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2024

【春季大会東海戦観戦記】ワセダ、26-48で開幕戦を落とす


文:早稲田大学ラグビー蹴球部広報 写真:早稲田スポーツ新聞会提供

長田主将、大田尾監督で挑む新生ワセダが迎えた厳しい船出。

関東大学春季大会の初戦、ホーム上井草で東海と対戦した早稲田は前半をリードして折り返すものの、後半は相手にペースを握られ26-48で初戦を落とした。

序盤、キックオフからプレッシャーをかけた早稲田は敵陣に侵入、相手ペナルティーを引き出しいきなりゴール前ラインアウトを迎える。絶好の先制チャンスだったが、HO川﨑のスローはオーバーとなってしまい東海ボールに。その後、ディフェンスで粘った早稲田は再びゴール前ラインアウトの機会を得るが、またもやラインアウトでミスが出てリズムに乗れない。4分、東海は接点で圧力をかけ早稲田の反則を誘い、連続攻撃からSO武藤がラインブレイク、CTB丸山につないで先制トライを奪う(ゴール失敗)。

反撃に出たい早稲田は連続攻撃で圧力をかけゴール前ラインアウトやスクラムのチャンスを迎えるが、ミスや反則で自ら流れを手放してしまう。16分には東海FB酒井にラインブレイクを許し、パスを受けたCTB丸山にセンター付近まで走られるものの、素早く戻ってきたFL相良がボールに絡みピンチを脱する。

その後もゴール前ラインアウトでミスをするなどなかなかペースをつかめない早稲田だったが、21分、CTB長田のパスを受けたWTB堀尾が抜け出し左中間にトライ。SO吉村のゴールも成功し7-5と逆転。26分にはNO.8田中の突破からSH河村につなぎ早稲田が連続トライ、SO吉村のゴールも決まり点差を広げる。

このまま前半を終えたい早稲田だったが、40分にゴール前ラインアウトからモールを組まれ東海HO土井にトライを許し、14-12とわずか2点リードで後半を迎える。

いいムードで後半を迎えた東海は、ディフェンスラインの裏のスペースを狙ったキックをきっかけに流れをつかみ連続トライを奪い14-26とリードを広げる。

早稲田の反撃は15分、連続攻撃からラック脇の隙をついたFL相良が22メートル付近から抜け出してトライ(ゴール成功)。5点差として逆転を狙うも、逆にモールやPGで点を奪われ後半37分には22点差をつけられてしまう。意地を見せたい早稲田は終盤にFB槇がトライを奪うものの、最後も東海に走られ26-48で黒星スタートとなった。


勝負にタラレバはないが、序盤のセットプレーでミスがなければ試合の流れは大きく変わっていただろう。ただ、スクラムは互角もしくは優勢なシーンもあるなど春の積み重ねを感じさせる部分もあった。また、191センチ・120キロのララトゥブアを筆頭にトップリーグ級のサイズを誇るフォワードに対し接点で前に出られるシーンもあるなど、注力しているフィジカル強化の一端が垣間見えた点も収穫と言える。主将・副将・監督が共通して「春にやってきたことは出た」と言っていた。時間は限られる中、何が通用して何を捨てていくか、それを見極める春シーズンとなるだろう。


攻守で体を張り続けた主将・長田智希(4年・CTB)
ブレイクダウンのところでプレッシャーを受けてしまい、相手ペースの試合となってしまいました。ただ、この春に注力してやってきた自分たちのアタックの形でトライを取れた点はよかったと思います。自分自身、今年は12番になってボールタッチが増え、去年とは役割も変わりましたが、いいイメージを持ってやれています。チームとして練習でやった点はある程度通用しましたが、まだ手をつけていない部分もたくさんあるので、これからも自分たちのラグビーにこだわってやっていこうと思います。


1番に挑戦している副将・小林賢太(4年・PR)
接点で圧を受け、特にラインアウトでミスをして相手に流れを渡してしまったのがよくなかったと思います。個人としては、今年は1番に挑戦していて、まだまだですけどスクラムはやれる感触を少しつかんだ気がします。スクラムをしっかり組みつつ、強みのフィールドプレーをもっと生かしていければと思っています。次の試合に向け、自分たちがこだわり続けるポイントを大切にして、日々の練習に取り組みます。


今季初戦を迎えた大田尾竜彦監督
ラックからのピックアンドゴーや裏のスペースへのキック、そしてモールで相手にスコアされてしまいました。ただ、この春に取り組んでいたことは出た試合だったとも思います。周りからどう見えたかわかりませんが、フィジカルの強い東海に対して接点で前に出れている場面がたくさんあった。カウンターラックをくらった部分もありますが、ここは球出しのテンポとラックにいる選手の意識を変えることで改善できると思います。また、多くの時間を敵陣で進めた前半の吉村のゲームメイク、両FLの仕事量、そして長田の12番は非常によかったと感じました。22メートルに入った時のファーストスクラムやラインアウトで犯した反則やミスがなければ違った展開になっていたかなと。長田の12番や小林の1番など、より強みを生かすためのチャレンジをしていますし、チームの伸びしろを改めて感じた試合でもありました。昨年は試合数が少なく全選手がゲームに飢えていますし、練習で得られないものを試合では得られるので、これからも1試合1試合を大切に、春シーズンを過ごしていきたいです。