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2024
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vs立教大 『白星飾るも課題の残る開幕戦』

関東大学対抗戦 対立大 9月6日 秩父宮ラグビー場
        
 
 新たな戦いが幕を開けた。昨季は絶対王者・帝京大に敗れ2位で終わった早大。雪辱を晴らすべく、強い気持ちをもって関東大学対抗戦初戦(対抗戦)に挑んだ。高い位置でのタックルを持ち味とする立大に対し、前半で28点差をつけ、後半も好プレーを連発する。しかし、雨が振り出すとミスが目立ち始めスコアは停滞。CTB岡田一平主将(スポ4=大阪・常翔学園)を投入しなんとか追加点を得るも最後の最後で失点を許すなど、課題の残る試合となった。
 
 ケガでSO横山陽介(スポ2=神奈川・桐蔭学園)などの主力を欠くなか、早大フィフティーンは奮闘する。4分、CTB盛田志(スポ4=広島・尾道)が早々に先制トライを挙げると、9分に華麗なパスワークで立大を翻弄(ほんろう)。敵の守備を完全に崩し、格の違いを見せつけた。相手の鋭いタックルや自身の反則により、攻めあぐねる場面もあったが、モールを起点にコンスタントに得点。32分にはルーキーのフランカー宮里侑樹(スポ1=沖縄・名護商工)がショートサイドをうまく走り切り追加点を挙げ、33-5と大差をつけて前半を折り返した。
 
 迎えた後半。スクラムを起点に近場を攻めた宮里がハットトリックを達成すると、勢いそのままにトライを連取。SO杉本頼亮(スポ2=京都・桂)のキックパスからチャンスを作ると、最後はサポートに走ったロック加藤広人(スポ2=秋田工)がインゴールに飛び込むなどして、50-5と大きくリードを広げた。さらに点差をつけたいところだったが、悪天候からかプレーに精彩を欠き、トライの遠い苦しい状況が続く。そんな中、早大に喝を入れたのは途中出場の岡田だった。約3ヶ月ぶりの試合出場を果たした岡田は激しいタックルでチームを鼓舞し、インゴールを叩き割る契機を生み出す。しかし、その後は攻撃の継ぎ穂が見つからずなかなか波に乗れない。ノーサイド間際には、ディフェンスのギャップを突かれてトライを献上。57-12というスコア以上に、課題の散見する開幕戦となった。
 
「レベルが低い」と試合を振り返る岡田。主力の不在や悪天候を差し引いてもミスが多かったことは否めない。ただ、スクラムやモールなど、夏に積んだ努力が確実に現れた部分もあった。うまくはまったときの爆発力の高さも目を見張るものがある。課題をつぶし、長所を伸ばしていけば帝京大をはじめ他の強豪校に打ち勝てるポテンシャルを秘めているのは間違いない。対抗戦を好順位で折り返し、悲願の全国大学選手権優勝を果たすためには、本試合をしっかりと反省し次につなげることが必要不可欠だ。
(早稲田スポーツ新聞会 佐藤諒)
 
後藤禎和監督(平2社卒=東京・日比谷)
――この試合を振り返って一言お願いします
きょうはシーズン初戦ということだったのですが、ただでさえ戦力が少ない中でけが人が多くて、現時点でのワセダの実力っていうのはきょうのメンバー構成としてはこんなものかなといったところです。天候があまり良くない中、今季やろうとしているラグビーが相手レベル関係なしに、上のレベルとやっても通用するラグビーを遂行していこうというところで送り出したのですが、何個かミスも出て、立大の激しいディフェンスを受けて前半はなかなかうまくいきませんでした。後半は積極的にメンバーを変えたのは今週の半ばから遠征を控えているからですが、メンバーを大きく変えた中で違う試合をしてしまったのは致し方ないのかなと思います。
――1年生のフランカー宮里侑樹(スポ1=沖縄・名護商工)選手についてどのように評価していますか
彼の良さっていうのは運動能力の高さで、まだまだラグビーについて知らないというかわかっていないところのある選手です。その中でも彼は俊敏に動き回っているし、ちょっとした不測の事態への反応といった部分で彼なりの良さがあると思います。
――宮里選手について、当初からどんな印象でしたか
もともと彼を高校時代に見たときに運動神経の良さに着目していましたが、沖縄の子にありがちな、ちょっとのんびりしていました。言葉を悪くするとレイジーというか、全然動かず、ここっていう場面だけ狙うような感じで。その点について、そんなのではだめだよとい言って丸1年経って、すごく改善されてきています。
――もう一人の1年生のWTB桑山聖生選手(スポ1=鹿児島実)は早めに交代しましたが
桑山はちょっと疲れていましたね(笑)。まあ、あんなもんじゃないと思います。
――SHの経験者をたくさん入れることで、これを生かすゲームプランというのはありましたか
SHだからという意味ではなくて、岡田(一平主将、スポ4=大阪・常翔学園)なら岡田の良さというように、もっているポテンシャルを最大限に生かすような選手構成は考えてきています。
 

