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2024
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vs帝京大 霧中の帝京大戦。悔しい完敗

霧中の帝京大戦。悔しい完敗
夏季オープン戦 8月23日 対帝京大 長野・サニアパーク菅平
 

 菅平での夏合宿も終盤を迎えた早大は、霧の立ち込める中で帝京大と対戦した。前週に日本屈指の強豪パナソニックを下した絶対的な大学王者を相手に、序盤こそ敵陣でトライのチャンスを得るが、機を逸し逆に得点されてからは防戦一方。試合終了間際に一矢報いたが7ー52で屈した。
 
 試合の入りは上々だった。SO横山陽介(スポ2=神奈川・桐蔭学園)の好キックで敵陣に入ると、マイボールを確保し何度もインゴールに迫る。しかしこだわっていたラインアウトからのモールが機能しない。ついにトライには至らず、逆にキックカウンターであっという間に先制点を献上してしまった。その後も攻めながらボールを奪われ、切り返されて失トライを喫した早大。「一瞬の油断があった」(ロック加藤広人、スポ2=秋田工)、「気を抜いてしまった」(WTB桑山聖生、スポ1=鹿児島実)との反省の声も聞かれた。霧による中断を前後して4連取され、0ー26で前半を終える。
 
「帝京大が後半の最初から攻めてくるのは分かっていた」(横山)と自覚して入った後半であったが、「集中力が切れた」(ロック桑野詠真、スポ3=福岡・筑紫)と最初の20分で4トライを決められる苦しい展開に。反則も重なり、帝京大の波状攻撃を止める術を持たなかった。しかしこのままで終わらなかったのは救いか。前半同様ゴール前で粘り強く攻め続けると最後は加藤がねじ込む。7ー52としたがここでノーサイドの笛が吹かれた。
 
 とりわけゴールラインに迫り、失トライをアンストラクチャーからによるものに抑えた前半の戦い方の方向性は間違っていないだろう。桑野も「自分たちのプラン通りにやれば、相手は見えている」と一定の手ごたえを口にする。しかしそこで取りきれない限り、止めきれない限り王者の背中は遠い。集中力を80分間保たせることも課題だ。勝負の秋はすぐそこにある。夏合宿で出た改善点を洗い直し、関東大学対抗戦で早大が躍進することを期待したい。
(早稲田スポーツ新聞会 鈴木泰介)
 
NO・8佐藤穣司ゲームキャプテン(スポ4=山梨・日川)
――この試合を振り返っていかがでしたか
入りはまずまずという感じでしたが、敵陣に入ったところでやろうとしていた徹底や継続ができなくて、スコアまで結びつけられずにそのまま相手に結局(ボールを)取られてしまいました。ペナルティーが多かったので、敵陣に入ったら徹底的に継続してスコアできるようにならないといけないなと思いました。あとはやはりペナルティーをしてしまうと厳しい流れになってしまうなと感じました。
――ディフェンス時に意識されたことを教えてください
まずはしっかりエリアを取っていくということと、敵陣に入ったらボール継続を徹底してやることと、あとは自陣でのセットプレーからのアタックというところです。
――前戦では2対1で相手を抑えることが課題とおっしゃっていましたが、その点に関してはいかがでしたか
前半の入りは良いイメージの部分があったのですが、途中で乱れる部分があり、接点などで1対1の場面を作られてしまうケースがありました。そこで大幅ゲインをくらう部分があったので、そこは80分間通して切れずに意識高くセットして上げてやらなければいけないところですね。
――FWではモールを組んで突破を試みた場面などもありましたが、得点に結びつかなかった要因はどう考えていますか
ペナルティーを犯してしまったことと、全員のゴール前での取り切る意識というところだと思います。
――前回の帝京大戦と比べて何か手応えありましたか
前半はもう少しスコアしたいということと、ディフェンスでもっと継続してやっていかなければと感じました。自分たちがやってきたゴール前でのこだわる部分などで取り切れた部分は評価できるとは思いますが、敵陣に深く入っている時のペナルティーが多く、自滅にもつながるので精度を高めていきたいです。
――秋シーズンに向けて特にチームとして精度を高めていきたいところを教えてください
まずは一次攻撃に関してやブレイクダウンのところ、あとはエリアを確実に取っていくところです。エリア取りを徹底していくことがチームとして固まってきているので、そこをもっと精度を高めていけるように練習からやっていきたいです。
 

