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2024
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追い出し試合 2月24日 早大上井草グラウンド

『最後の試合で思いをつなぐ』
 

 2月16日の日本選手権1回戦敗退をもって今季の戦いは終幕。そこで引退となった4年生を送り出す追い出し試合が、4年間練習してきたホームである早大上井草グラウンドで行われた。4年生全員が赤黒に身を包み、下級生チームと対戦。前半は真剣勝負の結果19-19で引き分けとなり、後半は和気あいあいと笑顔の絶えない自由なラグビーを楽しんだ。
 
前半は公式戦さながらの白熱した展開となった。先制したのは下級生だったが、直後に4年生らしい息の合った場面が見られる。一人一人が大きくゲインしながらつなぎ合い、プロップ垣永真之介主将(スポ4=東福岡)がトライ。SO間島陸(商4=東京・早大学院)のゴールも成功し逆転を果たす。中盤は勢いに押され、2トライを許してまたもリードされるも、最後に見せたのは最終学年の意地。フランカー金正奎副将(教4=大阪・常翔啓光学園)のターンオーバーから垣永にボールが回り、再び金にパスしてトライ。同点の19-19に追いついて折り返した。主将と副将が協力したこのラストプレーに象徴されるように、随所に4年生同士の絆や団結力が光る。同時に後輩たちはそれと互角に渡り合い、来季以降への期待をうかがわせた。
 
 その後の後半は温かい雰囲気の中で、遊び心も交えて楽しく試合が運ばれた。ポジションをシャッフルし、垣永がWTBとして疾走するというここでしか見ることのできない場面も。また、終盤には普段は裏方として活躍しているマネージャーやトレーナーもプレーに参加する。マネージャー安藤花菜子(文4=大分舞鶴)がスクラムやラインアウトに加わり、下級生からのタックルを受けると客席からも笑いが巻き起こった。ノーサイド後は、父兄や友人とともに写真撮影などが行われ、長い間グラウンドには4年生へのねぎらいや賞賛の声が響いていた。
 
 「やってきたこと全てが宝物」(金)、「最高の同期に恵まれて、本当に幸せな4年間」(WTB土肥将也、人4=東京・三鷹)。全国大学選手権(大学選手権)では帝京大を破れず、悔しさが残っていないわけではない。しかし、一つの目標に向かって仲間と切磋琢磨(せっさたくま)した4年間は今後の大きな糧であり、誇りでもあるだろう。『大学選手権優勝』への思いを後輩に託し、赤黒戦士たちは新たな一歩を踏み出した――。
 
 
(早稲田スポーツ新聞会 大水渚)
 

コメント
プロップ垣永真之介主将(スポ4=東福岡)
――追い出し試合を振り返っていかがでしたか
本当に楽しく、最高のラグビーができました。
――4年間を振り返って一言お願いします
苦しいことばかりだったのですが振り返って素晴らしい4年間だったと思います。
――早大に入って良かったでしょうか
悔いは無いですし、忘れられない4年間になりました。
――1年生から試合に出場されていると思うのですがその当時を振り返っていかがでしたか
本当に責任は重かったですね。(全国大学選手権)決勝で負けましたけどそれも含めて迷惑をかけたことばかりでした
――決勝ではケガを負われたと思うのですがそこからのリハビリはつらかったのでしょうか
初めての長期離脱でつらかったのですが、それも今の財産となっています。
――3年生の時には準決勝で帝京大に敗れました。どのような悔しさがあったのですか
やりきれなかった悔しさがあって、次の年に絶対に生かそうと思っていました。
――迎えた最終学年では主将に任命されました。その時の心境はいかがでしたか
任せてもらえるのなら、期待に応えたいと思っていました。
――フランカー金正奎選手(教4=大阪・常翔啓光学園)とのコンビを1年間振り返っていかがでしたか
一緒にできなかったら1年間やれることはなかったし感謝しています
――主将として苦しい時でも大声で仲間を盛り上げる姿が印象的でしたが意識的に盛り上げたのでしょうか
はい。僕にできることはそれくらいしかないのでそれだけは必ず頑張りました。
――春先は苦しい試合が続きましたが苦悩はありましたか
それも試練と思って我慢して我慢してそれが最後に結果が出たのでそれはそれで良かったと思います。
――全国大学選手権(大学選手権)では準優勝という結果になりました。1カ月経っての心境はいかがですか
悔しいですけど、その結果でこの先が変わるわけではないのでもっと大きな目標を持ってやっていきたいと思います。
――卒業後はサントリーに進まれると思います。同じポジションには畠山健介選手(平23スポ卒=宮城・仙台育英)がいますが意識していますか
吸収できるところは吸収して、畠山さんを越えられるようなプレイヤーになりたいと思います。
――超えることができれば日本代表も見えてくると思います。目指していくところでしょうか。
はい。それも視野に入れて頑張っていきたいと思います。
――期待する後輩はいますか
大峯功三(スポ3=福岡・東筑)と布巻(峻介、スポ3=東福岡)の福岡コンビに期待したいです。
――後輩へのメッセージをお願いします
学んだことをしっかり生かして優勝してほしいと思います。
 