CTB岡田一平主将(スポ4=大阪・常翔学園)
――この試合の結果について、どう受け止めていますか
点差以上に内容が大切なのはもちろんのことですが、雨の中でミスが多くて、レベルが低いですよね。たとえどのような状況でもレベルの高い試合をお互いにできることがベストだと思っています。それに加えて、自分たちの練習してきたことを出せるかどうかが大事なのですが、今回に限っては80分間戦い通すことができず、波がありました。そういうときに誰かが声を出して煽っていけるかがチームの真価なので、リーダーがもっと増えてほしいです。
――立大戦で何かテーマは掲げられていましたか
(関東大学)対抗戦の初戦ということで、チームとしていいスタートを切るためにも激しさを大事にしました。前半の初めから100パーセントで挑むことに集中して、アップを含め準備してきました。
――開始4分で先制トライをマークしましたが、試合の入りについてはどう評価しますか
トライの前にPGを狙われ、結果として相手が外したのですが、やはり入りでは苦い部分もあったかと思います。それでも敵陣に入ってすぐにファーストトライを奪えたことは、いいことかなと思います。
――この試合ではモールやスクラムなどFWの活躍が目立ちました
FWはもっと一人一人が強くなることももちろん大切なのですが、FW8人全員でトライを取り切ることを考えていくと、この試合ではスクラムやモール、ラインアウトといったように、FWのチーム力を高めていけたので、よかったと思います。
――CTB久富悠介選手(文構4=福岡・小倉)を筆頭に好タックルがありましたが、ディフェンスは全体を通していかがでしょうか
危ういところもいくつかあったので、そこはビデオを見て修正したいです。同時にいい部分もあったので、そのようなところは評価をして、80分間足を止めないようにしていきたいです。
――5月末の東海大戦以来、およそ3ヶ月ぶりの対外試合となりましたね
緊張といいますか、「大丈夫かな」という気持ちも正直あったのですが、試合が始まればみなフラットな状況なので、自分がキャプテンとして最前線で体を張ることが大事だと思っていました。いいタックルもあった反面ミスもありましたが、ダイナミックにプレーできたので、悲観的にならずに今後につなげていきたいと思います。
――外から試合を見る時間が多くありましたが、その際はどのような気持ちでしたか
この試合もですが外から見ていると様々なことに気付いてくるので、リザーブとして試合出場の際に修正点を自分が良い方向に持っていければと思い、見ていました。
――間も無く英国遠征がありますが、どのような遠征にしたいですか
自分たちは日本の中でも小さチームです。それでも、日本人として相手の方が大きくて強いことは知っていますし、これから戦う相手も想定してやっていかなければなりません。でかくて強い海外の大学に対してコンタクトで引けをとらないように、レベルアップして帰ってきたいです。
 

