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2024
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関東大学対抗戦/成蹊大学戦観戦記

時折小雨が降る中、栃木・足利ガスグラウンドにて成蹊大との関東大学対抗戦(対抗戦)第3節が行われた。「ディフェンス、ブレイクダウンにしっかりコミットしよう」(CTB伊藤大祐主将、スポ4=神奈川・桐蔭学園)と挑んだ早大は、激しいプレーで猛攻を仕掛け、前半のみで42得点を獲得。後半も、安定感あるセットプレーを見せトライを量産し、70-7で快勝を収めた。

成蹊大のキックオフで試合はスタート。前半12分、敵陣22メートル地点でのラインアウトから左へ展開。伊藤からFB矢崎由高(スポ1=神奈川・桐蔭学園)へ素早いパスがつながり、ギャップを突いて先制トライを挙げた。直後には、NO8松沼寛治(スポ1=東海大大阪仰星)が自陣から相手を振り切って一気に敵陣奥深くへ前進。インゴールには届かなかったものの、相手のハイタックルでペナルティーを獲得し、ラインアウトモールで押し込みトライ。続く20分、フェーズを重ね、徐々に敵陣に攻め入った早大。LO細川大斗(社4=東京・早実) が22メートルラインまで駆け上がると、サポートに入った松沼がインゴール中央へ飛び込んだ。その後も相手に得点機を与えず、常にマイボールを保持。そして35分に、再びルーキー松沼が魅せる。CTB岡﨑颯馬(スポ4=長崎北陽台) 、伊藤を中心に大きくボールを動かし、展開プレーで相手ディフェンスを翻弄していく。最後は松沼が相手を一人、二人と見事にかわし、ゴール中央にグラウディング。合計6トライを獲得し、42-0で試合は後半へ。

本試合4トライを挙げ、プレーヤーオブザマッチに選出されたNO8松沼

迎えた後半、6分、11分、21分に3連続でラインアウトモールから得点を重ねた早大。「永嶋(FL永嶋仁、社4=東福岡)を筆頭とした5人の4年生FWが中心になって、まとまっていた」と大田尾竜彦監督(平16人卒=佐賀工)も評するように、安定感のあるセットプレーを見せた。30分には、松沼がディフェンスの隙を突き、22メートルラインまで駆け抜けると、パスを受けたFL粟飯原謙(スポ2=神奈川・桐蔭学園)が力強いキャリーでつなぐ。再び松沼がボールを持ち出し、勢いよくインゴールへ飛び込んだ。SO野中健吾(スポ2=東海大大阪仰星) が全10回分のコンバージョンを成功させ、早大は70得点に。終盤に自陣奥深くで反則を取られ、モールからトライを奪われたものの、終始相手を圧倒し、70-7で対抗戦3連勝を飾った。

相手をかわし、キャリーするCTB伊藤

80分間常に主導権を握り、大差で勝利を挙げた早大。しかし、伊藤が「コミュニケーションのミスで、あとちょっとのところでトライを取りきれないシーンが何度かあった」と振り返るように、パスの乱れから好機を生かせない場面が見受けられた。本試合のプレイヤーオブザマッチに選ばれた松沼が、「チームにとってプラスになる仕事を探す必要がある」と意識したように、仲間の動きに対してどう効果的に反応できるかが、今後カギとなる。ただ、本試合は残す対抗戦4試合に向けて、チーム伊藤の可能性、伸びしろが十分に感じられる試合となったことには間違いないだろう。

記事:川上璃々 写真:原旺太(早稲田スポーツ新聞会)