ロック加藤広人(スポ2=秋田工)
――本日の試合の感想をお願いします
僕は昨年の対抗戦(関東大学対抗戦)以来の帝京大戦でした。前半の最初の部分は敵陣で戦うことができ、アタックでは敵陣に入り取り切ること、ディフェンスでもしっかり前に出ることができたと思います。それでも一瞬の油断、気を抜いたところでトライを取られてしまいました。前半の敵陣でプレーできたシーンを、前半の途中でも後半でもコンスタントにスタンダードに継続させていきたいです。
――視界が悪い時間帯が多かったですが、どのように感じていましたか
遠くは見えなかったのですが、近くは十分に見えました。そこまで気をつけたことはなかったです。
――ノートライで終わった前半から後半に向けて、ハーフタイムでの指示はありましたか
前半の最初はずっと敵陣で戦うことができたので良かったのです。それでも前半の最後に1本トライを奪われてしまったので、後半も前半のかたちでやっていこうと話していました。
――後半のトライシーンについて、振り返っていただけますか
チーム全体、FWで取ったトライだったと思います。点差もあったので、トライを取れてうれしいというよりは残りの時間で何ができるか、リスタートすることを考えていました。
――7-52という結果について、どのように受け止めていますか
春の帝京大戦では僕はいなかったのですが、約70点くらい失点したと聞いてます。点差は縮まっていますが、僕らのやりたいかたちが全面に出ていた部分、足りていなかった部分がありました。点差を縮めて逆転できるように、秋に向けて練習を頑張っていきたいと思います。
――夏合宿の全体の総評を教えて下さい
僕は春シーズンをUー20日本代表遠征であまりチームにはいられませんでした。7月の期間と夏合宿を経てチームの戦術にフィットできてきた部分があります。そういった部分を踏まえてこれからチームの中心、リーダーとしてやっていけるように頑張りたいと思います。
――秋に向けて抱負をお願いします
春や夏は良い結果は残せませんでしたが、秋に向けてこれから仕上げていき、最後には僕らが勝つことを努力して示したいと思います。
 
ロック桑野詠真(スポ3=福岡・筑紫)
――この試合を振り返ってみていかがでしたか
前半の前半はFWの一対一やセットの部分とかができていたのですが、前半の後半からちょっと抜けてきて、良い継続をすることができなかったです。
――失速してしまった具体的な原因は何だったのでしょうか
まだ分からないですけど、ペナルティーから集中力が切れてしまうことなどが原因だと思います。
――この試合にはどのようなことを意識して臨みましたか
夏合宿でやってきたことをしっかり遂行しようということです。
――夏合宿ではどのようなことをしてきたのでしょうか
エリアを取ることと、敵陣で継続するということ、あとは自陣でのセットプレーを安定させるということです。
――ここ数試合ではラインアウト以外でのリモールがよく見られましたが、それはチームの方針としてやっていることなのでしょうか
そうですね。きょうも一本それで(トライを)取れたので良かったと思います。
――ラインアウトからモールを組むときに、相手に引き倒されてしまう場面が多かったように思いますがなにか対策はあったのでしょうか
本当は引き倒しされる前にかっちり(モールを)組みたかったのですが、相手に対応し切れずに倒されてしまったという感じですね。
――春の帝京大戦と比べてみてこの試合はどのように評価されていますか
自分たちのプラン通りにやれば、相手は見えているので。自分たちのプレーをどれだけできるかというところに懸かっていると思います。
――あと2週間で関東大学対抗戦が始まりますがそれに向けてどのような課題が見つかったでしょうか
明日からオフに入るので、まずはしっかりリフレッシュしたいです。春と夏にやってきたことをしっかり遂行できればチームのレベルアップになると思うので、チームのプラン通りに試合ができるように準備していきたいです。
 

SO横山陽介(スポ2=神奈川・桐蔭学園)
――試合の結果をどう捉えていますか
(トライを)取りきれるところで取りきれなかったのがきょうの結果になっていると思います。
――オフェンスのプランとしてはどのようなものがありましたか
敵陣に入って、相手をゴール前に張り付ける時間をできるだけ増やすことがプランでした。前半の最初の方はできていたのですが、前半の後半では微妙だったのでしっかりやっていかないといけないです。
――敵陣にいながらトライを取りきれなかった要因は何ですか
FWで負けていたことと、BKのサインの選択ミスです。FWが頑張っている間にBKができることもあったのではないかと思います。
――そこの詰めの部分ではどのようなプランがありましたか
プランというよりは、今回の合宿でFWにこだわると決めていたので、結果的によくなかったのですがチャレンジとしてはよかったのかなと思います。
――後半の最初に4トライを練習された要因は何ですか
帝京大は後半の最初から攻めてくるのは分かっていたのですが、受けていしまい早大でやろうとしていたことができなかったのでそこが原因かなと思います。
――ご自身のプレーについてはいかがでしたか
ポゼッションを取れたのはよかったのですが最後の方とかはよくなかったので、後半の最後の最後まで集中を切らさずにキックを蹴ることができるようにしたいです。
――霧の影響はありましたか
とてもありました。ぜんぜんボールが見えなかったですね。
――今回の合宿を振り返っていかがでしたか
結構いい合宿でした。昨年は怪我をしていて初めての合宿のようなものでしたが、総じていい練習ができました。
――秋への意気込みをお願いします
レベルもマックスではないので、1試合ずつ成長していかないといけないと思います。
 