NO・8佐藤穣司副将(スポ4=山梨・日川)
――開幕戦ということでしたがどのようなモチベーションで臨まれましたか
初戦ということで緊張もあったのですが、自分たちが練習でやってきたことをやろうということだけでした。尚かつもう後退はできない、レベルアップしていこうと、そのためだけにやってきました。
――試合を振り返っていかがでしたか
やってきたところを途中出せずに、自陣から無理攻めで相手に煽られたり、ペナルティーがあったりして、まだまだ甘いプレーがたくさんありました。天候も悪かったのですが、相手に合わせてやってきたことと違うことをやってしまった部分もあったので、徹底的にやるべきことを遂行していかないといけないなと思いました。
――モールを組んで押し込むというかたちをチームではかなり徹底されていますか
はい、徹底していこうと話しています。
――実際に開幕戦でやってみていかがでしたか
モールで取り切れた部分はいいところでもあるのですが、そこでのもたつきや、焦りがまだ目立つので、焦らず次にいけるようにというところをやっていきたいです。
――チームにはけがをして試合に出られない選手もいらっしゃいますが現状をどのように捉えられていますか
けが人が出ても代わりの選手がAチームもBチームも関係無しにできるようにならないとチーム力は上がらないと思います。けがは本当に付きものだと思うので突き詰めていかないといけないなと。表の選手も裏の選手も関係無しにやっていけることが大事かなと思います。
――ご自身のプレーを振り返っていかがでしたか
まだ少し前に出切れない部分があったり、ディフェンスが甘い部分があったりなどが目立つので、ここからイギリス遠征も経てシーズンが深まっていくのでもっとレベルアップしていきたいと思います。
――イギリス遠征に向けて何か対策はされていますか
今までやってきているところを強い相手、高い相手に対してやっていくというところです。
――次戦に向けては
まずはイギリス遠征に向けてやっていくという感じです。
 

ロック加藤広人(スポ2=秋田工)
――本日の試合の感想をお願いします
後半のメンバーが変わったところでトライを奪われてしまった場面が多かったと感じました。メンバーが変わっても前半のメンバーと変わらないように、力をつけていきたいと思いました。
――ご自身のプレーについてどのように評価していますか
個人としてもチームとしても、まだまだこれからだと感じています。個人の練習やイギリス遠征で修正していきたいです。
――後半は前半とは異なり、自陣にいる時間が多かった印象を受けました。プレー中に考えていたことは何ですか
ミスが多くなっていたので、変わって入ったフレッシュなメンバーを中心に前に出て行こうと考えていました。
 

ロック桑野詠真(スポ3=福岡・筑紫)
――この試合を振り返ってみていかがでしたか
(関東大学対抗戦の)初戦ということで、春夏でやってきたことをしっかり出そうということで話をゲーム前にしていました。ですが、エリアを支配していくといった部分だったりがあまり遂行できなかったかなと思います。
――この試合でもモールでのトライがありましたが、それについてはいかがですか
プラン通りできたと思います。夏でしっかり練習してきたので。その部分を出せたということは大きいと思いますし、もっと強い相手に対しても、モールは武器にしていけると思います。
――この試合を通して、なかなか流れに乗り切れなかった印象だったのですが原因はなんだったのでしょうか
そうですね。一つ一つのブレイクダウンの精度であったり、一人一人のメンタルの持ち方だったり、そういう部分で流れに乗り切れなかったというか、相手に流れがいってしまったときにそれを返せるだけの力がまだ無いのかなと思います。
――ラインアウトは保持率100パーセントでしたね
そうですね。相手が小さかったことと、競ってこなかったので。うまく取れました。
――イギリス遠征はどのような遠征にしたいですか
相手の体が大きいというところに対して、スクラム、ラインアウトがどれだけ通用するのか、通用しなかった場合はどれだけ修正できるのかというところにフォーカスを当ててやっていきたいと思います。
 

