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2024
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vs明治大 『春の早明戦、大差で及ばず』

関東大学春季大会 対明大 6月21日 岩手・盛岡南公園球技場
 

 関東大学春季大会(春季大会)最終戦。早明戦初開催となる盛岡で、前でプレーすることをテーマに明大との伝統の一戦に臨んだ早大。前半、自らのミスから一気に突き放され、後半に2トライで食い下がるも、勢いは続かず。終わってみれば14ー66の大差で敗北。帝京大戦に続きアタック、ディフェンスともに地力の差を痛感する結果となった。
 
 前半3分、開始早々に攻め込まれた。相手のパスワークにディフェンスが翻弄(ほんろう)され、ゴール中央にトライを許す。7分にも同じ形でトライを献上し、0-14。スクラムでも、「力負けしてしまった」とロック桑野詠真(スポ3=福岡・筑紫)話すように、コラプシングの反則を何度も犯す。BKで攻め込みたいところだが、パスにもミスが目立ち、数少ないチャンスを生かすことができない。それとは対照的に、スピード感のある攻撃を展開する明大にさらに3トライを加えられ、結局0-35で前半を終えた。
 
 迎えた後半。2分、20分に失点し、0-47と差を広げられた早大だったが、前半のようなスクラムでの反則が減り、プレーの精度も徐々に上がってくる。そして26分、ラックからSO横山陽介(スポ2=神奈川・桐蔭学園)のボールを受けた途中出場のWTB勝浦秋(スポ3=愛知・千種)が抜け出してトライ。33分にもスクラムからNO・8佐藤譲司ゲームキャプテン(スポ4=山梨・日川)が右すみにねじ込んで得点を挙げる。難しい角度からのコンバージョンキックを決めた横山を起点に良いプレーが見え始め、一旦は完全に流れを引き寄せた。しかし終盤、疲れからか集中力を完全に切らし、ディフェンスの歯車が狂い出してしまう。その後簡単に3トライを奪われ、結局14-66でノーサイドを迎えた。
 
 春季大会で2戦連続の大敗に、「意識を統一できなかった」と試合を振り返った佐藤穣。帝京大戦では進歩が見られたスクラムは、前半に反則を連発。最後の10分間で立て続けに3トライを許したディフェンス、チャンスで精彩を欠き、2トライに終わったアタックも今回の反省材料だろう。ただ、横山が「流れがいい時はいい試合ができている」と話すように、要所での方向性の統一ができれば、強豪を相手にしても対等に張り合うことができるはずだ。全ての歯車がかみ合った時、どんなプレーを見せてくれるのか。秋に向けての修正と成長が期待される。
(早稲田スポーツ新聞会 井上陽介)
 
 

NO・8佐藤穣司ゲームキャプテン(スポ4=山梨・日川)
――この試合を振り返っていかがですか
『Go Forward』ということをテーマに掲げていて、アタックもディフェンスも前でやるというのをやっていたんのですが、そこがあまり機能しませんでした。ディフェンスでは(攻撃を)受けてメイジのFWに食い込まれていいかたちでBKを展開させてしまったっというのがあったので、それが良くなかった一つです。アタックも後ろでパス回ししているだけで前に出られなかったのと、あとはペナルティーを連続してしまったところが良くなかった点だと思います。
――点差が大きく開くかたちになりましたが今回の敗因は
意識を統一できなかったところが大きかったのかなと思います。集中力が切れてしまう部分があって、「これをやろう」となった時に統一してやり切るということがまだまだできていなかったと思います。
――スクラムについてはいかがでしたか
もう少し早く修正できていたらあんなに苦しまずにいいペースでやれていたのかなと思っているので、そこは大きな課題として受け止めています。
――ターンオーバーされる場面などもあり守備についてはいかがでしたか
テーマに挙げていたダブルタックルからのファイトという部分ができていなかったからの結果になっているのかなと思います。
――今回もゲームキャプテンとしての出場でしたがチームの声かけなどはいかがでしたか
僕の中で、途中得点を多く取られた時に後手のままで修正しきれなかったというイメージがあり、そこで皆の意識を一つに向けられなかったというのが反省の部分かなと思います。
――今後に向けての修正点は
練習でやっているところが出ると思うので、その練習から試合をイメージして厳しくやっていけたら良くなると思います。
 

