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第四回 週刊ワセダラグビー 「学生コーチインタビュー」

第四回「週刊ワセダラグビー」 学生コーチインタビュー 
 
全国ラグビーファンの皆様、こんにちは!
今週の「週刊ワセダラグビー」は、学生コーチ特集です。
 
今年の早稲田では、現役4年生から二人が「学生コーチ」に就任しています。
 
現役の学生が「学生コーチ」として抜擢されることは、我々ワセダラグビーにとってもここ数十年行われていない試みでした。そこで今回は、もともと選手としてアカクロを目指していた渡辺大輝(社4 國學院栃木)と山崎海(スポ4 桐蔭学園)の二人に、学生コーチとなった経緯や心の変化、ラストイヤーをコーチという立場で全うすることに対する意気込みなどを訊いてみました。
 
この特集をきっかけに、ファンの方々には選手だけではなく、「学生コーチ」の二人の活躍にも注目していただければと思います。
 
(2016年4月18日取材)
 
――学生コーチができた経緯・目的について教えてください。
 
渡辺 (ヘッドコーチの)古庄さんからは、日本一を目指すにあたって簡単ではないその道のりの中で、選手達の間に今ひとつ危機感が足らない現状を、俺らがコーチになることで刺激を与え、そこからチームを変えていって欲しい、と言われました。それに加えて、下のチームの指導。早稲田は4年生のチームだから、4年の足掻きというか、本当に日本一になりたいっていう気持ちを下のチームに浸透させて欲しいと。
 
――その4年の足掻きっていうのは学生コーチとして?
 
渡辺 学生コーチに関わらずなんだけど。そこでより日本一への思いを下の学年に対して強く言っていけるのがやっぱ俺らだったのかな、と思う。4年としての危機感とか、焦りっていうのもあるし。で、それをしっかり伝えられるのは、やっぱり現役なんじゃないかなと感じてる。
 
山崎 俺も同じ気持ち。俺は大悟さんから話を聞いたんだけど。大悟さんたちは、チームを勝たせるために日本一への道のりをしっかり伝える。でも、全部見ることはなかなか難しい。そこで、俺ら学生コーチが下級生を中心に見る。4年が見るってことは、卒業した人が見るのとはわけが違う。
 
――現役部員が見るってことに意味があるってこと?
 
山崎 そう。現役の4年生が育成選手チームのコーチになってしっかり教えるってことで、早稲田の活きたDNAを伝えることができると思う。
 
――現役の4年にしか伝えられないものがある。
 
渡辺 去年だと寺川さん(平成28年卒 スポ 福岡高校)みたいな存在。俺らが思うのは、そういう絶対的なリーダーシップを持った人間をいかに増やせるかってこと。そういう人間がいることによってチームは勝ちたいと思うし。自分も去年は、「寺川さんを勝たせてやりたい」とか、そういう思いもあって。そういう意味では、寺川さんが本当に早稲田の4年生ってイメージだった。だから、そういう人間が増えて欲しいと思っている。現状、そういう人間がまだまだ少ないと感じる。
 
山崎 でもそれを伝えるってことは、4年生の中でも誰もができることではないと思っていて、その中で選ばれたのが俺と大輝だった。チームを良い方向にもっていこうと考えたときに、適任者がいたから学生コーチが作られたのだと俺らは理解してる。
 
渡辺 それがたまたま、大悟さんの後輩だった海と、古庄さんの後輩だった俺っていうことに、すごい縁を感じるよね。
 
山崎 そのつながりは俺たちにとって本当に大きい。寮も隣の部屋だし(笑)。
 
――最初はだいぶ混乱してたもんね。
 
渡辺 言われた瞬間は俺も海も真っ白になった。でも古庄さんと話して、納得できた。特に俺は古庄さんには運命的なものを感じていて。高校の時から、個人的に古庄さんは日本一のコーチだと思っている。高校三年間、國學院栃木であの人に教えてもらって感じた事は、あの人の、目標から逆算してやっていくプロセスが緻密で、すべてが理論立っている。あの人は究極のラグビーオタクなんだよ(笑)。
 
山崎 俺も本当にそう思う(笑)。
 
渡辺 俺は一浪して早稲田に入ったんだけど、現役で入っていたら早稲田であの人に会うことはなかった。だから、また早稲田で出会えたっていうのはなんか縁があるんじゃないかなって思う。あの人がいなかったら、俺は今絶対早稲田にいないから。
 
――高校で古庄さんにあったから早稲田を目指したの?
 
