはあくまでBチームなので、次の目標というのはまずAチームに上がることだ」と話していました。一つでも上に上がって、ワセダの看板を背負って自分のラグビーを体現したいです。

フッカー菅野卓摩(教3=東京・早実)

――帝京大との試合を振り返っていかがですか
前半は風下で良い集中で、粘り強いディフェンスをして守りきれたのですが、後半は風上に立って上手くエリアを取れないところがありました。後は敵陣に入ってからラインアウトのチャンスがあったんですけど、相手の競りが上手くて自分のスローのミスもあり、ゴール前のチャンスをものにできませんでした。そこから流れが悪くなってしまい、自陣でディフェンスをする時間が多くなり、最後の最後に集中が切れてしまったことが敗因だと思っています。

――この試合はどういう位置付けでしたか
合宿に入ってからずっとターゲットはこの帝京大ということでやってきたので、勝ちたかったです。

――新しいコールになってからスクラムの調子はいかがですか
いままでやってきたワセダのスクラムと大きくは変わっていないです。小さくて軽いワセダですけど、大きい相手に勝てるようにいままで通りやっています。

――秋に向けて意気込みをお願いします
やはり帝京大に勝ちたいです。まずは自分がAチームに上がって帝京大に勝つということが目標ではありますが、Bチームとしても関東大学ジュニア選手権などがあるので、そこでも帝京大に勝ちたいです。

 
SH平野航輝(スポ3=長崎南山)

――Aの試合の後半、Bの試合の前半に出場されましたが、それぞれの試合を終えての感想をお願いします
Aの試合はほとんどアタックができず守備に追われてしまいました。ハーフ団としてもっと相手に付け入る隙があったはずだと思います。Bの方も前半の20分まではずっとディフェンスという状況でした。逆に言えばその時間を粘り強く辛抱できたことは良い点だったと思います。個人的にはやっとAチームの選手と肩を当てられたので、帝京大との差を感じたというわけではありませんでした。相手の方が集中力が一枚上手なのかなと感じましたね。

――今回の夏合宿で意識的に取り組んでいる点はありますか
僕は一番の課題にディフェンスが挙げられると思うのですが、守備はもちろんのこと、僕の所から地域が取れたら楽だと思うのでキックに重点を置いています。この夏合宿でどうにかものにして、秋に生かしていきたいです。

――対抗戦へ向けたレギュラー争いの中、どのような点でご自身をアピールしていますか
得意としているさばきではもちろん誰にも負けないようにしたいです。また先ほども言ったように相手の裏へのキック、地域取りをもっと強みとして出していきたいです。

――対抗戦スタメンへの手応えはいかがですか
十分に可能性があると思っています。昨季も下のチームから上がってリザーブに入りましたし、可能性は十分あるはずです。自分のやるべきことをしっかりと理解して、チームの勝利に貢献していきたいです。
 

SO浅見晋吾(スポ2=神奈川・桐蔭学園)

――試合を全体的に振り返っていかがですか
絶対に勝てた試合だったので悔しいです。

――前半は膠着(こうちゃく)状態が続きましたがどのようなことを考えてプレーしていましたか
とりあえず相手が大きかったのでできるだけ敵陣に追いやってFWを楽にしたかったんですけど、風下ということもあって我慢のラグビーが続いてきつかったです。

――試合終了間際のショットの場面を振り返ってください
運が良かったというか、入ってよかったです。

――その後逆転されてしまいましたが原因はどこだと思いますか
最後の最後で集中力が切れてしまって、そこが自分たちの弱みだと思います。

――合宿で意識して取り組んでいることはありますか
春季にディフェンスのミスが多かったのでタックル練習に取り組んでいたのですが、日本一の帝京大にはまだまだ通用しないということを学んだので、これからもっと練習していきたいと思います。

――収穫はありましたか
タックルの後にすぐに立ったりとか、そういうところは日々の成果が出ていたと思います。

――最後に、対抗戦に向けて抱負をお願いします
もう時間がないので、限られた中でひとつひとつの練習を大切にして成長していきたいです。