フランカー金正奎副将(教4=大阪・常翔啓光学園)
――4年生全員でラグビーをしていかがでしたか
率直に楽しかったの一言です。
――ご自身で一番印象に残っている試合はありますか
全てですね。ワセダでやってきたこと全てが宝物なので。僕はどれが特別というよりも、毎回特別な思いでやっているので、そういった意味では全部です。
――これまでで一番楽しかったりうれしかった出来事は何ですか
やっぱり公式戦で初めて赤黒を着たときが一番うれしかったなと思います。
――逆につらかった時期などはありますか
特にそれはないです。
――3年生のとき、何でもできるスーパーマンのようなフランカーになるということをおっしゃっていましたが、この2年間で近づけましたか
そうですね。でもまだまだ理想には遠いです。それでも学生でやりきれることはやりきったので良かったと思います。
――今後はNTTコミュニケーションズに進まれるということですが、どのような理由で進路を決めたのでしょうか
ラグビーの雰囲気がよさそうでしたし、これまではずっとトップチームでやってきたので、トップじゃないチームで、そこから力を付けていきたいと思ったので選びました。
――2019年の日本開催のラグビーワールドカップへの憧れや希望もありますか
もちろんです。そこを目標にラグビーをやっています。
――では当面の目標は日本代表ですか
そうですね。
――後輩に向けて一言お願いします
努力は嘘をつかないと思うので、努力し続けてほしいと思います。
――最後に、ワセダで過ごした4年間はどのような時間でしたか
言葉にできないくらい幸せな時間でしたし、本当に楽しくて充実した4年間でした。
 

フッカー須藤拓輝(スポ4=東京・国学院久我山)
――追い出し試合の感想をお願いします
楽しかったです。
――この1年間を振り返っていかがですか
振り返ったら良かったものかもしれませんが、結果が結果だったので、後悔はあります。
――4年間で印象に残った試合はありますか
1年生のときの関東大学ジュニア選手権で、関東学院大に逆転勝利した試合です。
――後輩に向けてメッセージをお願いします
過程も大事ですが、過程よりも結果が大事だと思います。もちろん努力はすると思うのですが、頑張って結果を残してほしいと思います。
――同期のみなさんに向けたメッセージをお願いします
最後の方の試合は自分のためというより、出られない同期のために頑張ったという部分もありました。そのような同期、そしてそのようなチームで、最後まで戦えたことに感謝しています。
――今後の目標をお願いします
日本一をとったことがないので、日本一を目指して社会人でも頑張ります。
 
プロップ大瀧祐司(文4=神奈川・横浜緑ヶ丘)
――追い出し試合はいかがでしたか
久々に動いたので(体力的に)きつかったですけど楽しくできました。
――4年間を振り返っていかがですか
無名の高校から入ってきて知り合いもなく大変なこともあったのですが、Aチームとして出場できるくらいラグビー選手としても成長させてもらえましたし、人としても成長させてもらった4年間だったと思います。
――特に成長したと感じるところはどこですか
これまで周りの人が当たり前にやっていることがあまり出来ていなかったり、結構遅刻もしていたのですが、それもだいぶ改善されたかなと思います。マイナスから普通になりましたね。『自律』というキーワードを掲げていて、そういう面でも少しは精神的に成長できたとは思います。
――4年間で最も印象に残った試合は
(全国)大学選手権の決勝戦ですね。決勝に出るということ自体が初めてでしたし、日本一が本当に目の前に来ている感覚というのも人生で初めてだったので特別な試合でした。
――同期に向けて一言お願いします
本当に人見知りだったのですが、最高の同期に恵まれて良かったと思います。
――後輩に向けて一言お願いします
来季は厳しいシーズンになるかもしれないですが、僕ら以上に努力し続けて優勝してほしいです。
――ラグビーには今後どのように関わっていくおつもりですか
決まっていないところが多いのですが、ワセダクラブのシニアでプレーする予定です。
 