渡辺 もともと漠然と早稲田に行きたいっていう気持ちはあった。日本一のチームっていうイメージがあったからね。でも、国栃入ったら早稲田にいける可能性がそんなに高くないのは分かっていた。
 
山崎 俺は逆にそういう思いはなかったかな、小さい頃は。普通に大学まで楽しくラグビーやって、横ラグ(横浜RS)のコーチになるっていうのが俺の将来のビジョンだったから。
 
渡辺 俺が小学校の時初めて見た早明戦に大悟さんと武川さんが出ていて、最後の最後にPGで勝った試合を観戦して、それで漠然とだけど、早稲田かっこいいなって思ったんだよね。だけど花園に行きたい気持ちがあったから国栃を選んだ。正直、国栃にいくと早稲田に行くのは難しいってことは分かってたけど、そこに早稲田出身の古庄さんがいて。そこで早稲田のルートが明確に見えてきた。あの人のコーチングを受けて、ああいうラグビーできるんだったら早稲田行きたいなっていうのもあった。あの人がいなかったら本当に早稲田に俺はいなかった。これは120%の事実。だから、俺は古庄さんがいなかったら学生コーチもやってなかったかな。
 
山崎 俺は逆に、大悟さんだから納得できたかな。
 
渡辺 当然、俺が選手として寺川さんみたいにチームを引っ張っていこうという想いは自分の中にあった。だけど、俺一人がどれだけ足掻いたところで、それが伝染していったとしても、でもそれで日本一になれるかといったらなれないかもしれない。日本一に本当になりたいって思う中で、やっぱり選手だと120分の1の力だけど、コーチとなると、チームに6分の1の影響力を与えられると思う。そういう意味で、チームに大きな影響を与えられるのはコーチの方なんじゃないかなって。もちろんアカクロ着たいっていう想いはあったけど、考え抜いた結果、最後に思ったのは「日本一」になりたいって想いだった。
 
――とてもわかりやすいね。120分の1の影響力か、6分の1の影響力か。
 
山崎 俺は大学では楽しくラグビーできればいいと思っていたんだけど、早稲田に入るチャンスをもらえて、そこでもう一度日本一になりたいと思った。でも入部してすぐに肩を怪我して、正直その思いが一瞬薄れた時期もあった。でも4年になって考え直した時に、最後の一年間、何がしたいかって思った時に、高校一年生の時に花園で全国制覇して、順平さん(平成27年卒 スポ 桐蔭)たちが大喜びしていたあのグラウンドのシーンをもう一回見たいなって。自分たちの代でそういうシーンを作りたいなって。そう思っていた矢先、ちょうどコーチの話がきて。で、大輝と一緒で、チームのために何ができるかって考えた時に、怪我しながらやるよりかは、コーチの方がいいかなって思った。だから、俺は割と腹落ちはした。ただ、その確認と、自分で覚悟を決めるために、話もらってから3日間はかなり悩んだけど、俺の中では決断できてた。
 
――二人とも、なにか運命的な巡りあわせがあったんだね。生きてきたプロセスは全然違うけど、描いている終着点は同じで。歩み方は違うんだけど。
 
渡辺 俺は小学生からコーチにすごく恵まれてた。だから、漠然とコーチが格好いいなってのもあったし、コーチへの憧れもあったんだよね。
 
山崎 ふと考えると勝ち癖があるチームを知ってるのは俺だけだったのかなって。日本一になったチームを身近で見た経験もあって、どういうチームが強いのかなんとなく頭に浮かんでいる。あとは、そのイメージにどれだけ近づけるかだと思っている。
 
――毎日どんなスケジュールでいるの?生活はどう変わった?
 

