青空が広がり、心地よい春風が吹く早大・上井草グラウンドにて、関東大学春季大会・東海大戦が行われた。
春季大会第3節となった今試合、開始早々、モールで先制点を許してしまう。東海大の勢いに苦しめられながらも、ディフェンスの隙を正確に突くアタックで得点を次々と追加した早大は35-17とリードを保って前半を折り返した。
迎えた後半、開始直後に先制トライをあげた早大は、その後も勢いを衰えることなく連続トライに成功。途中出場した選手たちの活躍もあり、さらにリードを広げ73-29で勝利となった。

東海大のキックオフで始まった今試合。開始早々、東海大にモールトライを許してしまう。ここで主導権を渡さなかった早大だが、なかなか反撃のトライを挙げることができない。そんな中、早大にようやくチャンスが訪れる。13分、FWがボールをつなぎ、着実に前進するとSO田中大斗(教2=東京・早実)が50:22に成功。流れを引き寄せた早大はプレッシャーをかけ、東海大のノックフォワードの反則を誘発。スクラムからSH糸瀬真周(スポ4=福岡・修猷館)が持ち出し、素早く展開すると、相手に絡まれながらもLO栗田文介(スポ4=愛知・千種)がゲイン。細かくパスをつなぎ、最後はCTB黒川和音(人4=茨城・茗渓学園)がゴール中央へ飛び込んだ。
20分には東海大に早大のディフェンスのギャップを突かれてしまったものの、FB池本晴人(社3=東京・早実)がインターセプト。相手を交わしながら約30メートルを走り、パスを受け取ったWTB西浦岳優(社2=東福岡)がそのままインゴールへ。
続く22分にはNo.8城央祐(スポ2=神奈川・桐蔭学園)が自らラックから持ち出してブレイク。糸瀬が鋭いステップで相手ディフェンスを交わしながらトライライン目前まで迫ると、HO清水健伸(スポ3=東京・國學院久我山)が押し込み、21-5とリードを広げる。
直後の25分にも城が追加点をあげたが、28分、33分と連続でトライを奪われてしまう。悪い流れを断ち切りたい早大は35分、池本のキックを再獲得すると黒川が細かいステップで相手をかわし、敵陣22メートルまで侵入。糸瀬がボールを素早くさばき、FL田中勇成(教4=東京・早実)がゴール前までボールを持ち込むと、最後は清水がグラウンディング。
前半終了間際には早大のノックオンの反則から自陣深くまで攻め込まれるも、西浦のスティールでピンチを凌ぎ、35-17で前半を折り返した。

迎えた後半は1分、敵陣22メートル手前でのマイボールラインアウトから素早く右に展開した早大。CTB金子礼人(法4=福岡・西南学院)がラインブレイクに成功すると、パスを受けた糸瀬がそのまま先制トライをあげた。
続く4分、10分にそれぞれ清水、西浦がトライを追加したが、その後は互いに粘り強いディフェンスを見せ、なかなかスコアが動かない時間が続く。そんな中、再び試合を動かしたのは早大。20分、敵陣15メートルでのマイボールラインアウトから素早くBKが展開すると、角度をつけて走り込んできたWTB鈴木寛大(スポ3=岡山・倉敷)がブレイク。FWが順に体を当ててフェーズを重ねると、ボールを受けた金子がゴール目前まで前進する。最後は相手ディフェンスを交わしながら再び黒川がトライを決め、スコアは61-17に。
その後は少ないフェーズで互いにトライを奪い合う展開を見せた両者。迎えたノータイム、早大はゴール前のマイボールスクラムで東海大のコラプシングの反則を誘発した。再びスクラムを選択するとアドバンテージの状態でそのままスクラムを押し込み、トライ。池本のコンバージョンキックも決まり、最終スコア73-29でノーサイドとなった。

メンバーが変わりながらも層の厚さを見せつけ、開幕3連勝を遂げた早大。「自分たちがやりたいラグビーの形を体現しつつある」と田中(勇)が振り返るように、難敵・東海大に大差をつけて勝利を収められたことは、チームにとって大きな収穫となっただろう。名だたる強豪との連戦に向け、黒川は「チャレンジャーという気持ちを持って、地に足つけて戦いたい」と意気込む。
まずは次戦(練習試合)、京産大戦へ。関西の伝統校との大一番で勝利を奪い取ってみせる。
記事:安藤香穂 写真:村上結太、大林祐太(早稲田スポーツ新聞会)