WTB桑山聖生(スポ1=鹿児島実)
――この試合の結果をどのように受けとめていますか
チームとしてはやりたいことがぶれたこと、気を抜いてしまったこと、反則やペナルティーから点を取られてしまったという印象でした。個人としては、1対1では負けていないと感じました。しかし、終盤で外に押し出されたところで高校と大学のレベルの差を感じました。
――攻撃のプランとしてはどのようなものがあったのですか
チームとしてはエリアを重視していました。しっかりキックで陣地を取って、敵陣で前に出ていこうと思ってプレーしました。
――ご自身のプレーを振り返っていかがですか
ディフェンス面では前半は良いディフェンスができたと思います。しかし、前半終盤から前のラインとうまくコミュニケーションをとれないことがあり、前に出ていくディフェンスを遂行しきれませんでした。オフェンス面では、スペースがあるときは自分のランができたと思います。しかし、コンタクトのシチュエーションでのボディコントロールやボールのもらい方はもっと精度を上げられたかなと思います。
――この帝京大戦をひとつのターゲットとしてきたと思いますが、実際に戦ってみてどうでしたか
帝京大は想像以上に強かったです。
――前回はCTBとしての出場でしたが、今回WTBとして出場してみてどうでしたか
やりたいポジションのWTBができたことはよかったのですが、思ったよりもうまくいかなかったです。
――どのようなところを自分の強みにしていきたいですか
スペースがあるときのランは自分の強みだと思っているので、さらに磨いていきたいです。コンタクトのシチュエーションは高校よりも激しいので、そこのレベル上げていきたいです。
――秋への意気込みをおねがいします
(関東大学)対抗戦やイギリス遠征があるので、(全国)大学選手権に向けていい形で試合をしていきたいと思います。どんどん成長していける秋にしたいです。
 

CTB盛田志(スポ4=広島・尾道)
――帝京大戦に向けてどのようなテーマを掲げて挑みましたか
ディフェンスは前で止めて、アタックでは自分たちがやってきたことを出し切ろうとしました。
――ディフェンスでは序盤から前に出られていた印象でしたが、手応えを聞かせてください
やってきたことはできたかなと思います。前半に敵陣でプレーを続けられたのは、ディフェンスで前に出られたからだと感じています。
――攻め込みながら前半は仕留め切れませんでしたが、振り返ってみていかがですか
あそこで点を取れていたら変わっていたと思うのですが、BKとしてはFWを見ているだけだったので、なにかオプションがあればうまくいけたのではないかなと思います。
――敵陣に攻め込んだらFWで攻めるということはゲームプラン通りということでしょうか
そうですね、モールを押し込むということは春の帝京大戦でも通じたので、やろうとしていました。
――失トライのうち何本かは崩されたというよりも、もったいない失点だったように見えました
確かに一瞬切れたところを相手に突かれた感じですね。あれはいらなかったトライです。
――帝京大との差について、どのように感じますか
FWはどう感じたか分かりませんが、BKとしても僕個人としてもっと抜けてもいいかなとは思いましたが、当たり負けてはいませんし、だいぶ手応えとしてはあります。
――春の帝京大と比べ、距離感としては縮まったと思いますか
前で止めて敵陣でプレーするということが前半はできていたので、だいぶ自信になりましたし、これを信じてやっていけばいい方向に進むと感じられました。
――夏から取り組んでいる戦術面の手応えはいかがですか
まだまだですが、少しずつできてきたなと思います。
――この試合でAチームに復帰されましたが、感想を教えてください
Aチームとして帝京大と戦うということで気合いが入っていました。それでも僕は帝京大とは相性がいいので抜けるかなと思っていたのですが抜けなかったので、まだまだですね。
――関東大学対抗戦の開幕まで2週間ほどとなりましたが、どのような点を改善していきたいですか
チームとして気持ちが切れるなどイージーなことはしないということ、それと個人としてはもっと発信をして、自分が中心となれるようにレベルアップしていきたいと思います。