ロック桑野詠真(スポ3=福岡・筑紫)
――試合の結果をどのように受け止めていますか
これがワセダの現状だと思います。一人一人が相手が強い中で受けてしまうと、こういう点差になると思いました。
――相手が明大ということはどのように感じていましたか
やはり早明戦ということで、個人的には気持ちも入っていました。
――明大FWと当たってみていかがでしたか
メイジの心臓はスクラムと言われていて、スクラムでプレッシャーをかけられると、ワセダがペナルティーを取られてしまいました。ラインアウトのプレッシャーもあり、そこの部分で引けを取ったのかなと思います。
――スクラムのペナルティーはレフリングの問題ですか
自分たちがスクラムで力負けしてしまいました。
――ラインアウトについてはいかがでしたか
前半に相手が大きい中でプレッシャーがかかってしまい、精度の部分で問題がありました。後半修正できたのはよかったと思います。
――ブレイクダウンについてはいかがでしたか
個人的にはプレッシャーはそんなに感じませんでした。
――ご自身のプレーについてはいかがでしたか
キャリアーになることが少なかったのでもっと前に行ければいいと思いました。
――トライを取られた後にゴール裏で声をよくかけていましたが、どのようなことを話しましたか
ディフェンスから入って、敵陣で取り返そうと、チームの意思を統一しました。
――早慶戦への意気込みをお願いします
春シーズン最後なのでまずは勝ちにこだわって、早慶戦なので負けられないですし、一人一人の気持ちをもっと出して戦いたいと思います。
 

SO横山陽介(スポ2=神奈川・桐蔭学園)
――大差での敗北となりましたが、試合の感想を聞かせてください
いけるときはいけるのですが、流れが悪くなったら連続して取られてしまいました。流れがいい時はいい試合ができるので、その流れを常に一定にし、常に戦えるような雰囲気を作っていければいいと思います。
――流れを失った要因はどういうところにありますか
BKが簡単に一次攻撃から抜かれてしまいました。特に最初の2、3本は痛かったですね。あと、せっかく攻めようとしたチャンスの部分でミスがあったので、そこが前半グダグダになった要因です。
――初スタメンのSH杉本峻選手(商3=東京・早実)とのコンビでしたが、コミュニケーションなどで難しさはありましたか
や、それはないですね。練習でも合わせていたので、杉本峻さんだからといって、違和感や問題はなかったです。
――田村煕選手(明大)を軸にCTB周辺などでラインブレイクをされた印象でしたが、BKのディフェンスを振り返っていかがですか
FWが劣勢だったのでBKが内側に寄せられてしまったことがありました。なのでBKが内側に寄らないということは無理なのですが、しっかりセットやノミネートをして、守る準備をしていきたいです。
――自陣ゴール前で横山選手がターンオーバーしたシーンがありましたが、あのプレーを振り返ってみてください
あれはたまたまで運が良かっただけだと思いますし、今度同じ場面があれば、同じようにしていければいいと思っています。
――意表を突くキックダミーやクイックスタートもありましたが、あれは流れを変えようとしていたのでしょうか
そうですね。流れが悪かったので、どこかで切っていい流れを持ってこようとしたのですが、ちょっと微妙でしたね。
――春シーズン最後となる慶大戦に向けてはどう挑みたいですか
いまは負けが続いているので、ワセダらしさを出していければと思います。
 

WTB勝浦秋(スポ3=愛知・千種)
――試合を振り返ってみていかがですか
後半途中からの出場だったのですが、WTBの役目であるトライを決められたので良かったと思います。ただ、ボールをもらう回数が少なかったので、自分が外からFWのラインを整えたりすると必要があるなというふうに感じました。
――前半、自分のチームを客観的に見てどう感じましたか
やはりセットプレーとスクラム、ラインアウトをもっと安定させないといけないということと、BKに関してはノミネートができてなくて、簡単にやられてしまう場面があったので、もう少し集中するべきだったと思います。
――オールスターにも選出されました。意気込みをお願いします
そうですね。選ばれたからには活躍したいです。