フランカー宮里侑樹(スポ1=沖縄・名護商工)
――本日の試合を振り返っていかがでしたか
オフェンスは良いとしてもディフェンスが結構(相手に)行かれた部分があったり、まだ体を当てられていない部分があったりしたことが課題でした。
――夏合宿でフィットネスを強化したいとおっしゃっていましたが、その部分はいかがでしょうか
春の流通経大戦に比べたら走れたかなという印象はありますが、これで満足してはいけないので、もっともっとフィットネスを鍛えていかないとなと思います。
――秩父宮ラグビー場で行われる関東大学対抗戦初戦でしたが、緊張などはされましたか
はい。緊張は毎試合しています(笑)。
――意気込みなどはどのようなものでしたか
まずディフェンスで前に出るという意識と、ブレイクダウンなど自分の課題を解決していこうと思っていました。
――今回3トライを挙げる活躍でしたが、振り返っていかがでしたか
先輩がいろいろ指示してくださって、そこにいただけなので。ただトライを取り切るだけでしたが、トライを取れたのは良かったです。
――特に2本目のトライは相手を振り切り決めていましたが、振り返っていかがですか
あと5メートルくらいのところにいて、これは取らないといけないなというものだったので。ただひたすら前に走りました。
――今回の試合で得た収穫や課題はありますか
良い場所にいられて、トライを取れたことは収穫ですね。ディフェンスで外されたり、体でヒットを当てられないところが今回の課題でした。
――イギリス遠征へ向けての意気込みや目標をお願いします
相手は全員が外国人で、サイズなどいろいろ違う部分があると思います。ですがそれでも低く入って、小さいながらにも通用するように頑張りたいです。
 

SO杉本頼亮(スポ2=京都・桂)
――本日の試合内容を振り返って感想をお願いします
エリアを取るというのを目標にしていたのですが、前半はあまり遂行できていなくて。後半の前半ではできていたので、修正できたところが良かったです。
――ハーフタイムではどのようなお話をされましたか
ブレイクダウンでスピードが全然出ていなかったので、中間層でもブレイクダウンでもスピードを意識してやろうという話をしました。
――タテへの突破を図るプレーが多く見られましたが、意識されていた部分はありますか
雨が降っていたので外よりも強いプレーの方が良いかなと思ってタテにいきました。
――開幕戦となりましたが、どのような意気込みで臨まれましたか
10番でスターターで出ることになったので、ゲームをつくるということを意識しました。
――立大は前半からディフェンスが前に出てくるプレーでしたが、やりにくさなどはありましたか
やりにくさはあったのですが、逆に、出てくるディフェンスのギャップをつくということが自分は得意なので、そこを意識してやりました。
――改善していきたい部分はどのようなところですか
要所要所でミスが多かったので、ミスを減らすというところと、ディフェンスでもアタックでも前に出るところの2点を修正していきたいです。
――対抗戦の個人としての意気込みをお願いします
9番と10番のどちらで出るかわからないのですが、どちらで出ても頑張れるように練習していきたいです。
 

FB滝沢祐樹(基理4=福島)
――試合の結果をどう捉えていますか
初戦ということで気合ももちろん入っていました。相手がどうこうというよりも自分たちが練習してきたこと、帝京大と戦う時にも通用することをやろうということで、最初から反則をしてしまうと帝京大相手には致命傷になりかねないのでそういうところをもう一度見直していきたいです。
――久しぶりのAチームでの出場でしたがいかがでしたか
緊張もあり、楽しみでもありました。まだまだフィットネス不足なのですが、これから走れるようにしていきたいです。
――チームと個人でのテーマはありましたか
敵に関係なくエリアを取っていく、点数うんぬんよりも敵陣にプレーするということをチームとしてやっていました。(ボールを)回したところでミスが出てしまったいうことが多かったので、徹底して自分たちのやってきたことを全員が理解しているということが大事なのではと思います。個人的には、ディフェンスの機会はあまり多くなかったのですが、0点に抑えたかったという部分はあります。
――前半は積極的にアタック参加されていましたが、その面についてはいかがでしたか
アタックで何より突っ切っていくことが僕の仕事だと思っていますし、トライを取りきるというよりも突破口となることを意識してアタックをしました。
――その他ご自身のプレーを振り返っていかがですか
CTBをやっていたのですが、FBに戻ってキックも安定していなかったので練習していきたいです。
――オックスフォード遠征への意気込みをお願いします
強敵である外国人相手にどれだけ前に出られるかということが、帝京大を相手にしたときにつながると思うので、自信をもって今まで練習してきたことを出してレベルアップして帰ってきたいと思います。