ロック芦谷勇帆(スポ4=京都・伏見工)
――追い出し試合を終えての感想をお願いします
これまではずっと追い出す側でやってきたんですけど、追い出される側になってみてあっという間に時がたったと感じています。何かひとつ後輩に残せることがあったら残そうという気持ちでした。
――何か後輩には残せましたか
具体的に言葉でというよりも、一生懸命なプレーであったりを感じ取ってくれたら良かったと思います。
――ワセダでのラグビーを振り返ってみてどう感じていますか
ラグビー選手として成長できたことはもちろんですけど、人間としても大きくなれたと思います。そこが一番良かったです。
――今季はケガから始まりましたが、どのような1年間でしたか
大学に入って最初で最後のケガだったんですが、それがシーズンの最初に起きてしまってスタートが遅れてしまいました。みんなから取り残されたという感じがあったんですけど、リハビリもしっかりできて夏合宿以降に復帰してシーズンの最後まで試合に出場できてうれしかったです。幸せでした。
――全国大学選手権では最後に負けてしまいましたが、振り返っていかがですか
個人的なことになりますが、やり切ったという感じがしています。自分が復帰してから、1月12日まで良い夢を見れたと思っています。
――同期に伝えたいことを教えてください
ありきたりですけど、この代で本当に良かったです
――後輩にも伝えたいことはありますか
OBとして、ファンとしても3年生以下には絶対に『荒ぶる』をとってほしいと思います。
――最後にファンに向けてメッセージをお願いします
まずは4年間ありがとうございました。試合後や練習後に声を掛けてもらって本当に力になりました。
 
WTB杉聡司(政経4=福岡・西南学院)
――この追い出し試合の感想をお願いします
まだ1週間前に引退した実感がなかったのですが、試合をやってみて本当に終わるんだなというふうに感じました。
――早明戦のプロジェクトの中心でもありましたが、この1年間を振り返っていかがでしたか
まず早明戦のプロジェクトに関しては、普通の学生ができない経験をさせていただいて良かったのと、社会人1、2年目の人でも多分できないような経験ができて本当に光栄でした。ラグビーは本当に4年目が一番楽しかったなと思います。4年目は吹っ切れて楽しむことを目的にできて、楽しもうと思って臨んでいて、それができたかなと思っています。
――これまでのラグビー人生を振り返っていかがでしたか
小学校2年生のときからやっているので本当にずっとラグビーがそばにいて、逆にまだ振り返る余裕がないというか、ずっといっしょにいたのでもう少ししてからラグビーの大切さが分かるのかなと思います。でも本当に楽しかったです。
――印象に残っている試合はありますか
2年生のときの夏合宿で逆転勝ちした早大C対帝京大Cの練習試合です。それと、昨年の関東大学ジュニア選手権(ジュニア選手権)の対明大B戦で、僕のせいで公式戦で負けたので、それは少し記憶に残っています。
――4年間頑張ってきた同期にメッセージをお願いします
ワセダでこの同期がいたからこそこの環境でできて、一人一人が本当にワセダで赤黒を着て『荒ぶる』を歌うという目標に向かって4年間過ごしてきていたので、本当に自分にとって刺激になったしありがとうと言いたいです。
――後輩にメッセージをお願いします
僕は赤黒を着れなかったのでそんなに後輩に言えるようなことはないのですが、下のチームの後輩に対して少し言いたいのは、もっと楽しんで自分のためにラグビーをやって良いと思うということです。そのためにコーチなどにも全然反論しても良いし、どうやって勝てるのか本気で考え続けてほしいなと思います。
 

 