山崎 痩せた!(笑)。
 
渡辺 上井草にいる時間が長い。寧ろ、上井草にしかいない。
 
山崎 生活の拠点が上井草になったよね。
 
渡辺 選手の時は、早く上井草から出たい、って思ってた。やだやだこの空間って。でもそれも、一日で消えた。あ、もう21時か!みたいな。(笑)
 
――それはもう、仕事みたいになってるの?楽しめてるってこと?夢中で過ごせてるってことなのそれは?
 
山崎 俺はそうだよ。朝8時からミーティングとかあっても、朝起きるのはきついけど。上井草行っちゃうと気づいたら13時とかになってる。あ、昼飯食わないと、みたいな。で、それでまた気づいたら21時じゃんみたいな(笑)。
 
渡辺 夢中8割仕事2割。そんな感じ。仕事って感じるのは、帰りに東伏見の駅着いた瞬間。時計観て、あーもう12時間経ったかーって。
 
――それは激務だね。でも、夢中になれているっていうのは素晴らしいことだね。
 
山崎 この2か月で生活にかなり染み込んでいる。常にラグビーや選手のことを考えている。
 
渡辺 ラグビーを考える時間が、今までの比にならないくらい長い。選手の時も当然ラグビーのこと考えていたけど、空間ってすごく大事で、今は大悟さんとか古庄さんとか、近くにすごい人がいる。その空間にいると、自然とラグビーのことを考えてしまう。あとはコーチとしては1年目だから、必死でコーチングの勉強をしてる。
 
――生活の一部になっているんだね。
 
山崎 あの人たちのラグビーの雑談を聞いているだけでも面白いから、俺はなるべくコーチ部屋にいるようにしている。なんでも吸収したいし。
 
――コーチ部屋のコミュニケーションってどんな感じなの?
 
渡辺 プライベートな話もあるよぜんぜん(笑)。でも古庄さん
とかはずっとラグビー観てるね。
 
山崎 割となごやかだね。でも逆に、ラグビーの時は真剣そのもの。村上さんとかも入ってきて、ひとつの練習メニューでも、色んな方面からめちゃくちゃ考えて、メンタル面とかいろんな意見を取り入れながら完成する。それ以外のオフの時は、普通に楽しいね。
 
――そうなんだ。じゃあ、学生コーチやっていて、大変なこととか、やりがいとかはある?
 
山崎 俺は、一年生とか、今までできなかった奴がちょっと良いプレーすると、嬉しいね。
 
渡辺 俺は、選手たちが自然と俺たちに質問してきてくれるのは、やっぱりやりがいを感じる。コーチとして、聞いてきてくれているんだなって。
 
――最後に、今シーズンの抱負をお願いします。
 
山崎 やっぱり桑野主将の代で日本一を獲りたいよね。その気持ちは選手でもコーチでも決してブレることはないと思う。その中で自分は、選手でもなく、コーチでもなく、学生コーチというあえて中途半端な位置にいたい。だから、もっと選手には相談してきて欲しいし、特に4年生は危機感をもって日々を過ごしてほしい。
 
渡辺 日本一を獲って、「荒ぶる」を歌う。俺はそのために早稲田に入った。この学生コーチっていう決断も、日本一になるための通過点。そういう意味で学生コーチとして、俺たちにしかできない、首脳陣と選手を繋げていくるパイプ役を全うする中で、新しいスタイルを確立させたい。
 
――ありがとうございました!
 
いかかでしたでしょうか。
二人が学生コーチになった経緯やその思い、生活の変化が分かっていただけたのではないでしょうか。二人とも、単にコーチとしてではなく、あくまで現役4年生による「学生コーチ」という立場に非常に拘りをもって取り組んでいます。二人にしか伝えることのできないものがチームに還元されることで、確実に早稲田は日本一に向かって行けると感じています。我々選手一同、彼らと共に日本一を目指していきたいと思います。
 
 
以上、第4回『週刊ワセダラグビー』でした!