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Beat Up

2024
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春季大会 東海大学戦/観戦記

小雨がちらつく天候の中、愛知・パロマ瑞穂ラグビー場で早大の春季大会2戦目が開催された。対戦相手は東海大。リーグ戦5連覇を誇る強豪に対して、『Beat Up』を体現できるか注目の集まる一戦だ。試合はスタート直後、早大の先制トライで動き出す。その後連続失点を許すも、早大がテンポの速い攻撃で反撃。40-12と点差をつけて前半を終える。後半に入ると東海大のディフェンスに苦しめられ流れに乗り切れない早大。それでも東海大の追い上げを抑えながら着実に得点を重ね、59-26で勝利を収めた。

ゲインラインを突破するHO佐藤健次主将(スポ4=神奈川・桐蔭学園)

早大のキックオフで試合は開始されると、その直後にゲームは動く。東海大が脱出を試みたキックをSO野中健吾(スポ3=東海大大阪仰星)が確保、今試合でスタメンデビューを果たしたFB池本晴人(社2=東京・早実)がボールを受け取りカウンターを仕掛ける。センターライン付近の左サイドでポイントを作ると、早いテンポで逆サイドに展開し、大外で待つWTB鈴木寛大(スポ2=岡山・倉敷)に。今シーズン好調のトライゲッターがライン際を駆け抜け、先制トライを挙げた。しかし流れを掴み敵陣に攻め込む早大に対し、東海大の力強いディフェンスが応戦。攻守が入れ替わる一瞬の隙をつかれゲームを振り出しに戻されてしまう。さらに早大は自陣での守備が続き、粘り強くタックルに入るも崩され連続失点、リードを奪われる。それでも自分たちのペースを崩さなかった早大は、これ以降相手に得点を与えない。攻撃でもSO野中を中心に早大らしいテンポの速いアタックを展開し、前に圧力をかけてくる東海大のディフェンスをハンドリングスキルでかわしていく。自分たちのラグビーで徐々にリズムを取り戻し得点を重ねた。24分には敵陣ゴール前でのスクラムをフォワードが圧倒。東海大のペナルティーを誘い、認定トライを獲得した。終盤は早大のペースで試合を進め東海大に攻撃の隙を与えず、5連続トライで突き放し、40-12と差をつけて前半を折り返した。

ライン際を駆け上がるWTB鈴木

後半、勢いに乗り勝負を決めたい早大に、東海大のディフェンスが強度を上げて襲いかかる。早大は流れを掴みそこね、ゲームは硬直状態に突入。好調だったスクラムでもペナルティーを奪われると、10分には自陣ゴール前のラインアウトからモールを組まれ、最後はショートサイドからインゴールを割られてしまった。東海大の追い上げムードが続く中、粘り強い守備を続けチャンスを伺う早大。反撃に転じたのは後半25分、自陣深くでのディフェンスから相手のミスボールにCTB福島秀法(スポ3=福岡・修猷館)が反応。すかさず裏のスペースへ蹴りこむと、戻りきれない東海大の選手に対して早大のチェイスがプレッシャーをかけボールを獲得。早大の武器であるテンポの速さに東海大のディフェンスは追いつけず、走り込んだPR新井瑛大(教2=大阪桐蔭)から最後はHO佐藤がボールを受け取りゴール中央にグランディングした。小さなチャンスをものにし、スピードのある攻撃で一気に東海大の流れを断ち切った早大。その後も2トライを挙げ、粘る東海大を突き放し、最終スコア59-26で春季大会2戦目を白星で終えた。

力強いボールキャリーを見せるCTB福島

東海大の強力なディフェンスに対して、テンポの速さと展開力を駆使し、巧みな攻撃で計9トライを挙げる活躍を見せた早大。進化した攻撃力の高さを示すゲームになった。一方で、春シーズンに意識して取り組んできたディフェンスに関して、「4トライ取られたという事実は変わらない」(佐藤)と厳しく振り返る佐藤主将。続く3回戦で迎えるのは、大学ラグビー随一の攻撃力を誇る明大だ。『重戦車』を迎え撃つため、守備力の向上は大きな課題となるだろう。春の早明戦を次節に控え、ついに山場を迎える春季大会。チーム佐藤はさらなる躍進を見せることができるのか、今後の動向からも目が離せない。

記事:西川龍佑 写真:清水浬央(早稲田スポーツ新聞会)