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2024

関東大学春季大会/東洋大学戦観戦記

昼下がりの早大・上井草グラウンドにて、関東大学春季大会第3戦が行われた。屈強なFWを擁する東洋大を相手に、早大は「ブレイクダウン」をテーマに掲げ臨んだ。前半序盤、東洋大のFWに押し込まれ、先制を許す。その後、セットプレーで思うように仕掛けられない場面もあったが、ブレイクダウンでターンオーバーするなど、ゲームテーマにこだわり続け接点で引けを取らない。一時、東洋大にリードされたが、22-14で前半を折り返す。後半は、ミスにより連続2トライを奪われ1点差にまで詰められたが、早大のプライドを見せ、48-26で白星を挙げた。

前半は、両者拮抗し、緊張感ある目まぐるしい試合展開となった。前半5分、自陣左ゴール前で東洋大のモールをサックしディフェンスを成功させたが、大きな体躯のFWによる持ち出しを止めきれず、先制を許した。しかし、前半9分には、フッカー佐藤健次(スポ3=神奈川・桐蔭学園)とCTB岡﨑颯馬(スポ4=長崎北陽台)が相手に素早く刺さるタックルからプレッシャーをかけターンオーバーし、流れを引き寄せる。

続く10分にも、相手裏に蹴ったボールをWTB細矢聖樹(スポ3=國學院栃木)と岡﨑がチェイスし、FWも加わってブレイクダウンで圧倒、マイボールにした。その後、SH宮尾昌典(スポ3=京都成章)の素早い球さばきに応えて、最後はWTB矢崎由高(スポ1=神奈川・桐蔭学園)が公式戦初トライをマークする。

前半のセットプレーでは精度に欠けてしまう部分もあったが、19分にモール起点から追加得点を挙げて12-7とリード。前半29分に逆転を許すものの、その直後FB京山秀勇(人4=福岡・東筑)がギャップを突くランで大きくゲインし、最後は細矢がインゴールへ飛び込んだ。その後も得点を重ね、22-14で試合を折り返す。

素早く攻撃を仕掛ける宮尾

後半開始早々、相手ペナルティキックからピンチを迎えたが、ブレイクダウンでターンオーバーし自陣ゴール前から脱出する。7分、エリア中央のラックからプロップ勝矢紘史(スポ2=長崎北陽台)が走りこんでパスを受け取り、ディフェンスラインをブレイク。その後、左へ展開し、矢崎がハットトリックを決める。直後、早大にミスが続いてしまい、1点差にまで追い上げられてしまうが、中盤後半に入って修正されたセットプレーと勢いあるフェーズアタックで2トライを獲得する。

試合終了間際には、ロック細川大斗(社4=東京・早実)が敵陣10メートル付近からゴール前までゲインし、最後はフッカー安恒直人(スポ3=福岡)が押し込んでトライ。最終結果を48-26とし、勝利を収めた。

ビックゲインする細川

フィジカルが脅威となる東洋大相手にブレイクダウンで何度もターンオーバーし、ディフェンスでも前に刺さる低いタックルをみせた早大は、着実な成長を感じさせた。「ブレイクダウンを中心に練習してきたので、みんなの取り組みはよかった」(SO伊藤大祐主将、スポ4=神奈川・桐蔭学園)、「チーム全体で堅実に取り組めてよかった」(岡﨑)と語るように、練習の再現、テーマをこなすことができたのは大きく評価できるだろう。また、前節の課題である修正力に関しても改善を見せた。強度が増した練習によって、展開だけでなく接点も強くなる早大ラグビー蹴球部。進化していく彼らの活躍に期待したい。

文:長野恵治 写真:川上璃々(早稲田スポーツ新聞会)