CTB坪郷勇輝(商4=東京・早実)
──16日に行われた日本選手権はいかがでしたか
相手がトップリーグということで、帝京大戦でできなかったことをできるようにして(大学選手権の)決勝戦を取り戻そうというテーマで戦いました。おおむねそれができて次の代につなげたんじゃないかなと思いますね。
──トップリーグのチームと戦ってみて、感触はいかがでしたか
前半の最初は強くて連続で取られてやばいかなと思ったのですが、そこから粘り強くディフェンスもできたし、アタックも継続してどんどん前に出てトライ取ることもできたし、そういう点ではやってきたことが出て良かったのかなと思います。
──4年間を振り返ってみていかがですか
正直、楽しいことはほとんどなかったです(笑)。4年生になって初めて赤黒を着てAチームの試合に出て、楽しいかなと思えたくらいです。でも本当に最後の1年間はすごい充実して、試合のたびに自分が成長していると実感できるし、他のチームのすごい選手とかと戦っても劣らないから自信もつきました。当初は全然実力がなかったですけど、頑張ればここまで来られるっていうのを後輩にも示せたんじゃないかなと、僕の役目は果たせたのかなと思います。
──楽しいことはほとんどなかったとのことですが、一番つらかったことは何ですか
一番つらかったことは合宿ですね、やっぱり(笑)。
──合宿のどういったところがきついと思いましたか
1年を通してその時期が一番体がボロボロになるくらいきつくて、毎日が筋肉痛という感じでした。オフも全然なくて、しかもオフがあっても周りに何もないので(笑)。そ
れが3週間ずっとっていう感じなので、それが一番きつかったですね。でも、合宿以外も毎日大変でした。
──逆に一番うれしかったことは何ですか
初めて公式戦に出たときです。(関東大学)対抗戦の。本当にうれしくて。実は僕その前日に熱出したんです(笑)。39度近くまであって、でも絶対に出たいなと思って急きょ点滴を打ったりして頑張って出ました。そのくらいうれしかったです。
──無理してコンディションを上げたという点で大変な公式デビュー戦になりましたね
そうですね。体調管理は大事だなと、そのとき学びました。
──高校から7年間ラグビーをやってきていかがでしたか
高校のときは垣永とか正奎とか藤近(紘二郎、政経4=神奈川・桐蔭学園)とかがテレビの中の存在で、こんなすごい人たちと自分が一緒にプレーできるのかなと思っていましたが、やっぱりそういう人たちと一緒にやっていて楽しいし自分も成長できるし、こういう環境でラグビーをできたということが自分の中では財産ですね。
──今後はどのようになさる予定ですか
留年するんですけど、ラグビーはしないで高校のコーチをすることになりました。早実のコーチをやって早実を強くして、内部推薦で早大に入ってくる子たちを育てようという感じです。
──コーチは1年間だけ務めるというかたちですか
そうですね。
──どうして留年することになったのですか
就活の時期とチャンスの時期が被っていて、面接や練習の時間が被ったのでラグビーを選んだということになっています。3年生の終わりの時に卒業見込みはありました。ラグビーを選んだというのもあながち嘘ではないです。
──後輩のみなさんにメッセージをお願いします
本当にこの4年間の中で一番努力したと思います。そうなんですけど、やっぱり帝京大に勝つレベルにはまだ至っていないので、後輩たちにはこの悔しさとこれでも足りないということを胸に練習に励んでほしいです。それで、絶対に帝京大を倒して日本一になってほしいなと思います。
 

WTB土肥将也(人4=東京・三鷹)
――追い出し試合の感想をお願いします
最初の試合は次のAチームになり得るメンバーとやりました。一つ下はひたむきな学年だと思うんですけど、そのひたむきなプレーというのが随所に見られて、やっていてすごく楽しかったですし、すごく幸せでした。
――この4年間を振り返っていかがですか
きついこともあったんですけど、最高の同期に恵まれて、本当に幸せな4年間を過ごすことができて、僕は幸せ者だなと思います。みんなに感謝しています。
――同期に向けて、メッセージをお願いします
どんなにきついときも、みんなが日本一だったり、Aチームで出るということだったりを目標に、一生懸命諦めずに前を向いて努力している姿を見てきて、そういうみんなのおかげで僕自身も諦めずに頑張って、最後にリザーブだったりAチームに出ることができたりすることができました。みんなには本当に感謝しています。これからも末長く付き合っていきたいなと思います。
――後輩に伝えたいことはありますか
僕自身は、帝京大を倒すのはワセダしかいないと思っています。帝京大は本当にすごく強いんですけど、6連覇を防ぐのはワセダしかいないと思っています。僕たちの努力ではまだ少し足りなかったので、僕たち以上に頑張って日本一になって欲しいと思っています。
――今後ラグビーとはどのように関わっていきますか
内定先にラグビーチームがあって、週末などに試合があるので、そこでプレーしようと思っています。あとは時間があるときには三鷹高校にもコーチとして行きます。そういった形でラグビーとは関わっていこうかと思っています。
 

FB廣野晃紀(社4=東京・早実)
――追い出し試合の感想をお願いします
本当に楽しかったですし、最後に良い思い出ができました。
――4年間を振り返っていかがでしたか
赤黒を着て試合に出られる機会が徐々に増えて本当にうれしかったです。でもそれ以上に最高の仲間たちに出会えたことが大きかったです。一緒に支え合って、高め合ってきた仲間たちの存在がこの4年間で得た一番の財産ですね。
――一番印象に残っている試合は何ですか
2年のときの日体大戦ですね。初めて赤黒を着て出場した試合だったので、あの試合は忘れられないです。
――卒業後もラグビーを続けられますか
内定先の企業にもラグビー部があるので、週1回くらいなのですが一応続けようと思っています。
――同期の方へ一言お願いします
同じチームで一緒にラグビーをするのはこれで最後ですが、卒業してからもずっと付き合っていく仲間だと思うので、これからもよろしくお願いします。
――後輩の方へ一言お願いします
赤黒を着てプレーしているメンバーにはこれからも頑張って(全国大学選手権での)優勝を狙っていって欲しいですし、なかなか赤黒を着られない部員はつらいときもあると思うけど、仲間と一緒に頑張れと伝えたいです。